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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2017)シンポジウム
プログラム

(「*」印は講演予定者を表す)
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セッション表

表内のセッション名はそのセッション情報にリンクしています.

2017年6月28日(水)

ミリオーネホール羊蹄・大雪末広明石須磨浦島蓬莱石狩・洞爺
開会式 (ミリオーネホール)
13:00 - 13:30
1A  アイデアと思考
13:50 - 15:30
1B  歩行者センシング
13:50 - 15:30
1C  交通流
13:50 - 15:30
1D  マルチメディア
13:50 - 15:30
1E  コンシューマシステム(1)
13:50 - 15:30
1F  ネットワークシステム設計
13:50 - 15:30
1G  農業
13:50 - 15:30
1H  認証
13:50 - 15:30
2A  人と社会
15:50 - 17:30
2B  無線通信(1)
15:50 - 17:30
2C  車車間通信
15:50 - 17:30
2D  安心と安全
15:50 - 17:30
2E  コンシューマシステム(2)
15:50 - 17:30
2F  パケット処理
15:50 - 17:30

2H  秘密計算・秘匿検索
15:50 - 17:30
3A  情報提示
17:50 - 19:10
3B  モバイルアプリケーション
17:50 - 19:10
3C  人流
17:50 - 19:10
3D  アドホックネットワーク
17:50 - 19:10
3E  学習コンテンツ
17:50 - 19:10
3F  ゲーミフィケーション
17:50 - 19:10
3G  データ分析
17:50 - 19:10
3H  匿名化・プライバシー
17:50 - 19:10
夕食(原生林)
19:40 - 21:30



2017年6月29日(木)

ミリオーネホール羊蹄・大雪末広明石須磨浦島蓬莱石狩・洞爺
朝食(ビュッフェ レストラン)
7:00 - 8:30
4A  セキュリティの新たなバリュー
8:30 - 10:10
4B  無線通信(2)
8:30 - 10:10
4C  ITSアプリ・ITS一般
8:30 - 10:10
4D  分散処理・システム
8:30 - 10:10
4E  認識と認証
8:30 - 10:10
4F  会話・対話支援
8:30 - 10:10
4G  生体情報
8:30 - 10:10
4H  ソフトウェアセキュリティ
8:30 - 10:10
5A  交通最適化
10:30 - 12:10
5B  ネットワーキング
10:30 - 12:10
5C  行動とソーシャルメディア
10:30 - 12:10
5D  データ通信
10:30 - 12:10
5E  コンテンツ制作支援
10:30 - 12:10
5F  eコマース
10:30 - 12:10
5G  コミュニケーション
10:30 - 12:10
5H  システムセキュリティ
10:30 - 12:10
昼食・アウトドアセッション
12:10 - 14:10
6A  知的センシングと応用
14:10 - 15:30
6B  地図
14:10 - 15:30
6C  農業とIoT
14:10 - 15:30
6D  シミュレーション
14:10 - 15:30

6F  モチベーション
14:10 - 15:30
6G  IoT・フレームワーク
14:10 - 15:30
6H  セキュリティ意識と行動
14:10 - 15:30
SP  (ミリオーネホール)
特別講演

15:50 - 16:50
DS  (ミリオーネホール)
デモセッション

17:00 - 19:00
夕食(原生林)
19:10 - 21:10
NS  (ミリオーネホール)
ナイトテクニカルセッション
21:30 - 23:00



2017年6月30日(金)

ミリオーネホール羊蹄・大雪末広明石須磨浦島蓬莱石狩・洞爺
朝食(ビュッフェ レストラン)
7:00 - 8:30
7A  ネットワーク品質監視
8:30 - 10:10
7B  行動・状態認識
8:30 - 10:10
7C  サイバー攻撃(1)
8:30 - 10:10
7D  センシングと分析
8:30 - 10:10
7E  映像音声コンテンツ
8:30 - 10:10
7F  情報共有
8:30 - 10:10
7G  スマートフォン
8:30 - 10:10
7H  防災・バリアフリー
8:30 - 10:10
8A  機械学習
10:30 - 12:10
8B  位置推定
10:30 - 12:10
8C  サイバー攻撃(2)
10:30 - 12:10
8D  運用とセキュリティ
10:30 - 12:10
8E  コンシューマデバイス
10:30 - 12:10
8F  ネットワークサービス
10:30 - 12:10
8G  ウェアラブルセンサ
10:30 - 12:10
8H  ユーザブルセキュリティ
10:30 - 12:10
昼食
12:10 - 13:30
閉会式・表彰式(ミリオーネホール)
13:30 - 14:40


論文一覧

(「*」印は講演予定者を表す)

2017年6月28日(水)

セッション 1A  アイデアと思考
日時: 2017年6月28日(水) 13:50 - 15:30
部屋: ミリオーネホール
座長: 斉藤 典明 (NTT)

1A-1 (時間: 13:50 - 14:30)
題名(招待講演) 音響信号による屋内測位技術
著者*杉本 雅則 (北海道大学), 橋爪 宏達 (国立情報学研究所)
ページpp. 1 - 6

1A-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名焦点シフト型ワークショッププログラム: 工学教育機関におけるデザイン思考とシステム思考の短期教育
著者*青木 良輔, 草野 孔希, 井原 雅行, 望月 崇由 (NTTサービスエボリューション研究所), 大島 直樹, 武川 直樹 (東京電機大学)
ページpp. 7 - 16
キーワードデザイン思考, システム思考, ワークショップ
アブストラクト人間中心のアプローチと論理的アプローチが必要となるHCI分野では,デザイン思考とシステム思考が着目されている.しかし,技術研究の専門機関・大学にこれらのアプローチが浸透していない.そこで,若手研究者にデザイン思考とシステム思考の短期学習を促す焦点シフト型ワークショッププログラムを提案する.各ワークショップで,デザイン思考プロセスを反復させながら,このプロセスの中で焦点を当てたステップの内容を濃くしたワークを体験させる特徴を持つ.加えてシステム思考の構造化表現を組み入れることで,品質の高いデザイン思考プロセスにする特徴を持つ.本稿では,提案プログラムをHCI若手研究者に適用し,提案ワークショッププログラムの可能性を探索したことを報告する.

1A-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名アイデア発想におけるツッコミの効用:電子ブレインストーミングにおける批判的発言の活用に関する基礎検討
著者*生田 泰章, 神田 陽治, 西本 一志 (北陸先端科学技術大学院大学)
ページpp. 17 - 24
キーワード電子ブレインストーミング, 発想支援システム, 批判的発言
アブストラクトブレインストーミング(BS)は,これまで企業や教育機関等の様々な場所で,いわゆる「アイデア出し」に用いられてきた.BS参加者は,1)批判厳禁,2)自由奔放,3)質より量,4)結合改善という4つのルールを守りながらできるだけ多くのアイデアを発想することが求められる.しかしながら,このようなルールが設けられているにもかかわらず,BS参加者が批判的な態度を取ってしまう場面にしばしば遭遇する.これは,BSにおいては,突飛なアイデアも歓迎されるため,ついついそのアイデアに対して批判的な発言による「ツッコミ」を入れたくなるのではないかと考えられる.一方,批判的な発言がアイデアの改善に寄与する事例も報告されている.そこで,本研究においては,批判的発言を有効活用してBSで生成されるアイデアの量および質の向上を図るための基礎的な検討を行う.具体的には,電子ブレインストーミングシステム(EBS: Electronic Brainstorming System)に批判のための機能を追加したEBSであるCriticism Climberを提案する.Criticism Climberを用いた実験によって,BS参加者が生成したアイデアに対する批判がどのようなものであるかを確認し,その批判をどのように活用すればアイデアの量を確保しつつ,質の改善につながり得るかの検討を行う.実験の結果,BSにおける批判は8つに分類できることが確認でき,また批判を効果的に活用する方法について示唆を得ることができた.

1A-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名創造会議におけるアイデアの埋没を防ぐテキストチャットシステムの提案
著者*長谷部 礼, 西本 一志 (北陸先端科学技術大学院大学)
ページpp. 25 - 28
キーワードアイデア発想支援, テキストコミュニケーション, 創造会議, 共創支援, 非対面コミュニケーション
アブストラクト企画や開発の現場では,参加者同士でアイデアを出し合う創造会議が行われ,議題に沿った多様な情報やアイデアを提出することが求められる.近年では,オンライン上のテキストコミュニケーションツールを用いた議論も行われる.テキストコミュニケーションでは,マルチスレッド対話状態が発生しやすい.そのため,ある特定のアイデアに関する議論が盛り上がっている状況下でも,その議論に関係のない新規なアイデアが提出されうるが,盛り上がっている議論の中に埋没して,見落とされてしまう事態が生じてしまう.本稿では,創造的会議で案出される新規なアイデアの埋没の問題を防ぐことを目的とした新規なテキストチャットシステムFunnel Chatを提案し,その効果を検証する.


セッション 1B  歩行者センシング
日時: 2017年6月28日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 羊蹄・大雪
座長: 内山 彰 (大阪大学)

1B-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名疎な位置情報と誤差モデルを用いたPDRの補正手法
著者*野 惇登 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧 (名古屋大学未来社会創造機構), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部), 河口 信夫 (名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 29 - 37
キーワードPDR, Compensation, Sparse
アブストラクトスマートフォン上で位置情報を利用するサービスが普及しており,GPSが利用困難な屋内において位置を取得する様々な手法が提案されている.その一つに加速度センサやジャイロセンサを利用するPDR(Pedestrian Dead Reckoning)がある.PDRでは様々な手法が提案されているが,誤差が蓄積するため十分な精度を得られていない. 本研究では,疎な位置情報が得られる状況を想定し,それに基づくPDRの補正手法について提案する.疎な位置情報とは,絶対位置推定手法や通過検出手法等を利用して得られる不連続な位置情報を指す.PDRにおいて誤差を生じる原因を考え,移動距離誤差と角度誤差モデルとドリフト角誤差モデルを定義した.これらのモデルを記述するパラメータを疎な位置情報を用いて更新し,PDRの推定結果に反映する. 検証の結果,移動距離誤差モデル・角度誤差モデル・ドリフト角誤差モデルを併用することで移動距離誤差率,経路長誤差率が10%程度以内に改善された.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1B-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名加速度平面成分を用いた1歩ごとの進行方向推定
著者清水 祥吾 (愛知工業大学), 伊藤 信行 (三菱電機エンジニアリング株式会社), 内藤 克浩, 中條 直也, 水野 忠則, *梶 克彦 (愛知工業大学)
ページpp. 38 - 43
キーワードPDR, スマートフォン, 方向推定, 加速度センサ
アブストラクト一般的なPDRでは,進行方向を角速度センサの値から求めているため横歩きや後退 などの角速度の値が変化しない行動の推定が困難である.そのため人通りが多い ショッピングモールなどでの進行方向が頻繁に変化する場所での長期的な位置推 定が行えない.そこで本研究では,歩行者自律航法(PDR)を利用し屋内環境での加 速度平面成分を用いて1 歩ごとの進行方向推定を行う.進行方向推定には,人が 歩行している際の加速度平面成分に着目した.歩行時の加速度平面成分は進行方 向に対して加速と減速を繰り返すという性質がある. 屋内で直進と横歩きを含むルートを歩いた被験者10 人の加速度データを使用し た評価実験の結果,進行方向の角度誤差の平均は21・程度であった.

1B-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名歩行リハビリ支援のためのセンサ装着杖を介した歩行動作認識手法の提案
著者*高橋 雄太, 音田 恭宏, 藤本 まなと (奈良先端科学技術大学院大学), 荒川 豊 (奈良先端科学技術大学院大学/JSTさきがけ)
ページpp. 44 - 51
キーワードリハビリテーション, 杖, 歩行認識, 歩行距離推定
アブストラクト超高齢化社会の到来によりリハビリテーションでの人手が不足し,効果的なリハビリ支援が行えなくなる可能性がある.効果的なリハビリテーションを行うには,大がかりな装置や専用の環境による歩行評価が必要になるが,人手不足などの要因により高齢者や片麻痺患者のようなリハビリ患者の歩行評価を定期的に行うことは難しい.本研究では日常の歩行をセンサデバイスによってセンシングすることで歩行能力の評価を人手を介さずに行うシステムの構築を目指す.日常の歩行から歩行能力の評価が行えれば,歩行能力の低下の検知,歩行能力の改善度の把握,効果的なリハビリテーション計画が可能となり,リハビリテーションの支援に繋がる.日常の歩行をセンシングするにあたってセンサデバイスの装着位置が重要となるが,我々は利用者の装着時の負担が少なく,片麻痺患者のような非対称な歩行を行う患者の歩行動作の検出が容易となる理由から杖にセンサデバイスを装着することにした.杖に装着したセンサデバイスで歩行評価を行うため,本稿では歩行動作の検出をリアルタイムに行うアルゴリズムと歩行距離を推定する重回帰モデルの構築を行った.構築した歩行動作検出アルゴリズムと歩行距離の推定モデルを評価したところ,歩行動作の検出率は95.56%で,歩行距離の推定精度は83.79%となった.この結果から,杖に装着したセンサデバイスにより歩行動作をある程度の精度で認識できることがわかった.

1B-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名スマートフォンで撮影した近接群衆画像からの混雑度推定手法に関する一検討
著者*河中 祥吾 (奈良先端科学技術大学院大学), 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学/日本学術振興会特別研究員 DC1), 藤本 まなと (奈良先端科学技術大学院大学), 荒川 豊 (奈良先端科学技術大学院大学/JSTさきがけ), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 52 - 57
キーワード混雑度推定, 群衆画像, 画像解析
アブストラクト観光客が快適に観光を行うためには,観光客の趣味嗜好といった比較的静的な情報と目的地及び移動経路の現在の混雑度といった動的な情報の双方を考慮した観光コンテンツを実時間で提供することが求められる. 本研究では,観光中に観光客が無作為に撮影するような近接群衆画像から混雑度を推定する手法を提案する. また,観光客を主な参加者とした参加型センシングを取り入れることで,観光地全体において網羅的に情報を収集することを目指す. 本稿では,近接群衆画像から混雑度を推定するための手法として,カメラのシャッター速度を調節することで生じる残像から人物の移動ベクトルを算出する手法を検討し,実際に撮影した残像画像から23.2 %の精度で移動ベクトルの大きさを求めることができた. 加えて,観光客が無作為に撮影する写真から近接群衆画像がどの程度撮影されるかを14名の参加者に対して観光実験を行い,無作為に撮影された画像から,45.9 [%]の割合で近接群衆画像が撮影されることがわかった.


セッション 1C  交通流
日時: 2017年6月28日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 末広
座長: 石田 繁巳 (九州大学)

1C-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名自動運転車両普及期における渋滞軽減のための車両制御方式
著者*古川 義人 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科 清原研究室), 徳永 雄一 (三菱電機), 斎藤 正史 (金沢工業大学), 清原 良三 (神奈川工科大学)
ページpp. 58 - 64
キーワードITS, 自動運転, 車々間通信
アブストラクト近年,活発な研究開発が行なわれている自動運転には,渋滞軽減効果が期待されている.しかし,全ての車両が自動運転車両になるには長い年月が必要となり,それまでは手動運転車両と自動運転車両の混在環境が生じる.この混在環境では,自動運転車両による渋滞軽減効果が発揮されない可能性がある.本研究では,まず混在環境において生じる問題点を明らかにするための交通流シミュレーションを行なった.その結果,混在環境では自動運転車両は人間の運転者の感覚に沿った運転操作を行なう必要があるため,自動運転車両の効率的な運転操作による渋滞軽減効果が発揮されないことが明らかとなった.そこで,本研究では人間の感覚に沿った運転操作を行ないつつ,渋滞を軽減する手法の提案と評価を行った.

1C-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名路線バスから得られたセンサデータを利用した運行状態分類モデルの評価
著者*米澤 拓也 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科), 新井 イスマイル, 藤川 和利 (奈良先端科学技術大学院大学 総合情報基盤センター)
ページpp. 65 - 72
キーワード交通管理, 機械学習, データ解析, ITS
アブストラクト旅客運送業において運行管理者が安全管理,運行管理の観点から,運行中,回送中といった車両の状態を把握することは重要である.現在,運行管理者が車両の運行状態を把握する際には,運転者が手動で状態をリアルタイムに伝え,また日報として自動記録しており,この操作は運転者にとって大きな負担となっている.本研究では,上記の課題を解決し,運行管理の効率化を実現するために,路線バスから得られるセンサデータを利用した運行状態の自動推定を目的とする.得られるセンサデータは,GPS 情報,車速,エ ンジン回転数,総走行距離,車速といった 7 種類のデータ である.上記のセンサデータに加え,車速の変化量,停留 所との直線距離を新たに特徴量として定義し,本研究にお けるモデルの精度向上を試みる.1日分の運行データセットを訓練データとし,RandomForestを利用した分類器を構築した.分類器と同一路線データセットでの正答率は,イレギュラーな運行でなければ0.97以上と高い精度を示し,提案手法の有効性を示した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
1C-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名交通状況把握のための運転行動の時系列性を考慮した車両挙動分析手法
著者*横山 達也 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
ページpp. 73 - 82
キーワードITS, プローブ情報システム, 車両挙動, センシング, Symbolic Aggregate Approximation
アブストラクト本研究では,ドライバの快適な運転支援に向けた交通状況の把握を目的とした車両挙動の分析を行う.ドライバは走行経路上の交通状況によって快適な運転を妨げられることがある.例えば右折待ちをしている車列が走行経路上に存在する場合,その車列の後続車両は非効率な減速や車線変更を強いられることがある.このような状況を回避するには,ドライバが走行予定経路上の交通状況を把握し,事前に走行する車線を判断する必要があると考える.そこで本研究では,こうした交通状況を形成する車群の挙動を把握するための車両挙動の分析手法を提案する.ここで車両挙動を,ドライバの運転行動の時系列から構成されるものと考える.例えば右折の車両挙動は,車道の右側へ車を寄せ,減速し,ハンドルを右へ切るという一連の運転行動の時系列の結果として成り立つと考える.運転行動の時系列性から車両挙動を分析することは,車群の挙動の把握に有用であると考える.本研究では,車載スマートフォンで収集したセンサデータにSAX(Symbolic Aggregate Approximation)を適用することで,文字列への抽象化を行う.そして,自然言語処理技術であるN-gramにより,車両挙動を表す文字列から運転行動を部分文字列として抽出し,運転行動の時系列性を考慮した車両挙動の分析を行う.分析結果から,車両挙動を構成する特徴的な運転行動の抽出に適した,センサデータの抽象度を決定する文字の種類と,運転行動として抽出される部分文字列の長さの検討を行った.

1C-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名快適な車道推薦のための自転車挙動データを用いた障害物検出手法
著者*武安 裕輔 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
ページpp. 83 - 90
キーワードITS, 自転車挙動, スマートフォン, センシング
アブストラクト近年,自転車通行環境が十分に整備されていないという現状から,自転車利用者が車道を走行する際に,快適に走行できないという問題が生じている.この問題を解決するアプローチとして,どの道路が自転車の走行に適しているかという情報を収集し,共有する方法が挙げられる.自転車の走行の快適性を左右する大きな要因として,路側帯上の障害物の存在が挙げられる.より多くの道路における,障害物の有無や種類などの情報を網羅的に収集するためには,自転車にセンサを設置し,自転車利用者による参加型センシングを行う方法が有効であると考えられる.本研究では,路側帯を走行中に障害物に遭遇した場合,自転車利用者が回避動作を行うことから,その回避挙動に着目する.そして,センサを用いて収集した自転車挙動データから障害物回避挙動を検出することで,障害物を検出することを目的とする.本稿では,快適な車道推薦のための自転車挙動データを用いた障害物検出手法を提案する.提案手法は,複数種類存在する障害物に対する回避挙動の特徴に基づいて,教師あり機械学習により挙動分類を行うことで障害物の有無や種類を検出する.検出には,回避時の自転車の進行方向や車体の姿勢の変化を特徴量として用いた.また,提案手法に用いる特徴量の有効性を検討するために,直線とカーブにおいて,回避挙動がある場合と無い場合の挙動データを用いて,分類精度評価を行った.結果として,今回選定した特徴量を用いることで,高い精度で複数種類の障害物に対する回避挙動を分類できることが示唆された.


セッション 1D  マルチメディア
日時: 2017年6月28日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 明石
座長: 梶並 知記 (岡山理科大学)

1D-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名コミュニティにおける経験共有とインターネットの役割: 着ぐるみ文化を例に
著者*吉岡 大輔, 杉浦 一徳 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科), 中嶋 剛太 (もなか工房)
ページpp. 91 - 96
キーワード着ぐるみ, コスプレ, 経験共有, インターネット
アブストラクト二次元(アニメや漫画)と三次元(現実世界での動き)を融合した2.5次元とも呼べるコンテンツの一つとして,美少女・美少年着ぐるみ(Animegao Kigurumi),具体的にはコスプレや着ぐるみといったコンテンツのキャラクターに扮する活動が広がっている.本研究では,これら着ぐるみを楽しむ環境を拡大していく上で必要となるリテラシーに着目し,それらを1)実世界,2)インターネットの双方を活用することによってコミュニティ内で共有し,経験の共有へとつなげ,着ぐるみを発展させてゆく手法の確立を目指す.具体的には着ぐるみ活動を1)着ぐるみマスク入手・制作過程,2)着ぐるみ体験,3)着ぐるみイベントの参加,の3つに区分し,それぞれにおいて必要となる経験共有を伴ったリテラシーの共有手法について,インターネットを活用した共有基盤,ならびに実世界活動を連携することによって実現した.実証実験としてのワークショップ,イベントを例にネットワークを活用することによって効率的な経験共有を実現し,着ぐるみコミュニティの発展につながっていくための手法を提言する.本研究によって,着ぐるみ活動がより効率的に,かつグローバルに展開することが可能である事が立証できた.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1D-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名演奏会を考慮した吹奏楽団向け電子譜面システムのための譜めくり担当者選定アルゴリズム
著者*飯島 安恵 (千葉工業大学大学院 工学研究科 工学専攻), 森田 陽介 (千葉工業大学大学院 工学研究科 電気電子情報工学専攻), 藤田 茂 (千葉工業大学 情報科学部 情報工学科), 今野 将 (千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科)
ページpp. 97 - 102
キーワード電子譜面, 吹奏楽団, 譜めくり作業, 負荷軽減
アブストラクト近年,iPadなどのタブレット端末の普及にともない,電子譜面アプリケーションの開発が進んでいる.しかし,既存の電子譜面アプリケーションは個人使用を想定して開発されているため,吹奏楽団などで既存の電子譜面アプリケーションを使用した場合,演奏者には紙の譜面を使用する際と同様の負荷がかかると考えられる.本研究では,演奏者にかかる負荷の1つとして譜めくり作業に着目をし,吹奏楽団向け電子譜面システムPEANUTSの提案と試作を行った.譜めくり作業の負荷軽減のために,本研究で提案したモデルとアルゴリズムに基づいて譜めくり作業を行う譜めくり担当者を決定する.PEANUTSの評価実験を行ったところ,譜めくり作業の負荷軽減を確認することができた.しかし,この評価実験では単体の楽曲それぞれでの譜めくり作業の負荷軽減率を算出しているため,実際の吹奏楽団で複数曲を続けて演奏する演奏会などの際の譜めくり作業の負荷は考慮されていない.そのため,PEANUTSを演奏会などで使用する場合,特定の演奏者に譜めくり作業の負荷が偏ってしまう.そこで本研究では,実際の吹奏楽団の演奏会で演奏されたプログラムを考慮した譜めくり担当者選定アルゴリズムの提案を行い,譜めくり作業の負荷軽減について評価実験を行った.その結果,特定の演奏者に譜めくり作業の負荷が偏ることなく,譜めくり作業の負荷が軽減された.

1D-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名カメラを用いた楽器プログラムの提案と演奏可能性の検証
著者*田中 純之介, 勝間 亮 (大阪府立大学工学域電気電子系学類情報工学課程並列分散処理研究グループ)
ページpp. 103 - 109
キーワードカメラセンシング, QPToolKit
アブストラクト本稿では,カメラとマーカを利用した楽器演奏システムを提案する.このシステムに沿った楽器演奏プログラムを実装し,距離,角度,マーカサイズの3つの条件について調べることで既存楽器の奏法での演奏可能性の検証を行うとともに,既存楽器とは異なる三次元モーションによる演奏法を提案する.本稿では,スマートフォンのカメラを用いた楽器演奏アプリの開発を目指し、その前段階としてカメラとPCのみで演奏できる楽器の実装について述べる.これは既存楽器としてカメラの画面内に仮想のピアノ鍵盤を設定し,既存のマーカ位置特定ツールであるQPToolkitを用いて指の位置を認識することで鍵盤を鳴らすというものである.このプログラムの楽器として演奏可能な条件を検証した結果,腕の使い方やマーカの大きさ,角度の違いによる演奏可能性の違いを確認することができた. また三次元モーションによる新たな楽器演奏法を実現できることが確認できた.

1D-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名SDM Ontology: Software Defined Mediaのメタデータ管理のためのOntology
著者*菰原 裕, 塚田 学, 江崎 浩 (東京大学), 曽根 卓朗, 池田 雅弘 (ヤマハ), 高坂 茂樹 (エスイーディー), 新 麗 (IIJ Innovation Institute), 新 善文 (アラクサラ ネットワークス)
ページpp. 110 - 115
キーワードRDF/LOD, OWL, セマンティックweb, オントロジー, オープンデータ
アブストラクトインターネットが広く普及し,全天球カメラのような新しい記録デバイスも登場している現代において,インターネットを前提としたオーディオビジュアルシステムの需要が高まっている.そのような状況において,Software Defined Media(SDM)コンソーシアムでは,オブジェクトベースのメディアとインターネットを前提とした環境における視聴空間の制御を目的として研究を進めている.本研究では,SDMが収録を行なったクラシックコンサートのデータをLinked Open Data(LOD)として保存・公開する為に"SDM Ontology"を作成した.その際,SDMのデータを適切に表現出来るようにクラスの構造やプロパティの種類を議論し,構築を行なった.

1D-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名咽喉音を利用した会話・摂食行動の認識
著者*安藤 純平 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 斎藤 隆仁, 川崎 仁嗣, 片桐 雅二, 池田 大造 (NTTドコモ先進技術研究所 社会センシング研究グループ), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/JSTさきがけ), 西村 雅史 (静岡大学学術院情報学領域)
ページpp. 116 - 123
キーワード行動認識, 咽喉マイク
アブストラクト超高齢社会が現実となり,高齢者の心身の状態,さらにはその家族や生活環境までを含めた関わりを幅広く正確に理解することで,高齢者の健康管理と介護サービスの効率化を実現したいという要望がある.その中でも特に高齢者の「食べること」は嚥下の能力に,「話すこと」は認知能力に関わる重要な行動要素である.本研究では集音マイクと咽喉マイクの 2 チャンネルの音声から会話,摂食行動の検出を行う.提案法では GMM を使って会話・摂食に関連する 詳細行動の識別をフレーム単位で行い,その識別結果を LSTM によって統合することで所望の会話・摂食行動を得る.実環境下において識別結果をヒューリスティックスに基づき時間軸上で平滑化する方法と比べて行動の検出精度を改善できることを確認した.


セッション 1E  コンシューマシステム(1)
日時: 2017年6月28日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 須磨
座長: 撫中 達司 (東海大学)

1E-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名PhoTopicChat: SNS における話題連動画像表示手法の提案
著者*奥原 史佳, 清 雄一, 田原 康之, 大須賀 昭彦 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
ページpp. 124 - 134
キーワードコミュニケーション支援, テキスト解析, Twitter, flickr, SNS
アブストラクト近年,多種多様なSNSが様々な利用シーンで個人や組織に幅広く定着している.中でも単なる連絡のみならず家族や友人間での日常対話のツールとしての利用があり,日常対話の活性化のための仕組みが求められている.本研究では,SNSにおけるグループ内対話を盛り上げることを目的として,対話中に関連性が高く話題性のある画像を表示する仲介システムを提案する.本稿では,本手法のアプローチから想定利用シーン,システム設計の課題を整理し,システムの試作・評価までを示す.実装上の課題には,関連性が高く話題性のある画像取得と対話シーンに沿った取得画像表示があり,これらを実現するための設計上の工夫が本研究の特徴となる.対話は既存SNSのメッセージング機能により展開し,対話内容を取得・解析後,関連画像を探索するアプローチで本システムの設計を考えた.対話内容解析ではMeCabにより形態素解析する際,固有表現の語句を抽出するため作成したユーザ辞書を用いた.画像探索にはFlickr APIとGoogleのWeb検索を利用し,取得画像をスクリーン上へリアルタイム表示した.4つの対話グループによる評価実験において,画像の有無による対話数の比較では本手法による対話数の増加がみられ,また被験者による5段階評価アンケートでは,本手法による対話活性化の効果について約6割が評価4以上の回答であった.

1E-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名画像選別によるツーリング後の思い出振り返り支援システムの開発
著者*杉浦 正太郎, 打矢 隆弘, 内匠 逸 (名古屋工業大学 大学院 工学研究科)
ページpp. 135 - 140
キーワードライフログ, 画像処理, エッジ検出, DCNN, SegNet
アブストラクトライフログとは人の生活や行動をデジタルデータとして記録したものである.近年,ウェアラブル端末による容易なライフログの収集が可能となってきている.このようなライフログの利用法の一つとして情報の振り返りがある.その中でも画像や映像による振り返りは容易で分かりやすい.しかし,自動撮影により長時間の記録を行う場合,画像の数が膨大になり,人の手作業による分類は困難である.本研究では撮影した画像から振り返りに有用と思われる画像を抽出し,ユーザに提示するシステムを提案する. 関連研究では手動での記録ができない場面での想起に価値を見出していると考察されていた.そこで提案システムでは,バイクの運転中を想定する.画像選別システムではブレ・ボケ画像の排除,類似画像の分類,類似画像から有用な画像の抽出を行う.有用な画像の抽出では空の大きな画像を印象的な画像とし,抽出を行った.評価実験では手間の削減を確認した.しかし,枚数が少ないという意見や,空の大きな画像はいいが,それ以外の画像も欲しいという意見が多く,今後抽出基準の検討をしていく必要があることが分かった.

優秀論文賞 / Paper Awards
1E-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名蛍光体を誘導物とする視覚障がい者向け歩行支援システムの提案
著者*藤川 真樹, 橋本 就 (工学院大学), 渕 真悟 (青山学院大学)
ページpp. 141 - 148
キーワード蛍光体, スマート白杖, 光励起, 視覚障がい者

1E-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名遠隔地コミュニケーションにおける感情伝達方法の比較
著者*馮 晨, 池田 悠平 (芝浦工業大学大学院 理工学研究科電気電子情報工学専攻), 菅谷 みどり (芝浦工業大学 工学部 情報工学科)
ページpp. 149 - 153
キーワード遠隔地, コミュニケーション, 生体感情情報, 主観感情情報
アブストラクト相手の感情を推定することで, コミュニケーションを円滑にすることは重要である. 感情の推定には, 様々な方法が提案されているが, 生体情報を用いた感情推定は, その安定的な精度から, 今後多くの応用に利用されることが期待されている. 本研究では, 遠隔地コミュニケーションに導入することの効果について, 検証することを目的とした. 実際に遠隔地コミュニケーションを実施するためのシステムを開発し, 評価を行った. その結果, 主観感情情報のみの評価は生体感情情報のみより有意に高い(p<0.05)結果となった.

1E-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名産業構造の変化を考慮した就業過程の可視化
著者*伊神 聖人, 宇都宮 陽一 (愛知県立大学 大学院 情報科学研究科), 奥田 隆史 (愛知県立大学 情報科学部 情報科学科)
ページpp. 154 - 159
キーワードマルチエージェントシミュレーション, キャリア研究, 人工知能
アブストラクト近年,情報通信技術(ICT)およびに人工知能(AI)の発展により,これまでおこなわれてきた仕事がなくなりつつある. 既存の仕事がなくなっていくため,人々はあらゆる組織で通用する能力を身につけておくべきであるといわれている. そのためには,将来の職場にAIが介入しキャリアを脅かす可能性があるということを認知する必要がある. 個人自らがキャリアへの脅威を認知した上で,自身のキャリアプランを内省し改善することが重要であると我々の研究グループは捉えている. そこで本研究では,個人の内省を促すきっかけとして,個人がもつ様々な属性によって将来のキャリアに影響を及ぼすことをデータあるいはグラフを用いて提示する.


セッション 1F  ネットワークシステム設計
日時: 2017年6月28日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 浦島
座長: 北口 善明 (東京工業大学)

1F-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名ジョブの多様な到着間隔を考慮したフォグコンピューティングにおけるジョブ割り振り戦略の検討
著者*森 友哉, 宇都宮 陽一, 田 学軍, 奥田 隆史 (愛知県立大学)
ページpp. 160 - 165
キーワードフォグコンピューティング, IoT, VCHS待ち行列モデル
アブストラクト近年クラウドコンピューティングを用いた様々なサービスが普及している. しかしながら将来のIoT(Internet of Things)の普及に伴い,現在のクラウドコンピューティングでは低遅延やリアルタイム性の実現が困難になることが危惧されている.このような問題のソリューションの一つにフォグコンピューティングがある.エッジコンピューティングとも呼ばれ,IoTを活用した様々なシステムへの応用が期待されている. フォグコンピューティングはクラウドコンピューティングの発展型でエッジデバイス層とクラウド層の中間にフォグ層と呼ばれる分散処理環境を導入したものである.物理的にはフォグ層はエッジデバイス層に近い距離に位置し,フォグ層にクラウド層の一部の処理を任せることで,低遅延やリアルタイム性の実現を試みる.しかしながらシステムによってリクエストの発生間隔等は多様であり,それらの対処方法は不明確である.本研究では待ち行列モデルを用いて多様な到着をするリクエストに対して,どのようにリクエストをフォグ層,クラウド層に割り振るべきか検討する.

1F-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名Webアプリケーション開発・運用環境構築支援システムの設計と実装
著者*金丸 侑賢 (九州産業大学大学院 情報科学研究科 情報科学専攻), 神屋 郁子, 下川 俊彦 (九州産業大学 理工学部 情報科学科)
ページpp. 166 - 172
キーワード仮想化環境, 環境構築支援
アブストラクトアプリケーション開発においては、開発時に用いる開発環境と、完成後の運用時に用いる運用環境が異なることがあり、運用時に想定外の挙動を示すことが有る。本研究の目的は、開発時と運用時のソフトウェアをできるだけ揃えることで、開発環境で動作したアプリケーションが運用環境でも同じ挙動を示すことである。これを実現するため、仮想計算機技術を用いた。開発環境と運用環境の仮想マシンを、同じイメージファイルを元に作成する。本研究の目的を達成するため、Webアプリケーション開発・運用環境構築支援システム「DAISY」を開発した。本システムは、ソフトウェアの種類とそのバージョンが同一である開発環境と運用環境を容易に構築するシステムである。メニュー選択式でソフトウェア構成を決定し、イメージファイルを作成できる。作成したイメージファイルを元に運用環境となる仮想マシンと、開発環境となる仮想マシンを生成できる。

1F-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名インターネット非接続時における複数NAT越えP2P通信方式による情報共有アプリケーションの提案
著者*田中 有彩 (お茶の水女子大学), 前野 誉 (株式会社スペースタイムエンジニアリング), 高井 峰生 (お茶の水女子大学/UCLA), 大和田 泰伯 (情報通信研究機構), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 173 - 179
キーワードP2P, NAT越え, STUN, TURN, WebRTC
アブストラクト現在, インターネットは人々にとって欠かせない生活の一部となっており, 重要な情報インフラとして広く普及している. 中でも多くの人が通話や電子メール, SNS など, 他の人と連絡を取る手段としてインターネットを利用している. そのため, 災害時のネットワーク設備の物理的破損による通信不能や, 多数の人が一斉に安否を確かめるために発生する輻輳などの通信障害などは, 多くの人々に不安と困惑を招いてしまう. そこで本研究では, インターネット非接続時でも接続時のようにプライベートネットワーク間で NAT 越えを実現し, 無線 LAN に参加している端末同士がメッセージ・ファイルなどのデータ共有を行えるような情報共有システムの構築を目的とする. 本稿では, プライベートネットワーク間で NAT を越えて情報共有を行う通信環境実現性の確認, またそのような環境下で機能するアプリケーション設計の提案を行なった.

1F-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名ネットワーク仮想化を用いたホームネットワーク管理手法の提案
著者*長谷 錦, 今野 裕太, 吉村 悠 (同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻), 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科)
ページpp. 180 - 186
キーワードSDN, ホームネットワーク, OpenFLow
アブストラクト今日ではネットワークはその発展・普及とともに人々の生活において欠かせないものとなっている. 最近では,ネットワークに接続し便利な機能を提供する生活家電などの普及が進んでおり,ホームネット ワークというものの重要度が増している.今後もホームネットワークに接続することでの利用を前提と した機器の増加や,それぞれのサービスの高品質化などによるホームネットワーク内で扱う情報量・種類 の増加は避けられないものとなる.ホームネットワーク内の機器の増加によりネットワークは複雑化し, ホームネットワークの管理は難しくなる.さらにホームネットワーク内のデータ量・種類の増加により, 通信品質の低下という問題が発生する.本稿ではネットワーク仮想化技術の一つであるネットワークス ライスを,SDN(Software-Defined Networking)の代表的な技術である OpenFlow 用いることで実現し, ホームネットワーク内の機器を機能ごとにスライスに振り分け,スライスごとの自動的なネットワーク制 御を行うことでネットワーク知識の浅い人であってもホームネットワークの管理を容易にする手法を提案 する.提案手法を用いることで,ネットワークスライスを用いた自動的なネットワーク制御が可能である ことを証明し,ホームネットワーク内に発生する上述した問題が解決できることを示した.


セッション 1G  農業
日時: 2017年6月28日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 蓬莱
座長: 寺田 努 (神戸大学)

1G-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名高精度な分光画像を収集する撮影システムの検討と評価
著者*増田 貴大, 坂川 涼, 洞井 晋一, 東田 光裕 (西日本電信電話株式会社)
ページpp. 187 - 192
キーワードスペクトルカメラ, 撮影手法, タブレット
アブストラクト本論文では, 圃場において収穫前のトマトの生育をスペクトルカメラによって撮影するための効率的な撮影システムの検討と評価に取り組んだ. まず, スペクトルカメラを固定する三脚キットおよび制御用パソコンを中心とした撮影キットからなる撮影システムを開発し, 屋内撮影で性能を評価した. 本撮影システムを使用することで, 従来に比べて32%の撮影時間短縮ができており, 圃場で分光画像を撮影するのに効果的な事を確認した. その後撮影システムを圃場へ持ち込み収穫前のトマトの分光画像の収集をおこなった結果, のべ30日の撮影で2969枚の分光画像を収集することができた. 次に, 収集した画像の質を評価するために実験室環境で撮影した画像とNDSI 値を指標として比較評価したところ, 実験室環境および圃場それぞれで撮影した分光画像から計算されるNDSI値の差はサンプル全体のNDSI値の変化量に対して小さく, サンプル全体のNDSI値の変化を検証するためには十分な品質が達成されている事を確認した.

1G-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名分光画像を用いたトマトの収穫時期予測に関する研究
著者*東田 光裕, 増田 貴大, 坂川 涼, 洞井 晋一 (西日本電信電話株式会社)
ページpp. 193 - 198
キーワードスペクトルカメラ, 分光画像, 収穫時期予測, 予測関数
アブストラクト農業分野において農業経営の安定化・収益向上が課題となっており,農家にとって収穫時期と収穫量の予測が品質と価格の安定や収穫作業に必要となる労働者数や運搬・発送用資機材のロス軽減などコストの低減につながる.本稿では,果菜類の一つであるトマトを対象にスペクトルカメラにより撮影された分光画像を用いた生育過程の観測と,分光画像の解析により得られたスペクトル特性を利用した収穫時期予測について述べる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
1G-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名深層学習を用いた植物の水分ストレス推定手法の検討
著者*若森 和昌, 柴田 瞬 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/JSTさきがけ)
ページpp. 199 - 206
キーワード農業, 水分ストレス, 機械学習, CNN
アブストラクト近年,熟練農家の経験と勘に基づく高度な栽培技術の形式知化に関する研究が進められている.栽培技術の中でも植物への潅水を適切に制御するストレス栽培は,高糖度な果実を生産でき,農産物市場の活性化に繋がるため,形式知化が期待されている.ストレス栽培の形式知化では,植物が受ける水分ストレスを高精度に推定し,植物への潅水タイミングを適切に定義する必要がある.しかし,植物が受ける水分ストレスは栽培環境に応じて複雑に変化するため,水分ストレスの手軽かつ高精度な推定手法は実現されておらず,既存手法を用いて手軽に高糖度な果実を栽培することは困難だった.本研究では,手軽に収集できる草姿画像に深層学習の一種である畳み込みニューラルネットワークを適用することで,植物の水分ストレスを高精度に推定する手法を検討する.トマト栽培実験環境下で収集したデータを用いて基礎評価を行ったところ,提案手法はOptical Flowと機械学習を用いた既存手法に比べMAEで約21.9%の推定誤差削減を実現でき,ストレス栽培の再現に有効な水分ストレス推定手法であることを確認した.

1G-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名分光画像と機械学習を用いたトマトの収穫時期予測に関する研究
著者洞井 晋一, *増田 貴大, 坂川 涼, 東田 光裕 (西日本電信電話株式会社)
ページpp. 207 - 212
キーワードスペクトルカメラ, ディープラーニング, 収量予測
アブストラクト農作物を効率的に流通・販売するために収穫時期の正確な予測が求められている. 特にトマトの収穫時期を予測することは,様々な要因が複雑に関係しているため困難であることが知られている. 我々はトマトの成熟に伴って変化する成分値変化に着目し,スペクトルカメラによって撮影した分光画像をニューラルネットワークを用いて解析した. 千葉・熊本の協力農家で撮影したトマトの分光画像と,TensorFlowを用いたニューラルネットワークによる解析の結果, 5日前のトマトであれば誤差2日以内で予測可能であることが分かった. また,多段のニューラルネットワークを用いてもそれほど効果は見られず, 糖度などの成分値を反映していると考えられる近赤外線の領域を学習しても大きな効果は見られなかった. これらの結果から,5日より以前の予測精度を高めるためには,ニューラルネットワークの再設計と, トマトそのものの大きさなどを考慮する必要があると考えられる.

1G-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名ウェアラブルセンサを用いた農作業推定アルゴリズムの開発
著者*阿久津 樹輝 (仙台高等専門学校広瀬キャンパス), 千葉 慎二 (仙台高等専門学校ICT先端開発センター)
ページpp. 213 - 216
キーワードウェアラブルセンサ, ICT農業, Iot, 行動推定
アブストラクトICT技術が農業にも応用されている中、ICT機器に不慣れな農作業者には機器の操作が負担となることが少なくなかった.本件では、これまで農作業者の日常的な情報機器操作を必要としていた農作業データ記録を自動化することで、農作業者の負担軽減を実現する手法を提案した.本提案手法では農作業者に加速度を計測するウェアラブルセンサを装着して農作業活動量を測定することで農作業内容を推定する.センサはテキサスインスツルメンツ社のセンサタグCC2560とユニオンツール社のmyBeatを使用した.BLE通信でゲートウェイであるRaspberry Pi3またはAndroid端末にセンシングデータを送信し、MQTTを用いてクラウドサーバ上のMongoDBにデータをアップロードする.MongoDBに蓄積されたデータから主成分分析等の数値解析によって農作業の推定が行われる.本件では農作業者のウェアラブルセンサ装着位置の検討のため、農作業者の複数個所にセンサを装着し、それぞれの計測データを比較検討した.その後、耕起・苗植え・肥料散布の各農作業の推定に提案手法を適用し、センサデータから農作業の判別が可能かを検討した.


セッション 1H  認証
日時: 2017年6月28日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 石狩・洞爺
座長: 沼尾 雅之 (電気通信大学)

1H-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名受信信号強度を用いたデバイス認証における異常値除去手法に関する検討
著者*堀 孝浩 (神奈川工科大学 大学院), 朴 美娘 (神奈川工科大学), 岡崎 直宣 (宮崎大学)
ページpp. 217 - 222
キーワードデバイス認証, ペアリング, 認証, 無線
アブストラクト無線デバイスにおける近接検出技術には,環境音やRFIDセンサを用いたものがある. しかし,近接検出可能な範囲が局所的なことや,なりすましが容易なことが問題である. そこで近年では,受信信号強度(RSS)を用いた近接情報に基づくデバイス認証方式が注目されている. RSSは,数百mの範囲で受信が可能なため,認証範囲が広くなることが期待されている. しかし,電波受信環境によりRSSが連続的に異常値になることも考えられ,この異常値を除去せず近接検出を行った場合,近接検出の精度が低下することが考えられる. 本論文では,10m四方程度の会議室で認証したいデバイスが,室内・室外のどちらにあるのかを,デバイスのRSS情報と,部屋に設置したサーバが受信するRSS情報のコサイン類似度を比較し,近接検出することを想定する. RSSの異常値除去手法として,スミルノフの棄却検定を利用する手法を提案し,その有効性を実験で確認した. 実験の結果,棄却検定を行い異常値除去した場合のコサイン類似度が0.99となり,異常値除去を行わない場合より,コサイン類似度が0.05向上した. これにより,同じ部屋にいるにも関わらず,室外にいると判定される可能性が低くなり,近接検出の精度が向上すると考えられる. しかし,5GHz帯においては,有意な結果は得られなかった.

1H-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名ライフスタイル認証実証実験レポート -MITHRA データセット-
著者*鈴木 宏哉, 小林 良輔 (東京大学), 佐治 信之 (インフォコーパス), 山口 利恵 (東京大学)
ページpp. 223 - 230
キーワードライフスタイル認証, MITHRA, 行動履歴, 位置情報, Wi-Fi
アブストラクトMITHRA(Multi-factor Identification/auTHentication ReseArch)プロジェクトでは,スマートフォンやウェアラブル端末の位置情報等の履歴情報を解析する事でユーザを認証する「ライフスタイル認証」を提案している. ライフスタイル認証とは,近年収集が容易になってきた様々な行動情報データを利用し,データに含まれる個人の行動パターンから抽出される特徴を元に認証を行う手法である. 既存研究では,複数の認証要素のデータを収集したデータセットが無い事から,多要素でのライフスタイル認証の評価は行われて来なかった. また,既存研究の多要素認証の実験は数百人規模でしかなく,多数のユーザに対して有効かどうかの評価が行われていなかった. そこで大規模な多要素認証の検証データセットの構築を目的として,2017年1月から4月までおよそ3ヶ月半の実証実験を実施し,5万人規模のユーザからデータを収集した. 本実証実験で収集したデータは,スマートフォンやウェアラブル端末のセンサーで収集されるデータと,アプリケーションの利用閲覧履歴データから成り,「MITHRAデータセット」と呼ぶ. 本稿では,ライフスタイル認証実証実験の実施方法や収集されたデータについてその詳細を報告する.

1H-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名MITHRAプロジェクトの移動履歴データの解析
著者*疋田 敏朗, 小林 良輔, 鈴木 宏哉, 山口 利恵 (東京大学 情報理工学系研究科)
ページpp. 231 - 238
キーワード移動履歴, 匿名加工情報, 大規模実験, 多要素認証
アブストラクト近年,様々のモノがインターネットにつながり,自動的に多種多様なデータが取得されるIoT時代となっている. 取得される膨大な量のデータはビッグデータと呼ばれ,特に人々の行動を記録したライフログが有名である. これらのセンシングデータを解析することで,人々のライフスタイルを知ることが可能となる. 我々は生活行動のセンシングデータを活用した新しい個人認証技術である,「ライフスタイル認証」を提案してきた.本論文ではMITHRAプロジェクトによる大規模実証実験のセンシングデータの中から移動履歴に着目して,その解析結果を報告する. 従前の研究では履歴データの50%のデータが一意であり,さらに3区間を超えると96%以上の履歴データが一意であること,そのため利用履歴ををそのまま仮名化して用いた場合は個人特定がなされやすい状態であることを示していたが,今回の我々が取得した携帯アプリによる全国のユーザから収集した履歴データでは99%以上が一意であり,殆どの履歴は個人が特定され得る状況であったことが確認できた.

1H-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名MITHRAデータセットでWi-Fi個人認証その1
著者*小林 良輔, 山口 利恵 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 239 - 244
キーワードライフスタイル認証, Wi-Fi, 行動認証, スマートフォン, MITHRA
アブストラクト東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センター次世代個人認証技術講座では,ライフスタイル認証に関する大規模実証実験(MITHRA プロジェクト)を2017年1月〜4月に実施した. 本研究では,この大規模実証実験で収集されたデータセットを,既に提案されているWi-Fi情報を利用した個人認証手法に適用し,その結果を検証した.


セッション 2A  人と社会
日時: 2017年6月28日(水) 15:50 - 17:30
部屋: ミリオーネホール
座長: 井上 創造 (九州工業大学)

2A-1 (時間: 15:50 - 16:30)
題名(招待講演) 感情を介したコンテンツと人とのインタラクション
著者角 薫 (公立はこだて未来大学)
ページp. 245
キーワードアフェクティブコンピューティング, インタラクティブシステム, 人工知能とメディア, ゲームと教育支援

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
2A-2 (時間: 16:30 - 16:50)
題名ユーザ参加型センシングの割り込みに対する応答性調査 〜時空間データとタスク難易度およびユーザ属性による考察〜
著者*松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科/日本学術振興会特別研究員 DC1), 河中 祥吾, 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科), 荒川 豊 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科/JSTさきがけ), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科)
ページpp. 246 - 254
キーワード参加型センシング, 行動変容, 割り込み, 通知
アブストラクトユーザ参加型センシングは,一般ユーザに対しセンシングを依頼することによりデータ収集を行う仕組みであるため,多数ユーザの継続的な参加が重要となる.ユーザの参加促進や,離脱防止のため,体験や金銭といった「報酬」をタスク遂行の対価として与えることで,センシングに参加する``モチベーション''を与える手法が一般に多く導入されている.しかしながら,同じ「報酬」を与えたとしても,タスクを依頼するタイミングやその際のユーザの位置の関係性から,依頼したタスクを遂行してもらえないことが懸念される.このことから,効率の良いセンシングを行うためには,ユーザの時間的・空間的な状況を考慮した上で,タスクの内容やタイミング,依頼先ユーザを決定し,ユーザへの割り込みを行う必要があると考えられる.本稿では,一般ユーザを対象とした14日間の通知実験を通して,タスクを依頼する場所やタイミング,タスクの難易度などを変化させた際の,実環境の情報収集タスクを依頼する割り込み通知に対するユーザの応答性を調査した.本実験では,実験参加者83名に対し1476件のタスクを依頼し,804件の回答データおよび時空間データセットを収集した.収集したデータセットに対し,統計解析を行ったところ,依頼タスクに対する回答率は,タスク難易度およびユーザ属性(未確認通知数,通知の確認頻度)の影響を受けることが明らかとなった.さらに,有効回答率(回答データ内の有効であるデータの割合)は,タスク難易度およびタスク依頼位置・時間帯が影響すること,依頼タスクに対する応答時間は,タスクの難易度が影響することを明らかとした.

2A-3 (時間: 16:50 - 17:10)
題名環境音収集に効果的なインセンティブを与える可視化方式の検討
著者*畠山 晏彩子, 原 直, 阿部 匡伸 (岡山大学 大学院自然科学研究科)
ページpp. 255 - 262
キーワード環境音, クラウドソーシング, インセンティブ, 可視化
アブストラクト大量の環境音データを確保する手法として,街中の人々が所有するスマートフォンを用いて収録をおこなうクラウドソーシングのアプローチが考えられるが,より多くの収録協力者を確保するためには何らかのインセンティブを与える必要がある.本報告では環境音データの収集に協力させるインセンティブとして,データの可視化に着目して実験を行った.約11時間の環境音データを収集し,その等価騒音レベルを可視化した. 可視化を利用する場面を想定し,場面に適した可視化を選択させ,適切な可視化方式,可視化データを利用する場面の影響,環境音収集への参加経験の影響を調べた.可視化方式としては,メッシュ表現が最も好まれた.また可視化された情報が有益なほど,その可視化アプリの利用希望が高くなることが認められた.この関連は場面に依らず見ることができた.さらに,得られる情報の有益性と環境音収録への協力姿勢との間に関連が見られた.また,環境音収録へ参加したことが,環境音データに対する評価を向上させることが明らかになった.具体的な場面の「祭りに参加中」では,リアルタイムに結果が変化する情報が高い評価を得ることが分かった.

2A-4 (時間: 17:10 - 17:30)
題名歩行予測を取り入れた群衆の2相シミュレーション
著者*伊織 瞳 (法政大学大学院 情報科学研究科), 藤田 悟, 廣津 登志夫 (法政大学 情報科学部)
ページpp. 263 - 269
キーワード群衆シミュレーション, 歩行者シミュレーション, 歩行モデリング
アブストラクト近年,安全な都市開発の場面などで歩行者シミュレーションが利用されている.ここでは,歩行者の動きをモデル化して,任意の空間での行動を分析することが可能なことから,その有効性が注目されている.ここで使用される代表的な歩行者モデルとして,Helbingの提唱する歩行者に働く斥力に基づくモデルが挙げられる.しかし,このモデルでは人間的な周囲の歩行者の行動を予測するという行動が考慮されていない.本論文では,各歩行者が数秒後の周囲の歩行者の状態についての予測と,最適な歩行経路探索の2相のシミュレーションをすることによって移動を行う歩行者モデルを提案する.提案モデルを用いた実験の結果,従来モデルにて観測されていた対向者との不自然な接触現象が解消され,いずれの密度においてもスムーズに歩行可能な歩行者が存在する様子を再現することができた.


セッション 2B  無線通信(1)
日時: 2017年6月28日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 羊蹄・大雪
座長: 義久 智樹 (大阪大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
2B-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名複数の無線伝送路を活用した高品質映像伝送に関する一研究
著者*藤橋 卓也 (愛媛大学大学院理工学研究科), 大友 伊織 (大阪大学大学院情報科学研究科), 遠藤 慶一 (愛媛大学大学院理工学研究科), 廣田 悠介 (大阪大学大学院情報科学研究科), 小林 真也 (愛媛大学大学院理工学研究科), 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 270 - 276
キーワード映像配信, 複数無線伝送路
アブストラクトLong Term Evolution (LTE) やWi-Fi などの複数の無線伝送路を映像伝送に利用する技術は,近 年,無線端末への高品質映像配信を実現する方法として注目を浴びている.これまでの研究では,複数の 無線伝送路を映像の高品質化に利用するために,階層映像符号化技術を用いて映像情報を圧縮・伝送して いた.しかしながら,無線端末の移動や電波伝搬環境の変化によって無線伝送路の品質が変動した場合, ビット誤りによる映像品質の急落,量子化による映像品質の一定化が生じる.本研究では,各無線端末が LTE および単一あるいは複数のWi-Fi アクセスポイントから映像情報を受信できるものとする.このと き,各無線端末が映像受信に利用可能な無線伝送路数に応じて映像品質を向上すること,無線伝送路品質 の改善に対して比例的に映像品質を改善することを達成する伝送手法を提案する.提案手法では,デジタ ル映像符号化技術,圧縮センシング,ニアアナログ変調を利用する.デジタル映像符号化技術を用いて圧 縮した映像情報は,多くの無線端末が受信可能なLTE を介して伝送することで,各無線端末に低品質映像 を提供する.また,オリジナルの映像情報と圧縮後の映像情報から取得した残余情報に,圧縮センシング, ニアアナログ変調を利用して複数のWi-Fi アクセスポイントから送信することで,伝送路品質の改善にし たがって映像品質を改善することができる.また,Wi-Fi アクセスポイントから一部の残余情報のみを受 信できるとき,圧縮センシングに基づく復元アルゴリズムを用いることで高品質化を達成することができ る.性能評価から,Wi-Fi アクセスポイントから映像情報を受信できるとき,その伝送路品質に応じて映 像品質を向上できることが分かった.また,無線端末が複数のWi-Fi アクセスポイントから映像情報を受 信できるとき,映像品質を8.2dB 改善できることを明らかにした.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
2B-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名全二重無線データ電力同時伝送を用いた機器内センサネットワークのワイヤレス化の検討
著者*川崎 慈英, 小林 真, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院 情報科学研究科)
ページpp. 277 - 286
キーワード無線センサネットワーク, 無線データ電力同時伝送, 無線全二重通信, 機器内センサネットワーク
アブストラクト機器の設計性,メンテナンス性,軽量化の観点から,機器内センサネットワークの無線化が求められている.機器内センサネットワークの完全な無線化のためには,データ通信と電源供給の無線化が必要である.データ通信と電源供給の無線化を実現するために,本稿では限られた周波数資源の中で無線電力伝送を実現するFD-SWIPT (Full-duplex Simultaneous Wireless Information and Power Transfer)に着目する.具体的には,機器内センサネットワークのための複数アクセスポイントを用いた無線データ電力同時伝送手法FD-SWIPT-mAP (FD-SWIPT with Multiple Access Points)を提案する.FD-SWIPT-mAP は集中制御によるメディアアクセス制御とセンサ端末間の電力不均衡を抑制するためのアクセスポイント割り当てを行うことで,センサデータの収集率を向上させる.計算機シミュレーションの結果,FD-SWIPT-mAPは半二重通信を用いたHD-SWIPTと比較して約30%高いデータ収集率を達成することを示す.

2B-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名CATBSにおける媒介中心性に基づいた貪欲なスケジューリングアルゴリズム
著者*斉藤 明日香 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 287 - 294
キーワード無線メッシュ網, CSMA/CA, 隠れ端末問題, 媒介中心性
アブストラクト近年,無線メッシュ網の研究が注目されている.無線メッシュ網とは,固定された無線基地局により構成されたマルチホップネットワークである.無線メッシュ網では電波干渉を防ぐためにIEEE802.11で採用されているアクセス制御方式であるCSMAが用いられることが多い.しかし,CSMAを用いても隠れ端末問題の影響が残り,電波干渉が起こることで,通信速度が十分に上がらない問題がある. そこで,我々の研究グループではCATBSを提案している.CATBSとは,スロット化CSMAを用いた無線メッシュ網の実現方式の一つであり,CSMAにより近隣ノード間のフレーム衝突を解決する一方,スケジューリングにより隠れ端末の関係にあるノード間の衝突を回避することで,ネットワーク全体でフレーム衝突のない効率的な通信を実現する. しかし,CATBSにおけるスケジューリングアルゴリズムはネットワーク内の端末数に対して指数的にメモリ消費量が増大する問題がある. 本研究では,媒介中心性に基づいた貪欲なスケジューリングアルゴリズムを提案し,現実的な小さいメモリ消費量でCATBSにおけるスケジューリング問題を解く.評価を通じて,提案アルゴリズムにより,小さいメモリ消費量と短い計算時間で,CATBSに近い精度の解を得られることを示した.

2B-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名CATBSにおけるビーコン観測に基づいた高速通信対応スケジューリング法
著者*森 康弘 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 295 - 302
キーワード無線メッシュ網, 隠れ端末問題, Double Disk Model, ビーコン, 自律分散
アブストラクト本研究では,スロット化CSMAに基づいた無線メッシュ網の通信方式であるCATBSのスケジューリング手法を拡張し,自律分散環境で高速通信を行う環境に対応した手法を提案する.CATBSは,MACプロトコルとしてスロット化CSMAを用い,各リンクの通信をスロットに割り当てるスケジューリングを併用することで,隠れ端末問題が発生しない高信頼無線メッシュ網を実現する.しかし,従来のCATBSではスケジューリングに用いる干渉モデルとしてSingle Disk Modelを用いるため,特に高速通信時にはフレームの衝突可能性を適切に把握できず,通信性能が上がらない問題がある.そこで本研究では、干渉モデルとして通信可能距離の他に干渉距離を定めるDouble Disk Modelを導入することで,高速通信時にも衝突をより正確に把握し,より効率の高いスケジューリングを行う.また,自律分散環境で経路制御プロトコルと併用して動作させるために,各ノードで収集できる情報を入力に用いるスケジューリング法を提案する.具体的には,各ノードが周囲のビーコンを観測することにより,各ノードの干渉距離を推定し,これに基づいたスケジュール計算法を提案する


セッション 2C  車車間通信
日時: 2017年6月28日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 末広
座長: 石原 進 (静岡大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
2C-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名狭域交通情報を周辺車両で効率的に共有するための中継車両選択制御と優先送信制御を両立する車車間通信方式の提案
著者*森 拓也, 湯 素華, 小花 貞夫 (電気通信大学/大学院情報理工学研究科)
ページpp. 303 - 310
キーワードITS, 車車間通信, 中継車両選択制御, 中継優先度, 狭域交通情報共有
アブストラクト近年,ドライバに安全性と利便性を提供するために,周辺車両と情報を共有する車車間通信が注目されている.車車間通信では,特に情報をより遠くへ配信させるために適切な車両を選択する中継車両選択制御と,緊急度の高い情報を優先して配信する優先送信制御は重要である.本稿では,これまで別々に検討されてきた両制御を無線LANのMAC(Media Access Control)におけるEDCA機構を用いて両立させる方式を提案した.提案方式ではEDCAにて設けられているAIFSをパケットの緊急度ごとに大きく値を変えることで優先送信制御を実現する.また,送信車両とその周辺車両との間で明確な順序付けを行い,遠い車両をMAC層のコンテンションウィンドウ内のバックオフ時間の少ないSlotに割り当てることにより中継車両選択制御を実現する.提案方式の有効性を検証するため,シミュレーションにより情報の拡散率や配信の遅延時間を評価した.その結果,比較方式と比べ,緊急度の高い情報の拡散率が最大53%向上し,遅延時間を最大600ms以下に抑えられることを示した.また,緊急度の低い情報の拡散率を高めるために,中継する際に複数の情報をひとつのパケットに結合するパケット連結制御を加え,提案方式と比べ緊急度の低いパケットの拡散率を最大約18%向上することを示した.

2C-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名W3C Vehicle APIを用いた複数のアプリケーションからの車両情報取得技術プロトコル
著者*豊田 安信 (慶應義塾大学総合政策学部), 佐藤 雅明 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科), 村井 純 (慶應義塾大学環境情報学部)
ページpp. 311 - 318
キーワードVehicle API, HTML, WEB, コネクティッドカー, WebSocket
アブストラクトVehicle APIは, W3C Automotive Working Groupが策定しているWEB技術を用いてIVI端末を開発するためのAPI群の総称である. Vehicle APIに実現が期待される要素の一つに “複数端末・アプリケーションにおける車両情報取得"が挙げられる.Vehicle APIが採用するWebSocketサーバークライアントモデルでは, 複数のサービスとの通信を非同期的に行うことが可能である.しかし,現行のドラフトでは競合と並行性の問題を示唆しており,それを解消するために必要な技術やプロトコルに関しては想定していないと明記されている. 本研究では, 1つの車両でVehicle APIを用いた複数アプリケーションを運用するために, 2017年1月版のドラフトに準拠する車載システムの設計・実装をおこなった.また,実装した車載システムに対して複数の端末やアプリケーションからの情報取得の実験を行い,現状のVehicle APIのフィージビリティと問題点を明らかにした.本研究により,WEBを用いた情報取得環境を構築する際に留意すべき点と課題が整理され,今後の規格化・標準化についての知見が得られた.

2C-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名協調型ITSにおける携帯網を併用した車車間通信の支援
著者*北沢 昌大, 塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学 情報理工学系研究科)
ページpp. 319 - 324
キーワード車車間通信, CAM, 携帯網, Pub/Subモデル
アブストラクト近年注目されている自動運転の機能はIntelligent Transport Systems(ITS)の1種であり、様々なセンサからの情報、外部からの通信による情報を利用して機能している。ITSの中でも他のITS搭載車との通信によって情報の伝達、共有を行うシステムである協調型ITS(CITS)では送信元の情報が含まれているCooperative Awareness Message(CAM)を用いて他のITS搭載車と通信を行う。これとコンピュータビジョンからの情報によって周囲の車両を認知することができる。しかし障害物によってCAMも届かない、コンピュータビジョンにも映らない死角が存在する。この解決策として CAMを代理で生成し、送信するProxy CAMが考案されている。しかしProxy CAM装置はCAMの標準の通信規格とされているIEEE802.11pを使用しておりこの規格は通信範囲が短い、耐障害性が低いという問題が存在する。本研究ではこれらの問題を解決するためIEEE802.11p に加え広域通信メディアである携帯網を用いることにより、より広域での通信、安定した接続を図った。実験では4Gでのパケットの到達率、遅延を様々な距離、送信周波数で測定した。評価のため、新たに平均遅延を定義し実験結果をもとにそれぞれの平均遅延を求めたところ、4GはCAMの到達率の向上、平均遅延の短縮に効果的であるということがわかった。

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
2C-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名車両位置相互監視によるV2X通信なりすまし検知手法
著者*東 峻太朗, 野村 晃啓 (同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻), 塚田 学 (東京大学大学院情報理工学系研究科), 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科)
ページpp. 325 - 331
キーワードITSセキュリティ, V2X通信, 不正データ検出, 位置情報相互監視, 車両なりすまし行為
アブストラクトV2V通信の発展により,衝突防止支援や追従走行支援といった安全運転支援が実現している.さらに近年では,路車間や歩車間通信の他に,携帯回線を用いたクラウドとの通信も可能となり,これらを総じてV2X通信と呼ぶ. V2X通信を行うことで,自車両の周辺情報をクラウド上で他車両と共有することができる. しかし,不適切な情報がクラウドに与える影響を考慮する必要がある. 自身の車両情報を偽ることで,クラウドを利用したシステムを攻撃することができ,故意に渋滞や事故を誘発することが可能である. 本研究では,V2X通信を行い車両の周辺情報を利用することで,クラウドに集約されるデータから,不正データを検知する手法を提案する. クラウドへの送信データに対し,考え得る脅威や求められる要件を分析し,本研究が取り組むべき問題を明らかにした上で,提案手法の実装による評価を算出する. 結果は不正データを93%検出することができ,さらに提案手法の閾値を増加させることで,検知率を100%にすることもでき,データの信頼性を保証する効果が高まることを示した.さらに,提案手法のフォールスホジティブや実行処理時間を示し,提案手法が実現可能であるかを考察した.


セッション 2D  安心と安全
日時: 2017年6月28日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 明石
座長: 川上 朋也 (奈良先端科学技術大学院大学)

2D-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名ユーザの移動先候補の推定に基づく逐次的なダミー生成による位置曖昧化手法
著者*林田 秀平, 天方 大地, 原 隆浩 (大阪大学 大学院情報科学研究科), Xing Xie (マイクロソフトリサーチアジア)
ページpp. 332 - 339
キーワード位置プライバシ, 位置情報サービス, ダミー位置情報
アブストラクト位置情報サービス利用時にユーザの位置プライバシを保護するための手法として,ダミーによる位置曖昧化手法がある.この手法では,ユーザが位置情報サービスを利用する際,自身の位置情報と同時に複数のダミーの位置情報をサービスプロバイダに送信することにより,ユーザの位置を曖昧化している.これまでに,ダミーを用いた手法に関する研究が数多くなされている.しかし,既存研究は,ユーザは停止することなく移動し続ける,もしくはユーザの移動軌跡が事前に既知であるという非現実的な想定をしているため,実環境への適用は困難である.そこで本研究では,これらの想定を緩和し,ユーザの訪問場所の集合のみを入力とした際に位置曖昧化が可能なダミー生成手法(Estimation-based dummy sub-trajectory generation: Edge) を提案する.Edge は,ユーザの行動プランに関する詳細な入力を必要としないため,ユーザの負担を軽減できる.また,入力された訪問場所の集合から,ユーザの移動先の候補を推定し,逐次的にダミーのトラジェクトリを生成することで,ユーザの移動状況に柔軟に対応する.シミュレーションによる評価実験の結果,Edge は効果的にユーザの位置を曖昧化できることを確認した.

2D-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名ユーザの結託による不正に強いハイブリッドP2P型MMOゲームフレームワーク
著者*松本 和馬 (京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻岡部研究室), 岡部 寿男 (京都大学学術情報メディアセンター)
ページpp. 340 - 346
キーワードP2P, 秘密分散, MMOG, セキュリティ, 結託
アブストラクト本研究では、P2P型MMORPG(Massively Multiplayer Online Role Playing Game)の実現に向けてP2P型フレームワークを採用することで起こりうる不正を調査し、大きく3つに分類した。悪意のある複数のユーザが結託し不正行為を行うことを前提に3つの不正の検出可能性やゲームへの影響などを考察した。 3つの不正を防ぐためには、イベントの処理に必要なデータを秘匿したまま計算する必要がある。そこで、スクランブルというデータに何らかの加工をすることでそのデータが本来何を示すデータなのかをわからなくする処理があることを仮定し、それを利用したフレームワークの評価を行った。 スクランブルに比較的近い性質を持つ秘密分散を利用した方法を考案し、MMORPGフレームワークでの利用を提案した。提案手法、先行研究、スクランブルを利用したフレームワークについて不正に対する評価を行いそれぞれを比較した。

2D-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名避難所における本人確認のための顔認証手法の精度向上
著者*中 進吾 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 中村 嘉隆, 稲村 浩 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 347 - 352
キーワード災害時コミュニケーション, 災害対策・管理, 安否確認, 顔認証
アブストラクト近年,新潟中越地震,東日本大震災,熊本地震などの大地震が起きている.地震が起きた際,安否不明者を特定するため,住民の安否確認は重要である.しかし,従来の安否確認の方法では時間がかかってしまうため,安否不明者の捜索が遅れてしまう.これによって,安否不明者の生存率が低下してしまう.本研究では,避難所での安否確認の方法に顔認証を用いることを提案する.避難所で撮影した顔画像と事前に登録した顔画像を比べて,安否不明者を特定し,早急に安否不明者の捜索を行えるようにする.しかし,経年変化の影響で顔認証の精度が低下してしまう問題がある.そこで,経年変化の影響を受けない特徴量のみを用いることで,認証率を向上させる.

2D-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名エクスターナルグリッドにおける網羅法の処理ノード数増加に対する抑制手法の提案
著者*山口 晃右, 藤橋 卓也, 遠藤 慶一, 小林 真也 (愛媛大学大学院理工学研究科)
ページpp. 353 - 359
キーワードエクスターナルグリッド, グリッドコンピューティング, セキュアプロセッシング, 性能向上, 安全性
アブストラクトネットワークに接続された計算機に処理を分散配置し,安価に高性能な計算資源を獲得するための分散処理技術として,グリッドコンピューティングが知られている.グリッドコンピューティングの中でも,インターネットに接続された計算機を計算資源に利用するものを,エクスターナルグリッドと呼ぶ.インターネットに接続された計算機は無数に存在し,エクスターナルグリッドの利用者は,実質無制限に計算資源を獲得できる.しかし,インターネットに接続された計算機の所有者の中には,不正行為を働こうとする者がいる.このような悪意のある所有者による,エクスターナルグリッドに対する不正行為のリスクを低減する諸技術として,我々はセキュアプロセッシングの研究を行っている.同時に,エクスターナルグリッドを高速化する手法も幾つか提案し,その内の一つに網羅法がある.この網羅法は,安定したエクスターナルグリッドの高速化を実現できるが,計算に参加する計算機の利用数が著しく増加し,エクスターナルグリッドの安全性を低下させる原因となっている.本稿の目的は,網羅法に比べて安全性の高いエクスターナルグリッドの高速化を実現することである.到達目標として,網羅法による網羅法の欠点を補った,エクスターナルグリッドに対する新たな高速化手法を提案する.更に,先行研究で提案された高速化手法と比較して,本稿での提案手法の性能の比較・評価を行い,エクスターナルグリッドの性能向上に寄与することを示す.


セッション 2E  コンシューマシステム(2)
日時: 2017年6月28日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 須磨
座長: 藤川 真樹 (工学院大学)

2E-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名Hybridcast Connect X: 生活行動と番組視聴のシームレスな連携を可能にするアプリケーションフレームワークの提案
著者*大亦 寿之, 池尾 誠哉, 小川 展夢, 山村 千草, 宮崎 勝, 上原 道宏, 藤沢 寛 (日本放送協会)
ページpp. 360 - 369
キーワード放送通信連携, 行動連携, ハイブリッドキャスト, IoT, UXデザイン
アブストラクト放送通信連携という言葉が使われ始めて約15年になるが、現在においても放送とサービスの間には簡単な操作で相互のサービスを利用できないなど、ユーザー体験の観点における課題がある。筆者らは、ネットを活用して放送と様々なサービスを簡単に連携できるようにすることで、番組視聴と生活行動がシームレスにつながる日常生活の実現を目指している。そこで本稿では、テレビとスマートフォンやそのアプリ、そしてIoTデバイスを相互に連携し、様々な事業者がユーザーの行動に応じたコンテンツを提供するためのシステムモデルと、サービスやデバイスを仲介するアプリケーションフレームワーク“Hybridcast Connect X”を設計した。さらに、ハイブリッドキャストの共通コンパニオンアプリへの拡張実装と複数のユースケースの試作に基づく評価により、提案技術の有効性を示した。

2E-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名複合状態編集機能を有する音声対話コンテンツ編集システム
著者*林 晃大 (名古屋工業大学工学研究科), 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学研究科)
ページpp. 370 - 378
キーワードマルチメディアシステム, 音声対話システム, MMDAgent, タブレット端末, 状態遷移図
アブストラクト本研究室ではAndroid 版MMDAgent を用いて携帯端末向け音声対話システムの研究を行っている.MMDAgent は,ユーザ自身が任意に対話シナリオをカスタマイズすることができるという特徴をもつ.FST(Finite State Transducer)ファイルと呼ばれる外部ファイルに対話シナリオを記述し,起動時にFSTファイルを読み込ませるという方法で対話シナリオのカスタマイズを行う.また,本研究室ではFSTファイルの編集が不慣れなユーザでも編集できるように,MMDAgent の対話シナリオをタブレットを用いてタッチ操作で追加・編集できるシステムEFDEを提案してきた.しかし,EFDEは,FSTテンプレートを用いることで定型的な状態遷移を一つの複合状態と扱うことが可能になり,みかけの状態数を削減することができる利点がある.その一方で,非定型的な処理や,割り込みなどを伴う状態遷移を記述しようとすると,状態数が極端に増えてしまう課題があった.これらの課題を解決するために,UMLにおけるexit pointの概念を実装したexit point付き複合状態モデルを提案する.提案システムは複合状態の内部にexit pointを設定可能,内部を状態遷移図に基づいて編集可能にすることで従来システムより自由度の高い編集が可能という特徴を持つ.さらに,提案システムに基づいて実装したプロトタイプシステムを評価実験を行い,提案システムの有用性を評価した.

2E-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名ICTを活用した避難所管理システムの提案
著者*赤坂 幸亮 (神奈川工科大学創造工学部ホームエレクトロニクス開発学科), 天城 康晴 (株式会社ユー・エス・ピー), 山口 高男 (アツミ特機株式会社), 安部 惠一 (神奈川工科大学創造工学部ホームエレクトロニクス開発学科)
ページpp. 379 - 385
キーワードICT, 大規模災害, 避難所管理, ICタグ, バッテリ管理
アブストラクト本稿では,大規模災害発生時,ICT(Information and Communication Technology)を用いて避難者情報を収集し,救援ニーズを含む避難者名簿等を迅速に作成・発信,かつ避難者の在席状況を管理する避難所管理システム(Refuge Management System:以下RMSと呼ぶ)を提案する.避難者が所有する携帯電話のWebブラウザからRMS本体のWebサーバにアクセスし,避難者情報を登録するシステムとした.情報を入力すると,現在避難所に在席している人数を閲覧することが可能である.RMSサーバに収集された避難者のデータは,救援ニーズ及び避難者名簿を自動的に作成し,無線機を使って避難者名簿及び救援要求を災害対策本部へ送信できるシステムとした.またRMSの主電源は鉛バッテリユニットであり,太陽光パネルと接続すると発電した電気を鉛バッテリに充電できるシステムとした.

2E-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名再生可能資源IoT回収システムの実証実験結果について
著者*撫中 達司 (東海大学情報通信学部組込みソフトウェア工学科), 大島 幸司 (日本システムウエア株式会社)
ページpp. 386 - 391
キーワードIoT, スマートゴミ箱, 循環型社会
アブストラクトすべてのモノがインターネットに接続され,新たなサービスが生まれる,モノのインターネット(IoT: Internet of Things)の取組みが広がりを見せている. 本稿では, IoTは循環型社会の実現に向けた取組みであるべきであるという考えのもと, 日本システムウエア蠎劼了抉腓鯑世BigBellyと呼ばれるスマートゴミ箱を国内では初めて東海大学高輪キャンパスに設置し, 再生可能資源(ビン/缶/ペットボトル)の回収について実証実験を行った結果に加え,関連したアンケート結果について報告する.結果として,機器のスマート化に向けた課題が抽出できたことに加え,IoTという技術によってスマートな機器が実現されたとしても,利用者の意識が向上しない限り,本当の意味でのスマートサービスにならないということを改めて確認した結果となった.

2E-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名ロボットを活用した高齢者支援サービス用ネットワークプラットフォーム技術の研究開発
著者*小谷 大祐, 岡部 寿男 (京都大学学術情報メディアセンター), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科), 星野 寛 (株式会社コネクトドット)
ページpp. 392 - 395
キーワードIoTプラットフォーム, ネットワーク制御, ネットワークロボット
アブストラクト社会における高齢者の割合の増加による様々な問題に対応するため、ロボットを活用して高齢者の生活を支援することが考えられる。しかし、高齢者を支援するサービスに関しては、ELSIや高齢者の人権への配慮等多くの領域に跨る課題があり、その課題をサービスの提供者と利用者だけではなく、介護者や社会科学者等と連携しながら共創的に解決しなければならない。さらに、ロボット技術を活用したサービスそのものもビックデータ処理やセンサーネットワークなどを統合した複雑なICT環境に立脚しており、このような環境で各サービスを支えるプラットフォームを開発するには多くの課題を共創的に解決する必要がある。そこで我々は、このようなサービスやプラットフォームの開発をアジャイル型でかつ共創的に行うアジャイル型共創開発手法を定義し、開発し、実践することで、高齢者の活動的で健康的な生活を促進するための、ICT ロボティクスを利用した高度な高齢者支援サービスの開発を可能にすることを目指す ACCRA プロジェクトを欧州と共同でスタートさせた。ACCRA プロジェクトでは、複数のサービスとそれを支えるプラットフォームの研究開発を行う。プラットフォームでは、ロボットや大量のデータが飛び交うネットワークを制御するAPIを、サービスの効率のよい開発や利用を支援できる形で提供することを目指す。


セッション 2F  パケット処理
日時: 2017年6月28日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 浦島
座長: 山井 成良 (東京農工大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2F-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名遅延時間制御の優先パケット破棄の実ネットワークへの適用
著者*花井 雅人, 山口 実靖, 小林 亜樹 (工学院大学)
ページpp. 396 - 401
キーワードTCP fairness, Compound TCP, CUBIC TCP, CoDel
アブストラクトこの近年のネットワークの大容量化に伴い,太く長いネットワーク(ロングファットネットワーク)の帯域を古典的なTCP輻輳制御アルゴリズムであるTCP Renoでは有効に活用することが困難となり,CUBIC TCPやCompound TCPなどの複数の高速TCPアルゴリズムが提案された.これら複数のTCPの提案により,TCP間公平性の課題が生じた.我々はこれらのアルゴリズム間での性能公平性(TCP公平性)に着目し,遅延時間制御を改変することによりTCP公平性を向上させる手法を提案した.本手法は通信機器にて自身を通過するパケットを監視し,ネットワーク帯域の消費が大きい通信の推定を行う.そして,ネットワーク帯域の消費が大きい通信のパケットを優先的に破棄することによりTCP公平性を実現する.また,実験室ネットワークを用いて上記手法の詳細な性能評価を行い,その有効性を示した.具体的には,各種ネットワーク遅延時間の環境におけるスループットと公平性,各種パケット破棄率におけるスループットと公平性,各種通信機器台数や各種コネクション数におけるスループットと公平性を示した.本稿では上記手法を実ネットワークや無線ネットワークに適用し,評価と考察を行う.具体的には,本手法を学内ネットワークに適用しその公平性を評価した結果を示し,本手法が実ネットワークにおいても効果的であったことを示す.また,本手法をIEE802.11ac無線LAN環境に適用し公平性を評価した結果を示し,無線LAN環境においても有効であることを示す.

2F-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名NTMobile機能を持つアダプタの実現方式の検討
著者*尾久 史弥, 納堂 博史 (名城大学 理工学研究科), 鈴木 秀和 (名城大学 理工学部), 内藤 克浩 (愛知工業大学 情報科学部), 渡邊 晃 (名城大学 理工学部)
ページpp. 402 - 408
キーワードNAT越え, 移動透過性
アブストラクト現状のネットワークには様々な制約があるため,これらの制約を排除したエンドツーエンド通信の実現が求められている.エンドツーエンド通信を実現できる有用な技術にNTMobileがある.NTMobile framework(NTMfw)と呼ばれる通信ライブラリを利用するとアプリケーションレベルでエンドツーエンド通信を実現できる.しかし,組み込み型家電やサーバーのようにNTMobileの実装が困難な通信装置が存在する.そこで,本論文では,これらの装置に対して隣接設置することによりNTMobileの機能を付与するアダプタ(NTMA)を提案する.NTMAの実装には,NTMfwの機能を流用した.一般端末とNTMAとの間の通信は,RAWソケットで実現し,NTMAとNTM端末との間の通信は,NTMfwを改造したAPIを介して通信を行う.本アダプタをLinux上に実装し,一般の通信装置に手を加えることなくNTMobileの機能を付与できることを確認した.

2F-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名C言語の通信ライブラリを呼び出すJavaラッパーの実現と評価
著者*清水 一輝 (名城大学), 八里 栄輔 (バレイキャンパスジャパン), 納堂 博史, 鈴木 秀和 (名城大学), 内藤 克浩 (愛知工業大学), 渡邊 晃 (名城大学)
ページpp. 409 - 415
キーワードC言語, Java, 移動透過性, NAT越え
アブストラクトモバイルネットワークの普及に伴い,あらゆるネットワーク環境においても通信を開始することができる通信接続性と通信しながらネットワークを切り替え可能な移動透過性が求められている.NTMobile(Network Traversal with Mobility)は通信接続性と移動透過性を同時に実現する次世代の技術である.NTMobileにはアプリケーションで実現するNTMobileフレームワークという通信ライブラリが存在する.この通信ライブラリはC言語にて実装されているため,使用可能なアプリケーションがC言語に限られていた.そこで本稿では,NTMobileフレームワークをJavaにて利用可能にするラッパーを実現し,評価したので報告する.2種類のJavaラッパーを実現し,両者を比較した.


セッション 2H  秘密計算・秘匿検索
日時: 2017年6月28日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 石狩・洞爺
座長: 菊池 浩明 (明治大学)

2H-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名秘密計算を使ったプライバシ保護ルールベースリスク分析の改良
著者*作本 壮志朗, 金岡 晃 (東邦大学)
ページpp. 416 - 423
キーワードプライバシー保護, 秘密分散, 秘密計算, リスク分析, アッタクツリー分析
アブストラクト現在、企業がネットワークとシステムのリスク分析を行う場合、第3者の専門家にリスク分析の実施を委託することが一般的である。その際、分析を依頼する企業はリスク分析に使用する情報(ネットワーク構成などの機密情報)を第3者の専門家にそのまま渡す。しかし、情報をそのまま渡してしまうと、企業の機密情報が第3者に渡ることになり、漏えいや悪用のリスクが高まる。そこで、企業が持つ機微な情報をそのまま渡さずに秘密計算を利用してリスク分析を行う手法が提案されている。本研究ではそういったプライバシ保護型のリスク分析手法を安全かつ効率的にすることを目的とする。具体的には、Secure Multiparty Computation platformであるSEPIAとリスク分析手法であるMulVALを組み合わせたプロトタイプシステムを実装し、先行研究のシステムと「コンパイル時間、実行時間、表現の自由度」といった項目で比較を行った。その結果、実行時間については同等の性能を実現し、コンパイル時間と表現の自由度においては性能向上を果たした。

2H-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名公的統計への秘密計算適用に向けたミクロデータの統計分析
著者*田中 哲士 (NTTセキュアプラットフォーム研究所), 阿部 穂日 (独立行政法人 統計センター), 高橋 慧, 菊池 亮, 土井 厚志, 千田 浩司 (NTTセキュアプラットフォーム研究所), 白川 清美 (一橋大学経済研究所)
ページpp. 424 - 429
キーワード秘密計算, 統計分析, 線形回帰
アブストラクト公的統計のミクロデータに基づく実証分析により,我が国における社会・経済状況の実態や様々な知見の獲得が期待される.しかし調査対象となった個人または法人その他の団体のプライバシー・機密に係わる情報漏洩の懸念があることから,現在,その利用は限定的である.特に懸念される情報漏洩のリスクは,(1) ミクロデータへの不正なアクセスまたは過失等による情報漏洩,(2) 分析に利用するミクロデータや分析結果からの特定の個人や法人等の識別,が挙げられる.本研究では,前記(1) の対策として,データを暗号化したまま所望の分析を可能とする秘密計算技術の統計分析への適用,特に,公的統計の分析でよく用いられている多変量解析に対する秘密計算の適用について検討する.具体的には,多変量解析の一手法である線形回帰分析が,秘密計算で高速に実行できる総和や内積から計算可能であることを利用し,線形回帰分析を行う効果的な秘密計算手法を提案する.さらに提案手法を実装し,十分実用的な処理時間で実行可能であること,かつ分析結果を正しく得られることを実証した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
最優秀論文賞 / Best Paper Awards
2H-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名プライバシ保護ゲノム解析のための秘密計算フィッシャー正確検定の実装評価
著者*長谷川 聡, 濱田 浩気 (NTTセキュアプラットフォーム研究所), 三澤 計治 (東北大学東北メディカル・メガバンク機構 東北大学大学院医学系研究科), 千田 浩司 (NTTセキュアプラットフォーム研究所), 荻島 創一, 長 正朗 (東北大学東北メディカル・メガバンク機構 東北大学大学院医学系研究科)
ページpp. 430 - 437
キーワードプライバシ保護, 秘密計算, フィッシャー正確検定, GWAS

2H-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名完全準同型暗号を用いたゲノム秘匿検索の分散処理によるクラウド環境下での高速化実験
著者*山本 百合, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 438 - 443
キーワード完全準同型暗号, 分散処理, クラウドコンピューティング, ゲノム秘匿検索
アブストラクトゲノムデータを用いた計算の方法として,データ資源を外部に委託するゲノムデータ委託計算システムが提案されている.しかし,個人ゲノムのプライバシ保護の観点から,データの外部委託の際には暗号化によるデータの秘匿が必要となる.先行研究では,完全準同型暗号をクライアント・サーバ型のゲノム秘匿検索に適用し,将来的に複雑な演算にも対応可能なアルゴリズムの高速化を進めている.しかしながら,完全準同型暗号演算の計算量が大きいために,サーバ側での計算量が大きくなりやすい.本研究では,従来手法のサーバ側での演算に対してマスタ・ワーカ型の分散処理を適用することで高速化を行い, クラウドコンピューティングを想定した環境下での実験を行った.また実験結果から高速化率を算出し, アムダール則に基づいた考察を行う.

2H-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名秘匿検索の頻度分析対策としての複数DB活用について
著者*伊藤 隆, 平野 貴人, 森 拓海, 服部 充洋 (三菱電機)
ページpp. 444 - 451
キーワード暗号, 検索可能暗号, 頻度分析攻撃, 分散DB
アブストラクト秘匿検索(検索可能暗号)は,ユーザがデータセンタに登録した暗号化データを,暗号化したままで検索するための技術である.秘匿検索では,暗号化キーワードの頻度からキーワードを推定する頻度分析攻撃に対抗するため,確率的暗号を用いるなどして頻度情報を隠ぺいする.しかし,秘匿検索システムが運用されて検索が行われると,キーワードの同一性や頻度情報が徐々に漏れるため,最終的には頻度分析攻撃が可能になるという問題があった.本論文では,暗号化データを複数データセンタのいずれかに振り分け,この際各データセンタにおける頻度分布が撹乱されるよう工夫することで,効率面でのオーバーヘッドを生じることなく,頻度分析対策を実現する方式を提案する.また,提案方式による頻度分析耐性の向上を,攻撃者によるキーワード推定の的中率に基づいて評価した結果,都道府県名を秘匿する例で的中率を78%から17%に低減できるなど,安定した効果を持つことが確認できた.


セッション 3A  情報提示
日時: 2017年6月28日(水) 17:50 - 19:10
部屋: ミリオーネホール
座長: 寺島 美昭 (創価大学)

3A-1 (時間: 17:50 - 18:30)
題名(招待講演) 製造業におけるIoT - 現状と将来
著者松田 規 (三菱電機株式会社)
ページpp. 452 - 458
キーワードFactory Automation

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3A-2 (時間: 18:30 - 18:50)
題名音声フィードバックによる足圧バランス矯正システムの設計と実装
著者*西山 勲 (神戸大学大学院工学研究科), 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科/科学技術振興機構さきがけ), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 459 - 466
キーワード音声フィードバック, 足圧, ランニング, 左右差
アブストラクトランニングをすることで起こる障害の要因として,下肢にかかる負荷が左右で異なることが挙げら れる.左右で動作が均等な運動であるランニングにおいて,片方の足ばかりに負担のかかる走り方を続け ていては,パフォーマンスの向上が臨めないばかりか,故障のリスクが生じる.本研究では,この下肢に かかる負荷を,インソール型の圧力センサを用いて足圧を計測することで抽出し,その軽減を行うシステ ムの実現を目指す.本稿では,ユーザの足圧を変化させるアプローチとして,現在の足圧に対応して変化 させる音声フィードバックを用いる手法を提案する.音の変化として音の高さの変化,出力するタイミン グを変化させた場合の2 種類の評価実験をランニングを対象として行い,音を変化させる前後での足圧の 変化を計測し,足圧に対して即時的に効果を及ぼすのに有効な音の変化方法について調査した.結果とし て音の変化の影響を受ける被験者と変化したのをふまえて元の走行状態に戻そうとする被験者がみられ, 音の変化の認識のしかたは被験者ごとに分かれた.

3A-3 (時間: 18:50 - 19:10)
題名心理的影響を考慮した競争情報フィードバックによるモチベーション制御手法
著者*双見 京介 (神戸大学大学院工学研究科), 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科/科学技術振興機構さきがけ), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 467 - 478
キーワード健康, モチベーション, 競争, 心理的影響, 情報提示
アブストラクト近年,コンピューティング技術を用いたモチベーション制御手法として競争を利用したものがヘルスケアなど様々な分野で開発されている.しかしながら,既存手法には競争による心理的影響を考慮しきれていないという問題がある.そこで,本研究では心理的影響を考慮した競争情報を用いたモチベーション制御手法を提案する.本稿では,まず日常の運動モチベーション向上を対象とし,競争においてモチベーションに影響する要因である,努力量に対する競争結果,競争相手との成績差,競争参加人数の3点による心理的影響への配慮をシステム設計に内包させた競争システムを開発する.提案システムでは活動量計から得た歩数を基にして,モチベーションに良い効果を与えるように補正された競争結果がフィードバックされる.プロトタイプシステムを用いた評価実験では,合計82 名の6 週間にわたる3 種類の実験を通して提示情報による歩数への効果を測定し,提案手法の有効性を確認した.


セッション 3B  モバイルアプリケーション
日時: 2017年6月28日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 羊蹄・大雪
座長: 新井 イスマイル (NAIST)

3B-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名サッカートラッキングデータの時空間的関係を考慮したプレー認識手法の検討
著者*今井 友揮, 内山 彰 (大阪大学大学院情報科学研究科), 馬込 卓弥 (大阪大学大学院医学系研究科), 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 479 - 486
キーワードCRF, サッカープレー認識, トラッキングデータ

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
3B-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名対話から取得したコンテキスト情報に基づく商品推薦技術
著者*小西 哲平, 佐野 博之, 太田 賢, 池田 大造, 片桐 雅仁 (NTT ドコモ 先進技術研究所)
ページpp. 487 - 493
キーワードContext Awareness, Recommendation
アブストラクト本研究では実店舗での日常購買品を対象として,消費者の属性情報と購買履歴に加えて,対話によっ て取得した消費者のコンテキストを合わせた購買行動モデルを提案し,購買予測性能を評価する.消費者 の購買意思決定に関わると考えられる “移動手段”,“休日平日”,“所持金”,“体調”,“体感温度”,“購買 場所” を対話に基づき取得し,購買行動モデルに組み込む.評価用アプリケーションを作成し,モニタ調 査で取得したデータを用いて購買予測性能を評価したところ,コンテキストを用いなかった場合に比べコ ンテキストを用いた場合は,適合率が 5.4%,再現率が 24.7%上昇した.以上のことから,対話によって取 得したコンテキストを用いることで購買予測性能が向上することを示し,商品推薦に本購買行動モデルが 有効であることを確認した.

3B-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名写真撮影・閲覧行動に基づいた観光地推薦システムの検討
著者*柴本 恵理子 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科), Saengaroon Hussaya, Im-Oep Nanyakorn (Department of Imaging & Printing Technology, Faculty of Science, Chulalongkorn University), 鷹野 孝典 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科)
ページpp. 494 - 499
キーワードマルチメディア, クラウドコンピューティング, スマートフォン, 情報推薦, 旅行
アブストラクト旅行を計画する人にとって,行き先を決定することや観光スポットを巡る経路を立案することは重要な課題となっている.観光地やルート推薦に関する従来研究では,ある場所への訪問履歴や滞在時間がどれくらいであったかというチェックイン情報から,各旅行者が強い興味や関心を示したと判断される場所を抽出し,それらの場所と似た特徴を持つ観光地を推薦するというのが基本的なアプローチである.しかし,チェックイン情報を主として利用する推薦方式は,旅行者が出張などで仕方なく訪れた場所がノイズとなりその人の関心に合致しない観光地を推薦してしまう可能性があり,また,訪れたことのない場所は推薦できないという課題がある.本研究では,写真撮影・閲覧行動に基づいて,その人にとって興味や関心のある場所を分析し,その分析結果に応じて観光地を推薦する方式を提案し,評価実験により提案方式の実現可能性を検証する.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3B-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名地域の潜在危険エリア発見のための子供の位置履歴転送デバイスの開発と評価
著者*大村 和徳, 野々村 太志 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科), 内藤 克浩, 水野 忠則, 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学部)
ページpp. 500 - 505
キーワードBLE, ビーコン, すれちがい通信, GPS
アブストラクトスマートフォンとBLE ビーコンの普及により,これらを組み合わせた人や物の所在管理に応用され,子供の見守りシステムが商用化されている.しかし,既存の見守りシステムで保護者などの大人が得られる情報は子供と見守り人がすれ違った時間,場所及びその事実である.我々は子供の見守りのためには情報が不十分と考え,GPS モジュールを搭載したビーコンデバイスを開発し,これを用いた見守りシステムを検討した.その結果,大人は想定していないが子供は実際に遊んでおり,見守る大人が不在なために危険性があるエリアを潜在危険エリアとして定義し,ビーコンデバイスより得られた情報を時間的,空間的に分析し発見する手法を考えた.本論文ではこのビーコンデバイスを用いて子供の移動経路と滞在履歴を取得する手法を提案し,実際に開発した試作機を用いて通信量や成功率を調べた.


セッション 3C  人流
日時: 2017年6月28日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 末広
座長: 清原 良三 (神奈川工科大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
3C-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名車両からの電波到来角度を利用した歩行者測位精度向上方式の提案と評価
著者*戸田 和宏, 湯 素華, 小花 貞夫 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
ページpp. 506 - 513
キーワードITS, 歩行者測位, 電波到来角度推定, MUSIC アルゴリズム, 車車間通信
アブストラクト歩行者事故の低減のために歩行者が持つ携帯端末が自らの位置を周辺車両に通知する歩車間通信では,歩行者 測位の高精度化が必須である.筆者らは,これまでに GPS による測位と車両が発する電波の直接波の信号強度から算 出した歩車間距離に基づく測位を併用して,都市部でも GPS 単独より高い精度で測位できる方式を提案した.本稿で は,この先行方式に加えて,車両からの電波到来角度を用いてより高い測位精度を実現する方式を提案した.ここで は,1)車両からの直接波の到来角度の判別,2)衛星・車両に対する重み付け,3)測位計算における残差の大きい方程式 の除去が重要である.シミュレーションにより,ビルが密集する銀座付近の環境において,先行方式に比べ測位誤差 を 23%削減できることを示した.

3C-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名近接度を用いたパーティクルフィルタによる高精度屋内測位手法
著者*百瀬 凌也 (早稲田大学), 新田 知之 (ゼンリンデータコム), 柳澤 政生, 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 514 - 522
キーワード屋内測位, パーティクルフィルタ, BLE, 近接度, マップマッチング
アブストラクト複雑な構造を有する建物や地下街が増え,屋内空間で携帯端末を持つ歩行者向けの経路案内が注目されている.屋外空間ではGPS衛星からの電波を受信し測位することで歩行者の現在位置を測位し経路案内を実現しているが,GPS衛星の電波の届かない屋内空間ではGPS衛星による測位が不可能であり,GPS衛星に代わる屋内での測位手法が必要となる.本稿では,Bluetoothビーコンの電波強度に安定したProximity方式を用い,地磁気センサ・加速度センサを組み合わせた上,フロアマップを考慮したパーティクルフィルタにより高精度に位置推定する手法を提案する.提案手法ではパーティクルフィルタの尤度関数を設計する際,(a)測位点での各Bluetoothビーコンの近接度とそのBluetoothビーコンと各パーティクルの距離に加え,(b)障害物情報を基にしたフロアマップを用いることで,単にセンサやBluetoothビーコン,フロアマップを組み合わせた手法に比較して歩行者の位置を高精度に推定することを可能とする.12個のBluetoothビーコンを設置したフロアにて歩行実験した結果,平均誤差を0.999mで測位することができ,既存のいくつかの手法に比べ誤差を最大で79%削減できることを確認した.

3C-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名疎な GPS 測位情報を対象にした測位精度と短時間滞在除去に基づく滞在地推定手法
著者*岩田 紗瑛 (早稲田大学), 新田 知之, 高山 敏典 (ゼンリンデータコム), 柳澤 政生, 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 523 - 531
キーワード滞在地推定, クラスタリング, 測位精度, GPS, 短時間滞在除去
アブストラクトGPS 機能を持ったスマートフォンや GPS ロガーの普及により,ユーザの位置情報の取得が容易となった.それに伴いユーザの行動を調査し,ユーザの趣味嗜好の推定や,過去に訪れた場所の推定,将来 訪れる場所を予測する研究が注目されている.これらを実現するためには, GPS 測位に伴う測位誤差を除去し,正確な滞在地の推定が必要である.既存の滞在地推定手法では, GPS 測位間隔が非常に短く,測位端末のバッテリ消費が大きいという問題がある.測位間隔を長くすると,位置情報の数が少なくなる上,測位間隔が短い場合と同様にランダムな測位誤差が含まれるので,正確な滞在地推定が難しくなる.本稿では,疎な GPS 測位点の系列から,ユーザが滞在した場所の推定手法を提案する.提案手法は,測位点をクラスタリングする際, (a) 測位精度を用いたクラスタの有効半径を設定,これに基づきクラスタを結合し, (b) 移動か測位誤差か判別不能な短時間のクラスタを一旦削除し,再度クラスタを結合する操作を導入する.その結果,測位間隔が長い場合でも,高精度な滞在地推定を実現する.提案手法をあるユーザの19 日分の測位点系列に適用したところ,既存手法と比較して,推定滞在地と真の滞在地との総距離誤差を50% 以上小さくすることを確認した.

3C-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名One-day Trip Recommendation for Nearby Spots Based on Users' Locations and Preferences
著者*Siya Bao, Masao Yanagisawa, Nozomu Togawa (Waseda University)
ページpp. 532 - 537
キーワードtrip recommendation, location, preference
アブストラクトOver the past decades, advanced digital applications have widely available to users. Some of the applications enhance the possibility of generating personalized trip routes. In this paper, we propose an algorithm of which aim is to plan various trip routes to help users visit different landmarks that could be really interesting and achievable. The algorithm is based on capturing the information of users and landmarks, which determines lists of landmarks worthy of visiting. Experimental results demonstrate the effectiveness of the proposed algorithm.


セッション 3D  アドホックネットワーク
日時: 2017年6月28日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 明石
座長: 藤田 茂 (千葉工業大学)

3D-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名Place-and-Play Complex-Event Processing Engine on Dynamic Ad-hoc Networks
著者*Sunyanan Choochotkaew, Hirozumi Yamaguchi, Teruo Higashino (大阪大学), Megumi Shibuya, Teruyuki Hasegawa (KDDI総合研究所)
ページpp. 538 - 549
キーワードEdge Computing, Distributed Processing, Complex Event Processing, Stream Processing
アブストラクトIn this paper, we introduce a general complex event processing (CEP) engine aiming for accomplishing at dynamic ad-hoc sensor networks with place-and-play concept (less configuration). In the perspective of the processing tool, we introduce a pseudo-source mechanism to cover wider application ranges and to obsolete prerequisites of source specification in conventional stream processing, and we also define a brand-new event specification language to support our developed system. To prevent data overflow and privacy issues and draw full power of the edge devices, our proposed system has been designed to operate on behind-edge networks which are broadly considered as dynamic ad-hoc networks with limited resources. Our system integrates a resource-constraint optimization and forest-like dependence grouping algorithm to autonomously distribute multiple processing tasks over the networks in a consistent and efficient way considering total flow on the path from sources to any destination placed in the networks. A large-scale simulation with a realistic smart-building scenario shows that our proposed method achieves about 6.6 times smaller flow volume and 2 times lower loss rate compared to centralization and is relatively superior to hop-based distribution approach. Notably, a prototype engine is successfully deployed over an ad-hoc wireless sensor and actuator network through Intel Edison modules in the real environment.

3D-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名稲作管理システム向け無線ネットワーク用遅延最小ルーティング手法
著者*田中 功一 (静岡大学/創造科学技術大学院), 袖 美樹子 (金沢工業高等専門学校), 西垣 正勝 (静岡大学/創造科学技術大学院), 水野 忠則 (愛知工業大学/情報科学部情報科学科)
ページpp. 550 - 557
キーワード農業支援システム, 無線ネットワーク, ルーティング, 省電力
アブストラクト農作業の負担軽減を目的に,環境をモニタリングするフィールドサーバを用いた稲作管理システムが研究されている.水田は他の圃場と異なり比較的電源供給が難しく,加えて農作業の障害となるソーラーパネルのような大型の発電装置を設置することは困難である.その為,フィールドサーバは電池などで動作しなくてはならず,低消費電力化が重要である.また,3G回線の様な回線使用料の必要な通信網では費用の面から利用に課題がある.そこで,本稿では,回線使用料の不要なIoT向け通信規格で,ISMバンドを用いた低消費電力かつ伝送距離の長いLoRaを用いた圃場間通信向け遅延最小ルーティング手法の検討を行ったので報告する.特に低消費電力を実現する目的で,センサノードである子機と子機からデータを収集しデータを格納する役割を果たす親機間において,短時間,低消費電力ですべての子機のデータを親機へ収集することを可能とするルーティング手法を検討した.従来のデータ収集ルーティング手法とのシミュレーションを用いた比較では,提案手法は最も収集時間が短いことが確認できた.また,消費電力も従来方法と比べ少ないことが確認できた.加えて,子機数の増加による親機へのデータ収集に必要な時間の増加率が他の手法と比べ小さいことが確認できた.稲作圃場の状況をタイムリーに伝達可能な本提案は,農作業の負担軽減に有益な手法と考える.

3D-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名通信不利環境における道路情報共有のための車載型・路肩型通信システムの検討
著者*伊藤 健太 (岩手県立大学大学院), 橋本 浩二, 柴田 義孝 (岩手県立大学)
ページpp. 558 - 563
キーワード車路間通信, 車車間通信, 路面状態監視
アブストラクト路面の状態は季節や天候,時間帯によって変化し,交通事故や交通障害の発生に影響する場合がある.それらを防ぐために,運転手がこれから運転する道路の状況を事前に把握することが必要だと考える.我々は路面状態を推定するために有効であると考えられる準静電界技術や加速度,湿度,路面温度などのセンサ情報を収集し,それらを用いて路面の状態を推定,それを車車間や車路間など様々なものの間で共有,運転手に向けた注意喚起を行うシステムの開発を行ってきた.近年はインターネット接続が可能な場所が増え,それを用いて情報共有することが容易となった.しかし,通信インフラが整備されていない地域がまだ存在する.そこで,本研究では車両同士,または車両と路肩の間で直接情報を共有できる車車間通信,車路間通信が有効であると考え,それらを用いた通信システムを検討する.また,本研究では実際の道路を用いて通信実験を行い,通信の可否や情報共有の可否だけではなく,車車間,車路間通信時にどのような通信パラメータの変化が起こっているかを監視,記録し,その情報を用いて共有する情報ごと,または通信状態ごとに情報共有を最適化する手法を構築していく.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3D-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名情報指向型自動車アドホックネットワークに向けた特定地点における情報維持手法
著者*峪口 雄太, 佐藤 和也, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
ページpp. 564 - 569
キーワードネットワークアーキテクチャ, ITS, V2V, ICN, IoT
アブストラクトVehicular Ad-hoc Network(VANET)は車両間の無線通信によって構築されるネットワークである.VANETでは車両のモビリティがあるため宛先車両を指定しての通信は困難とされている.また交通情報は位置情報に依存し,車両を直接限定しない. 一方でコンテンツ名を使用して情報取得を行うInformation Centric Networking(ICN)がある.ICNにおいてユーザは情報取得の際に宛先を指定する必要はない. このことからユーザが宛先を指定しないICNの特徴はVANETと相性が良いと考えられVANETの通信にICNを適用させたものを情報指向型車車間ネットワーク(IC-VANET)とし,その研究が現在始められている. 本論文ではVANETとICNの特徴を説明した上でIC-VANETのメリットに関して考察する.そしてIC-VANETのメリットを活用するために,交差点上に情報の維持を行う手法を提案する.交差点内の情報保持車両が交差点を離れる前に交差点内の別の車両に情報を転送する.これを繰り返すことで情報の維持を行う.シミュレーションを用いて,情報の維持の時間について評価を行った.


セッション 3E  学習コンテンツ
日時: 2017年6月28日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 須磨
座長: 土井 千章 (NTTドコモ)

3E-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名言外の意味ZERO:自閉症者との適切な話し方を学習するシリアスゲーム
著者*矢吹 渓悟, 角 薫 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科)
ページpp. 570 - 577
キーワード言外の意味, シリアスゲーム, コミュニケーション支援, 自閉症, 定型発達
アブストラクト本研究では,提案するシリアスゲーム「言外の意味ZERO」が,定型発達者に対して自閉症者との適切な話し方を学習させる手段として有用性が見込めるか検証することを目的とする.自閉症者は会話中の言外の意味を汲み取ることが困難であるため,定型発達者との対人関係に問題を生じる傾向にある.この問題の改善策は大きく分けて二つあり,一つは自閉症者に対して言外の意味を汲み取れるように支援を行うアプローチで,もう一つは定型発達者に対して自閉症者との適切な話し方が行えるように支援するアプローチである.このうち,ほぼ全ての従来研究では前者のアプローチから支援が行われている.しかしながら,自閉症者は般化が困難であるため支援が長時間に及ぶことや,一つ一つの研究の対象が非常に限定的であるという問題点がある.そこで,本研究では後者のアプローチから問題の改善を試みる.具体的には,自閉症者との適切な話し方を学習できるシリアスゲーム「言外の意味ZERO」を提案する.本シリアスゲームは,実際に起きた事例を用いて,自閉症者が言外の意味を汲み取れないことを疑似体験し,その事例を通してなぜ伝わらないのかまたどうすれば伝わるのかを学習することができる.本シリアスゲームの有用性の検証として,大学及び短大生56人を対象に評価実験を実施した.また,大学生16名に「言外の意味ZERO」の機能の比較実験を行った

3E-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名「ものづくり」を取り入れたプログラミング教育システムの提案
著者*田中 元気, 谷口 航平, 桑原 宏輔, 葛尾 耕平 (中京大学工学部情報工学科), 安達 拓也, 濱川 礼 (中京大学情報科学研究科)
ページpp. 578 - 585
キーワードプログラミング教育, ものづくり, 3Dスキャナ, 情報科学教育
アブストラクト本論文では、3Dスキャナを用いた「ものづくり」要素を取り入れたプログラミング教育システムの開発と児童への評価実験の結果について述べる。昨今、各国でプログラミング教育を推進する活動が見られ、児童に向けた様々なプログラミング教材が開発されているが、児童の学習意欲を引き出し興味をもたせることは難しい。そこで我々は現実世界での「ものづくり」も取り入れることで児童の関心を引くことができると考えた。本研究では、与えられた課題をユーザが現実世界での「ものづくり」と仮想世界での「プログラミング」によって解決していくシステムを開発した。ユーザは現実世界で「レゴブロックなどで自作したオブジェクト」を3Dスキャナでスキャンし、それをPC上で3Dモデルに変換する。その後、仮想世界で変換された3Dモデルに「プログラミング」を施すことで動作を制御し、与えられた課題に取り組む。提案システムでは「ものづくり」と「プログラミング」二つの面から創意工夫ができるため、児童の関心を引くことができる。本システムの評価実験を児童に対して行ったところ、Scratchと同等以上の評価を得ることができた。

3E-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名高等学校における学習支援ターミナルソフトウェアを用いたネットワーク構築の演習手法に関する実践と評価
著者*井手 広康, 奥田 隆史 (愛知県立大学)
ページpp. 586 - 591
キーワードネットワーク, ネットワークシステム, ターミナルソフトウェア, Cisco, 高等学校
アブストラクト愛知県立衣台高等学校では情報科専門科目「ネットワークシステム」において,シスコ社製のスイッチ(Catalyst2940)とルータ(Cisco1819J)を使用したネットワークの構築実習を通して知識と技術の習得を目指している.しかし実習ではスイッチとルータの設定に関する多岐に渡るコマンドを暗記しなければならず,生徒にとって単なる暗記作業になってしまうことが懸念される.また機器の設定に使用するコマンドはPCからターミナルソフトウェアを使用して入力する必要があるが,タイピングに不慣れな生徒はコマンド入力に多くの時間が割かれ,授業に付いていくことがやっとの者もいる.このような事態を避けるため,コマンドの入力に関するいくつかの支援機能を追加した学習支援ターミナルソフトウェアを作成し実習へ導入した.全実習終了後に実施した実技テストの結果,学習支援ターミナルソフトウェアを使用することにより正答率の向上と大幅な時間短縮の効果が期待できることがわかった.

3E-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名スマートフォンを利用したセルフ地震体験シミュレータ
著者*山本 拓真, 水野 慎士 (愛知工業大学情報科学部)
ページpp. 592 - 597
キーワードVR, 3DCG, 地震シミュレーション, スマートフォンアプリ, 防災教育
アブストラクト日本に住む人々にとって大地震は現実的な問題であり,地震対策はますます重要になっている.地震対策には,地震が起きたあとに備えることと,地震の脅威を知っておくことがある.近年は地震の対策のためのスマートフォンアプリが注目されている中で,地震が起きた後の避難支援アプリなどが多く提案されている一方で,地震の脅威を知ることができるアプリはあまり提案されていない.そこで,本研究では地震の仮想的体験を通じで,地震の脅威を知ることを目的として「セルフ地震シミュレータ」を提案する.このアプリはVRゴーグルを装着して使用するもので,椅子等に座って揺すられることで揺れを感じながら,VRゴーグルを通じて観察されるCG空間の物体の転倒等によって視覚的にも揺れを感じる.アプリを実装して実験を行った結果,地震体験車のように地震を仮想的に体感することが可能となることを確認した.


セッション 3F  ゲーミフィケーション
日時: 2017年6月28日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 浦島
座長: 石井 健太郎 (専修大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3F-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名相対的な位置情報を用いた協力型クイズゲームシステム“WestEastGO”の開発
著者*西村 勇哉, 伊藤 淳子, 宗森 純 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 598 - 605
キーワード位置情報, 相対的位置, ゲーム, GPS
アブストラクト近年,スマートフォンにおいて位置情報を利用したアプリケーションへの注目が集まっている.現実世界で実際に移動することがアプリケーション内の処理に反映されることから,若者だけでなく健康志向の年長者まで広く受け入れられている.しかし,既存のアプリケーションの中には複数人がリアルタイムでインタラクティブな関係を持ちながら運用するシステムは少ない.そこで本研究では位置情報の比較により相対的な位置・方角を算出し,2人で同時に利用するインタラクティブ性を考慮した協力型ゲームシステム「WestEastGO」を開発した.文字を並べるクイズゲームをベースにしたシステムであり,2人の相対的な位置関係を文字の順序に対応させるものである.本研究の目的は,位置情報を共有し,インタラクティブに協力する要素を加えることによりエンターテイメント性の向上を図ることである.本システムを利用し,位置情報を使う2人協力プレイの実験と1人プレイの実験,および位置情報を使わない実験を行い,実験の結果を比較した.その結果,位置情報を使う2人協力プレイが1人プレイや位置情報を使わないゲームよりも評価が高い部分があることが分かった.

3F-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名映像投影型ボードゲーム”アベノミックス”の開発
著者*安部 貫太, 伊藤 淳子, 宗森 純 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 606 - 615
キーワードミックストレアリティ, ボードゲーム, 協力対戦, Raspberry Pi
アブストラクト近年,デジタルゲーム産業の発展が著しい.デジタルゲームの魅力の一つとして非現実的なことが可能なことが挙げられる.一方,カードゲームやボードゲームなどのアナログゲームに対する人気も根強い.アナログゲームの魅力としてコマやサイコロといった物理的オブジェクトに直接触れることで得られるプレイ体験が挙げられる.そこで本研究では,アナログのボードゲームを電子化することで新たな価値を付与した映像投影型ボードゲーム「アベノミックス」を開発した.「アベノミックス」は,2対2の協力型対戦ボードゲームである.プロジェクターにより仮想的なゲーム盤の投影を行い,実際にコマを動かし,コマとボードの点数のやりとりを電子的に行う.本ゲームを利用した実験を行い,アナログゲームにデジタル要素と協力を付与することで,楽しさにつながることを確認した.

3F-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名ゲーミフィケーションを活用した市民農園のスマート化
著者*松本 侑真, 千葉 慎二 (仙台高等専門学校)
ページpp. 616 - 620
キーワードスマート市民農園, ゲーミフィケーション, 地域コミュニティ活性化
アブストラクト地域コミュニティは災害発生時の相互扶助に非常に有効であり,地域住民同士で監視し合うことによる治安維持も期待できる.しかし近年,急激な都市化,価値観の多様化等により地域住民同士で安全に集う場所や機会が大幅に減少し,地域コミュニティの希薄化が危惧されている.これに対して都会に住む人々の農業への関心が高まっている.そのため市民農園は全国的に人気で,その数は増加傾向にある.市民農園を利用することで,農園で水やりや収穫をする際に地域住民の交流が可能であるが,農業の経験がない方や高齢者の方の場合農作業が辛かったり上手く育てることができずにやめてしまう場合がある.我々は,これらの問題を解決するために農作業の効率化・簡易化を図り,利用者同士の交流活性化を目的とした市民農園向けICTシステムを提案し,研究開発を行っている.本件では農園情報の見える化,コミュニケーション機能について改良を行い,農作業情報や生育情報を入力するAndroidアプリケーションとの連携を実現し,その有効性を検証する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
3F-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名ゲーミフィケーションによる図書館利用者の行動変容
著者*北村 貴広, 角 康之 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 621 - 628
キーワードゲーミフィケーション, 図書館, ウェアラブルカメラ, 陣取り合戦
アブストラクトゲーミフィケーションとは,ゲーム以外の分野にゲーム要素を盛り込むことで,ユーザのモチベーションやロイヤリティなどを高める手法であり,それによって利用者が楽しみながら意図せずそれらと関わっていくことを目的としたものである.本論文では,図書館利用者の行動活性化を図るためにゲーミフィケーションを用いたシステムが有効だと考え,陣取りゲームシステムを提案する.このシステムを図書館利用に用いることで,最初は図書館を利用することは二の次にしてゲームに参加するために訪れていたものが,次第にゲームに参加するためだけではなく本を借りたり,学習の場として図書館を利用するのではないかと考えた.加えて,システムによって利用者は本来利用することのなかった本棚に足を運ぶなど,ゲームに参加することにより得られる行動の変化や,その変化が利用者の興味のある分野にどのような変化を与えるのかについて検討する.


セッション 3G  データ分析
日時: 2017年6月28日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 蓬莱
座長: 宮田 章裕 (日本大学)

3G-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名音環境比較による会話場検出を利用した共有体験データのインデキシング
著者*遠山 魁, 角 康之 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 629 - 635
キーワードインデキシング, ライフログ, 会話グループ, 会話グループ検出, 音環境
アブストラクト本研究では音環境比較手法で得られる会話場情報をインデクスとした体験映像の閲覧支援への応用 を提案する。本研究が指す体験映像とは、会話相手などが映りこんだの個人の体験を記録した一人称映像 のことを指す。また、音環境比較による会話場検出とは、音の特徴量から会話グループを検出する手法の ことを指す。体験映像の閲覧支援を試みる理由としては、カメラなどの性能の向上によって記録が容易に なり、長時間の映像を得ることが可能になった一方で、閲覧したいシーンを振り返るのに時間がかかって しまうからである。そして音環境比較による手法で得られる会話相手と会話を行っている場所の情報は、 映像閲覧のインデクスとして有用であり応用が可能であると考える。そこで、本研究ではこの音環境比較 による会話場検出手法から得られた情報を映像閲覧へ応用することを目的とする。具体的には会話場情報 をもとに映像のシークバーにインデクスを振ることによって、追体験と体験共有の支援を行う。1 時間ほ どのポスター発表の場で体験映像の記録と会話場の検出を行い、映像に会話場情報のインデキシングした。 そして、本システムの評価実験を行った結果、会話場情報によるインデキシングが閲覧の支援に役立つこ とを示した。

3G-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名センサデータの可視化におけるユーザ着目点の機械学習
著者*藤野 慶汰, 井上 創造, 柴田 智広 (九州工業大学大学院)
ページpp. 636 - 641
キーワードセンサデータ, 可視化, 教師あり学習
アブストラクト膨大なセンサデータを観察者の専門性や目的に応じて適切に可視化することで,観察者の作業効率化を図ることができると期待される.そこで我々は,センサデータ閲覧時のユーザの着目点情報を収集し,表示されているセンサデータの特徴量を説明変数として,教師あり機械学習アルゴリズムの一つであるランダムフォレスト法を適用することにより,各データについてどの特徴量が着目されるかを推定する手法を提案している.本稿では,我々が介護施設での実験で得た,照度と加速度データを用いて行った学習実験および評価実験について述べる.評価実験の結果,照度センサデータに対しては,可視化手法によらずユーザはデータの変化が大きい部分に着目するため,高精度で着目点推定が可能であることが分かった.一方,加速度センサデータに対しては,ユーザによっても,可視化手法によっても着目点が異なることが分かった.今後,加速度センサに対して良い着目点推定を行う可視化手法や特徴量を探索する必要がある.

3G-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名複雑なセンサ情報理解におけるディープラーニング
著者*大北 剛, 井上 創造 (九州工業大学)
ページpp. 642 - 647
キーワードセンサネットワーク, ユビキタスコンピューティング, ディープラーニング
アブストラクト本論文は複雑なセンサ入力を扱うために, 組成セミマルコフ畳み込みLSTMモ デルを導入する. この組成セミマルコフ畳み込みLSTMモデルは, 近年のCNN とRNNを複合したアーキテクチャをベースに, 組成インスタンスモデルとセ ミマルコフモデルという2つの機構を導入する.

優秀論文賞 / Paper Awards
3G-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名介護施設紹介コールセンター記録のアンサンブル学習による傾向分析
著者*松木 萌, 井上 創造 (九州工業大学大学院), 清田 陽司 (株式会社LIFULL リッテルラボラトリー)
ページpp. 648 - 655
キーワードデータ分析, ランダムフォレスト, 介護問題, コールセンター
アブストラクト本研究では,介護施設に入居する前のサービスである介護施設紹介コールセンターのデータをテキストマイニングと教師ありアンサンブル学習により分析し,介護業界の問題解決につながる知見の発見を試みた. 分析方法は,1.相談経緯項目から,相談者の相談目的・背景を把握するため,テキストマイニング技術を用いる方法と.2.相談期間とその他の項目との相関を分析するため,アンサンブル学習法を用いる方法の2つの分析方法を適応した. その結果,テキスト中のネガティブまたはポジティブの形容詞の周辺単語を集計することで,各相談者の相談目的,背景の傾向が分かることと,「介護度」「続柄」「入居希望時期」「ADL歩行」「ADL排泄」「進捗」の項目が情相談期間にとって重要な項目であることが分かった.


セッション 3H  匿名化・プライバシー
日時: 2017年6月28日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 石狩・洞爺
座長: 長谷川 聡 (NTT)

3H-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名SNS上でのユーザのプライバシー感の違いに関する調査
著者*西岡 大, 長嶋 呈馬, 齊藤 義仰 (岩手県立大学大学院 ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 656 - 660
キーワードプライバシ, SNS, 質問紙調査
アブストラクト近年,情報通信技術の発達により,ソーシャルネットワーキングサービスが世界中で急激な拡大を続けている.そのため,SNS利用者は様々な人とネットワークを介したコミュニケーションを行っている.手軽に様々な人々とコミュニケーションが行える一方,プライバシー情報に関しての問題が存在する.現状のプライバシー情報に関しての問題への対応は,個人情報保護を基に行われている.しかしながら,個人情報とプライバシー情報は性質が異なるとされている. プライバシー情報は人によりその姿を変化させ,同じ情報でも,プライバシー情報だと感じる人もいればそうでない人もいる.プライバシー情報の問題は,悪意のある利用者が悪意をもって情報を他者に公開するだけでなく,悪意がなくとも他人のプライバシーを公開してしまい相手に被害を与えてしまう可能性があると考えられる.そのため,プライバシーについて明確にし,他者とのプライバシー情報に違いが生じることをSNS利用者に理解させる必要があると考えられる.そこで,本研究では,他者とのコミュニケーションをインターネット上で行う際,悪意なく他人のプライバシー情報を公開してしまうのを防ぐことを目的とし,プライバシー情報に関して調査を実施し,どのような違いが様々な属性で生じるのかについて明らかにする.

3H-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名同一個人データの存在する水平分割データベースのダミー値追加による匿名化
著者*伊奈 優樹, 清 雄一 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻 大須賀・清研究室), 田原 康之 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻 田原研究室), 大須賀 昭彦 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻 大須賀・清研究室)
ページpp. 661 - 668
キーワード匿名化, ppdm
アブストラクト現代の社会では、個人情報のデータ分析を行うことへの需要が増加している。その一方で、分析結果が個人のプライバシーを侵害しないことを保証し、データの匿名化を行った上で有用な情報を得るというプライバシー保護データマイニングという分野の進歩も目覚ましいものがある。しかし、データ分析の実状は様々な形式が混在しており、一つの問題を解決する匿名化手法が現れたとしても、まったく別の手法には対応できていないなど、事例ごとに千差万別の手法が求められる。本論文では、その中でも特に分散データベースにおけるデータ分析の問題を考え、その場合の匿名化手法、および匿名化された状態から有用な情報を得るための手法の提案を行う。そして、得られた手法についての実験を行い、手法の有効性についてを確認した。

3H-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名属性ベース署名を用いたブロックチェーン
著者*川合 豊, 小関 義博, 柴田 陽一, 大松 史生 (三菱電機 情報技術総合研究所)
ページpp. 669 - 671
キーワードブロックチェーン, ディジタル署名, 属性ベース署名
アブストラクト本稿では、複数のユーザからなるグループ間でのブロックチェーンを用いた取引において、属性ベース署名を用いることで、匿名性確保と、複数の公開鍵をブロックチェーン上に記録する必要がない方式を検討する。



2017年6月29日(木)

セッション 4A  セキュリティの新たなバリュー
日時: 2017年6月29日(木) 8:30 - 10:10
部屋: ミリオーネホール
座長: 千田 浩司 (日本電信電話)

4A-1 (時間: 8:30 - 9:10)
題名(招待講演) デジタルフォレンジックツール使用法学習教材の開発および導入 − 北海道警察本部におけるサイバー犯罪対策人材開発に向けた試み −
著者*本郷 節之 (北海道科学大学), 加藤 大希, 高山 純 (北海道警察本部), 重山 直人 (株式会社メイテックフィルダーズ), 矢野 佑樹 (株式会社コンピュータネットワーク), 寺下 知希 (セントラルソフト株式会社)
ページpp. 672 - 679
キーワードデジタルフォレンジック, セキュリティ
アブストラクト本稿では,デジタルフォレンジックツールを使用して捜査に従事することができる人材を多数育成する手段として取り組んだ,電子教材の開発と導入に関する検討について報告する.まず,初心者がデジタルフォレンジックツールを利用し易くすることを目指し,対象を利用頻度の高い操作に絞って,各機能を使用する目的の明記と用語解説を充実させ,さらに,やりたい事がらから検索できる逆引きの要素も備えたマニュアルの開発を行った.評価アンケートから,一連のフォレンジック捜査全体の流れも含めた,より学びやすい教材の必要性が判明した.そこで,フォレンジックツールの使用法を,文字だけでなく,音声,画像,映像を効果的に使用したマルチメディア電子教材の開発に取り組んだ.さらに,本教材を活用した持続可能な教育プロセスの確立に向けて,講習会の設計を行い,そして,それを実施することによって,有効性および実現可能性の検証を行った.その結果,本講習会には有効性が認められ,かつ,実際に運用することが可能な一定の水準を満たしていることを明らかにすることができた.

4A-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名刑事手続におけるデジタル証拠の改ざん防止措置について
著者*小坂谷 聡 (立命館大学 大学院 情報理工学研究科), 上原 哲太郎 (立命館大学 情報理工学部)
ページpp. 680 - 688
キーワード証拠保全, 刑事訴訟法, デジタル証拠, 電子署名, 同一性保証
アブストラクト個人の活動の痕跡として各種デジタルデバイスに記録されているデジタルデータは,裁判実務においてデジタル証拠として扱われる場面が増加している.しかし,デジタル証拠は,その性質上改ざんが可能かつ容易であるという特性を持つ.そのため,デジタル証拠が適切に利用されるためには,改ざんされていないことを客観的に確認できる仕組みが重要である.本研究では,デジタル証拠の改ざんが後から問われる例を減ずるべく,改ざん防止を客観的に確認するための具体的なシステム構築を提案する.

4A-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名Bitcoinが破綻せずに運用し続けるならば本来持っている仮想通貨以外の用途でも使えるよね 2017
著者*須賀 祐治 (株式会社インターネットイニシアティブ)
ページpp. 689 - 695
キーワードBitcoin, 仮想通貨, リアルマネートレーディング, ブロックチェーン, Bitcoinアイドル

4A-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名静的解析を利用したセキュアなハイブリッドアプリの開発支援に関する研究
著者*坂 周英, 清 雄一, 田原 康之, 大須賀 昭彦 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
ページpp. 696 - 703
キーワードハイブリッドアプリ, Android, 静的解析
アブストラクト近年モバイルアプリの開発において,ハイブリッドアプリを使用する開発者が増えてきている.ハイブリッドアプリとは通常のネイティブアプリとWebアプリを組み合わせ,二つの利点を兼ね備えたモバイルアプリである.しかしこれはネイティブとWeb用の二つの言語で書かれたプログラムであるため,JavaScript側からネイティブの資源にアクセスできる利点を利用した脆弱性が存在することが多く,セキュリティ面で安全でない.そのためアプリ配布後の悪意のある攻撃者からの攻撃を防ぐため,事前に開発者が対策することが望ましい.しかしハイブリッドアプリのセキュリティについての技術はあまり進んでいない.そこで本研究ではハイブリッドアプリの静的解析を行い,アプリ開発者が情報流出の可能性が低いセキュアなアプリの作成の支援をするシステムを提案する.提案した手法により多種のハイブリッドアプリの情報流出の可能性が検出可能なことがわかった.また現在も発展し続けているハイブリッドアプリに対しても動向を追いつつ対応していく必要があることも明らかになった.


セッション 4B  無線通信(2)
日時: 2017年6月29日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 羊蹄・大雪
座長: 宮路 祐一 (豊橋技術科学大学)

4B-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名Wi-Fi Directを用いた低消費電力な無線センサ網の通信プロトコル設計
著者*田代 志保 (和歌山大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 704 - 711
キーワード無線センサネットワーク, Wi-Fi Direct, MACプロトコル, 経路制御プロトコル, ESP8266EX
アブストラクト近年,電源のない場所に無線通信機能をもつセンサを設置してネットワークを構築し,センサで観測されたデータを,無線マルチホップ通信を用いて収集する無線センサネットワーク(WSN)の研究が進められている. センサの長寿命化のため,低消費電力な通信プロトコルの研究が盛んにおこなわれており,IEEE802.15.4等の標準化もなされている. しかし,現在時点でセンサ端末は高価であり,あまり普及が進んでいないのが現状である.基本的なセンサ端末の用途である環境モニタリングに用いるセンサ端末を考えても,安価なセンサ端末を用いて,バッテリ駆動できるだけの低消費電力に抑え,開発や管理の環境も整った無線マルチホップ端末の実現が求められている. 本稿では,現在時点でも低価格で購入できるWi-Fi Direct に対応したハードウェアであるESP8266EXを用いることで,低価格で実用性の高い無線センサネットワークを構築することを試みる. 提案プロトコルでは,まず全ノードがデータ収集を行うシンクノードまでの距離(ホップ数) を把握する.次に,省電力化のためにタイムスロットの導入を行い,各ノードにホップ数によって動作するスロットを割り当てる.さらに,各ノードはシンクノードまでの距離が自身よりも小さいノードへデータ送信を行うことにより,シンクノードへデータを収集する.この提案プロトコルをESP8266EXに実装し,基礎的な評価を行ったので,その結果を報告する.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4B-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名映像伝送を目的とした下水管内IEEE802.11n無線LANにおけるチャネルボンディングと複数チャネル並列通信の適用
著者*武居 悠樹, 田中 悠大 (静岡大学大学院総合科学技術研究科工学専攻), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域)
ページpp. 712 - 719
キーワードチャネルボンディング, 複数ストリーム, トンネル内無線通信, モバイルセンサ, センサネットワーク
アブストラクト日本では下水管の老朽化が深刻化しており,その検査と整備は急務である.現行の検査手法は,金 銭的コストが高い,検査時間が長いなどの問題を抱えている.筆者らは,短時間・低コストな下水管検査 手法として,浮流観測ノードを用いた検査システムを提案している.このシステムでは,カメラ付き浮流 ノードが撮影した管内の映像を無線通信によって回収し,その映像を元に検査を行う.多くの電波減衰要 因が存在する下水管環境では,無線通信距離が短くなるため,高画質な検査用映像の伝送には高いスルー プットを持った無線通信が必要である.本稿では,実験用下水管で IEEE802.11n での通信のスループット を実測し,チャネルボンディングを使用した通信と,2 つのインタフェースを同時に使用して通信を行う 2 チャネル並列通信の,それぞれのスループット向上効果を調査した.この結果,チャネルボンディングの 通信性能向上効果が見られるのは端末間距離が短い場合に限られていることがわかった,2 チャネル並列 通信による 200m 径下水道管内の無線通信の性能向上は認められなかった.

4B-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名Android異種クライアント端末における協調的輻輳制御手法による通信性能の向上
著者*島田 歩実 (お茶の水女子大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 720 - 726
キーワードAndroid, TCP, 輻輳制御
アブストラクト輻輳はネットワークにおける最大の問題のうちの一つである.特に,近年のロスベースTCPにおいては,より高いスループットを確保するためにアグレッシブな輻輳制御手法を用いているが,無線接続環境においては膨大なパケットが無線LANアクセスポイントに蓄積され,その結果輻輳が発生するといった問題が生じている.先行研究では,ロスベースTCPの一種であるCUBIC-TCPを輻輳制御アルゴリズムとして使用しているAndroid端末を用いて,無線LANアクセスポイントにおけるACKパケットの蓄積を回避する制御手法がスマートフォン端末向けに提案,実装された.本研究では,スマートフォン向けの既存手法をタブレット端末にナイーブに適用し,その性能向上の程度を示す.また,既存手法に改善を加えさらなる性能向上を実現する手法を提案する.そして性能評価により,通信速度と公平性が先行手法よりも多数台同時通信においてスマートフォンとタブレット共に向上したことを示す.

4B-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名クラウドソーシングと3次元地理空間情報に基づくWi-Fiデータベースの構築と活用
著者*天野 辰哉, 梶田 宗吾, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科), 高井 峰生 (大阪大学大学院情報科学研究科/カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
ページpp. 727 - 737
キーワードWi-Fi, クラウドソーシング, 電波伝搬シミュレーション, 電波強度地図, AP位置推定
アブストラクト本論文では,クラウドソーシングによりスマートフォンユーザーから収集したWi-Fiアクセスポイント(AP)からのビーコン観測データと3次元都市モデル,ならびに電波伝搬シミュレータを併用し, 3次元都市環境におけるWi-Fi電波強度地図を効率的に生成する手法を提案する. 提案手法では,多くのAPはカフェやオフィスなどの屋内に設置されていると仮定し,屋外を歩行するスマートフォンユーザーによる複数地点でのAPからのビーコンの観測データと周辺の建造物情報から, 建造物表面上の電波発信点候補を推定する. 推定した電波発信点候補を用いて網羅的に電波伝搬シミュレーションを実施し, スマートフォンユーザの観測データに最も一致する電波発信点位置を取得することで 電波強度地図を構築する. 提案手法に基づくWi-Fi電波強度地図サーバーならびにスマートフォンアプリを実装し,大阪大学吹田キャンパス内の電波強度地図を構築し,AP間ハンドオーバーを行うシナリオを用いて電波発信点の位置推定精度および電波強度地図の精度を評価した.また,大阪市内およびサンフランシスコにおいて被験者数人によるセンシング実験を実施し,少ない観測で両都市の主要部分の地図が構築できたことを示している.


セッション 4C  ITSアプリ・ITS一般
日時: 2017年6月29日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 末広
座長: 石田 繁巳 (九州大学)

4C-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名小型アクセシブルモビリティ活用サービスの有効性検討
著者*桑原 昌広, 吉岡 顕 ((株)トヨタIT開発センター 研究2部), 山田 匡規, 鈴木 昭太郎, 城殿 征志 (トヨタ自動車(株) 未来創生センター 未来開拓室)
ページpp. 738 - 746
キーワード都市交通, オンデマンドサービス, シミュレータ
アブストラクト近年新たなモビリティサービス導入の動きが活発化している中、SIP-adus(自動走行システム)で小型アクセシブルモビリティが提案されている.小型アクセシブルモビリティシステムを活用した観光地向けモビリティサービス案を検討し、シミュレーションにより、タクシーハイヤー及びタクシーサービスと比較し、サービス成功率/稼働率/効率性の観点で有効性があることを確認した.

4C-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名公共空間での実利用を想定した「しゃべる」バス路線案内システムの提案とその開発
著者*山本 大介, 加藤 りか, 田中 亮佑, 高橋 直久 (名古屋工業大学)
ページpp. 747 - 752
キーワード音声対話システム, バス路線案内システム, 地理情報システム
アブストラクト本論文では,音声対話技術やWebマップ技術等を活用した,バス停型バス路線案内システムを提案する.バス路線マップを備えた電子地図や分かりやすい音声案内を実現すると同時に,ゆるキャラの表示や表現豊かな感情音声合成技術を搭載するなどしてバス停の魅力を高めることにより,バス停自身が旅行者や地域の住民にバスの利用を促す仕組みを持つ.同時に,バス停付近にある観光施設や店舗の案内も実現する.さらに,提案システムを公共空間での実利用を想定した時に想定される課題に対処するために,Focus+Glue+Contextマップなどの電子地図を活用したバス路線案内の仕組みや,ユーザ生成型の音声対話システムの仕組みを活用した路線案内の仕組み,路線の描画方法などについても検討する.さらに,実証実験を想定したプロトタイプシステムの開発を行った.

4C-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名ソーシャル・キャピタルを利用した高齢者見守りシステム
著者*陳 鈞, 谷口 伸一, 川井 明 (滋賀大学)
ページpp. 753 - 760
キーワードソーシャル, キャピタル, 見守り, モニタリング
アブストラクト本稿では,高齢社会に向ける既存の見守りサービスや防災のため設置している防災無線が抱えている問題とその理由を提示し,これを解決するために,テレビを用いた見守りと防災機能を果たすコミュニケーションシステムを提案する。システムは大きく二つの部分に分けられる。クライアント・ユニットとクラウドアプリケーションである。クライアントはRaspberry Piをベースした自作のユニットとテレビから構成される。クラウドアプリケーションはRuby on Rails環境で構築したウェブアプリケーションである。クライアントとクラウド間の通信は通信内容によって,HTTPとWebSocketを利用している。

4C-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名車載ECU向けソフトウェア更新のためのデータ圧縮方式
著者*小沼 寛 (神奈川工科大学大学院), 中村 清花 (神奈川工科大学), 寺島 美昭 (創価大学), 清原 良三 (神奈川工科大学)
ページpp. 761 - 767
キーワードソフトウェア更新, ECU, 車載ネットワーク, CAN, 車載システム
アブストラクト車載システムの高度化,複雑化によりプログラミングエラーに起因するリコールが増加している.また,自動車がインターネットに接続することにより,自動車にもスマートフォンのようにアプリケーションの追加や機能の更新が行えるようになる.一方で,自動車がサイバー攻撃の対象となる恐れがあり,セキュリティリスクへの対策が求められる.これらの理由から,出荷後に自動車に搭載されているElectronic Control Unit(ECU)ソフトウェアの更新が必要となる.ECUソフトウェアの更新では,更新時間の短縮が重要な課題となる.更新時間を短縮する手法として,携帯電話やカーナビゲーションシステムでは差分更新が用いられており,ECUソフトウェア更新への適用も行われている.しかし,一部のECUではRAMのサイズやフラッシュメモリの特徴から差分更新を適用できない場合がある.差分更新を適用できず更新データを送信する場合,差分更新適用時に比べ大幅に更新時間が増加する恐れがある.そこで本論文では,差分更新を適用できないECUを対象としたソフトウェア更新に対し,対象ECU内で伸長可能な圧縮を更新データに施すことにより更新時間増加の軽減を行う.

4C-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名CANを用いた階層統合型車載ネットワークの提案
著者*徳永 雄一, 西山 博仁, 千田 修一郎 (三菱電機株式会社/情報技術総合研究所)
ページpp. 768 - 773
キーワードVehicle System, In-vehicle Network, Controller Area Network
アブストラクト自由な拡張,未知の進化に対応する車載システムアーキテクチャ実現に向け,ECUとデバイス間のI/O配線をネットワーク化し,これをECU間の情報共有手段であるCANに統合した階層統合型ネットワークを提案する.I/O配線量を削減し,機器の設置自由度を増すことで,交換や追加が可能となり,H/Wの進化に対応できる.本稿では,提案を実現する通信方式を説明するとともに,階層統合の実現性をシミュレーション評価し,自動車への適合が可能であることを示す.さらに,AUTOSAR上への実装方式を考察し,H/Wの進化にS/Wが追従できることを示す.


セッション 4D  分散処理・システム
日時: 2017年6月29日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 明石
座長: 黒瀬 浩 (金沢工業大学)

4D-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名範囲検索可能な分散クラウドストレージにおける電力消費を考慮した負荷分散機構の提案
著者*木全 崇, 寺西 裕一, 原井 洋明 (情報通信研究機構)
ページpp. 774 - 778
キーワードP2P, 分散処理, クラウドコンピューティング, 分散アルゴリズム, Internet of Things
アブストラクト我々は,これまでにデータに付与された時間や値に基づく範囲検索が可能な分散 ストレージを実現する手法として,分散されたノード全体を範囲検索可能なオー バーレイネットワークを用いて構成された分散クラウドストレージを効率的に管 理・制御する手法を提案してきた.しかしながら,これまでの手法では,システ ムにかかる負荷を分散ストレージを構成するノード全体に平準化することを目的 としており,ストレージリソースの使用量が小さい状況であっても,多くのノー ドを利用し続ける問題が存在していた.本研究では,これまで提案してきた分散 クラウドストレージの管理・制御手法に対し,システム全体の状況を考慮して, 必要なリソース量が小さい状況のもとでは,システム全体が消費するリソースそ のものを削減可能とする拡張を施したアルゴリズム(VNLB-ES)を提案する.本稿で はシミュレーション評価によって,VNLB-ES が,従来の手法と同等のコストで, 稼働する物理計算機の数を削減し,電力消費量を削減できることを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
4D-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名軽量Nパーティ秘匿関数計算の一般解と情報銀行の分散型セキュアストレージへの応用
著者*滝 雄太郎 (千葉工業大学大学院情報科学研究科), 藤田 茂 (千葉工業大学情報科学部情報工学科), 宮西 洋太郎 (株式会社アイエスイーエム), 白鳥 則郎 (中央大学研究開発機構)
ページpp. 779 - 784
キーワード秘密分散, 秘密計算, 情報銀行, 分散型セキュアストレージ
アブストラクト本稿では3主体の協調計算による秘匿関数計算プロトコルである軽量3パーティ秘匿関数計算をn>3の場合の軽量Nパーティ秘匿関数計算として拡張,一般解を導いた結果を示す. また,提案方式の一般解を導く際には Lee Distance を効果的に導入してる. 本稿の結果より主体数nとデータの復元に必要な主体数kを一般解の条件下で自由に選択することが可能なためシステム運用者は耐障害性・対攻撃性を自由に選択することが可能となる. そして,本稿の具体的な応用例として情報銀行の構築技術の一つとして重要である分散型セキュアストレージの構成を述べる.

4D-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名クラウドサービスを用いた分散型インターネットライブ放送システムの実装と評価
著者*松本 哲, 石 芳正, 義久 智樹 (大阪大学), 川上 朋也 (奈良先端科学技術大学院大学/大阪大学), 寺西 裕一 (情報通信研究機構/大阪大学)
ページpp. 785 - 791
キーワードインターネット放送, 分散処理, 放送型配信, ビデオオンデマンド
アブストラクト近年,インターネットを介したリアルタイム映像配信(インターネットライブ放送)が普及している.インタ ーネット放送を快適に行うために,映像効果や音声効果を付加した映像を配信することがあり,筆者らの研究グルー プでは,異世界放送システムと呼ぶ分散処理型インターネットライブ放送システムを研究開発している.異世界放送 システムでは,異世界放送サーバが効果付加処理を行うことで,従来配信端末にかかっていた効果付加による処理負 荷を分散できる.異世界放送システムでは,配信者が所有する計算機や,クラウドサービスで提供されている仮想計 算機を異世界放送サーバとして用いていることを想定している.一般に,クラウドサービ スでは複数の仮想計算機を利用できる.これらの仮想計算機を異世界放送サーバとして用いる場合には,異世界放送 サーバ間で負荷を分散させることで,高速に効果付加を行える.しかし,これまでの研究では単一計算機の利用を想 定していたため,異世界放送サーバ間の負荷を分散できなかった.そこで本研究では,クラウドサービスを用いた異 世界放送システムの実装と評価を行う.

4D-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名ブロックチェーンを用いた持続可能な商品販売システムの検討
著者*安井 瑛男 (慶應義塾大学環境情報学部), 空閑 洋平 (慶応義塾大学院政策・メディア研究科), 中村 修 (慶應義塾大学環境情報学部)
ページpp. 792 - 795
キーワードブロックチェーン
アブストラクト一般的な商品販売における形態(従来型販売形態)では、販売者が商品交換の監視および在庫管理の両方を行う。 一方で、野菜の直売所に代表される無人販売所や、江崎グリコ社が提供するオフィスグリコのようなサービスにおける形態(無人型販売形態)では、販売者から利用者に対する信頼に基づき商品交換の監視を不要とすることで、商品販売者による取引の管理を簡略化している。 しかしこうした形態においても、一定期間ごとに販売者が在庫の確認と売上実績の集計、および在庫の補填を行う必要がある。 商品交換の管理および在庫の管理について、その両方の責務を販売者が負うことは、継続的な商品販売を阻害する要因となりかねない。 そこで本研究では、利用者に対する信頼に基づき商品交換の監視を省略し、さらにブロックチェーン上を用いて取引の記録および在庫管理を自動化し、販売者の責務を在庫を維持するための商品の追加に限定することで、商品販売における高い持続性を実現する。

4D-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名ビッグデータ分散処理基盤を用いた機械学習処理並列化に関する一考察
著者*加藤 香澄 (お茶の水女子大学), 竹房 あつ子 (国立情報学研究所), 中田 秀基 (産業技術総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 796 - 802
キーワード分散処理, 並列処理, 機械学習
アブストラクト各種センサーや防犯カメラなどによるライフログの収集,利用が可能となり,お年寄りや子供を見守るサービスなど多様に活用されるようになってきているが,動画像の収集・解析に要する通信量や計算量が課題となる.また,近年ディープラーニングの技術が非常に発達してきており,画像認識や音声認識を始めとする様々な分野に応用されている.しかし複数カメラから送信される大量の動画像の解析を高速に行うには,処理の並列化が求められる.そこで本研究では,ディープラーニングフレームワークである Chainer を,クラスタコンピューティングプラットフォームである Apache Spark 上で動作させることによる,分散並列機械学習処理において分散の挙動を調査する実験を行い,その実態と高速化について考察する.


セッション 4E  認識と認証
日時: 2017年6月29日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 須磨
座長: 齊藤 義仰 (岩手県立大学)

4E-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名咳音に対しての擬似音節化モデルと軽装着マイクを用いた咳嗽計数手法の検討
著者*竹之内 翔太郎, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院 情報理工研究科 情報・ネットワーク工学専攻)
ページpp. 803 - 809
キーワード咳カウント, HMM, MFCC, 対数エネルギー項, 音節化
アブストラクト現在,日本は少子高齢化問題の影響で,要介護者の人数が増え続けているという問題があり,介護者のストレスが原因で虐待事件などが発生している.介護者のストレスの素になる,健康管理に対する負担削減を目的に,本研究では健康状態把握に重要となる咳音を認識する手法の提案を行う.咳音が持つ様々な特徴を考慮して,複数の擬似的な音素に分けて定義を行い,各音素毎にHMM(Hidden Markov Model)を生成して認識を行う.録音には,首にかけることで常時装着した状態での録音が可能な形式のマイクを使用し,特徴量にはMFCC(Mel-Frequency Cepstrum Coefficients)に対数エネルギー項を加えたものを使用した.まず,簡易的な声道モデルを作成してマイクの仕様を決定し,続いて3名の被験者から,複数回の咳嗽からの計数を行う実験と発話中に咳嗽を挟んだ音声を認識させる実験を行った.実験結果から,1回の咳音に対し2分割して音節化し,「咳音の直前に無音状態が入る」という認識時の文法ルールを定義して認識を行った場合,発話せずに複数回咳を行ったときに95%以上の適合率(Precision)が得られ,咳嗽10回につき平均9回以上検出されるという結果となった.また,発話中に咳嗽を含んだ音声を認識させる実験でも,81%以上の適合率となった.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4E-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名足圧分布センサを用いた姿勢認識手法
著者*大西 鮎美 (神戸大学大学院工学研究科), 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科/科学技術振興機構さきがけ), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 810 - 818
キーワード足圧分布, 姿勢推定, シューズ, 行動認識
アブストラクト複数の機器を装着することなく,日常的に着用するシューズのみから足以外の情報である姿勢などを推定できれば,より快適で,広範囲なサービスに応用が可能となる.シューズを用いたセンシング例は多くあるが,足以外の身体の状態については詳細に検討されていない.そこで本研究では,シューズの中に搭載した足圧分布センサを用いて足裏圧力から姿勢や動作の推定を行なった.22種類の姿勢や動作について4種類の分類器で認識精度を評価し,RandomForestで25cm以上のシューズサイズの被験者は片足105エリア,25cm未満の被験者は片足84エリアの特徴量の寄与度を算出した.さらに,寄与度の高かった点について認識率を評価することで,最適な計測点を検討した.最も寄与度の高い1点で認識した場合にF値が最も高くなった被験者で全動作の平均が0.53であった.また,寄与度が最も高い点と寄与度が2番目に高かった左右対称な点の2点(片足1点ずつ)で認識精度を評価したところ,最も精度の高かった被験者で平均のF値が0.90となった.特徴量を630個に増やした際も,かかと部分,特にかかとの内側部分に関しては,寄与度が上位5位に入ることは無かったため,実験全体を通して,足先付近が寄与度の高い点が多く,被験者ごとにセンサ位置を変えることができない環境で,今回のような日常的なコンテキストを認識する場合,計測点を一点にしぼるなら足先の点が有力ではないかと考えられる.足圧を用いたアプリケーション例として,足圧分布をリアルタイムに光で提示するPressureLightningShoes(PL-Shoes)を実装した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4E-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名身体的特徴と行動的特徴の組み合わせによる圧力センサシートを用いたドライバ認証方式
著者*有井 栞, 鶴崎 真理子, 阿倍 博信 (三菱電機株式会社/情報技術総合研究所)
ページpp. 819 - 825
キーワードドライバモニタリングシステム, 圧力センサシート, ドライバ認証, 身体的特徴, 行動的特徴
アブストラクトドライバの個人適合型のシステムの提供や車両のセキュリティ向上に向け,自動車の乗員認証,行動認識への要求が高まっている.これらを同時に実現可能なデバイスとして,本論文では運転座席上の圧力センサシートに着目した.圧力センサシートを用いた個人認証方式では,静止時の圧力分布から取得される身体的特徴だけでなく,動作の個人特徴である行動的特徴が表れると考えられる.そのため,本論文では,CNN(Convolutional Neural Network)とRNN(Recurrent Neural Network)を組み合わせた学習器の学習により,身体的特徴と行動的特徴を統合的に抽出する個人識別器を生成し,複数の個人識別器を用いてドライバを認証する個人認証方式を提案する.基本性能評価のため,11人のドライバについて個人認識実験を行った結果,従来の一般的手法である判別分析法の誤認識率12.6%Errorに対して,提案手法では0.1%Errorとなり,提案方式の有効性を確認した.

優秀論文賞 / Paper Awards
4E-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名複数の特徴情報を用いて人工物の真正性を検証する方法の研究
著者*藤川 真樹, 實川 康輝 (工学院大学), 渕 真悟 (青山学院大学)
ページpp. 826 - 833
キーワード真正性, 特徴情報, マルチモーダル, 有価カード


セッション 4F  会話・対話支援
日時: 2017年6月29日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 浦島
座長: 米田 貴雄 (三菱電機)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4F-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名マルチモーダル辞書を用いた動作情報からのオノマトペ想起
著者*高橋 拓也 (公立はこだて未来大学大学院/システム情報科学研究科/情報アーキテクチャ領域), 角 康之 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 834 - 840
キーワードオノマトペ, マルチモーダル, 人形遊戯
アブストラクトオノマトペは対象物の様子や程度を表現するのに優れている言語表現である.「てくてく」や「びゅーん」といったような動作に伴うオノマトペも多く存在する.本研究では,人形遊戯に注目し,オノマトペと人形動作を合わせたマルチモーダルなデータを用いて動作情報からオノマトペを想起する情報基盤の構築し,人形遊戯の中で見られる人形の動作にどのようなオノマトペが想起されるのか分析を行った.その結果,前進する動作には「てくてく」や「とことこ」,跳躍や飛行の動作には「びゅーん」や「ひゅーん」といったような動作に見合ったオノマトペが想起されることが確認された.また,人形の動作は,環境や状況,動作主が持っている人形に依存されやすいことが見られた.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
最優秀論文賞 / Best Paper Awards
4F-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名穴あき用例と正確な用例を活用した多言語用例対訳作成手法
著者*福島 拓 (大阪工業大学情報科学部), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 841 - 846
キーワード多言語間コミュニケーション支援, 用例対訳, 穴あき用例
アブストラクト正確な多言語間コミュニケーション支援が求められる分野では用例対訳が多く用いられている.用例対訳は用例を正確に翻訳した多言語コーパスであり,正確な多言語変換が可能である.用例対訳の作成は人手で行われているため,十分な数の用例対訳を確保することが困難であった.そこで本稿では,用例の一部を穴あきにして入れ替え可能とした穴あき用例を活用し,単言語話者のみで用例対訳を作成する手法を提案・実装した.本手法では,単言語話者がそれぞれの言語で作成した正確な用例と,対訳になり得る穴あき用例の対とを用いることで,正確な用例対訳の作成を目指している.本稿の貢献は以下である.(1)穴あき用例を活用した用例対訳作成手法を提案し,実現した.(2)穴あき文の対と穴埋め単語の対の正確性担保を行った上で提案手法を適用することで,正確な用例対訳作成の可能性を示した.

4F-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名対話分析システムに基づく学習グループ編成支援の研究
著者*江木 啓訓, 久保田 亘 (電気通信大学情報理工学部)
ページpp. 847 - 850
キーワード対話支援, グループ編成, 対話分析, 学習支援
アブストラクト教育現場において能動的学修(アクティブラーニング)を進めるために,学習活動へのグループワークの導入が進んでいる.しかし,実際にアクティブ・ラーニングの手法を導入した際に,全ての学習者がグループ活動において一様に能動的な学習態度を取ることは難しい.グループでのディスカッションにおいては,発言が多い学習者と少ない学習者とに偏りが生じることがある.これにより,一部の学習者が積極的に発言できず,能動的な学習態度を取ることができないという問題がある.本研究は,グループワークにおけるこのような問題を解決するために,グループワーク内の対話において各学習者の発言が占める割合を「発言率」と定義し,発言率を計測する対話分析システムを開発した.さらに,システムによって得られた発言率を基にグループ編成を行う手法を提案し,学習者の支援に役立つか検証した.発言率の高い学習者同士,発言率の低い学習者同士のグループへの組み替えを行うことによって,発言の割合が高まった学習者がいたことを明らかにした.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
4F-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名プログラミング演習講義における声掛けのためのTA支援システムの開発と評価
著者*横山 裕紀, 江木 啓訓 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
ページpp. 851 - 856
キーワードコミュニケーション支援, 教育学習支援
アブストラクト多くの大学で実施されているプログラミング演習講義において,学習をサポートするTeaching Assitant(TA)制度が導入されている.しかし,学生数に対して少ない人数で指導する際には,全ての学生の学習状況を把握して対応できないという問題がある.そのため,講義に遅れをとっている学生に対して十分な支援を行えず,学習目標を達成させることができない. 本研究では,TAに学生の学習状況を提示するTA支援システムを提案する.これによって,TAが講義に遅れている学生を発見しやすくなり,学生に対して声掛けを行えるようになると考えた.TAの行動を阻害することなく支援を行えるように,片眼のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた.出席,確認テスト,課題の3つのデータが学習管理システム(LMS)で管理されているため,データを取得して学生の学習状況を閲覧できるようにした. 講義で使用した結果,システムを用いることによるTAの声掛け件数の増加は見られなかった.しかし,TA支援システムを用いることによって,教室内の巡回などのTAの行動を活発にする可能性が示唆された.また,クラスによってTAの行動に差が大きかったことから,今後はTAの行動の変容に働きかけるようなデザインを考慮する必要があることが明らかになった.


セッション 4G  生体情報
日時: 2017年6月29日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 蓬莱
座長: 新井 イスマイル (奈良先端科学技術大学院大学)

4G-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名生体情報による感情推定手法とステージの観客反応による評価
著者平松 拓也 (芝浦工業大学/工学部情報工学科), *池田 悠平, 保科 篤志, 馮 晨 (芝浦工業大学院/理工学研究科/電気電子情報工学専攻), 高橋 裕也, 菅谷 みどり (芝浦工業大学/工学部情報工学科)
ページpp. 857 - 864
キーワード感情分析, 生体情報, ラッセル円環モデル
アブストラクト本研究では,生体情報における感情推定の研究における課題である,分析方法と評価方法について有効性のある手法を提示することを目的としている.Russellの円環モデルへ生体情報を対応づけ,雰囲気や感情を分析する研究においては,分析方法や評価方法が確立しておらず,その有効性が明確ではない.本研究では,脳波と脈拍の2つの生体情報により,8つの分類に基づく感情推定手法について,二次元座標に対応づく円環モデル上で観測された点の分類について,既存研究での感情分割線の距離の比率による手法に対し,ベクトル分解に基づく手法を新たに提案した.また,有効性の検証にあたっては,当初の動機にあるステージの観客の感情分析を行った.この時EQの感情識別能力が高いグループと主観評価との相関値が高いことにより評価の検証を行うことで,評価の有効性を高めることができることを示した.

4G-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名おもてなしロボットの生体情報による評価
著者西田 裕己, 保科 篤志, 池田 悠平 (芝浦工業大学 工学部 情報工学科), 馮 晨 (芝浦工業大学院/理工学研究科/電気電子情報工学専攻), *高橋 裕也, 菅谷 みどり (芝浦工業大学/工学部情報工学科)
ページpp. 865 - 875
キーワード生体情報, ロボット, おもてなし
アブストラクト本研究では,生体情報における感情推定の研究における課題である,分析方法と評価方法について有効性のある手法を提示することを目的としている.Russellの円環モデルへ生体情報を対応づけ,雰囲気や感情を分析する研究においては,分析方法や評価方法が確立しておらず,その有効性が明確ではない.本研究では,脳波と脈拍の2つの生体情報により,8つの分類に基づく感情推定手法について,二次元座標に対応づく円環モデル上で観測された点の分類について,既存研究での感情分割線の距離の比率による手法に対し,ベクトル分解に基づく手法を新たに提案した.また,有効性の検証にあたっては,当初の動機にあるステージの観客の感情分析を行った.この時EQの感情識別能力が高いグループと主観評価との相関値が高いことにより評価の検証を行うことで,評価の有効性を高めることができることを示した.

4G-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名脈波及び体動情報を用いた集中状態推定精度の検証
著者*内田 昂, 磯山 直也, Guillaume Lopez (青山学院大学理工学研究科)
ページpp. 876 - 879
キーワード集中状態, 脈波, 授業支援, スマートウォッチ
アブストラクト我々は物事に集中して取り組む能力として「集中力」という言葉を用いることがあるが,集中力は様々な要素が含まれることから定量化することができず,無意識下に変化する集中状態を常時把握することも困難である.集中状態を推定する手法として体動情報や生体情報を用いたものが提案されてきたが,双方を同時に用いた集中状態の推定は未だ行われていない.そこで,本研究では従来研究で用いた体動情報に加え,生体情報として脈波を使用した単一デバイスによる集中状態の推定手法を提案する.本手法を用いることで,自身の作業態度を振り返り,作業環境などを省みる機会を与えることができる.勉学中のデータを使用した教師あり学習を行い,学習結果に対し交差検証を行った結果,推定に十分な精度を得ることが出来た.また,集中状態評価を複数人で行うことで85.5%の精度を得ることができ,本手法が有効であることを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4G-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名WHOQOL-BREFに基づくHRQOL評価におけるスマートデバイスを用いた簡易計測手法の提案
著者*雨森 千周, 水本 旭洋 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科), 荒川 豊 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科/JSTさきがけ), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
ページpp. 880 - 887
キーワードHealth Related Quality of Life(HRQOL), WHOQOL推定, 生体情報, 位置情報
アブストラクト悩みやストレスを感じながら生活している人が日本の全人口の半数を占めていると報告されており, 今後,心身の健康を損なう人が増加すると考えられる. 健康に直接影響のあるQOL(Health Related Quality of Life:HRQOL)は 疾患や治療が,患者の主観的健康感や,毎日行っている仕事,家事,社会活動への影響度を定量化したものであり, 継続的に計測することで,ストレスの兆候を早期に発見するようなストレス予防に繋げることができる可能性がある. しかしながら, HRQOLを計測するためにはアンケートへの回答を行う必要があり, 毎日の回答は負担が大きいため継続的な計測は難しい. そこで,スマートデバイスなどを用いて計測した生活データから自動的にHRQOLを評価することでユーザへの負担を軽減し, 継続的な計測を実現する簡易計測手法を提案する. 提案手法では, HRQOLの評価手法の1つであるWHOQOL-BREFの質問項目を「主観的評価が必要な項目」と「客観的評価が必要な項目」に分け, それぞれ異なる方法で回答値を求める. 前者では,アンケートの回答値の変動が少ない項目の質問頻度を減らし, 後者では,生活データから回答値を算出し,評価に必要な質問項目数を削減することで簡易計測を実現する. 提案手法の実現に向けて被験者実験を行い, HRQOL簡易計測手法を用いて評価値を算出した結果,正解値との相関係数が0.903となることを確認した. また,被験者実験の結果から,生活データとHRQOL評価値の相関,質問頻度を調節できる可能性のある質問項目を明らかにし, さらに,これら2点に関して, 身体健康状態領域では被験者間の差異が小さくなることを,環境領域では差異が大きくなることを明らかにした.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4G-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名ウェアラブル心電計から計測された心拍の周波数特徴量解析を対象とした欠損RRIの補完手法
著者*江口 佳那, 青木 良輔, 吉田 和広, 山田 智広 (NTTサービスエボリューション研究所)
ページpp. 888 - 897
キーワードウェアラブル, 心電図, 計測異常, 心拍変動解析, 周波数特徴量
アブストラクトウェアラブル心電計では,計測異常によるアーチファクトが生じやすい.アーチファクトはR波と誤判定されやすく,RRIの誤算出を引き起こす.本稿では,日常生活において正確な心拍変動解析を実現することを目標として,計測異常によって引き起こされた誤ったRRIを異常値として除外し,RRI欠損区間を補完する手法を提案する,RRIの異常値除外では,計測異常時に正常状態とは異なる電位が観測されることに着目し,QRS群の電位特性に基づいてRRIの計測信頼度を評価し,低信頼度のRRIを異常値とみなして除外する.その上で,補完値と評価時間の二つの値によってRRI欠損区間を評価し,RRI欠損区間が補完値以上評価時間未満の場合のみを対象として補完を行う.初期評価として,R波の未検出区間によって延長したRRIを含むデータ,および異常区間を含むECGを解析して得られたデータを対象として周波数解析を行い,従来よりも高精度に周波数特徴量が算出できることを確認した.


セッション 4H  ソフトウェアセキュリティ
日時: 2017年6月29日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 石狩・洞爺
座長: 油田 健太郎 (宮崎大学)

4H-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名端末の長期的な識別を目的とした内部ストレージ種別の推定
著者*種岡 優幸, 高橋 和司, 安田 昂樹, 田邉 一寿, 細谷 竜平 (明治大学大学院), 齋藤 孝道 (明治大学)
ページpp. 898 - 904
キーワードBrowser Fingerprinting, ブラウザ識別, Web行動追跡
アブストラクトHTTPヘッダやJavaScriptから採取可能な情報を組み合わせて端末を識別するBrowser Fingerprintingという手法がある.ユーザエージェント文字列に代表される端末の識別に利用される情報のいくつかは時間経過に伴い変化することが先行研究により示された.よって,端末の長期的な識別を行う上で,時間経過による値の変化が生じにくいハードウエアに付随する情報は有用である.先行研究では,様々なハードウエア情報の取得手法を提案しているが,本論文では,ハードウエアに付随する新たな情報としてHTML5のWeb Storage APIを利用し,端末の内部ストレージ種別がHDDかSSDかを推定する手法を提案する.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4H-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名パッチ差分に基づく脆弱性修正箇所の特定支援技術の検討
著者*中島 明日香 (NTTセキュアプラットフォーム研究所), 木村 廉 (神戸大学 大学院), 川古谷 裕平, 岩村 誠, 針生 剛男 (NTTセキュアプラットフォーム研究所)
ページpp. 905 - 910
キーワード脆弱性, パッチ差分, 逆アセンブリ, 実行ファイル
アブストラクト近年,既知の脆弱性箇所の特徴に基づいた脆弱性発見手法が注目されており,その手法を利用して少なくはない脆弱性が発見されている.しかし既存手法では,利用する脆弱性箇所の特徴を,主にソースコードから収集しており,実行ファイルに含まれる脆弱性箇所は,その解析・収集の難しさ故に対象外であった.そのため必然的に,プロプライエタリなソフトウェアの脆弱性の特徴は利用できず,発見可能な脆弱性も限られていた.脆弱性修正前後の実行ファイルを比較(パッチ差分解析)して,脆弱性箇所の特定を支援する技術は存在するものの,既存手法では特定可能な脆弱性箇所が限られており,かつ実行ファイル中で脆弱性修正以外の修正が行われていた場合,その判別が難しかった. そこで本論文では,脆弱性箇所収集を最終目的として,脆弱性修正を含めたプログラム修正が存在する実行ファイル中から,網羅的に脆弱性修正箇所の特定を支援する技術の検討を行った.具体的には,網羅的な脆弱性修正箇所発見を目指して,まずはオープンソースソフトウェアから収集した,既知の脆弱性修正箇所をクラスタ分析手法で分類し,共通する特徴の有無を調べた.そして次に,線形分類器を利用して,収集した脆弱性修正箇所とその他の修正が識別可能か否かを検証した.その結果,脆弱性修正箇所の分類では部分的に共通する特徴は見られたが,脆弱性修正とその他の修正の識別は正解率56%と高くはなく,識別に利用する入力データの改善が課題として浮かびあがった.

4H-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名AndroidにおけるMultiple APKの脅威の調査と検証
著者*関岡 好史, 今井 宏謙, 吉田 奏絵, 金岡 晃 (東邦大学)
ページpp. 911 - 919
キーワードAndroidセキュリティ, モバイルセキュリティ
アブストラクトAndroid アプリケーションを提供しているGooglePlayでは、設定の異なる端末に対して別々のAPKを公開するMultiple APKの機能が備わっている。通常Android アプリケーションはバージョンや画面サイズなど各端末の設定に対応するために代替リソースを含めているが、この代替リソースを含めることによりAPK がGooglePlay で公開するにあたり制限されているファイルサイズの100MB を超えてしまう場合がある。これを避けるためにGooglePlay ではMultiple APKの機能を提供している。しかし、MultipleAPK はその性質上異なるAPKを一つのアプリに含められる恐れがある。また、APK を検査、解析をするサービスや研究では、対象アプリケーションがMultiple APKの場合、それらサービスや研究では1つのAPK だけしか見ていない可能性があり、検査サービスを避けるような悪意のあるAPK を故意に作られる恐れがある。本研究ではMultiple APK を取り巻く環境の網羅的な調査や、Multiple APK における脅威がどれほど存在するか検証を行った。

4H-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名サーバーにインストールされているソフトウェアバージョン情報をステルスで自動収集する手法の提案
著者*勝野 恭治 (日本IBM東京基礎研究所)
ページpp. 920 - 924
キーワードソフトウェア脆弱性, ネットワークトラフィック監視, クラウド
アブストラクト緊急度が高いソフトウェア脆弱性が発見された場合、クラウド事業者には、脆弱性を持つ可能性があるサーバーを特定し、対象サーバーを使っているクラウド利用者にソフトウェア更新プログラム適用を促したり、長期間ソフトウェア更新プログラムを適用していないサーバーを一時隔離するといった対応が求められる。しかし、クラウド事業者はクラウド利用者に引き渡した後のサーバーに対して原則、クラウド利用者の許可なくアクセスすることができず、各サーバーにインストールされているソフトウェアの現状を把握できないため、対象サーバーを特定するのが困難である。 本論文では、ソフトウェアパッケージをダウンロードする通信に対してモニタリング・ロギングを行い、サーバーにインストールされているソフトウェアとバージョンを収集する手法を提案する。本提案手法を用いることによって、サーバーに直接アクセスを行わず、ログファイルをチェックするのみで、サーバーにインストールされているソフトウェアとバージョンを推定できる。そのため、提供後のサーバーに直接アクセスができないクラウド事業者にとって大変有益である。 本論文では、代表的なパケットモニタリングツールとソフトウェアパッケージインストール・管理システムを検証対象として選定し、実証実験を行うことで、本論文のアプローチが実用的であることを示す。


セッション 5A  交通最適化
日時: 2017年6月29日(木) 10:30 - 12:10
部屋: ミリオーネホール
座長: 屋代 智之 (千葉工業大学)

5A-1 (時間: 10:30 - 11:10)
題名(招待講演) 運行実績データに基づく列車の遅延対策
著者*富井 規雄 (千葉工業大学 情報科学部 情報工学科)
ページpp. 925 - 926
キーワードデータマイニング, 可視化, 決定木, 相関ルー ル, 鉄道

5A-2 (時間: 11:10 - 11:30)
題名計画間の整合条件を生成する連結ネットワークモデルを用いた列車ダイヤと構内入換計画の相互連携方式の提案
著者*前川 勇樹, 富山 友恵, 佐藤 達広 (Center for Technology Innovation - System Engineering, Research & Development Group, Hitachi, Ltd.)
ページpp. 927 - 933
キーワード鉄道, 車両運用計画, 構内入換計画, スケジューリング, 連携
アブストラクト鉄道運行サービスを輸送障害から復旧するためには、鉄道運行に関わる様々な計画を相互の整合性を維持しながら修正する必要がある。これまでは高いスキルをもった熟練者が担当していたが、近年の列車ダイヤの過密化・鉄道網の複雑化を背景に、人手による整合性の維持が難しくなり、計画修正業務の非効率化が問題となっている。そこで本研究では、修正対象の計画がいずれもネットワークモデルで表現できることに着目し、計画修正業務を支援する計画間の相互連携方式として、計画変更や整合条件を相互に取り込むことができる連結ネットワークモデルと仲介アルゴリズムを考案した。また、提案手法を用いたアプリケーションとして、列車ダイヤと構内入換計画の計画修正機能を開発した。提案機能を評価するため、国内の中規模路線を模した列車ダイヤおよび構内入換計画1日分のデータを用い、実際の計画修正業務を想定した実験を行った。結果として、計画修正業務で提案機能を利用する場合は、計画をまたがって不整合箇所を修正する手戻り修正の回数を低減できる見込みを得た。

5A-3 (時間: 11:30 - 11:50)
題名ロードプライシングにおける需要分布に基づく料金決定手法の提案
著者*川上 朋也 (奈良先端科学技術大学院大学), 増田 健一 (住友電気工業株式会社), 柴田 直樹, 伊藤 実 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 934 - 940
キーワードロードプライシング, 価格決定, 需要分布, 非線形最適化, 差分進化法
アブストラクト交通渋滞を低減するためにさまざまなロードプライシングの仕組みが提案され,各国で導入されている.実際の混雑状況に応じて課金額をリアルタイムに設定するロードプライシング手法は,道路の利用効率を高めることが期待できる.しかし,利用者が道路の混雑状況から利用時の正確な料金を事前に把握することは困難であるため,利便性に問題が生じる.そこで本論文では,出発地・到着地・時間帯ごとに道路利用の大まかな需要分布が事前に把握できる環境を想定し,事業者が需要分布に基づいて利用料金の決定と提示を事前に行う手法を提案する.提案する料金決定手法では需要分布に基づくモデルを設計し,道路が渋滞しない範囲で事業者の総収入を最大化する料金を最適化手法により決定する.本論文では特定の道路環境において,提案手法により利用料金が適切に設定されることを確認した.

5A-4 (時間: 11:50 - 12:10)
題名地方中核都市における交通流改善のための交通シミュレーション
著者*池田 千夏 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科), 齊藤 正史 (金沢工業大学), 清原 良三 (神奈川工科大学)
ページpp. 941 - 948
キーワードITS, 交通シミュレーション, 渋滞, 都市計画, 公共交通
アブストラクト都市部における交通渋滞は深刻化の一途をたどっている.地下の有効利用などで道路を増やし,増える交通量をさばけるだけの容量を確保するといった対応を取れる都市もある.また,交通渋滞に対しては,発達した公共交通機関を利用することにより,通勤通学時に渋滞を避けることも可能な都市も多い.しかし,地方中核都市では、公共交通サービスが貧弱で,鉄道があっても列車の本数が少ないなどで自動車を利用する人が多くなる.結果として交通渋滞が発生しており,問題は深刻化している.海外の多くの都市では,これらの問題を解決する手法としてロードプライシングを導入しているが,公共交通機関が発達していない地方都市においては通勤通学時の負担も大きくなるだけで自動車から公共交通機関への利用の変更をそれほど期待できない.また,パーク&ライドを導入する都市も多いが日本では駐車場のスペースの問題もあり,あまり効果を得ていない.本論文では,これらの問題に対する対応策を考える前の人の流れの把握手法に関して,オープンデータを活用する手法を提案する. 提案方式を利用して,金沢市において,2種類の施策を実施した場合の効果に関して検証のための交通シミュレーションを行い,若干ながら効果があることを確認できた.


セッション 5B  ネットワーキング
日時: 2017年6月29日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 羊蹄・大雪
座長: 石原 進 (静岡大学)

5B-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名MQTT-SNの実装評価
著者*木村 一統 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科), 新井 イスマイル, 藤川 和利 (奈良先端科学技術大学院大学 総合情報基盤センター)
ページpp. 949 - 954
キーワードMQTT-SN, QoS, IoT
アブストラクトIoT デバイスはその特徴によって様々な通信環境下での使用が考えられており、通信環境と使用するネットワーク・プロトコルの組み合わせにより、その通信特性が大きく異なる。このため、通信環境に合わせたネットワーク・プロトコルの選定が重要となる。 IoT デバイス向けのアプリケーション層プロトコルに MQTT(MQ Telemetry Transport) と MQTT-SN(MQTT for Sensor Network) がある。本研究では MQTT-SN プロトコルを実装し、 MQTT 、 MQTT-SN の 2 つのプロトコルと、現在最も用いられているプロトコルである HTTP(Hyper Text Transfer Protocol) について、通信環境や QoS の値を変化させた場合に、処理可能なメッセージ数どの程度の影響を受けるのかについて性能比較を行った。結果として、MQTT-SN のアーキテクチャ上の問題点、実装上の問題点が明らかとなった。

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
5B-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名カバレッジ外の端末へ緊急速報を配信するためのProximity Servicesを用いた同報配信システム
著者*六平 豊, 中村 嘉隆, 稲村 浩 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 955 - 962
キーワード非常時通信, モバイルマルチキャスト, 移動体ネットワーク, 端末間直接通信, 緊急速報
アブストラクト地震や津波などの大規模な災害時には携帯電話基地局の故障によって一部地域の人々が電話,メール,緊急速報などのモバイルサービスを利用できない場合がある.特に被災直後はモバイルサービスの利用不能によって,身の安全を守るために必要な情報収集が困難となる虞がある.そのため,被災時に停止したモバイルネットワークの代替ネットワークを迅速に構築することが重要となる.先行研究として代替ネットワークの構築手法について数多くの検討がされているが,緊急地震速報や津波速報などの緊急速報を配信する手法は検討されていない.3rd Generation Partnership Projectは,非常時の無線通信システムにLong Term Evolution仕様で携帯電話基地局を介さない近接端末間通信を可能とするProximity Servicesの仕様化を進めている.本研究では既存の同報配信システムであるEarthquake and Tsunami Warning SystemにProximity Servicesを統合させ,カバレッジ外の端末を対象に緊急速報を配信可能である同報配信システムの提案を行う.本稿では,本提案システムについての評価実験を実施し,カバレッジ外の端末に対して緊急速報を配信できることを確認した.

5B-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名将来移動経路の負荷を考慮したモバイルデータオフローディング手法の評価
著者*安孫子 悠 (静岡大学情報学部), 望月 大輔 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域)
ページpp. 963 - 970
キーワードオフローディング, モバイルデータ, 遅延耐性
アブストラクト近年,スマートフォンの急速な普及でモバイルデータ通信需要が増加している.一方で,モバイルデータ通信では特定の時間帯や地域などに負荷が偏り,トラフィックの収容効率が低下するという課題がある.そこで,遅延をある程度許容するデータに着目し,遅延可能なデータの送信レート制御を行うことで負荷分散を行うモバイルデータオフローディングプロトコル(MDOP)が提案されている. MDOPは,eNBの負荷状態,モバイル端末の移動,データの遅延耐性を考慮し,トラフィックの送信レートを制御することで,時間的,空間的,通信路的の3つの方法でモバイルデータ通信の負荷を分散する通信プロトコルである.これまでのMDOPでは,移動後のeNBの負荷状態を考慮せず送信レート制御することで,移動後のeNBに負荷が偏るという課題があった.本稿では,移動後のeNBに負荷が偏るという課題を解消するため,将来のユーザ移動情報を考慮した負荷分散手法について検討し,シミュレーションを用いて評価した.評価の結果,将来のユーザ移動情報を用いることで用いない時と比べて,特定の地域に負荷が偏ることを約3%解消可能であることを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5B-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名モバイルアドホックネットワークにおける選択的破棄攻撃に適応したトラストモデルの検討
著者*五箇 奏乃子, 大畑 百合, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科重野研究室)
ページpp. 971 - 977
キーワードMANET, モバイルアドホックネットワーク, トラストモデル
アブストラクトノード間で協調して通信を行うシステムであるMobile Ad hoc Network(MANET)では,各端末のリソースに制限があるため,パケットを破棄することで,自身のリソースを確保する非協力ノードが存在する.この非協力ノード対策として,リンクトラストと呼ばれる評価値を用いて非協力ノードを検知するトラストモデルが提案されている.MANETにおいて指摘されている攻撃の一つに,リンクトラストをある一定以上に保ちながらパケットを破棄する選択的破棄攻撃がある.本稿では,選択的破棄攻撃を行うノードを検知するトラストモデルTMSPD(Trust Model against Selective Packet Dropping attack)を提案する.TMSPDでは選択的破棄攻撃の特徴を考慮した選択的破棄攻撃を行うノードの検知を行う.シミュレーションを用いて提案手法を評価し,選択的破棄攻撃を行うノードの検知率が向上するという結果からTMSPDの有用性を示す.

5B-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名Social MANETにおけるデスティネーションノード起動型ルーティングの評価
著者*平井 光一 (創価大学大学院工学研究科情報システム工学専攻), 高見 一正 (創価大学工学研究科情報システム工学専攻)
ページpp. 978 - 983
キーワードMANET, SNS, ルーティング, セキュリティ, 海外渡航者
アブストラクト近年、携帯端末のみでネットワークを構築する技術として、MANET (Mobile Ad-hoc Networks)が研究されている。しかし、MANETはセキュリティの脆弱性といった様々な課題を抱えているため、未だ実用化には至っていない。本研究では海外旅行者の端末と公衆無線アクセスポイントをMANETで接続することで、海外旅行者がインターネットを使用できるサービスを提案する。そこで、MANETをSNSのグループを用いて構築することでセキュリティの脆弱性を補完する。このようにSNSを用いて構築したMANETをSocial MANETと本稿では定義する。しかし、このサービスは街中での使用を想定しているため、アクセスポイントが複数箇所あることから、デスティネーションノードが一意に定まらず、AODVといったデスティネーションノードにリクエストメッセージを送るルーティングプロトコルを使用することができない。ここで、本稿ではアクセスポイントからワンホップで通信できるノードをデスティネーションノードとし、そのノードからルーティングを開始するデスティネーションノード起動型ルーティングを提案する。シミュレーションで提案方式のルーティングと従来のルーティングを実装し、提案方式のルーティングの優位性を検証する。


セッション 5C  行動とソーシャルメディア
日時: 2017年6月29日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 末広
座長: 吉田 和幸 (大分大学)

5C-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名受信電波強度分布を利用したデバイスフリー人体検知
著者*野村 祐太朗, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 984 - 990
キーワードRSSI, Bluetooth, localization, indoor, Device-free
アブストラクトスマートフォンやタブレットなどの携帯型の情報機器が広く普及し,これら携帯機器の位置情報の活用に対するニーズが高まっている.スマートフォンやタブレットにはWi-Fi や Bluetooth といった無線機能,GPS,あるいは加速度センサーなどのセンサーも搭載されており,それらを利用した屋内外の位置推定技術に関する研究が精力的に展開されている.本論文では端末間の人体検知について二つの手法を述べる.一つ目は「端末間に人が存在するかしないか」を判定する方法として複数の Bluetooth ビーコンを利用して教師データを入力せずにクラスタリングを行う方法がである.その結果,本研究での実験環境においては,既存研究で報告されているような良好な結果とはならなかった.さらに人が存在するときの受信電波強度分布と人が存在しないときの受信電波強度分布を教師データとして利用した方法で人検知率がどう変化するか評価を行なった.その結果,1つのビーコンを用いて推定を行なった時の正解率は用いるビーコンにより50%から90%と幅のある結果を得た.

5C-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名スマートフォンのセンサ情報を用いた屋内来訪検知技術
著者*水上 ひろき (株式会社サイバーエージェント/技術本部 秋葉原ラボ), 尾日向 洋皓, 横山 潤 (株式会社サイバーエージェント/アドテク本部 AirTrack)
ページpp. 991 - 994
キーワード広告, 機械学習, 位置情報, スマートフォン
アブストラクト本研究では,スマートフォンのセンサ情報をもちいた,屋内の特定のエリアへの来訪を計測する技 術に関して技術的な検証結果を紹介する.屋内における来訪計測では多くの場合来訪計測の対象地点に Beacon などの特定の機器を設置することが多いが,この取組みは機器の設置を行わずに屋内での来訪測定 精度の改善を達成した.

5C-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名複数アカウント所持者のための企業・私的ツイート判別手法の提案
著者*野崎 祐里 (筑波大学図書館情報メディア研究科), 佐藤 哲司 (筑波大学図書館情報メディア系)
ページpp. 995 - 1001
キーワードTwitter, 投稿形態, 文末表現, マルチアカウント, 機械学習
アブストラクトマイクロブログサービスのTwitterは,マーケティングの観点から企業が自社のアカウントを作成することがある.このような企業のアカウント担当者が,自分の私的なアカウントを所持していた場合,複数のアカウントを使い分けて運営する必要があるが,投稿するアカウントを間違えてしまうリスクが存在する.著者らはこれまでに複数アカウント所持者の投稿するアカウントを機械学習で推定する手法を提案してきた.しかし,提案した手法は複数アカウント所持者ごとに分類器を生成する必要があり,分類器の生成や更新にコストがかかる.本論文では,使い分け方を企業アカウントと私的アカウントに絞り,汎用的な分類器をただ一つのみ構築する手法を提案する.素性には,ツイートに付与されるメタ情報,文末記号とその前に出現する文字bigramとした.評価実験の結果,手法の有効性が確認できたので報告する.

5C-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名ウェアラブルデバイスを用いた行動の自動分類システムの構築
著者*佐藤 慶太, 千田 正史 (仙台高等専門学校 専攻科), 早川 吉弘, 小林 秀幸, 千葉 慎二 (仙台高等専門学校), 盒 晶子 (仙台高等専門学校 専攻科), 藤木 なほみ (仙台高等専門学校)
ページpp. 1002 - 1006
キーワード行動認識, モーション解析, IoT, 機械学習
アブストラクトウェアラブルデバイスに内蔵されたセンサから取得したデータで解析,分類を行い,人の行動を自動で特定する手法を提案し,その能力を検討する.その手法の実現可能性を探るため,限定された行動を扱うスポーツ競技を対象に解析を行う.特に,筆者にとってデータ収集が行いやすい卓球競技を採用し,その中で打球フォームの分類の自動化を検討する.

5C-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名ソーシャルストリームを用いた場所と時間に対応するリアルタイムなイベント検索
著者*工藤 瑠璃子, 丸 千尋 (お茶の水女子大学), 榎 美紀 (日本アイ・ビー・エム株式会社), 中尾 彰宏, 山本 周 (東京大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 1007 - 1012
キーワードSNS, Twitter, 情報抽出, 情報検索, 観光情報
アブストラクト近年, 様々な SNS が人々の間に普及し, 利用者が多様な情報を発信している. そのような Web 上の情報に は, ユーザの体験やローカルイベント, 地域特有の情報など, 特定の場所にいる人にとって有益な情報が含まれている ため,SNS データから観光地や観光ルート, 地域の特徴を抽出する研究が盛んである. しかし, ユーザの地理的, 時間的 制約を考慮し,「その時・その場」で役立つ情報を抽出している研究は少ない. 本研究では, 旅行者などの時間とともに 移動していく人に有用な情報を SNS の代表である Twitter から抽出する. そして, 外国人観光者向けに提示する情報を 多言語化し, インバウンド対応のタイムリーな情報提示手法を提案する.


セッション 5D  データ通信
日時: 2017年6月29日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 明石
座長: 山口 弘純 (大阪大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名医療情報ネットワークにおけるOpenFlowを用いた動的経路制御の一検討
著者*岩崎 裕輔 (大阪大学 大阪大学大学院 情報科学研究科 渡辺研究室), 小野 悟 (静岡大学 創造科学技術大学院), 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学 大阪大学大学院 情報科学研究科 渡辺研究室)
ページpp. 1013 - 1021
キーワードLAN, OpenFlow, SDN, 医療情報ネットワーク
アブストラクト本稿ではOpenFlowを用いた医療情報ネットワークの動的経路制御について検討する. 本研究では,高価かつ高性能なコアスイッチを,フルコネクトされた複数の安価なOpenFlowスイッチで構成されるコアネットワークで置き換える. このコアネットワークを用いることで,医療情報ネットワークにおける時間的なトラヒックの偏りに対して適応的に通信容量を割り当てることができる. リンクに障害が発生した場合でも,動的に経路を割り当てることで通信のロ バスト性を提供する. シミュレーションによる評価の結果,本方式を用いることによって現状のコアスイッチに漸近する性能を発揮できることが確認できた.

5D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名遅延耐性ネットワークにおける汎用的データ交換方式の検討
著者*黒瀬 浩 (金沢工業大学/工学部)
ページpp. 1022 - 1025
キーワード遅延耐性ネットワーク, キャッシング, 転送, データ交換, 汎用
アブストラクト惑星間通信から検討された遅延耐性ネットワークは,通信遅延が大きい状況のみならず,信頼性が低い通信状況や移動することを前提とした通信環境,災害時における通信手段構築など様々な応用分野に適応できる.一方,通信方式や評価指標は応用分野の利用形態からの制約により,応用分野が異なると比較しにくい.本稿では,遅延耐性ネットワークの評価を行いやすくするために,汎用的なデータ交換方式について検討し,利用形態についてノードの役割,エッジサーバに有する機能,通信パラメータ分類,代表的なポリシーおよび評価指標について述べる.

5D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名社会センサデータ生成・共有基盤におけるデータフロー制御機構
著者*愛甲 善之助, 谷山 雄基, 横山 正浩, 中嶋 奎介 (大阪大学大学院情報科学研究科), 義久 智樹 (大阪大学サイバーメディアセンター), 原 隆浩 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1026 - 1033
キーワードソーシャルネットワーク, ソーシャルマイニング, 参加型センシング, センサネットワーク
アブストラクト近年普及しているSNS(Social Networking Service)に投稿された短文や写真から,単語の出現頻度や写真の撮影地点を解析することで実社会の情報(社会センサデータ)を取得できる.これまでの社会センサデータ生成・共有基盤では,生成された社会センサデータを別の社会センサデータの入力とする(再利用)ためには,データベースにアクセスしてデータを取得する必要があった.データが生成されると自動的に別の社会センサに入力して再利用することで,実社会の情報を早く取得できる.そこで,本研究では,筆者らがこれまでに開発してきた生成・共有基盤におけるデータフロー制御機構の設計と実装を行った.提案するフロー制御機構を用いることで,社会センサデータが生成される毎に別の社会センサへのデータの入力を自動的に行える.さらに,SNS から取得したデータを分析する社会センサ,およびその分析結果を入力データとする社会センサを実装し,提案するデータフロー制御機構の動作確認を行った.

5D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名動的資源適合型ネットワークシステムにおける周辺端末連携機能の実装と評価
著者*戸川 和晃, 橋本 浩二 (岩手県立大学ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 1034 - 1039
キーワードSDN, OpenFlow
アブストラクトネットワークトラフィックが増加傾向にある中で,大規模イベント開催時や自然災害発生時は通常よりも多くのネットワーク資源がネットワークの末端で求められる.LTEなどの高速通信が可能なスマートデバイスの普及によって,誰もが高速通信を可能とする環境が整いつつあるが,局所的かつ一時的に増加するトラフィックをより効率的に処理するためには,ユーザが所有しているスマートデバイスを活用することが有効であると考える.ここで,1台のスマートデバイスで処理することができるトラフィックには限度があるため,複数のスマートデバイスを協調動作させることが必須となる.しかし複数台のスマートデバイスを協調させ,ネットワーク資源を集約する仕組みは確立されていない. そこで我々は動的資源適合型ネットワークシステムにおいて,周辺端末連携機能を開発した.開発した周辺端末連携機能ではユーザのスマートデバイスのネットワーク資源を集約し,利用可能帯域を増加させること目的としている.上述した機能を実現するために,我々はSoftware Defined Networking (SDN)とSDNを実現するためのプロトコルであるOpenFlowを使用した. 本稿では,提案システムの設計やプロトタイプシステムの構築について述べる.プロトタイプシステムを用いた評価実験では,周辺端末の台数とスループットの関係性を評価し,周辺端末数が増加するにつれて利用可能帯域が増加し,また,スループットのばらつきも小さくなることを示した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5D-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名oneM2M規格のオープンソースソフトウェアと自作ソフトウェアの比較
著者*大西 亮吉 (株式会社トヨタIT開発センター), 笹原 将章 (株式会社デンソー), 佐藤 一馬 (株式会社トヨタIT開発センター)
ページpp. 1040 - 1044
キーワードoneM2M, OSS, OM2M, モビリティ管理
アブストラクト車両に搭載された多様なセンサのセンシング情報がセンタサーバに集められ,故障診断や仕様改善,経路案内等に役立てられている.情報収集のための通信プロトコルとしてoneM2M規格に着目し,Release 1の直後から自作してきたソフトウェアMDDCと,後発のオープンソースソフトウェアOM2Mの機能面・性能面の比較を行った.機能面では,OM2Mの方がより新しいoneM2M規格を網羅的に実装していたが,車載機には必須となるモビリティを管理するような機能は確認できなかった.性能面では,MDDCの方がOM2Mよりも接続時間が短く,伝送時間は長い様子が確認できた.更にそれぞれのベースとなる通信プロトコルとしてHTTPとCoAPの比較も行い,CoAPはメッセージサイズが1kBを超えると,伝送時間が長くなる様子が確認できた.これらの結果の考察を行い,今後の開発の方向性について述べる.


セッション 5E  コンテンツ制作支援
日時: 2017年6月29日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 須磨
座長: 水野 慎士 (愛知工業大学)

5E-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名パーソナルファブリケーション時代におけるBlockchainを用いた製造情報保存システム
著者*阿部 涼介 (慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科), 斉藤 賢爾 (慶應義塾大学SFC研究所), 村井 純 (慶應義塾大学 環境情報学部)
ページpp. 1045 - 1054
キーワードパーソナルファブリケーション, 製造責任, 知的財産権, Blockchain
アブストラクトデジタルファブリケーションの普及を背景に,インターネット上で公開された設計図データを入手し,個人の環境に合わせて改変,製造を行うといった,パーソナルファブリケーションと呼ばれる個人的な製造が積極的に行われている.そうした中で,個人で製造物の製造者,設計者のデータを管理しておくことは困難である.パーソナルファブリケーションにおける製造物のデータ管理においては公開性,完全性,追跡可能性の3点が求められる.そこで,本研究ではP2Pネットワーク上でデータが検証されたことを合意し公開台帳を形成するシステムであるBlockchainを用いて製造物の情報の保存を行うことで3点の要件を担保できると考えた.実験システムとして,Raspberry Pi3で3Dプリンタの制御を行いプリント実行時にEthereum Blockchain上に製造物の情報を保存するシステムを実装した.上記3点の要件に対して評価を行い,要件が満たされていることを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5E-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名アナモルフォーズとプロジェクションマッピングを用いたMR組立作業支援システム
著者*水流添 弘人, 重野 寛 (慶應義塾大学理工学研究科), 岡田 謙一 (情報通信メディア研究所)
ページpp. 1055 - 1061
キーワードMixed Reality, アナモルフォーズ, プロジェクションマッピング, 組立作業支援
アブストラクト近年,複合現実感(Mixed Reality: MR)を用いた組立作業支援の研究に注目が集まっている.そうした,MRを用いた組立作業支援において,最もよく用いられるデバイスがHMD(Head Mounted Display)である.しかし,HMD頭部への疲労や解像度の違いによる映像酔いなどの問題点もある.そこで,本論文ではHMDを用いずにMR環境を構築する手法として,アナモルフォーズとプロジェクションマッピングという2つの技術に着目し,それらを用いたMR組立作業支援システムを提案する.アナモルフォーズとは,ある平面に描かれた絵を特定の角度から見ると,立体的に見せることのできるトリックアートの1種である.この技術により,組立作業の指示を空間に表示させ,ユーザの作業を支援する.ただし,アナモルフォーズのみでは,正確な位置を伝達出来ないため,細かい位置姿勢の指示を作業物に対するプロジェクションマッピングで行う.提案システムは,この2つの指示を組み合わせることで,組立作業支援を実現している.HMDを用いたシステムとの比較実験の結果,本提案システムが有用で扱いやすいシステムであることが分かった.これより,提案システムがHMDの問題点を解決した有用なMR組立作業支援システムを実現できたといえる.

5E-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名生産現場における作業監視のためのイベント遷移パターンの設計手法
著者*中田 侑, 木下 雅文, 宮田 辰彦 (日立製作所)
ページpp. 1062 - 1067
キーワードイベントログ, 行動分析, モデル, IoT, 製造業
アブストラクト近年IoT 技術が注目され、製造分野でも生産現場の作業監視等で適用されている。しかし、センサー等の設置やネットワークのシステム構築コストが大きくなる問題があった。そこで、工作機械等の設備が保守用に出力する、設備の内部動作(イベント)が記載されたイベントログから、人の作業を捉える手法を検討した。これまで、イベントと作業の対応関係の定義と、イベントから作業を特定するプログラムの設計に時間を要し、開発コストが高くなる問題があった。これに対し本研究では、イベントログと作業の対応関係を示すモデルと、そのモデルに基づく設計開発手法を提案し、プログラムの作成期間を1/20に抑えらることを確認した。これにより、イベントログから作業を捉えるための人件費を抑え、低コストな作業監視の実現に貢献する。

5E-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名文字列をなぞることによる古地図の探索
著者*渡邉 悠一, 寺沢 憲吾, 角 康之 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 1068 - 1074
キーワード古地図, 文字をなぞる, 地図探索, ワードスポッティング
アブストラクト古地図は,歴史的背景を知るうえで重要な手掛かりの一つである。そのため,地図から文字領域を抽出することができれば地図同士を対応付けることができ,地図を比較することで新たな発見につながる.しかし,古地図は文字の向きがバラバラで様々な向きの文字列が書かれている.さらに縦書きや横書きの文字列が含まれているため,機械的に光学文字認識(OCR)を適用するのは難しい.そこで本研究ではユーザが文字の向きに沿ってなぞることで文字を切り出しマッチングを行うシステムを提案する.手法としては,ユーザが地図中の文字列を文字の向きに沿ってなぞり,なぞった線上に存在するラベリングされた固まりを文字をみなすことで文字列を切り出す.マッチングは切り出した文字をスリット状に切り出し,その勾配分布特徴量を用いて行う.また本研究では,ユーザがなぞった文字をデータベースに追加するシステム構成とする.そうすることでなぞった文字は新たな検索対象となり,データベースの拡張につながる.なぞった文字というのはユーザの興味の対象であり,それらを登録していくことでデータベースは集合知としての価値を持つ.本稿では提案したシステムを用いて古地図から読み取れたことについての利用例をシナリオで示す.

5E-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名深層学習を用いたピクトグラム画像への情報補完手法の提案
著者*吉田 雄大, 伊藤 一成 (青山学院大学社会情報学部)
ページpp. 1075 - 1080
キーワード深層学習, 機械学習, ピクトグラム, コンテンツクリエーション, メタコンテンツ
アブストラクトピクトグラムとは日本語で絵記号,図記号と呼ばれるグラフィックシンボルであり,意味するものの形状を使ってその意味概念を理解させる記号である.しかし,ピクトグラムのデザインは国,文化,風習の違いから,しばしばピクトグラム単体での意味概念の理解は困難である.そこで,本論文では深層学習を用いてピクトグラム画像を解析し,ピクトグラム画像から,情報表現を想起させることで,ピクトグラムの解釈を補完する手法の提案と評価を行った.評価の結果,深層学習によるピクトグラム分類器は学習データに各分類1枚の白黒画像を元に画像処理で拡張を行ったデータセットを用いても十分な正解率を得ることができた.


セッション 5F  eコマース
日時: 2017年6月29日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 浦島
座長: 吉野 孝 (和歌山大学)

5F-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名全方位カメラを用いたインターネット生放送における視線ヒートマップの開発
著者*高田 真也, 西岡 大, 齊藤 義仰 (岩手県立大学 大学院 ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 1081 - 1088
キーワードインターネット生放送, 全方位カメラ, 視線情報, ヒートマップ
アブストラクト近年,インターネット生放送サービスが普及し,一般ユーザでも気軽にインターネット生放送を行うことができるようになってきた.また,ヘッドマウントディスプレイの登場やVRに注目が集まったことで,パノラマコンテンツも増加傾向にあり,インターネット生放送でも全方位カメラへの対応が進んでいる.しかし,全方位カメラは従来のWebカメラとは異なり,そのレンズの向きから視聴者の視線情報を放送者が把握することができない.視線情報はコミュニケーションにおいて,発言の意図や意味をコミュニケーション相手に伝達する重要なノンバーバル情報であり,視線情報を把握できない状況では,放送者と視聴者の間で行われるコミュニケーションが円滑に行われない可能性がある.本研究では放送者と視聴者のコミュニケーションを支援するため,視聴者の視線をヒートマップによって可視化し,放送者に提示する「視線ヒートマップ」の提案および実装を行なう.本稿では,実施した動作検証の結果とそれを踏まえて実装した視線ヒートマップの表示方法改善について報告する.

優秀論文賞 / Paper Awards
5F-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名スマートフォンを用いた動画広告挿入タイミング決定アルゴリズムの提案
著者*齊藤 義仰, 畠山 智裕, 西岡 大 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 1089 - 1095
キーワード動画共有サービス, 動画広告, 挿入タイミング決定アルゴリズム
アブストラクト近年,動画共有サービスでは,動画視聴者をターゲットとする動画広告配信を用いたビジネスモデルを取り入れてきている.しかし,不適切なタイミングで動画広告挿入されると,視聴者の動画視聴を妨げるという問題が発生する.視聴者が動画広告に対して不快に感じると,広告ブロックサービスを利用する視聴者が増え,広告の機会が失われてしまうことが危惧される.そのため,視聴者の動画視聴を妨げないタイミングでの動画広告挿入が必要である.本研究では,スマートフォンの加速度センサを用いて動画視聴時の加速度を取得し,加速度の変化量を分析することで,各々の視聴者が理想とする動画広告挿入タイミングを導出するアルゴリズムを提案する.

5F-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名プリペイド型商店システムにおけるAndroid端末を利用した商品注文アプリの開発と評価
著者*谷藤 稜真, 西岡 大, 齊藤 義仰 (岩手県立大学ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 1096 - 1101
キーワード商店システム, 不良在庫, Androidアプリ
アブストラクト我々は岩手県立大学でプリペイド型簡易商店システムという買い物支援サービスを長年運用してきた.被災地での社会実装を経て,様々な機能の向上を図ってきた.しかし,近年利用者の減少や管理者の変化により不良在庫の問題が発生した.不良在庫の発生により,商店システムの運用が困難になる可能性が浮上したため,先行研究では不良在庫の発生を解決するシステムの開発を行った.そのシステムは,不良在庫の原因の一つであるニーズの差異を低減する為に商品注文機能を開発し,利用者のニーズを調査することによって不良在庫の解決を図った.しかし,商品注文機能には様々な問題点が露見し,効率良く利用者のニーズを吸い上げることが出来なった.そこで本研究では商品注文機能で発生した問題点の解決を図るシステムの設計と開発を行った.具体的には,ほぼ全ての大学生が所持しているスマートフォンのアプリケーションで開発し,そのアプリケーションの利便性の調査を行った.本稿では,本研究で開発した商品注文アプリの開発と利便性の調査について述べる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5F-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名口コミ解析システムの教師データと可視化機能の検討
著者*上谷 竜士 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科), 菱田 隆彰 (愛知工業大学 情報科学部 情報科学科)
ページpp. 1102 - 1106
キーワード機械学習, 教師データ, WebAPI, 口コミ解析, 感情分類
アブストラクト近年口コミサイトに投稿される口コミを元に閲覧者は口コミ記入者の主観的な感情を読み取ることでその対象物の良し悪しを判断している.我々は対象物の感情傾向を直感的に把握できる口コミ解析システムの構築を行い,本システムの機能向上を図るため感情語辞書に収録される感情語の偏りを検証し新たに修正感情語辞書の提案を行った.しかし,一部の感情語は感情以外の意味を示すことがあり,その識別方法が課題として挙げられていた.本研究では,感情語の識別機能として機械学習による実装を行い,口コミ解析用の教師データ検討を行う.さらに解析結果を表示する方法を再検討し,WebAPIとしての機能提供を行う

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
最優秀論文賞 / Best Paper Awards
5F-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名ECサイトにおける購買行動の成長分析
著者*稲福 和史 (筑波大学 情報学群 知識情報・図書館学類), 伏見 卓恭, 佐藤 哲司 (筑波大学 図書館情報メディア系)
ページpp. 1107 - 1113
キーワード購買行動, モチーフ分析, グラフマイニング
アブストラクト近年,オンラインショッピングの拡大に伴い膨大な顧客購買データが利用できるようになっている.本研究では,ユーザの購買順序を元に有向グラフを構築し,モチーフ分析による購買行動データの分析を行っている.本稿では,モチーフパターンの推移に基づきグラフの成長推移を分析する手法を提案する.実運用されているオンラインショピングのレビューデータを購買データとみなし,購買行動の成長分析を行った結果,一つの中心的な商品とその周辺商品との購買推移に特徴的な成長傾向があることが明らかとなった.


セッション 5G  コミュニケーション
日時: 2017年6月29日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 蓬莱
座長: 小林 亜令 (KDDI総合研究所)

5G-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名人とIoTの情報流におけるサービスマッチング
著者*角 康之, 小関 大河 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 1114 - 1120
キーワードIoT, 情報流, サービス発見
アブストラクト人とIoT (Internet of Things) の対話システムを提案する。 提案するシステムは、1) 実世界センサ情報をタイムラインに投稿するセンサノード、2) 複数の異種センサデータから構造を見出して抽象化された情報を投稿するボット、3) 人の投稿や会話とIoT情報流を関連づけてタイムリーなサービス提供を行うボットの3つで構成される。 人とIoT情報流の対話のプラットフォームとしては、グループチャットツールのSlackを利用した。 筆者グループの研究環境で半年間運用したところ、共用スペースや備品の状況把握、タイムリーなバスの運行情報の提示などで有意義な動作を得ることができた。 また、グループの共用機器(冷蔵庫やプリンタ)の利用状況を通知することで、グループ内の活動状況がゆるやかに共有されることが確認できた。

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5G-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名ロボットメディアによるグループ内情報の流通
著者*山本 大貴, 角 康之 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 1121 - 1127
キーワードヒューマノイドロボット, 情報流通, グループメディア
アブストラクト本研究では,時間・空間が分散した活動環境で活動するグループ内での人の活動情報の共有を促すことを目的とする.本研究の特徴は,人の活動情報を計測するためにロボットに情報を収集させると同時にロボットを通じて情報共有を促進させることである.ロボットを利用する理由としては,ロボットは実世界でユーザと直接インタラクションを図ることが可能であり,ユーザの行動を観測しながら情報提示を行うことができるからである.具体的な提案内容としては,ロボットをグループで利用する空間に駐在させ,その場で起きる事象や様子といった情報をロボットに記録させ,ユーザへの提供を行うシステムの構築を行う.システムの実装に関しては,ロボットについてはSoftBank社のPepper,収集した情報のストック及びユーザへの提示場所としてグループチャットツールであるSlackを利用した.Pepperは自身がセンシングした情報に基づいて情報収集のための行動を行う.収集した情報はメッセージや写真でSlackに投稿し蓄積する.今回はロボットによる情報収集システムの実装を行い,動作テストを行った.また今回得られた知見をもとに情報共有メディアとしてのロボットの価値や本研究が目指すシステムの今後の発展について議論する.

5G-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名次世代住まいコンシェルジュに関する一考察
著者*山内 正人, 森 有里, 伊藤 彩翔, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学)
ページpp. 1128 - 1131
キーワード住まい選び, IoT, パーソナル情報, AI
アブストラクトIn this paper we propose a smart concierge system for housing and discuss the feasibility of use value visualization using a result of basic experiment. Gap between market value and use value is big issue in choosing a house. In case of Japan, market value of house is depend on distance from station, age, room layout, convenience, etc. But use value is not only market value elements but also insulation, noise, vibration, chemistry between neighborhood, etc. We propose a smart concierge system for housing that system can recommend a suitable house considering use value. Proposed system uses a sensor data of house and behavior data of a passed resident, neighbors to visualize a use value of house. We conduct a basic experiment of insulation. Experimental result shows that we can visualize an insulation of house from temperature sensor data.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5G-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名スマートグラスにおけるARを用いた音声コミュニケーション支援手法の提案
著者*阪田 大輔, 森田 健太郎 (同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻), 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1132 - 1137
キーワードスマートグラス, AR, 音声認識, コミュニケーション支援
アブストラクト近年,音声認識技術の研究が盛んに行われている.音声認識は日常生活でも用いられ,その一つにコミュニケーション支援が挙げられる.音声認識を用いたコミュニケーション支援手法は,会話内容をパソコンや携帯端末に表示するものがあり,聴覚障がい者が視覚的に情報を取得できるようになるが,使用場所や動作が制限されるという問題がある.そこで本研究では,スマートグラスとジャイロセンサを用いることで,制限を払拭した円滑でバリアフリーなコミュニケーション支援手法を提案し,実装,評価を行った.本論文では,既存手法と提案手法の使用環境の違いと操作性を比較し,提案手法が有用であることを示した.


セッション 5H  システムセキュリティ
日時: 2017年6月29日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 石狩・洞爺
座長: 勝野 恭治 (日本IBM)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5H-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名野良IoTの地域特性の調査と分析
著者*中澤 祐樹, 佐々木 良一, 猪俣 敦夫 (東京電機大学院)
ページpp. 1138 - 1144
キーワードInternet of Things, サイバーセキュリティ, セキュリティ心理学, 地域特性
アブストラクト近年,自動車,医療機器,産業システムなど様々なモノがインターネットに接続されるようになっており,これらはIoT(Internet of Things)と総称される.一方,多くのIoT機器はブラウザ経由で操作,閲覧等を行う為,認証設定が為されていない機器は,不正な操作や閲覧等の危険性が存在するとともにDDoS(Distributed Denial of Service)攻撃などの踏み台になる可能性が強い.また,一度設置された機器が使用されなくなり,放置される事により,悪意あるユーザによる不正操作等の攻撃に気づき難くなる為,さらに危険性が増加する.我々はそれらの機器を野良IoTと呼称し,認証設定の有無を実際に調査する事で,国内に存在する野良IoTの実態を調査することにした.ここでは都道府県ごとの野良IoTの数を調査・分析するだけでなく,都道府県別の他のデータとの相関分析を行う事で,地域特性との関係を調査した.その結果,フィッシング被害率などと有意の相関があることを明らかにすることができた.これらの調査結果はIoT機器のユーザなどに対し注意を喚起する上で有効に利用できると考えられる.

5H-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名ホワイトリスト運用のための複数の制御機器情報に基づいた運転状態の推定
著者*秦 康祐, 望月 明典, 澤田 賢治 (電気通信大学), 中井 綱人, 山口 晃由, 小林 信博 (三菱電機)
ページpp. 1145 - 1151
キーワードホワイトリスト, ネットワーク監視装置, 攻撃検出, 産業用制御システム
アブストラクト産業用制御システム (ICS: Industrial Control System) をサイバー攻撃から防御する手法として,近年ホワイトリストを利用した異常検出手法が注目されている.先行研究ではICSの「停止中」や「立ち上げ」などの運転状態毎に異なる通信・動作パターンに着目し,運転状態に応じたホワイトリスト切り替え手法を提案した.加えて,複数機器で構成されるICSのうち1つの機器から取得した情報を利用してホワイトリストの切り替えに必要な運転状態情報を推定する手法について示した.これに対し本稿では,ネットワーク監視装置を利用して複数の機器から情報を取得することで運転状態を推定する.これにより,ホワイトリスト運用のための運転状態推定の信頼性向上を目指す.一方で運転状態推定に必要なトリガー信号はICSを構成する機器によって生成に要する時間が異なるため,本推定結果を利用するとホワイトリスト運用に支障をきたす可能性がある.そこで,本稿ではホワイトリストの切り替え手法も新たに提案する.また,提案手法の有用性を検証するために気液プラントシステムのシミュレーションモデルを用いて数値実験を行った.その結果,先行研究の手法と比較してより信頼性の高い運転状態の推定ができることを示した.

5H-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名MTA-STS : SMTP MTA Strict Transport Securityによる電子メール通信経路の暗号化とその実装
著者*尾崎 周也 (慶應義塾大学 総合政策学部), 中島 博敬 (慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科)
ページpp. 1152 - 1156
キーワードSMTP, secure email, TLS, MTA-STS
アブストラクト電子メールは広く, コミュニケーションツールとして使用されている. SMTPは電子メール配送に用いられる標準的なプロトコルである. SMTPには配送するメッセージの秘匿性を担保するため, 複数の技術が用いられている. 代表的な手法としてSMTPを拡張し, 暗号化された経路を用いるSTARTTLS拡張が存在するが, 日和見暗号であり,中間者攻撃に脆弱である. 本論文では, JavaScriptを用いて現在IETF UTA Working Groupで審議中のSMTP MTA Transport Security(MTA-STS)を実装し, サーバー間経路の暗号化を実現した. 評価では実装したMTAを用い, MTA-STSの可用性を検証した. また大手ISPにおけるMTA-STSへの対応を調査した. その結果, MTA-STSへの対応が不完全なISPの存在や, MTA-STSに対応しているISPのすべてが検証モードで運用されていることを確認した.

5H-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名偏りを有するデータセットを用いた暗号モジュールのサイドチャネル攻撃耐性評価
著者*松林 雅人, Hendra Guntur, 佐藤 証 (電気通信大学 情報理工学研究科)
ページpp. 1157 - 1162
キーワードSASEBO-RII, サイドチャネル攻撃, DPA, T検定, ISO17825
アブストラクトISO/IEC 17825はサイドチャネル攻撃への安全性において,暗号モジュールの内部データと外部で観測した動作波形に相関が見られるか,つまり内部データの情報が漏えいしているか否かをウェルチのT検定で評価するものである.本稿ではこのモジュールの内部情報を知り得る評価者の立場を利用し,内部データのパターンに偏りを持たせることで情報が漏えいしやすい状況を作り,評価の精度を高める手法を提案した.サイドチャネル攻撃対策を施したAES暗号回路による実験を通じて,本手法は標準のT検定に対して1/10の波形数で同等の解析精度が得られるとともに,従来のサイドチャネル攻撃による安全性評価においても有効であることを示した.

優秀論文賞 / Paper Awards
5H-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名特定のCANメッセージを送信するECUに対するバスオフ攻撃を利用したなりすまし攻撃
著者*家平 和輝 (広島市立大学情報科学部), 井上 博之 (広島市立大学大学院情報科学研究科/CCDS), 石田 賢治 (広島市立大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1163 - 1168
キーワード車載ネットワーク, CAN, なりすまし攻撃, バスオフ攻撃
アブストラクト車載ネットワークで多く用いられるプロトコルであるCANの脆弱性を利用した攻撃や,車載器が乗っ取られたり不正な車載器がつながったりすることによるCANバスへの物理的なアクセスが問題となっている.CANバスやECUに対するDoS攻撃の一種として,送信エラーを誘発することによりターゲットECUをCANバスから離脱させるバスオフ攻撃が提案されている.また,CANバスへの物理的なアクセスが可能な攻撃者によるスタッフエラー注入を用いたバスオフ攻撃も提案されている.本論文では,バスオフ攻撃を利用して,受信ECUにも送信ECUにも検知されないようななりすまし攻撃手法を提案する.提案に基づきFPGAを用いた攻撃装置を実装し,実験室でのCANバスとECUからなる模擬環境および実車にて本攻撃を検証し,なりすましによる効果と実車の動作を評価した.


セッション 6A  知的センシングと応用
日時: 2017年6月29日(木) 14:10 - 15:30
部屋: ミリオーネホール
座長: 吉廣 卓哉 (和歌山大学)

6A-1 (時間: 14:10 - 14:50)
題名(招待講演) IoTエッジセンサーの知能化に向けて
著者*山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1169 - 1170
キーワードIoT, センサ, エッジコンピューティング, 機械学習
アブストラクトエッジ・フォグコンピューティングの到来,個々のセンサーの飛躍的な能力向上,および数量の増加とともに, IoTデバイスそのものがセンシングデータを処理する能力を有しつつある.本講演では,そういったIoTのエッジとして機能するセンサーの高度化・知能化の動向について触れるとともに,センサー協調によるエッジ機械学習およびエッジストリーム処理などに関する研究グループの取り組みを紹介する.

6A-2 (時間: 14:50 - 15:10)
題名一人称ライフログ画像からの顔検出に基づいた社会活動計測
著者*奥野 茜, 角 康之 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 1171 - 1177
キーワード一人称ライフログ画像, 顔検出, 社会活動, 対面対話, 会話への参与レベル
アブストラクト本研究では,一人称ライフログ画像に含まれる顔を検出して,カメラ装着者の社会活動を計測する手法を提案する.長期的な一人称ライフログ画像に含まれる顔情報に着目することで,カメラ装着者の人との関わり,時間,空間の継続性を測ることができ,社会活動のパターンや社交性の推定ができると考える.研究交流会と日常生活の際に記録されたデータを用いて,カメラ装着者の社会活動量の計測と,その社会活動状況の分類を行なった.顔の個数・顔の大きさ・顔の時間継続性をそれぞれ,人数・人との距離感・人との対話持続性と解釈し,人との距離感と対話持続性を考慮したものを会話への参与レベルとして,社会活動量を求める式を作成した.人数・人との対話持続性をもとに以下の4つの社会活動状況を定義し,分類した(1.一対一対話,2.多人数対話,3.少人数検出,4.多人数検出).顔検出と計算式に基づいて得られた結果から,社会活動の勢い(分速)と動画の書き起こし内容の比較,複数人の社会活動総量の比較,カメラ装着者同士の対面対話場面の比較の3つについて評価・考察した.カメラ装着者の一人称ライフログ画像の顔検出結果をもとに,カメラ装着者の社会活動量の計測と状況の分類についての考察,さらに,会話への参与レベルの変化,社交性を推定することの可能性を議論する.

6A-3 (時間: 15:10 - 15:30)
題名BLEを用いたIPSJ79スタンプラリーの開発と行動分析
著者*岡田 一晃, 飯田 啓量, Chenyi Liao, 今井 瞳, 浦野 健太, 牧 与史, 角倉 慎弥, 三橋 諒也, 野 惇登 (名古屋大学), 廣井 慧, 河口 信夫 (名古屋大学/NPO法人位置情報サービス研究機構(Lisra))
ページpp. 1178 - 1187
キーワードスタンプラリー, 行動分析, BLE
アブストラクト景品が当選し,景品を取りに来た人は20人であった.スタンプを1つ以上取得した人数が43人であることに対して,半数以下という結果になった.また,当選したのにも関わらず取られていない景品も多く存在した. 毎日景品を取りに来ている人が3人存在した. 当選してから交換までの間は多くのの人が10分未満であり,当選後すぐに景品を取りに来ていることが分かった. 目当ての景品が当選するまでスタンプラリーを行っていた人も存在した. 景品が1つ当選した後スタンプラリーを終了した人は,景品が1つ出るまでスタンプを取得しようとした可能性が高い. 逆に当選数が多い人は,ある景品が出るまでやっていたもしくはスタンプを出来る限り取得し多くの景品を得ようとしたと考えられる. 景品が出るまでスタンプを取得する場合,スタンプラリーの所要時間が不明確であるためにスタンプラリーの意欲を削ぐ可能性がある. 一方で,スタンプを全て獲得した人に関しては抽選システムに好印象を持っている人が多かった. スタンプラリーに割ける時間や,スタンプラリーの目的によってスタンプラリーの仕様変更を行えばより多くの人のスタンプラリーの満足度を高められると考えられる.


セッション 6B  地図
日時: 2017年6月29日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 羊蹄・大雪
座長: 梅津 高朗 (滋賀大学)

6B-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名アクセス経路生成機能を有する道路総描システム
著者*福安 浩明, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学大学院工学研究科)
ページpp. 1188 - 1196
キーワードナビゲーションシステム, 略地図, 道路ネットワーク, webマップシステム, 地理情報システム
アブストラクト近年,商業施設の広告,観光地の案内図などで略地図を見る機会は多い.しかしながら,略地図は自動生成が難しく,略地図生成には時間と労力がかかる.そこで,我々は,ストローク(道なりに続く道路)の長さとその沿道の施設数がストロークの重要性に影響を与えるという点に着目し,重要性の高いストロークを選択的に描画する道路ネットワーク総描方式を提案・開発してきた.しかし,この方式で選択した道路ネットワークをそのまま表示するといくつかの問題点がある.そこで,次の特徴を持つ道路総描システムを提案する. (1)ストロークの交差点に着目して道路の形状を簡略化して道路ネットワークのデータ量を減少させ,道路を簡略化して描画する. (2)幹線道路のストロークは長くなる傾向があるため,ストロークの長さに応じて幅を広げて道路を描画して,幹線道路を強調描画する. (3)総描の際に道路の選択結果に依存せずに多数の道路を含む地図を背景として重ねて描画する.このとき,必要に応じて背景描画を抑止して,総描道路の視認性を向上させることができるようにする. (4)描画対象となっている道路ネットワークへのアクセス経路のない施設に対して,アクセス経路の距離と,アクセス経路内のストローク数を考慮してアクセス経路を生成して道路ネットワークへ追加する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
6B-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名Webベースダイナミックマップの実装と評価
著者*杉坂 竜亮, 青野 朝日 (同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻), 綾木 良太 (方痴民), 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻)
ページpp. 1197 - 1202
キーワードアプリケーション, プラットフォーム, スマートフォン, ダイナミックマップ
アブストラクト近年,高度道路交通システム(ITS: Intelligent Transport Systemys)の研究開発が活発に行われ,道路交通の安全性や快適性は日々進歩している.これまでは車両単体でのセンシングが中心となっていたが,今後は車両ごとに得た情報を共有することで周囲の車両同士が協調し合う仕組みが重要になると考えられる.情報を共有する仕組みとして注目されているものの1つとしてダイナミックマップがある。ダイナミックマップは,道路や建物のように変化の少ない情報だけでなく,周囲の車両や歩行者のように絶えず変化する情報を合わせ持つことで,より高度な地図情報を作り出すことが可能となる.今後,ダイナミックマップを用いた ITSのサービスが多く提供されると想定される.そこで本研究では,ダイナミックマップを用いた様々なアプリケーションの開発,テストを支援することが可能なWebベースダイナミックマップを提案する.シミュレータを用いて評価を行い,Webベースダイナミックマップを利用して作成したシステムが実用的な範囲の処理時間内に動作することを示した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
6B-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名Leafletを用いたFocus+Glue+Contextマップインタフェースの開発
著者*竹内 健祐, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学大学院工学研究科)
ページpp. 1203 - 1210
キーワード地理情報システム, Webマップシステム, OpenStreetMap, モバイルアプリケーション, ナビゲーションシステム
アブストラクトOpenStreetMapといったオープンデータの地図データや,Leafletなどのオープンソースの地図制御用コードの登場により,Webマップは扱いやすいものとなった.我々は注目する地点を拡大表示する Focus 領域,その周辺の地域を表示する Context 領域,2 つの領域間の縮尺の違いによる歪みを吸収する Glue 領域の 3 つからなる Focus+Glue+Context マップを用いた Web マップシステム Emma を提案してきた. しかし,EMMAは地図表示やレイヤー管理、タイリング処理などの基本的な制御部分も含めて全て我々独自で開発したクローズドなシステムであり,最新のWebマップ技術の取り込みや,機能拡張・操作性の向上などのカスタマイズが容易ではないという問題があった. 上記の問題を解決するために本研究ではEMMAの機能をWebマップのオープンデータ,オープンソースと共存できるようにして,機能拡張やカスタマイズを容易にしたOpen EMMAシステムを提案する.


セッション 6C  農業とIoT
日時: 2017年6月29日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 末広
座長: 久保田 真一郎 (熊本大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
6C-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名新たな都市型農業のサービス産業化
著者*佐藤 証 (電気通信大学)
ページpp. 1211 - 1214
キーワードIoT, 農業, センサ, 水耕栽培
アブストラクト我々は土地を耕し作物を生産するこれまでの農業に対して,都市の屋上等の空スペースを利用した水耕栽培による楽しむ農業を提案し,その実現に向けて装置の開発と栽培実験を行っている.オフィスビルや病院,小学校等に導入し,屋上緑化や憩いのスペース創出,食育への活用の他,究極の地産地消と地域連携による6次産業化も進めている.本稿では,これらの取組みを紹介する.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
6C-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名水耕栽培用センサの小型回路実装と性能評価
著者西村 知紘 (電気通信大学), 奥山 雄司 (有限会社トゥロッシュ), *松下 綾香, 佐藤 証 (電気通信大学)
ページpp. 1215 - 1218
キーワードIoT, センサ, 水耕栽培, 農業, Arduino
アブストラクト水耕栽培用に液肥濃度と水位をシンプルな発振回路で構成することで,安価ながら実用的な制度を実現するセンサを開発した.棒状のプリント基板上の金属配線間の抵抗および静電容量が液肥に浸かることによる変化を発振周波数として計測する.計測および通信用にマイコンチップをセンサ基板上に実装し,高い汎用性も有している.本センサを用いた実験で,温度,液肥濃度,水位,発振周波数の関係を調べ,実測値を補正する式を導出した.

6C-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名MQTTを用いたセンサネットワークの可視化システムの開発
著者*Kanlaya Phommasak, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻)
ページpp. 1219 - 1224
キーワードIoT, MQTT, センサネットワーク, 可視化システム, Protocol Buffers
アブストラクトセンサネットワークにおいて,多くのセンサノードからの大量データを取捨選択してユーザが欲しいデータのみをすぐに提供出来るシステムを開発することが大切である.本研究では,このようなシステムを開発するためのインフラとして,MQTT とProtocol Buffers を導入したアーキテクチャ―を設計した.MQTT とは,TCP/IP 上で動作するPublisher/Subscriber モデルに基づく軽量メッセージングプロトコルである.本研究では MQTT によるPublisher/Subscriber モデルのベースでセンサネットワークシステムを構築してユーザがWeb ブラウザ上で各センサノードの宛先を意識せずに欲しいセンサデータのトピック名を選択(購読)すれば当該センサが閲覧できるようにすること, MQTT によるトピック名の定義を活用して各センサノードが発信するセンサデータのトピック名をユーザがわかりやすく表示にTopic Interpreter 機能を作成すること,D命データ量を抑えるためにProtocol Buffers でデータを圧縮して送信することを行なった.


セッション 6D  シミュレーション
日時: 2017年6月29日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 明石
座長: 荒川 豊 (奈良先端科学技術大学院大学)

6D-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名自動巡回ロボットによる避難誘導実現のためのマルチエージェントシミュレーション
著者*杉江 竜太, 打矢 隆弘, 内匠 逸 (名古屋工業大学大学院工学研究科情報工学専攻)
ページpp. 1225 - 1232
キーワードAI, 仮想環境, マルチエージェントシミュレーション, ロボット, 避難誘導
アブストラクト近年,日本は大規模な震災によって多くの被害を受けている.被害を減らすため適切な防災行動を行うことが重要である.屋外への避難行動も防災行動の1つである.特に,学校などの大型の施設では,適切な避難行動が行えるよう避難訓練が実施されている.しかし,地震発生時が夜間で誘導者が不在である場合や,火災による煙などの2次災害によって人では誘導が困難になる場合が考えられる.これらの問題点の解決策として,避難経路の状況に応じた動的な誘導を,人に代わってロボットが行う防災システムを構築する方法が考えられる.本研究では,ロボットによる防災システムを開発するために,マルチエージェントシミュレーション(Multi-Agent Simulation)を利用して,ロボットによる避難誘導の有効性を示す.

6D-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名群集行動マルチエージェントシミュレーションの高速化
著者*吉本 達也, 宮本 孝道, 石坂 一久, 吉田 孝志 (日本電気)
ページpp. 1233 - 1237
キーワードマルチエージェントシミュレーション, 群集行動予測, ベクトル処理, 高速化
アブストラクト大規模イベントや災害時に伴う街中の歩行者や車の群集行動を予測し,異常混雑の防止のための誘導指示を可能とするマルチエージェントシミュレーションによる高精度な群集行動シミュレーションの高速化手法を提案する.提案手法は,道路上では複数の歩行者を同一の行動モデルでモデル化できるという特性を利用し,シミュレーションの計算量の削減およびプロセッサのベクトル命令の活用による高速化を行う.提案手法を2万人規模の群集行動シミュレーションに適用し,4.77倍の高速化が可能となることを実証した.これにより,従来1時間程度要していた群集行動シミュレーションを,10分程度のリアルタイム性が必要な誘導指示に適用できることを示した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
6D-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名結果に再現性のある計算機システムエミュレータ
著者*清水 勇希 (早稲田大学), 高井 峰生 (Space Time Engineering, LLC), 木村 啓二 (早稲田大学)
ページpp. 1238 - 1245
キーワード計算機システムエミュレータ, ネットワークシミュレータ, 再現性
アブストラクトコンピュータネットワークの研究では,プロトコルやアプリケーションを評価する際にしばしばネットワークシミュレータが利用される.ネットワークシミュレータを使用することで,実機による評価と比べて再現性を高められ再実験も容易になる。また,プロトコルなどの評価対象をモデル化することでシミュレーション時間の削減を期待できる。しかし,評価対象システムの規模によってはモデル化の労力が大きくなり,実装の難易度も高くなる.また,モデル化による誤差のためにシミュレーション結果の傾向が実際とは異なる可能性がある.以上の問題を解決し複雑なシミュレーションを可能とするため,ネットワークシミュレータと計算機システムエミュレータを組み合わせ,評価対象であるアプリケーションを計算機システムエミュレータ上でコードを変更せずに直接実行するという手法が提案されている.問題点として, ネットワークシミュレータでは入力と設定が同じであればシミュレーション結果は常に同じである必要があるが,計算機システムエミュレータでは再現性が保証されておらず,シミュレーションの再現性が低下することが挙げられる.そこで,本稿では計算機システムエミュレータにおける挙動の再現性を確保する手法を提案する。

6D-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名データフローモデルを基盤としたドライビングシミュレータ構築環境の評価
著者*青野 朝日 (同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻), 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1246 - 1250
キーワードドライビングシミュレータ, データフローモデル, プロセス間通信, ROS
アブストラクト近年,複数の情報機器やセンサデバイスを組み合わせることにより,シミュレータ上で現実に近い体験を行うことが可能である.このような体感シミュレータの一つとしてドライビングシミュレータが挙げられる.従来は,シミュレータ上の車両モデルを入力機器によって制御するのみであったが,VR(Virtual Reality)機器の技術的進歩により, 現実で運転している感覚を得ることが可能になりつつある. しかし,現実と同じ運転体験を行うためには多くのモジュールをシステムに組み込む必要がある.VR 機器,手の形状を認識するセンサデバイス,音響システム,送風機など現実に近づけるほどモジュール数の増加が見込まれるため,システムの複雑化,管理の難しさが問題点として挙げられる.また,自動で3D マップを作成するソフトウェアがあるが,こうした処理負荷の大きいソフトウェアが次々に開発されているため,柔軟にこのようなソフトウェアとの連携を行う必要がある.そこで,本研究では,前述で挙げた問題点を解消するために,システム全体が細分化されたプロセス間をデータ通信することによって構築されるデータフローモデルを利用し,ドライビングシミュレータの実装を行った.また,既存手法との比較評価を行い,提案手法の優位性を示した.


セッション 6F  モチベーション
日時: 2017年6月29日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 浦島
座長: 福島 拓 (大阪工業大学)

6F-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名ロボットの褒める動作を用いたモチベーション維持システム“富士丸”
著者*藤本 啓一, 伊藤 淳子, 宗森 純 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 1251 - 1258
キーワード小型ロボット, モチベーション維持, 褒める, SSID情報, スマートフォン
アブストラクト昨今,スマートフォンを使用したモチベーションを維持するためのシステムが多く開発され,普及している.しかし,これらのスマートフォンを使ったアプリでは,作業者への負担が大きく,また,使用者への働きかけが弱いのではないかと考えられる.そこで作業者の負担をできる限り押さえ,ロボットが褒める動作を行い,実世界にいるユーザーに直接働きかけることのできる,モチベーション維持システム“富士丸”を提案する.富士丸は大学生の研究室に滞在する時間を計測し,目標の値を超えた場合,ロボットが褒める動作を行い,モチベーション維持させることを目的としたシステムである.富士丸とスマートフォンのアニメーションとの比較実験より,富士丸のほうがモチベーション維持や存在感などで高評価だった.また,褒めるロボットの見た目が,作業者のモチベーション維持に大きく関係することが分かった.

6F-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名防災エッグ:日常的な防災対策を支援する防災ソーシャルゲームシステム
著者*谷岡 遼太 (和歌山大学大学院), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 1259 - 1264
キーワード防災支援, 情報収集, 日常利用, ゲーミフィケーション
アブストラクト近年の災害情報が,内容と伝達メディアの両面から充実化を続ける一方で,地域住民に過剰な情報依存を与える危険性が指摘されている.自助の強化には,一人一人が災害情報の受け手であり続けるだけではなく,個人が主体的に災害情報に干渉できる環境が必要であると考えられる.我々は,防災関連情報集約システムの利用実験の結果をもとに,自他ともに必要だと感じる防災情報を共有しながら,日常的にシステムを利用させることで,利用者の防災意識を継続させる設計が重要であると考えた.そこで本研究では,利用者の日常的な防災対策を支援する防災ソーシャルゲームシステム「防災エッグ」を提案する.具体的には,課題,報酬,交流の仕組みに防災を関連づけることで,本システムの利用が,日常的に継続可能な防災対策を促すことを目指す.また従来の防災情報共有システムに,ソーシャルゲームデザインを取り入れることで,本システムの利用者が,ゲーム感覚で現実的な防災支援を実現できる仕組みの設計を目指す.本稿では,システム利用者の防災用品に関する知識の向上および日常的な情報収集を促進させるための手法について述べる.

6F-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名クラウドソーシングにおける長期労働が及ぼす作業能力の変化
著者*松田 義貴, 鈴木 優, 中村 哲 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 1265 - 1273
キーワードクラウドソーシング, 品質管理, 作業能力
アブストラクト本研究では,クラウドソーシングにおけるワーカの作業能力の変化について分析を行う.既存の研究では,ワーカの作業能力は変化しないものとして扱われてきた.しかし,心理学の分野では長時間の労働は作業品質の低下をもたらすと言われているが,クラウドソーシングにおいても同様のことが言えるのかは分かっていない.そこで,我々はワーカの作業時間に着目し,長時間の労働が及ぼす作業能力の変化を分析する.本研究により,ワーカが長時間連続で作業を続けた場合でも,正答率は低下しないことが分かった.作業開始直後の正答率が悪いワーカに限っては正答率が向上する場合があった.この正答率が向上したワーカは再び正答率が低下することはなく,安定した正答率で作業を続けた.また,ワーカが長時間連続で作業を続けた場合でも,タスクの処理時間は低下しないことが分かった.一方で,長期間にわたって作業を行うとタスク処理時間は向上するという傾向が見られた.今回得られた知見は今後,ワーカの能力の推定やタスク設計に活かすことが期待できる.

6F-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名OSS開発における長期貢献者の特徴理解のための注目度と活動期間の関係分析
著者*福井 克法, 築山 文香, 大平 雅雄 (和歌山大学)
ページpp. 1274 - 1284
キーワードGitHub, OSS, ソーシャルコーディング, 長期貢献者
アブストラクトGitHub に代表されるソーシャルコーディングサイトでは,Follow やWatch によって開発者やコ ミュニティを「注目」することができる.本研究では,他の開発者からの「注目」により開発者の自発性 が向上すると仮定し,結果的に「注目」が開発者の活動継続性に寄与している可能性について分析する. 分析の結果, (1)3 ヶ月以内に100 以上の「注目」を獲得した開発者(1,537 人)はその後の活動期間が長 いこと,(2)プルリクエストなど技術的な活動の活発よりも,「自身の注目(Following)」が「他者からの 注目(Watch)」に繋がることが多いことがわかった.


セッション 6G  IoT・フレームワーク
日時: 2017年6月29日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 蓬莱
座長: 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
6G-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名Raspberry Piを用いた環境モニタリングシステムとその長寿命化
著者*藤澤 功 (岐阜工業高等専門学校専攻科先端融合開発専攻), Erick Chandra (Institut Teknologi Bandung, Sekolah Teknik Elektro dan Informatika), 出口 利憲, 田島 孝治 (岐阜工業高等専門学校電気情報工学科)
ページpp. 1285 - 1290
キーワード環境モニタリング, Raspberry Pi, ラズベリーパイ, 長寿命化, IoT
アブストラクト本稿では、環境モニタリングシステムをRaspberry Piと呼ばれるシングルボードコンピュータを用いて実現した結果について述べる。この方法により、測定対象のセンサデータだけではなく画像も取得可能である。しかし、電力の供給が困難な場所では、測定を行うデバイスはバッテリー駆動が必要である。そのような場合は消費電力の問題で長期運用は困難である。そこで、本稿ではデバイスを間欠動作させるハードウェアを試作し解決を図った。結果、一日16回モニタリングを行う場合、モバイルバッテリーで3ヶ月以上動作可能であることが明らかになった。

6G-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名端末外リソースの仮想化とUGC型のアプリ開発をサポートするIoTフレームワーク
著者*松野 宏昭, 丸島 晃明 (静岡大学大学院 総合科学技術研究科), 有村 汐里 (静岡大学大学院情報学研究科), 可児 潤也, 二村 和明 (富士通研究所), 峰野 博史 (静岡大学創造科学技術大学院), 飯田 一朗 (秋田県立大学), 西垣 正勝 (静岡大学創造科学技術大学院)
ページpp. 1291 - 1299
キーワードIoT, Internet of Things, UGC, User Generated Content, フレームワーク
アブストラクト近年,様々なデバイスを連携させるIoT(Internet of Things)サービスの開発が進みつつある.IoTサービスには一般住環境での省エネ・快適化やオフィス・工場での業務効率化といった活用が期待され,様々な環境で普及させていくことが望ましい.しかし,IoTサービスの普及を妨げる要因として,(a)環境によって物理的なコンテキストが多種多様であるため,それぞれに応じたIoTサービスを網羅的に開発することは個人や企業が単独で行うには難しいという問題と,(b) ユーザのニーズには多様性や変動性が存在するため,IoTサービスとのマッチングが難しいという問題がある.これらの問題を解決するため,我々は,現在のスマホアプリ市場が成功させているUGC(User Generated Contents)型のエコシステムの形成を目指している.UGC型エコシステムを形成することで,問題 (a) については様々なユーザ(アプリ開発者)が人海戦術的にサービスを開発することで解決が期待できる.問題 (b) についてはユーザ自身がアプリストアの中から利用したいものを選択することで解決できる.本稿ではアプリ開発の生産性を高めてエコシステム実現するために,IoTデバイスを機能単位で仮想化するOSサポート機能をフレームワークとして提案する.提案フレームワークでは,アプリ・デバイス間の依存関係を,フレームワーク側で動的に注入することでIoTアプリの再利用性・可搬性を担保する.また,排他制御やアクセス制御などのIoTにおけるセキュリティ課題を,デバイス単位でカプセル化することで効率的に管理する.このようにIoTデバイスを仮想化することで,アプリ開発者はデバイスの機能をマッシュアップすることにのみ集中して物理的なコンテキストに依存しないIoTアプリを容易に開発できる.

6G-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名機器の動作影響を考慮したホームネットワクのためECAルールの整合性検証
著者*篠原 諒恭, 大村 廉 (豊橋技術科学大学)
ページpp. 1300 - 1307
キーワードホームネットワーク, ECAルール, SPIN, 整合性検証
アブストラクトスマートホームにおいて,ユーザ自身がその動作定義を行い,自身の環境に即したアプリケーション開発を行える環境を整備するための研究が多く行われている.この時,家電などの動作定義方法として,Trigger-ActionルールやECAルールを使用した手法が提案されており,その理解のしやすさや汎用性の高さから注目されている.しかし,長期にわたる利用などによって,ルール同士が衝突し,ユーザの期待通りの動作をしなくなる可能性が生じる.そこで,本研究ではECAルールを対象とし,ルールの衝突を検知する手法を提案する.提案する手法は,同一イベントに対する機器動作の衝突だけでなく,ルールの連鎖によって生じる機器動作の衝突をその検出対象とする.また,環境への影響を含めたルールの衝突検出を行う.本研究では、まず,ECAルールの持つActionとルールの衝突について形式的な定義を行った.次に,ルールが連鎖して実行されることを考慮し,衝突が発生し得る状態を3つに分類した.そして,実際に検証器を作成し,定義・分類した3種類の状態が正しく分類できていることを確認した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
6G-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名環境ノイズ人感センサにおける人・環境依存性および整流昇圧回路の出力信号評価
著者*池田 一貴, 大村 廉 (豊橋技術科学大学)
ページpp. 1308 - 1313
キーワード人検出, ワイヤレスセンサ, バッテリーフリー, 電磁波ノイズ, レクテナ
アブストラクト私たちの身の回りにあるモノにセンサやネットワーク機能を付加してスマート化し,生活支援を行うための研究が進んでいる.人を対象としたサービスとなるため,これらのサービスのトリガには人検出センサが使われることが多い.しかし,IoT環境として,あらゆるモノにセンサを取り付けることが考えられる.例えば,椅子などの電気製品でないものにセンサを取り付ける場合,システムにどのように電力供給を行うかが問題となる.そこで我々は電磁波ノイズを用いた人感センサを提案している.このセンサは環境中の電磁波ノイズを利用することで電源供給を行うことなく人検出を行うことができる.また,その方式はレクテナによるエナジーハーベスティング技術と類似するため,システムに対する電力供給を行うことができる.これまでの研究では,基礎的な実現性を示したが,システムの構成要素のパラメータや測定条件についての評価が不十分であった.そこで本研究では,構成要素である整流昇圧回路の素子について適切なパラメータを得るための実験を行った.また,提案センサの適用範囲を明かにするため,検出対象である人や,設置場所を変えて測定を行った.実験の結果,整流昇圧回路のダイオードは6µA未満,コンデンサは100pF程度が適していることがわかった.また,提案センサの人依存性は少ないが,設置場所の違いによる影響は大きく,場所ごとに閾値を適切に設定する必要があることがわかった.


セッション 6H  セキュリティ意識と行動
日時: 2017年6月29日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 石狩・洞爺
座長: 金岡 晃 (東邦大学)

6H-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名防護動機理論を用いたコンピュータウィルス対策への日豪認知比較の検討
著者*新保 佳奈, 吉開 範章 (日本大学大学院・理工学研究科)
ページpp. 1314 - 1320
キーワードコンピュータウィルス, ボットネット, 防護動機理論, 説得心理学
アブストラクト米国の大手ネットサービスが大規模DDoS攻撃を受け,サービスを妨害される等,コンピュータウイルスの脅威は日々深刻さを増すが,一方で,PCがウイルスに感染したとしても,それを放置し対策を行わないユーザがいることが報告されている.このようなユーザに対し,説得心理学を用いてウイルス対策を実行する要因を明らかにし,その要因を刺激する説得により対策を実行させるための研究が行われている.しかし、このウイルス対策実行の要因は,その人の価値観や習慣等によって異なる可能性がある.そこで本研究では,日本の大学生とオーストラリアの大学生を対象に,質問紙調査を用いて,ウイルス感染状態を通知された際のウイルス対策実行の要因を調査・比較した.その結果,日本人は,対策の効果性についての認知が対策実行意思に影響を与えていることを確認したが,一方で,オーストラリア人は,与えられたウイルス感染情報自体を,信用しない傾向にあることが明らかになった.

6H-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名実際のオンラインショッピングサイトを利用した安心メータのための安心感の要因の検証
著者*西岡 大, 大山 慎也, 佐々木 幸太, 齊藤 義仰 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部)
ページpp. 1321 - 1325
キーワード安心, 安心メータ, 質問紙調査, オンラインショッピング
アブストラクト近年の情報通信技術の発展は目覚ましく,人々の生活において情報通信技術はなくてはならないものになっている.しかし,同時に情報通信技術を悪用した犯罪や情報漏えい事件などが発生しており,安全と安心についての議論が活発に交わされている.その議論の中で安全と安心は同一視されていたが,日本では情報通信技術が安全だとしても,安心できると感じる国民の割合が他国に比べて低い.安全な情報技術を用いても,ユーザが安心できない可能性があるため,安全な情報技術と共に安心感の要因を明らかにし,ユーザが安心して利用できることを明確にする仕組みが必要である.そこで,本研究では,ユーザの主観である安心感を数値化しユーザに提示する安心メータの提案を行い,安心メータ実現のためのユーザ調査の分析結果について報告する.

6H-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名個人のセキュリティ意識自動評価技術の提案
著者*山本 匠, 西川 弘毅, 木藤 圭亮, 河内 清人 (三菱電機株式会社 情報技術総合研究所)
ページpp. 1326 - 1331
キーワード標的型攻撃, 訓練, 教育, セキュリティ事故, 公開情報
アブストラクト様々なセキュリティ施策や対策が導入されているにも関わらず,組織におけるセキュリティ事故は増加の一途をたどっている.この原因の1つとして,セキュリティ意識や攻撃のされやすさが組織のスタッフごと異なり,スタッフ全員に一律で同じセキュリティ教育や訓練を実施しても十分な効果が得られないことがあると,著者らは考えている.そこで本研究では,インターネットや社内ネットワークから収集可能な個人の情報と,標的型訓練メール開封数などのセキュリティ事故情報との関係性を分析し,セキュリティ事故を起こしやすいスタッフの共通の人物モデルを作ることで,スタッフごとにセキュリティ意識を評価する仕組みを提案する.これにより,個人に最適なセキュリティ教育の実施やセキュリティリスクの高い人物へのセキュリティ対策導入が可能となると期待される.

6H-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名展開型ゲームを用いた組織のセキュリティ管理策の考察
著者*早川 拓郎, 佐々木 良一 (東京電機大学)
ページpp. 1332 - 1337
キーワードリスクマネジメント, ゲーム理論, セキュリティ
アブストラクトセキュリティインシデントの増加に伴い,セキュリティ管理策の推進は組織の経営問題となっている.したがって,経営陣には管理策の推進に対し積極的なリーダーシップをとることが求められている.しかし,管理策推進の「利益」は不透明なため,依然として消極的な経営陣が多いという問題がある.また,セキュリティインシデントの発生を防ぐためのセキュリティ管理策の推進は,ときに組織の関係者にとっての負担となることがある.このことが原因となり関係者が不正を働くこともあり,問題となっている.これらの問題を解決するためには,管理策の推進にあたる関係者の「利得」を考慮する必要がある.関係者の「利得」を考慮したモデル化手法としてゲーム理論が存在する.杉浦らはセキュリティ推進部門と従業員という2プレイヤーによるセキュリティ推進ゲームをモデル化した.しかし実際の組織における管理策推進にはより多くの関係者が存在すると考えられる.したがって,本稿では管理者,経営者,従業員という3プレイヤーでの管理策推進ゲームを考察した.その結果,管理策の有効性や必要なコストに応じて変化する各プレイヤーの行動が明らかになった.また,特定の状況ではジレンマ状態が発生し,組織にとって好ましくない状況が発生することが明かになった.



2017年6月30日(金)

セッション 7A  ネットワーク品質監視
日時: 2017年6月30日(金) 8:30 - 10:10
部屋: ミリオーネホール
座長: 宮下 健輔 (京都女子大学)

7A-1 (時間: 8:30 - 9:10)
題名(招待講演) ネットワークログ分析による異常検知の可能性について
著者*関谷 勇司 (東京大学 情報基盤センター)
ページpp. 1338 - 1341
アブストラクト近年、IoTやクラウドといった技術の普及により、様々なデータ資源や計算資源がネットワークを介してアクセスし、利用できるようになっている。その一方で、サイバーセキュリティ対策が重要な課題となっており、情報漏えい等の事故も頻発している。このような状況に対応するためには、ネットワーク管理者とセキュリティ管理者が連携し、インシデントの兆候を的確に発見し対策することが求められている。しかし、現在のネットワーク運用やサイバーセキュリティ対策は、管理者の知識や経験に頼って行われる場合が多く、インシデント調査の手法が体系的に確立していない。そこで本論文では、先行研究に基づき各種のログ情報を利用することで、攻撃の兆候やインシデントの調査を体系的に行える手法を提案した。また、組織における実運用の一助となることを目指し、本手法を利用した分析事例を示した。最後に、さらなる分析と体系化のための課題点を示し、研究の方向性を述べた。

シニアリサーチャ賞 / Senior Researcher Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
7A-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名HTML5 を用いたインターネットの品質測定
著者*永見 健一 (株式会社 インテック), 水越 一郎 (情報セキュリティ大学院大学), 白石 雄太 (株式会社 イード)
ページpp. 1342 - 1347
キーワードモバイル, 品質測定, HTML5, モバイルプロキシ, インターネット
アブストラクトHTML5には,コンテンツの取得時間・表示時間を測定するAPIが定義されている.本論文では,このHTML5のAPIを利用したインターネット品質測定方式を提案する.本提案は,ブラウザで表示するコンテンツのダウンロード時間を測定するパッシブ測定である.測定用のトラフィックを必要としないため,ネットワークやサーバへの負荷を増加させない.この提案方式を実際のWEBサーバに設置し,スマートフォンの品質測定を実施した.

優秀論文賞 / Paper Awards
7A-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名センサデバイスを利用したネットワーク状態計測手法の評価
著者*北口 善明 (金沢大学/総合メディア基盤センター), 石原 知洋 (東京大学大学院/総合文化研究科), 高嶋 健人 (フリーランス)
ページpp. 1348 - 1353
キーワードネットワーク状態評価, 無線LAN, ネットワーク運用, ネットワーク品質
アブストラクトネットワーク運用において,ユーザからの障害報告として「つながらない」というものがある.「つながらない」状況の問題点を突き止める場合には,ユーザ側からのネットワーク観測が有効であるが,ユーザからは得てして「つながらない」という漠然とした状況しか得られないものである.そこで,ネットワーク障害点を的確に検出するために,ユーザ側からの観測を元に状態を評価し,ネットワーク運用者が迅速に問題点を把握できる手法を提案する. 本手法では,ネットワーク障害を複数のレイヤに整理し,「ネットワーク接続性記述の定義」を明確にすることで,的確にユーザ環境の情報伝達を可能する.本稿では,我々が提案している手法をセンサデバイス上に実装し,センサデバイスによる定常的なネットワーク状態計測の評価実験に関して報告する.

7A-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名移動ロボットと小型コンピュータを活用したネットワーク機器監視手法
著者*小川 康一, 吉浦 紀晃 (埼玉大学情報メディア基盤センター/埼玉大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1354 - 1361
キーワード画像処理, 移動ロボット, 監視システム, アドホックネットワーク, ネットワーク管理
アブストラクト大学では,利用者が様々なネットワーク機器を利用している.このため,障害発生時には解決方法が多岐に渡り,解決を困難にしている.特に少数のネットワーク管理者により運用を余儀なくされている場合,管理者の負担は大きなものとなる.この問題に対し我々は,画像処理と機械学習を利用したネットワーク機器監視手法を提案している.この手法を実装した監視機器は,監視するための専用のネットワークの確保が課題であった.そこで本論文では,移動ロボットを利用した監視情報の収集手法について述べる.


セッション 7B  行動・状態認識
日時: 2017年6月30日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 羊蹄・大雪
座長: 廣井 慧 (名古屋大学)

7B-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名ウェアラブルセンサを用いた探し物支援システムの提案
著者*越智 喬之, 磯山 直也, Guillaume Lopez (青山学院大学 理工学研究科)
ページpp. 1362 - 1366
キーワード探し物, スマートウォッチ, ウェアラブルセンサ
アブストラクト身の回りの物が紛失したとき,探すことに多くの時間を費やすことがある.本研究では日常生活を想定し,鍵や眼鏡といった紛失することによって大きな損害が予想される物を中心に,それらの物を最後に置いた場所を思い出させるシステムを提案する.探し物支援の研究はRFIDタグの使用や画像処理を使用したものが多いが,行動認識の側面からアプローチしているものは少ない.そこで本研究では,日常から装着可能であるウェアラブルセンサを使用し,加速度データと音データより,物を置く行動を識別するという手法を取っている.提案するシステムを実装するにあたり行った認識精度の検証実験では,「ポケットから取り出した鍵を机に置く動作」と「着用している眼鏡を外して机に置く動作」という2つの動作を被験者にしてもらい,用意した2つの動作のマザーウェーブレットとの相関度を比較することにより判別をした.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7B-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名Wi-Fi電波を用いた呼吸等のバイタル情報測定と姿勢変化認識
著者*HaoChen Cui (電気通信大学/大学院情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 小花貞夫研究室), 湯 素華, 小花 貞夫 (電気通信大学/大学院情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻)
ページpp. 1367 - 1374
キーワードWi-Fi電波, アンウェアラブルセンサ, バイタル情報測定, 姿勢変化認識, ヘルスケア
アブストラクト近年,現代社会のストレスの増加,生活習慣の不注意などによる無呼吸症候群など,呼吸にかかわる病気にかかる患者が増加している.また,健康な赤ちゃんが乳幼児突然死症候群で突然亡くなる要因の一つとして,うつ伏せ寝が挙げられている.一方で,無線電波を用いた非接触型のバイタル情報測定や動作認識方式が研究されている.本稿では,呼吸や姿勢変化によるWi-Fi電波の変動(乱れ)により検出されるバイタル情報や姿勢変化を用いて,被介護者や乳幼児に負担をかけずに介護や監視などを支援する方式を検討・検証した.ここでは,無線LANの主たる変調方式として使わるOFDM(直交周波数分割多重)におけるサブキャリア毎のCFR(キャリア周波数応答)の時間変化を分析することにより,呼吸等のバイタル情報や姿勢変化を検出する.CFRを使うことにより1組の送受信機で同時に複数の周波数による測定を行うことができ,低コストで定が期待できる.実験から得た呼吸数と仰向け安静時とうつ伏せ時のWi-FiのCFRを分析し,呼吸数の測定及び仰向け安静時とうつ伏せ状態の認識を可能であることを確認した.

7B-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名家庭内での移動と家電利用のセンシングによる高齢者の生活行動推定
著者*本田 美輝, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学 大学院情報科学研究科)
ページpp. 1375 - 1385
キーワード行動認識, スマートホーム, 健康寿命, Markov Logic Network, QoL
アブストラクト高齢化社会を迎え,高齢者の心と体の健康増進を図り,安全安心を実現することは極めて重要である.特に在宅時間が比較的長くなりがちな独居高齢者においては,家庭内でも十分な運動量が確保できているかや,閉じこもりがちで鬱傾向がみられないかなどをプライバシに配慮しながら低コストに見守る技術の実現が望まれる.本稿では,配置が容易でかつプライバシ侵害リスクが少ない赤外線ポータブル人感センサー及びタップ消費電力モニターを複数利用し,それらを用いた独居高齢者の家庭内行動の推定手法を提案する.提案手法ではセンサーの出力値を入力とし,Markov Logic Network(MLN)を用いてセンサーと行動の関連規則をソフト論理式として表現するとともに,事前に複数の高齢者に対するアンケートを実施し,高齢者の典型的な行動パターンを考慮した規則を規定する.それらをもとに,それらの規則がどの程度対象者の行動推測に即しているかの値をセンサー設置後数日間の正解行動データで学習する推定方法,ならびに高齢者への簡易な質問を介して規則の尤度を徐々に学習することで高齢者による正解行動データの記録を必要としないインタラクティブ推定法を提案している.開発したプロトタイプシステムを2つの独居高齢者宅にそれぞれ1週間導入し,行動推定を行った結果について述べる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7B-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名認知マップの誤りによる迷い行動のスマートフォンを用いた検出手法
著者*成元 椋祐, 梶田 宗吾, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院 情報科学研究科)
ページpp. 1386 - 1395
キーワード認知マップ, 迷い行動, VR, ナビゲーション
アブストラクト目的地を見失うなどの「迷い」の一要因として,人間が地図や視野などから得られる視聴覚情報により自意識内に構築する認知マップの誤りがある.したがって,人間が認知マップの誤りに気づき視聴覚情報を新たに収集する行動をスマートフォンにより検出することができれば迷い行動を検出でき,迷い解消のための情報提供をタイムリーに提供する高度ナビや,迷いが多発する地点を発見し案内情報の充実などに活用するビッグデータ応用なども期待できる.本研究では,スマートフォンの利用や移動の特徴量からユーザの迷い行動を検出する手法を提案する.プライバシ懸念が低く,Android OSで取得可能ないくつかの端末使用特徴量と歩行特徴量を抽出し,フィールド実験に基づく特徴量選択を行い,検出器を構築する. 17名の被験者による石川県山代温泉でのチェックポイント探索ゲームで得たデータに基づき構築した迷い検出器を用いて交差検証を行った結果,平均約82%の精度で迷い状態を検出できた.さらに,104名の被験者が参加した大学祭スタンプラリーならびに105名の被験者が参加したVRを用いた目的地発見ゲームで行動データを収集し,先述の検出器で検証した結果,平均約71%の精度で迷い状態を推定できた.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7B-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名機械学習に基づく簡易型サーモグラフィを用いた日常向け深部体温推定法の提案
著者*吉川 寛樹, 濱谷 尚志, 内山 彰, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1396 - 1403
キーワード深部体温, サーモグラフィ, 重回帰, Support Vector Regression, 機械学習


セッション 7C  サイバー攻撃(1)
日時: 2017年6月30日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 末広
座長: 星 徹 (東京工科大学)

7C-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名ダークネット観測データを用いた接続機器の調査と分類
著者*杉生 貴成, 佐々木 良一, 猪俣 敦夫 (東京電機大学)
ページpp. 1404 - 1410
キーワードダークネット, 可視化, DRDoS, IoT, DNS
アブストラクト近年, IoT(Internet of Things)を用いた大規模な「DNSアンプ攻撃」に基づく大規模なDDoS(distributed Denial of Service)攻撃が増加している.DNSアンプ攻撃を成立させるには事前に広範囲にオープンリゾルバの一般的に探索スキャンが行われるが,広範囲に渡るスキャンの傾向を捉える手段としてダークネット分析がある.本論文では特にダークネットのDNS(53/UDP)パケットを抽出して到着間隔や総パケット数などを特徴として同様の動きをするボットネットを可視化した.具体的には,可視化を行う際,予め対象とするIPアドレスに対してDNS逆引きを行い調査組織のIPアドレスを区別し,さらに観測されたIPアドレスに対してアクティブスキャンを行いDNSアンプ攻撃時に踏み台とされる機器の調査を行うとともに,対象とするIPアドレスに対してオープンリゾルバ状態かどうかの判別も行った. 結果,サーバ以外では家庭用のルータが多くを占めWebカメラやDVRなどのIoT機器も発見した.市販されているルータは標準でDNSをサポートしていることから,本論文ではユーザによる設定の不備等について言及した.

7C-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名リアルタイムバースト検出手法の利用による即応性を考慮したDDoS攻撃検知手法の検討
著者*臼崎 翔太郎, 有川 佑樹, 山場 久昭, 油田 健太郎 (宮崎大学工学部), 久保田 真一郎 (熊本大学総合情報統括センター), 岡崎 直宣 (宮崎大学工学部)
ページpp. 1411 - 1419
キーワードDDoS攻撃検知, リアルタイムバースト検出, 異常検知
アブストラクトDDoS攻撃を検知する統計的検知手法では,窓幅を大きくすることで検知精度を向上させるが,即応性に欠けるという問題点がある. 一方,データストリームのバーストをリアルタイムに検出する手法ではイベント発生時に処理を行うことから, リアルタイムに解析が可能,情報圧縮処理を行うため大量のイベント発生にも効率よく対応可能という利点がある. そこで我々はリアルタイムな解析を可能とし大量のイベント発生に強いリアルタイムバースト検出手法を利用し,即応性の高いDDoS攻撃検知手法について検討する. 本研究では,提案手法の有効性を確認するために評価実験を行い,検知精度と処理性能について議論する.

7C-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名Mirai型DDoSボットネットワークの監視環境の構築
著者*河口 綾摩 (慶應義塾大学環境情報学部), 空閑 洋平 (慶應義塾大学院政策・メディア研究科), 中村 修 (慶應義塾大学)
ページpp. 1420 - 1425
キーワードDDoS, ボットネット, 監視システム, IoT, C2サーバ
アブストラクト高性能かつ安価なTCP/IPプロトコルスタックを搭載したIoT(Internet of Things)機器を標的にしたMirai型のDDoSボットネットマルウェアの活動が活発化している。このようなボットネットを利用したDDoS攻撃の対策には、攻撃トラフィックに対するDDoS緩和技術と、事前に攻撃先・攻撃元ホストを検知するDDoS攻撃命令の監視技術の複合対策が必要となる。特に、今後のDDoS監視環境は、攻撃ホスト数の増加に対応するために、迅速な攻撃情報の把握と、その情報を基にしたDDoS対策装置のルール生成といった、監視と対策の連携が重要になると考えられる。そこで、本論文では、Mirai型ボットネットの攻撃手法と攻撃ホストをいち早く把握し、逐次防衛手段へと反映するためマルウェアのC&C(Command and Control)サーバへの能動的接続を行う監視環境を構築した。本監視環境を用いることで、実際に活動中のボットネットに接続し、攻撃先ホストの把握が可能なことを確認した。今後は、より多様なDDoSボットネットへの対応と、本監視環境とDDoS対策技術との連携方法を検討する。

7C-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名IPアドレスを用いたセッション管理によるDTLSサーバへのDoS攻撃の軽減
著者*須賀 灯希, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学大学院情報理工学系研究科), 岡田 和也 (東京大学情報基盤センター情報メディア教育研究部門)
ページpp. 1426 - 1432
キーワードネットワークセキュリティ, DoS攻撃, データグラム通信
アブストラクト昨今、リアルタイム性が高く処理負荷の小さいデータグラム通信が広く用いられている。一方で悪意のある攻撃者から通信を守ることが強く求められており、様々なセキュリティプロトコルが利用されている。データグラム通信におけるセキュリティプロトコルにはDatagram Transport Layer Security (DTLS)プロトコルがある。しかしながらDTLSのハンドシェイクプロトコルには仕様を悪用したサーバへのDoS攻撃が可能であるという問題がある。この問題に対処する研究は第三者による認証を利用した研究が主であり、サーバ側の処理を変更する方向性での研究は少ない。本研究ではDTLSにおけるサーバ側の処理を変更し、IPアドレスの表をサーバに持たせ、各クライアントとのハンドシェイクの状態の一部分を管理させることで、サーバへのDoS攻撃の影響を軽減する手法を提案した。提案手法により新たな機器を用意せずにDoS攻撃の被害を軽減可能になる。評価では、提案手法を実装し、DoS攻撃の被害を軽減できていることを確認した。さらに提案手法を組み込んだ際にハンドシェイク通信に新たに生じる処理時間について、表のデータ構造やエントリ数による違いを、実験を通して比較した。


セッション 7D  センシングと分析
日時: 2017年6月30日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 明石
座長: 藤本 まなと (奈良先端科学技術大学院大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
7D-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名3次元空間における測域センサ群の自己位置推定法
著者*吉貞 洸, 山田 遊馬, 廣森 聡仁, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1433 - 1443
キーワード位置推定, レーザレンジスキャナ, スキャンマッチング, RANSAC

7D-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名ロープウェイ式害獣検知システムにおけるロープの設置手法
著者*小倉 広大 (大阪府立大学院工学研究科), 勝間 亮 (大阪府立大学院工学研究科教員)
ページpp. 1444 - 1451
キーワード害獣検知, センサネットワーク, センシング
アブストラクト近年,シカ,イノシシ,サルなどの害獣による農村部への被害が深刻化している. 害獣被害を抑える対策として,WSN(Wireless Sensor Networks)による害獣モニタリングシステムにより 害獣を検知し,音や光等で追い払うことで,被害を軽減することが期待されている. しかし,一般的なモニタリングシステムでは監視カメラを固定しており,植物の生育などにより撮影領域が減少するなどの問題に対処 することが難しい. そこで,本稿では,ロープ上を監視カメラが移動できるロープウェイ式害獣検知システムを提案し, ロープウェイ式害獣検知システム導入時におけるロープの設置コストをできるだけ少なくする手法について提案する. 提案手法では,できるだけ少ない監視カメラで効率的にモニタリングを行うために,複数に分割されている監視対象領域をまとめて 監視できる領域をクラスタリング方式で求め,ロープを設置する位置を決定する. シミュレーション実験により,提案手法では,一般的なクラスタリング手法であるk-means法と比べると, より少ない監視カメラで全監視領域をモニタリングできることが確認できた.

7D-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名複数台の自律飛行UAVから得られる情報の最大化の検討
著者*渡辺 大貴 (青山学院大学大学院理工学研究科理工学専攻知能情報コース), 高橋 淳二, 戸辺 義人 (青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科)
ページpp. 1452 - 1455
キーワードUAV
アブストラクト近年,災害や事故の現場などで上空から情報センシングする手段としてUAVが使用されている.現状においては,UAVはマニュアル操作されることが多く,専門の知識や技能が求められ,人材の育成などでコストを要することが想定される.広範囲にわたって観測を行う場合, 複数台のUAVの利用が想定され,その場合運用には膨大なコストがかかってしまう.加えて,複数台のUAVをランダムに配置して観測しては,UAV同士の観測している視点が重複してしまう可能性があり好ましくない.そこで本研究ではコストの増加を避けるために対象物を観測し,視点評価を行い,自律移動させ,視点の重複がないよう適切に配置することで,観測できる情報の量を最大化する複数台協調観測アルゴリズムを構築し,検討を行う.

7D-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名IFoTの考えに基づいたIoTデータ流利用アプリケーションの開発
著者*坂口 僚, 藤田 茂 (千葉工業大学情報科学研究科情報科学専攻), 今野 将 (千葉工業大学先進工学部知能メディア工学科)
ページpp. 1456 - 1459
キーワード情報流, IFoT, IoT
アブストラクト現在のIoTプラットフォームは,遠隔地のクラウドサーバにデータが集中するような構成でなされている.この構成では,取り扱われるIoTデバイスの台数増加に比例してトラフィックが一極集中する.今後数千億〜数兆台規模にIoTデバイス台数が増加した場合,クラウド側で膨大なデータを集めきれず,処理しきれない恐れがある.このような状況を考慮するなかで,データ自身を一箇所に蓄積せず,流通させ,即時的な利用をすべきであるという情報流技術の考え方がある.情報流の利活用には,IFoT(Information Flow of Things)というIoTプラットフォームが提言されており,各IoTデバイスを計算資源として,クラウドに依存しない構成として示されている.本稿ではIFoTの考え方に基づき,管理機器としての計算機,25台のRaspberry Pi,異種かつ複数台のセンサによる,IoTデータ流を利用したアプリケーションを開発するための準備として,実験を行ったので報告する.


セッション 7E  映像音声コンテンツ
日時: 2017年6月30日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 須磨
座長: 義久 智樹 (大阪大学)

優秀論文賞 / Paper Awards
7E-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名SDM3602:音楽イベントのための自由視聴点映像音声のインタラクティブ再生
著者*塚田 学, 菰原 裕 (東京大学), 新居 英明 (株式会社IIJイノベーションインスティテュート), 粕谷 貴司 (株式会社 竹中工務店), 高坂 茂樹 (エスイーディー 株式会社), 小川 景子 (慶應義塾大学), 江崎 浩 (東京大学)
ページpp. 1460 - 1467
キーワード映像音声, メディア, Software Defined Media, Media Network
アブストラクトインターネットを前提とした視聴サービスが登場し,中でも空間に存在する視聴対象を解釈し,コンテンツとして活用するオブジェクトベースの視聴サービスの重要性が増している.2014年より,Software Defined Media(SDM)コンソーシアムでは,オブジェクトベースのメディアとインターネットを前提とした視聴空間の研究を行っている.現在,音楽イベントのDVDなどのパッケージメディアは,マイクやカメラなどの収録機材の位置によって大きく制約を受けるコンテンツである.本研究では,クラシックコンサートとジャスセッションのイベントを収録し,インタラクティブに自由視聴点での三次元映像音声を再生するアプリケーション「SDM3602」を設計,実装し,評価を行なった.さらにビルボードジャパンが開催したLive Music HackasongにてSDM3602のデモンストレーションを行い,審査員と一般の来場者の投票により,優秀賞を受賞した.

7E-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名映像エフェクト辞書システムによる修飾語のイメージの視覚化
著者*平井 彰悟, 角 薫 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 1468 - 1476
キーワード映像エフェクト, 3Dオブジェクト, 言葉のイメージ
アブストラクト本研究では,形容詞・擬音語・擬態語などの修飾語としての言葉のイメージを対象の物体である3Dオブジェクトに対して視覚的に映像エフェクトとして表現することのできる映像エフェクト辞書システムを構築した.この映像エフェクト辞書システムは言葉と映像エフェクトとを対象の物体に応じて紐づけた辞書システムである.同じ修飾語でも対象の物体の種類ごとに異なる意味があるため,映像エフェクトの選択の知的なアルゴリズムが必要となる.この辞書は形容詞・擬音語・擬態語などの修飾語だけでイメージを表すことが難しいイメージについてのコミュニケーション支援として利用できると考えている.被験者30名の印象評定により名詞や修飾語の分類付けを検討して辞書を拡張し,IBM BluemixとMicrosoft AzureのK-mean法によるクラスタリングにより修飾語の分類を試みた.

7E-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名音楽に馴染みのない人を対象としたジャケットを活かした音楽発見サポートシステムの提案
著者*平良木 智悠, 山内 正人, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
ページpp. 1477 - 1483
キーワード音楽, 推薦, ジャケット, 能動的, 視覚的
アブストラクト現在, 音楽との出会いの場は多様になったが, 無意識のうちに知見のない音楽ジャンルを避けてしまったり, 過去の嗜好性に偏った音楽推薦により, 普段聞かない音楽ジャンル内にある心踊る音楽との出会いに繋が らない問題がある.筆者はレコード収集の経験からジャケットはジャンルに対するイメージを持つことが なく, 音楽性を想像させることに着目した.そして研究を進める中で, 多くのレコードから選び出すジャケ 買いという行為が, 推薦曲に対しプラシーボ効果を起こす可能性があることに気づいた.そこで「普段聴か ない音楽内にあるもう一度聴きたいと思う音楽の発見」を目的とし, ジャケットを活かした音楽発見サポー トシステムを提案する.様々なジャンルがランダムに含まれた音楽リストを聴いた場合と, 提案手法を使 用した場合のもう一度聞きたいと思う音楽の割合を比較した.その結果, 提案手法の有用性が確認できた.

7E-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名螺旋と極座標による音高系列の表示方法の提案
著者*竹渕 瑛一 (神奈川工科大学大学院博士後期), 梶並 知記 (岡山理科大学総合情報学部情報科学科), 徳弘 一路, 速水 治夫 (神奈川工科大学情報学部情報メディア学科)
ページpp. 1484 - 1487
キーワード音高周波数, 蝸牛基底膜, 螺旋, 音高系列, 極座標
アブストラクト本論文では,螺旋と極座標によって周波数スペクトルのうち,音階と音高の成分を一瞥するための表示方法を提案する.人間の蝸牛基底膜は螺旋状に巻かれており,音の周波数によって反応する部位が異なる.蝸牛基底膜が反応する部位は,中心から1/4回転するごとに反応する周波数が倍になることがわかっている.蝸牛基底膜の性質を参考にし,音高成分を螺旋状に提示するシステムを実装した.1周ごとに1オクターブ上昇するように音階の成分を配置したところ,和音を演奏した時に音階上の倍音の分布を読み取りやすくなることがわかった.音階を螺旋状に配置することで,音楽と倍音の関係性について議論しやすくなると考えられる.

優秀論文賞 / Paper Awards
7E-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名ユーザの音声を利用した紙相撲システムの提案と評価
著者*鈴木 浩 (神奈川工科大学)
ページpp. 1488 - 1492
キーワード紙相撲, AR, ワークショップ
アブストラクト未就学児童から大人までが手軽に楽しめる紙工作として紙相撲があげられる.通常の紙相撲では,力士に見立てた紙の人形を土俵にみたてた台の上に乗せ,土俵を手で叩いて振動を発生させることで,紙の人形同士が押し合うことで相撲のようなとりくみが展開される.近年では,タブレット端末の画面を土俵とみたてて,紙相撲をするコンテンツなどが登場しているが,情報技術を導入しても土俵を叩くというインタラクションに変化は見られない.そこで本研究では,紙相撲に情報技術を導入する新たな試みとして振動の発生を手で土俵を叩くのではなく,人の掛け声を利用して土俵を振動させ紙相撲が体験できる音声紙相撲システム「SUMMO SONIC」を提案した.本稿では,開発した「SUMMO SONOC」の操作性と習熟性を評価実験と本システムを利用して実施した子ども向けワークショップでの結果について述べる


セッション 7F  情報共有
日時: 2017年6月30日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 浦島
座長: 江木 啓訓 (電気通信大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7F-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名紙をちぎることで電子情報を手渡すインタラクション方式の基礎検討
著者*呉 健朗, 玉城 和也, 中村 仁汰, 宮田 章裕 (日本大学 文理学部)
ページpp. 1493 - 1499
キーワード紙, ちぎる, インタラクション, 情報の受け渡し
アブストラクトスマートフォンをはじめとする電子端末の普及により画像や動画などの電子情報の受け渡しは,今や日常的に行われていることである.メールやSNSアプリケーションを利用して電子情報を受け渡すためには,送信者は受信者の連絡先を知っている必要があるが,受け渡し相手が初見の相手や,その場限りの相手であると連絡先を交換することに抵抗を感じる人は多いと思われる.この問題を解決するために,我々は,紙をちぎって手渡すことで電子情報の受け渡しを可能にするモデルを考案した.これにより,ユーザはどこにでもある紙で連絡先を交換せずに電子情報の受け渡しができるようになる.このモデルを実現するための具体的な手段として,文字が印刷された紙 (例:レシート) を利用する.電子情報の受け渡しを行うとき,送信者は紙をちぎり,受信者に手渡す.このときに送信者が持つ紙片をps,受信者が持つ紙片をprとする.送信者はpsをカメラで写すことで, psの破れ目の特徴と電子情報を関連付ける.受信者はprをカメラで写すことで, prの破れ目の特徴,すなわち, psの破れ目の特徴に合致する電子情報にアクセスできる.この方式により,ユーザは連絡先を交換することなく電子情報の受け渡しが可能となる.プロトタイプシステムを用いた基礎検証では73%の精度で対となる紙片同士のマッチングを行うことができた.

7F-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名屋内外を区別した機械学習によるバリア検出方式
著者*王 統順, 荒木 伊織, 鈴木 天詩, 栗田 元気, 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 1500 - 1506
キーワードバリア, 障害者, 加速度, 機械学習, 深層学習
アブストラクト従来から,センサデータと機械学習を組み合わせて, 障害者・高齢者の円滑な移動を妨げるバリアを自動検出しようとする試みがある. しかし,その多くが,検出場所が屋内であるか屋外であるかを区別していないため, 十分な検出精度が出せていない可能性がある. そこで,我々は,より高精度にバリア検出を行うことを目指し, センサデータ計測場所の屋内外を区別した機械学習を行うことを提案し, 提案方式によるバリア検出実験の結果を報告する.

7F-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名360度動画における視聴方向共有手法の提案
著者*齊藤 義仰, 松場 慶太郎, 西岡 大 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
ページpp. 1507 - 1511
キーワード360度動画, 視聴方向共有
アブストラクト本研究では,360度動画の見どころ発見支援と新たな視聴者コミュニケーションの創出を目指し,360度動画における視聴方向共有手法を提案する.人それぞれによって360度動画の見方は異なる.視聴方向を共有可能とすることで,動画の「見どころ」について気づきを与え,360度動画への興味喚起を行うことができると考えられる.また,非360度動画では,コメントの共有が一般的な視聴者コミュニケーションの手段となっているが,360度動画においては視聴方向の共有も新たな視聴者コミュニケーションの手段となりえる.本稿では,360度動画における視聴体験共有機能を有するプロトタイプシステムを実装し,評価実験を行った結果について報告する.

7F-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名発話を活用した情報共有インタフェースが対面協調検索へ与える効果の検証
著者*山本 卓嗣 (立命館大学院 情報理工学研究科), 高田 秀志 (立命館大学 情報理工学部)
ページpp. 1512 - 1518
キーワードCSCW, 協調作業支援, グループウェア, コンテクストアウェアネス
アブストラクト複数人が共通の目的を達成するために,複数人が同じ場所に集まり,それぞれが持ち合わせた携帯端末上のWeb検索によって情報の収集を行うことで目的を達成する.例えば,友人と旅行の計画を立てるといったことがこれに当てはまる.このような協調検索を行う際にスマートフォンやタブレット端末が広く用いられるようになっている.協調検索を行う際にユーザ間でコミュニケーションをとることは重要である.対面している場合,コミュニケーションは会話によってとられる.しかし,協調検索を行っている間に会話があまり発生しない場合があると考えられる.例えば,Webページの共有を行なった後に,共有ページについての会話が発生しない場合である.対面して協調検索を行うときにユーザ間でWebページを共有する場面が多く見られる.その際に利用される既存の情報共有インタフェースとして,Apple社のAirDropやメッセージングアプリケーションのLINEなどが挙げられる.これらはユーザが画面をタップすることで利用されるが,このタップ操作と会話はそれぞれ独立して行われる.本研究では,タップ操作によってWebページの共有が行われると,協調検索を行う際のユーザ間の会話があまり行われない場合があると仮定する.そこで,本研究では,情報共有インタフェースに発話を活用することを提案する.これにより,独立していた会話とタップ操作を関連づけ,共有ページについての会話に移りやすい情報共有インタフェースを実現する.また,発話を活用するために,音声認識機能を利用する.これにより,発話によって指定した相手の端末へWebページが共有される情報共有インタフェースを構成する.本研究では,発話を活用した情報共有インタフェースが協調検索に与える効果を検証した.検証を行うために,タップ操作のみによって,指定した相手の端末へWebページが共有されるシステムとの比較実験を行なった.また,実験後に被験者へのアンケートを行い,発話を活用した情報共有インタフェースを評価した.実験の結果,提案する情報共有インタフェースは,タップ操作のみの情報共有インタフェースに比べて,操作性は悪くなったが,共有したページについて十分な会話が行われることがわかった.また,実験の様子を撮影した映像の観察から,タップ操作での情報共有では,共有したページについて会話が行われない場合が何度か確認されたが,提案する情報共有インタフェースでは共有したページについての会話が必ず発生していた.これらのことから,発話を活用した情報共有インタフェースが対面しての協調検索に与える効果として,共有したWebページについて会話を発生させることができるということがわかった.一方で,タップ操作のみで行えていた情報共有インタフェースに発話という新たな操作方法を加えたために,操作性については評価が低くなることが示された.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7F-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名観光地名無しツイートにおける観光地に関する感想の自動抽出手法の提案
著者*渡邉 小百合 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 1519 - 1525
キーワード観光情報, 情報抽出, 自動化, マイクロブログ
アブストラクト近年,ドラマやアニメの舞台への聖地巡礼等の新しい形態の旅行が出てきたことや,外国人旅行者の増加から,観光地に対して新しいニーズが発生してきている.そのため,観光地側も観光客のニーズや問題点を知り,観光地の発展につなげていく必要がある.先行研究において,位置情報付きツイートや観光地名を含むツイートの前後ツイート等を用いて観光地名を含まないツイートから観光地に関する感想を収集する手法を提案したが,収集した情報が観光地に関する感想であるかの判断は全て人手で行っており,収集に時間と手間がかかるという問題があった.そこで本研究では,観光地名無しツイートにおける観光地に関する感想の自動抽出手法を提案する.観光地名を含むツイートを用いて,観光地に関する感想を含むツイートを判定する分類器を構築し,観光地名を含んでいないツイートからも観光地に関する感想の自動抽出を行う.構築した分類器の精度検証を行った結果,以下の2 点を明らかにした.(1) 観光地名入りツイートに含まれる観光地に関する感想を高精度(正例再現率> 0.8) で分類できる.(2) 観光地名入りツイートを用いた分類器によって,観光地名無しツイートも分類できる可能性がある.


セッション 7G  スマートフォン
日時: 2017年6月30日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 蓬莱
座長: 渡邉 拓貴 (北海道大学)

7G-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名音漏れモデルに基づくスマートフォンを用いた音漏れ検出手法
著者*中 久治, 土井 敦士 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科経営情報科学専攻), 根岸 佑也 (メタプロトコル株式会社), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部)
ページpp. 1526 - 1533
キーワードモバイルアプリケーション, 音声信号処理
アブストラクトスマートフォンの普及により電車内やカフェなどの公共空間で音楽や動画,ゲームを手軽に楽しめ るようになった.それに伴い,イヤホンからの音漏れのような公共空間ならではの迷惑行為も,より顕著 な問題になりつつある.音漏れは周囲の環境音より大きいイヤホンからの漏出音であると捉えられ、音楽 を楽しむ本人が音漏れを聴けず,自身で音漏れに気付きにくい.本研究では,公共マナーの向上をねらい, スマートフォン自体が再生している音に関して音漏れ検出できる機能の実現を目的とする.しかしながら, 音漏れしやすい音域は,イヤホンと環境音に依存して変化する.また,再生する楽曲によっても変化する. そこで本稿では,再生楽曲の周波数特性のうち,イヤホンと環境音ごとの音漏れ特性を考慮し,音漏れす る可能性が高い周波数のみに注目して,マイクからの観測音と比較することで,効果的に音漏れを検出す る手法を提案する.実際に,スマートフォンを用いた楽曲の再生と録音を行い,イヤホンや環境音毎の音 漏れ特性モデルを構築し,提案手法を用いた実験を行い,音漏れ検出が可能であることを確認した.

7G-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名実行中のスマートフォンアプリが扱う情報をリアルタイムに可視化する開発環境の構築
著者坂本 大輔 (立命館大学大学院 情報理工学研究科), *原崎 將吾, 村尾 和哉 (立命館大学 情報理工学部), 望月 祐洋 (立命館大学 総合科学技術研究機構), 西尾 信彦 (立命館大学 情報理工学部)
ページpp. 1534 - 1539
キーワードスマートフォン, 可視化, 開発環境
アブストラクトスマートフォンのさまざまなセンサを用いてユーザの測位や行動認識を行い,状況に応じたサービスを提供するアプリケーションの研究が盛んである.測位手法や行動認識手法を提案するには,開発する際にアルゴリズムが想定通りに動作しているかの検証やプログラムのデバッグが必要である.しかし,現状の検証やデバッグ方法では視認性に優れないなどの問題があり,開発者の負担となる.そのため,これらのプログラムをデバッグする時に,ログの変化をリアルタイムに可視化してアルゴリズムの検証を容易にする機能が必要である.本研究では,開発者の負担を軽減するために,プログラム内の変数を元にブラウザ側でグラフや地図によるリアルタイムな可視化が可能な開発環境を構築した. システム開発者に構築した開発環境を利用してもらった結果,作業時間が約64%短縮され,その有用性を確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7G-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名動的遮蔽物を考慮したBLEによる屋内位置推定手法の提案
著者*星 尚志, 石塚 宏紀, 小野 智弘 (KDDI総合研究所)
ページpp. 1540 - 1546
キーワード位置推定, BLE, 動的遮蔽物, ビーコン
アブストラクト近年,屋内測位技術に関する研究開発が進み,市場への導入も徐々に実施されてきている. ショッピングモール等の店舗内における屋内測位では,Wi-FiやBLEなどの送信ビーコンを設備側に設置して,ユーザのスマートフォンなどを想定した受信機側で受信した各送信ビーコンの電波受信信号強度から位置を同定する手法が主に用いられている. しかしながら,Wi-FiやBLEの通信帯域は,2.4GHz帯であり,電波の反射,遮蔽,回折の影響が大きく,特に水分を多く含む人物による遮蔽の影響は大きい.そのため,店舗の天井や柱などの高所に送信ビーコンを設置できない場合,頻繁に起こる人々の往来による不定期な電波遮蔽によって測位精度が著しく低下してしまう. そこで本論では,カメラによる人物検知技術を利用して,時刻毎に動的遮蔽物である人物の位置を取得し,屋内測位による位置推定時において,動的遮蔽物による影響が小さい送信ビーコンを選択して位置を推定する手法を提案する. 提案手法の評価において,我々は,実店舗における人物の動線データを利用した提案手法のシミュレータを実装した. 結果として,本シミュレーション環境において提案手法が優位であり,同環境下において平均測位誤差が,1.2m改善することが明らかになった.

7G-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名ユーザログを用いたWi-Fi電波モデルの経年劣化検出手法の提案
著者川中 麻記子, *原田 翔平, 村尾 和哉, 望月 祐洋, 西尾 信彦 (立命館大学)
ページpp. 1547 - 1552
キーワード測位, ナビゲーション, Wi-Fi, 経年劣化
アブストラクト近年,GPSの電波が届きにくい屋内や地下での測位手法としてWi-Fi測位が注目されている.Wi-Fi測位では事前に測位を行うエリアの電波を収集し,作成した電波モデルを利用して測位を行う.しかし,事前に作成した電波モデルは基地局の消滅や移設により経年劣化し,測位精度が低下する要因となる..しかし,現状では,電波モデルに経年劣化が生じているのかを知ることができないため,更新前に更新を行う必要性を評価できないという問題がある. そこで本研究では,ナビゲーションアプリによる電波観測ログを利用し,Wi-Fi測位に使用する基地局の電波モデルの経年劣化を検出する手法を提案する.基地局の出現,消滅,移設を検出することで,電波モデルの経年劣化を検出する.基地局の出現,消滅は各々の基地局が観測される日付間隔の平均と標準偏差の和を閾値として検出をする.基地局の移設は,安定した基地局は毎回同じ基地局と一緒に観測されるという共起性を利用して検出する.評価実験では本研究室が提供している大阪梅田地下街のナビゲーションアプリ「うめちかナビ」の電波観測ログを使用した.評価実験の結果,一定日数以上観測された基地局について,基地局の出現および消滅を検出できることを確認した.


セッション 7H  防災・バリアフリー
日時: 2017年6月30日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 石狩・洞爺
座長: 疋田 敏明 (東京大学)

7H-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名ライブ配信を利用した大学内バリアフリー化支援
著者佐藤 実季, *神田 結衣 (津田塾大学 学芸学部 情報科学科), 滝澤 友里 (津田塾大学 大学院 理学研究科), 松岡 淳子, 新田 善久, 村山 優子 (津田塾大学 学芸学部 情報科学科)
ページpp. 1553 - 1556
キーワードバリアフリー, 障がい者支援, ライブ配信, トラスト, 安心
アブストラクト近年,あらゆるところでバリアフリー化が進んでいる.教育現場でも進みつつあるが,まだ十分ではなく,車椅子の学生は利用できない施設もある.不自由な思いをしている学生を支援するために,大学構内の掲示板の様子をライブ配信するシステムの構築を行った.本論文では,システム実装や運用実験,今後の課題について報告する.

7H-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名障がい者支援のための戸口ノックシステムの開発構築
著者川村 仁美, 神田 結衣, 松岡 淳子, *村山 優子 (津田塾大学 学芸学部 情報科学科)
ページpp. 1557 - 1559
キーワード障がい者支援, グループウェア, トラスト, 安心, 協調支援
アブストラクト支援を必要とする障がいを持つ人々は,特定の人に頼み続けることに心の負担を感じることもある.その問題を解決する為に戸口ノックシステムを構築した.戸口ノックシステムとは,現実で行うように戸を介してノック音を伝えることによりアウェアネスを実現したネットワーク上のコミュニケーションシステムである.本稿では,モデル,実装,具体的な利用例についての報告を行う.

7H-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名OpenStreetMapを用いた障がい者支援のためのアクセシビリティマップの開発
著者矢野 夏希, *森本 萌心 (津田塾大学 学芸学部 情報科学科), 松崎 良美 (津田塾大学 大学院 国際関係学研究科), 吉村 麻奈美 (津田塾大学 学芸学部 国際関係学科), 松岡 淳子, 村山 優子 (津田塾大学 学芸学部 情報科学科)
ページpp. 1560 - 1563
キーワードバリアフリー化支援, 地図情報共有, トラスト, 安心, 協調支援
アブストラクト昨今, 様々な場所でバリアフリー化が進められており, 大学においても障がい学生支援のために,バリアフリー環境の整備が進められている. こうしたハード面での整備に加え,ソフト面の整備も同様に必要とされている. その一つとして, 障がい学生も安全に円滑に大学生活を送れるように, 大学のバリアフリー情報を伝えるアクセシビリティマップの作成が挙げられる. 本研究では,ストリートビューによって多くの視覚情報を提供できるMapillaryや, 自由に様々な情報を付加できるOpenStreetMapを用いて,障がい学生が大学内のバリアフリー情報を確認できるサイトを構築した. 本論文では,このアクセシビリティマップ提供サイトの構築について報告する.


セッション 8A  機械学習
日時: 2017年6月30日(金) 10:30 - 12:10
部屋: ミリオーネホール
座長: 廣森 聡仁 (大阪大学)

8A-1 (時間: 10:30 - 11:10)
題名(招待講演) ICTが切り拓く革新的な農産物栽培モデル確立への挑戦
著者*峰野 博史 (静岡大学/JSTさきがけ)
ページp. 1564
キーワード機械学習, ヘテロデータ, マルチモーダル
アブストラクト日本の農業就業人口は年々減少しており,特に高齢化に伴う熟練農家の離農による高度な栽培技術の喪失が大きな課題となっている.失われつつある高度な栽培技術をICTによって形式知化できれば,熟練農家が長年の経験と勘に基づいて習得したノウハウを効率的に伝承できるだけでなく,新たな革新的な農産物栽培方法の確立に繋がる可能性がある.本講演では,JSTさきがけ研究領域「情報科学との協働による革新的な農産物栽培手法を実現するための技術基盤の創出」で実施している課題「多様な環境に自律順応できる水分ストレス高精度予測基盤技術の確立(H27-30)」について,情報科学研究者と農学・植物科学研究者の議論・連携によって進めている研究状況を紹介する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
8A-2 (時間: 11:10 - 11:30)
題名通信品質予測に基づく自律 Wi-Fi チャネル制御手法
著者*梶田 宗吾, 天野 辰哉, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学 大学院情報科学研究科), 高井 峰生 (大阪大学 大学院情報科学研究科/カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
ページpp. 1565 - 1574
キーワードチャネル選択, 機械学習, ネットワークシミュレーション
アブストラクトパブリックスペースにおける Wi-Fi 通信の可用性向上が求められている一方で,都市環境では Wi-Fi 過密化がさらに加速することが想定されている. 過密化に伴い電波干渉による通信効率の低下が懸念されており,Wi-Fi を中心プラットフォームとしたサービス参入の障害となる. 本研究では,今後想定される Wi-Fi 過密環境において,アクセスポイント (AP) における通信品質予測に基づく干渉回避を目的とした自律 Wi-Fi チャネル制御手法の提案とその評価を行う. 提案手法では,対象とする AP において MAC フレームモニタリングを実施することでチャネル状況を把握し,これを入力として,チャネル切り替えの指標となるフレーム到達率と遅延時間を予測する関数を設計している. 予測関数の構築のため,ネットワークシミュレータScenargieを用いることで作成した 10,000 以上のシナリオを訓練データとして利用している. 予測関数の精度の評価のため,約 2,000 のシナリオを追加で生成し評価実験を行った結果,フレーム到達率に対する予測値の平均二乗誤差が 10% 以下となることを確認した. また,大阪市を対象に収集した Wi-Fi AP およびトラフィック情報に基づく現在の都市環境に即した評価シナリオにおいても, 提案手法により最も通信品質の高いチャネルを選択することが可能であることを確認している. 加えて,提案した予測関数の出力値に基づくチャネル制御を実施した結果,対象 AP のスループットがランダムにチャネルを選択した場合の期待値と比較して約 1.75 倍となることを示した.

8A-3 (時間: 11:30 - 11:50)
題名分散深層強化学習を用いたモバイルデータオフローディング手法の提案
著者*望月 大輔 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 安孫子 悠 (静岡大学情報学部), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域)
ページpp. 1575 - 1582
キーワードオフローディング, モバイルデータ, 強化学習
アブストラクトIoT(Internet of Things)の普及に伴い,モバイルデータ通信の需要は今後も増え続けると予想される.通信キャリアはWi-Fiスポットを設置しモバイルデータ通信網の負荷を分散するモバイルデータオフローディングに取り組んでいる.帯域利用効率を最大化する方法として,遅延を許容する即時性を求めないデータに着目し,送信レートを制御することで帯域利用効率を最大化することを目的としたMobile Data Offloading Protocol(MDOP)が提案されている.しかし,MDOPの時間的オフローディングは送信レート制御に定式化された数理モデルを用いており,多種多様な通信インフラの状況に応じて常に帯域利用効率を最大化することは困難である.本研究では,多種多様な通信インフラの状況において常に帯域利用効率を最大化するため,分散深層強化学習を用いたモバイルデータオフローディング手法を提案する.基礎検討として,MDOPの時間的オフローディングに焦点を当て強化学習の適用可能性について評価を行った.評価の結果,分散深層強化学習を用いた送信レート制御モデルが,時間的局所性を解消するような送信レート制御を行うことが可能となり,単一の送信レート制御モデルに比べ帯域利用効率を6%向上させられることを確認した.

8A-4 (時間: 11:50 - 12:10)
題名ビッグデータ処理基盤Apache Sparkのストリーミング機能を利用したセンサデータ解析フレームワークの検討
著者*一瀬 絢衣 (お茶の水女子大学), 竹房 あつ子 (国立情報学研究所), 中田 秀基 (産業技術総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 1583 - 1587
キーワードApache Spark, ストリーミング, リアルタイム処理, センサデータ解析
アブストラクト各種センサの普及やクラウドコンピューティング技術の習熟に伴い,お年寄りや子供のための安全 サービスなどを目的としたライフログの利用が普及してきている.しかし,動画像解析のようなデータ量, 計算量の多い処理をクラウドでリアルタイムに行うことは困難である.また,近年ディープラーニング技 術の発達で,その高い精度から画像や音声の認識などに広く用いられているが,計算負荷が高いことが課 題の一つとなっている. 本研究では,複数カメラからの動画収集とその解析処理を,効率よく高速に行う解析フレームワークの構 築を目指し,Apache Kafka によるデータ収集と Apache Spark のストリーミング機能と Chainer を用い た機械学習を行う.本稿では,提案フレームワークの性能向上に向け,まずはデータ転送を行う Apache Kafka の性能調査を行った.


セッション 8B  位置推定
日時: 2017年6月30日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 羊蹄・大雪
座長: 荒川 豊 (NAIST)

8B-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名回転磁石マーカによるスマートフォンの3次元位置推定手法
著者*渡邊 康祐 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧 (名古屋大学未来社会創造機構), 神山 剛 (NTTドコモサービスイノベーション部), 佐野 博之, 塚本 昌克, 片桐 雅二, 池田 大造 (NTTドコモ先進技術研究所), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部), 河口 信夫 (名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 1588 - 1597
キーワード回転磁石マーカ, スマートフォン, 位置推定, 磁場, 磁気センサ
アブストラクト本研究では動的磁場を発生させる回転磁石マーカを開発し, スマートフォンの3次元位置を推定する手法を提案する. 我々はこれまで, 回転磁石マーカによる通過検出や位置推定手法についての検討をおこなってきた. 提案手法では, 回転磁石マーカが生み出す磁気をスマートフォンに搭載されている磁気センサで検知し, 回転磁石マーカのモータの角度データと照らし合わせてスマートフォンの3次元位置を推定する. スマートフォンの3次元位置推定が可能になることで, 屋内での詳細な人の位置などが推定可能になると思われる. まず, 回転磁石が3次元極座標に発生させる磁気を検討し, 磁気と3次元位置との理論式を構築した. 方位角は磁場のノルムが極大値をとる時のモータの角度データを用いて推定し, 仰角は磁気データと仰角の関係式を求めて推定する. 距離は磁場のノルムが回転磁石マーカからの距離に依存することを利用して推定する. 提案手法の推定精度を調べる実験として, 回転磁石マーカとスマートフォンの距離を1.0mで固定し, いくつかの位置で方位角, 仰角を推定した結果, 方位角は全ての計測位置で平均誤差11°以内, 仰角は全ての計測位置で平均誤差10°以内で推定可能であった. また, 回転磁石マーカとスマートフォンの距離を50cm〜4.0mまで50cm刻みとし, 方位角と距離の推定を10回ずつ行った結果, 方位角推定は3.0.以内であれば平均誤差14°以内, 距離推定は3.0m以内の距離であれば平均誤差19cm以内の精度で可能で推定可能であった. 提案手法によって, 我々のこれまでの手法と比較して, 3次元位置推定の実現, 推定精度の向上, 推定可能距離の延長に成功した.

8B-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名タンデムスキャナを用いた配布型BLEタグ位置推定手法
著者*浦野 健太 (名古屋大学大学院 工学研究科/NPO法人位置情報サービス研究機構 (Lisra)), 廣井 慧 (名古屋大学 未来社会創造機構/NPO法人位置情報サービス研究機構 (Lisra)), 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学部/NPO法人位置情報サービス研究機構 (Lisra)), 河口 信夫 (名古屋大学 未来社会創造機構/NPO法人位置情報サービス研究機構 (Lisra))
ページpp. 1598 - 1606
キーワードBLE, 位置推定, IoT, 配布型BLEタグ, タンデムスキャナ
アブストラクト我々は大規模展示会における来場者の動向(ブースの訪問順や滞在時間など)を調査するために,配布型Bluetooth Low Energy(BLE)タグと固定型のスキャナを用いる屋内位置推定を検討してきた.配布型BLEタグを用いることで大規模なデータ収集を容易に行える,スマートフォン用アプリケーションが不要になるなどの効果が期待できる.G空間EXPO2015での実験データを用いて位置推定を行ったところ,パケットロスが原因とみられる誤差が生じた.そこで,ひとつのスキャナが複数のBluetoothアダプタを備えるタンデムスキャナを構築しパケットロスを減らす取り組みをしてきた.本研究では,タンデムスキャナを用いて行ったG空間EXPO2016での実験データを用いて位置推定を行った.三点測位とパーティクルフィルタを用いた位置推定手法のパラメータ最適化とタンデムスキャナの利用により,平均4.51mの精度を達成した.また,BLEタグの広告周期が長い場合精度が下がり,タンデムスキャナの利用Bluetoothアダプタを変更すると精度も変化することがわかった.

8B-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名センサ測位システムZigLocの精度向上に向けた差分フィンガープリント法の設計
著者*山本 貴宏, 泉 幸作, 石田 繁巳 (九州大学大学院システム情報科学研究院), 田頭 茂明 (関西大学総合情報学部), 福田 晃 (九州大学大学院システム情報科学研究院)
ページpp. 1607 - 1613
キーワードセンサノード測位, 基準ノード不要測位システム, フィンガープリント法
アブストラクト屋内ではGPS(Global Positioning System)を利用できないため,屋内センサネットワークにおいて膨大な数のセンサノードの位置を取得することは大きな課題の1つになっている. 筆者らは,センサノードを置くだけで測位できるセンサ測位システムZigLocを開発している.ZigLocではZigBee(IEEE 802.15.4)モジュールを搭載したセンサノードでWiFi(IEEE 802.11)アクセスポイントの信号強度(RSS)を測定し,WiFi測位システムのために収集されたフィンガープリント情報を用いてフィンガープリント法で測位を行う. しかしながら,センサノードとWiFiモジュールで取得したRSSの間にはチャネル帯域幅の違いなどの影響によりオフセットが生じるため,測位精度が低下する. 本稿では測位精度の向上に向け,既存のRSS補正手法を応用してRSSオフセットの影響を軽減するた差分フィンガープリント法を示す. 実証評価を行い,差分フィンガープリント法によりZigLocの測位精度を約26%向上できることを確認した.

8B-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名部屋ごとのWi-FiとBLE Fingerprintの比較に基づくBLEビーコンの移動および故障検出手法
著者*池田 翔太 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科), 成瀬 文尊, 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学部)
ページpp. 1614 - 1620
キーワードBLEビーコン, Fingerprint, 部屋推定, 不具合検出, Wi-Fi
アブストラクト本研究では,部屋の Wi-Fi モデルと BLE モデルを用いて,ビーコンの電池切れや故障,ビーコン の移動などの不具合を検出する.屋内位置推定や部屋認識,公共施設のナビゲーションアプリに利用され るなど様々な用途で BLE ビーコン が使用されている.しかし,居室情報にビーコンを使用する場合,各 部屋に 1 個または 複数個設置する必要があり管理者が各部屋に設置されたビーコンを一括して管理するの は困難であると考えられる.提案手法では,Wi-Fi モデルと BLE モデルを含めた部屋モデルを作成し,部 屋に入室した時にその部屋の Wi-Fi と BLE の情報を観測し,それぞれのモデルと比較しビーコンの不具 合を検出する.部屋推定精度及びビーコン不具合検出実験を行い,離れている部屋では部屋推定は 90%以 上の精度で正解した.しかし,隣同士の部屋では,近くにあるビーコンの電波に影響され推定結果に差が 見られた.また同じ Wi-Fi 基地局が検出できる環境では別の部屋と推定される可能性がある.不具合検出 では電池切れなどの故障は検出できた.また移動に関しても部屋推定の結果から検出できた

8B-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名ユーザ設置ビーコンを用いた通知環境の構築
著者*橋本 修平, 山本 修平 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 西出 亮, 高田 秀志 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 1621 - 1626
キーワード位置情報システム
アブストラクト位置測位技術の発展に伴い,ユーザの位置に応じた情報を自動的に受け取ることのできるサービスが開発されている.ビーコンを用いた通知環境は屋内環境にも適しているものの,ビーコンを適切な場所に設置し,電波強度によって通知場所を設定するなどの作業が必要となる他,通知を行う場所の増減に伴い,ビーコンの数や設置場所を変えるという手間が発生する.そこで本研究では,屋内空間においてユーザ自身が通知を行いたい場所それぞれにビーコンを設置することで細かな位置を指定した通知範囲を実現し,ビーコンの設置された場所に対して通知内容を紐付けるようにすることで,容易に通知場所を設定できるようにする.さらに,設置されたビーコン同士の信号強度(RSSI)の関係を用いて決定される近接情報を管理することで,通知が設定されたビーコンに近接している別のビーコンが検出された場合にも,その通知が行われるようにし,通知漏れの発生を防止する.実際にビーコンのRSSIを測定する実験を行い,近接条件に適切な閾値を与えることができるかどうかの検証を行った結果,ビーコンから受信される信号強度は利用環境に依存するため,利用環境に適した通知環境を構築するには,ユーザ自身によって通知範囲等の広さを調整できるようにすることが必要であることが分かった.


セッション 8C  サイバー攻撃(2)
日時: 2017年6月30日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 末広
座長: 須賀 祐治 (IIJ)

8C-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名DPIを用いたIoT機器向け不正侵入検知システムの検討
著者*油田 健太郎, 山場 久昭 (宮崎大学), 朴 美娘 (神奈川工科大学), 岡崎 直宣 (宮崎大学)
ページpp. 1627 - 1634
キーワードDPI, IoT, パケットフィルタ, IDS
アブストラクト従来のコンピュータやスマートフォンだけでなく, 家電や自動車, 医療関連機器やスマートホームなど多様で幅広い機器・設備がインターネットに接続されている.一方で,これらのシステムを悪用する脅威も増加している.本論文では,ファイアウォールによるパケットフィルタリングを用いてそのようなIoT 機器に対する侵入検知・対策の実用性を確認する.その際パケットのペイロード部まで検査するDeep Packet Inspection を用いることで,不正な接続だけでなくプロトコルを偽装した通信の検知を試みる.その結果,従来のパケットフィルタリングより高度な振る舞いが可能であること,パケットが偽装されていてもパケットフィルタリングに有用であることやそれを用いた侵入検知システムの実装について示す.

8C-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名人工知能搭載型サイバーレンジによるシステム強靱性の検討
著者*中山 能之 (東京電機大学大学院 情報環境学研究科), 宮本 貴義 (東京電機大学 情報環境学部), 大石 恵輔, 岩東 佑季 (東京電機大学大学院 情報環境学研究科), 八槇 博史 (東京電機大学 情報環境学部)
ページpp. 1635 - 1639
キーワードサイバーセキュリティ, レジリエンス(強靱性), 人工知能
アブストラクト標的型攻撃を企業や組織のネットワーク環境で事前検証し,想定される被害や必要となる対策を調査することが望ましい.本研究室で開発してきた,サイバーレンジと共進化シミュレーションシステムから構成される人工知能搭載型サイバーレンジを用いてこれを実現する.標的型攻撃の対策である入り口対策では,攻撃を防げていない.こうした背景から,攻撃の早期検知が重要である.そのために,特定の端末・サーバを重点的に監視し攻撃被害を最小限にとどめることを目指す.アプローチとして,グラフ理論を用いた故障対策におけるサービス継続性の考えをサイバーセキュリティに適応させた,レジリエンス(強靱性)分析を提案する.本論文は,人工知能搭載型サイバーレンジの概要と,レジリエンス分析の手法,グラフ理論に基づいたレジリエンスの評価手法を検討した内容を示す.また,レジリエンス分析が人工知能搭載型サイバーレンジに与える効果および,今後の展開について示す.

8C-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名サイバー攻撃対策のための人工知能搭載型サイバーレンジの検討
著者*大石 恵輔, 中山 能之, 岩東 佑季, 石川 博也 (東京電機大学情報環境学研究科), 宮本 貴義, 八槇 博史 (東京電機大学情報環境学部)
ページpp. 1640 - 1643
キーワードサイバーセキュリティ, AI, クラウドコンピューティング
アブストラクト標的型攻撃では,ネットワークに侵入したマルウェアが各ホストをネットワークの内部から攻撃する.この動作を仮想計算機とSDNを用いて構成したサイバーレンジを用いてシミュレーションする.このサイバーレンジでは,攻撃側と防御側の双方に人工知能が搭載され,これらの人工知能を遺伝的アルゴリズム等により進化させることで,将来発生しうるサイバー攻撃の予測に繋げることを本研究では企図している.仮想ネットワークシステムの構築のためにネットワーク記述言語NSDLを定義し,サイバーレンジにおける各種の動作を制御するためのAPI機構,および人工知能を進化させるための共進化シミュレーション機構や,AIによるサイバー攻撃をサイバーレンジ内で実現するための攻撃プランナーといったモジュールを開発した.


セッション 8D  運用とセキュリティ
日時: 2017年6月30日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 明石
座長: 上原 哲太郎 (立命館大学)

8D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名自律分散型インターネットセキュリティ基盤のための信頼基盤構成法の提案
著者*堤 智昭, 石川 毅, 芦川 大地, 米 直樹, 君山 博之, 八槇 博史, 上野 洋一郎, 佐野 香, 佐々木 良一, 小林 浩 (東京電機大学情報環境学部)
ページpp. 1644 - 1653
キーワードサイバーセキュリティ, TPM, 自律分散型インターネットセキュリティ
アブストラクト近年のIoT機器の発達・増加に伴い,これらを悪用したサイバー攻撃が深刻な問題となっている.特に,DDoS攻撃は,攻撃を受ける側がセキュリティ対策を行っていても,防ぐことができない.それに対応するために,我々は,インターネット全体で取り組むセキュリティを実現するための“自律分散型インターネットセキュリティ(AIS)基盤”を提案している.本稿では,このAIS基盤のトラストを確立するために,AIS基盤を構築する中核機器やAIS基盤内でやり取りされる制御通信を安全に運用するための信頼基盤を提案する.また,信頼基盤の実現可能性を検証するためにTPMシミュレータを用いてプロトタイプシステムを実装し,動作確認を行った.

8D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名大分大学のダークネットトラフィックにおけるゼロデイ攻撃の影響の分析
著者*東條 貴明 (大分大学大学院工学研究科工学専攻知能情報システム工学コース), 池部 実 (大分大学理工学部共創理工学科知能情報システムコース), 吉田 和幸 (大分大学学術情報拠点情報基盤センター)
ページpp. 1654 - 1660
キーワードネットワークセキュリティ, インターネット, ダークネット, ゼロデイ攻撃, ログ解析
アブストラクトインターネット上の脅威の中でも,ソフトウェアの脆弱性が解消される前に攻撃が行われるゼロデイ攻撃が問題になっている.ゼロデイ攻撃は脆弱性に関する情報や対応策が提供される前に攻撃が行われるため,検知や予防などの対策が困難である.そこで,我々はゼロデイ攻撃の予兆となる活動を把握するために,インターネット上での不正な活動に起因する通信が多く観測されるダークネットに着目した.ダークネットとは,インターネットから到達可能かつ未使用のIPアドレス空間であり,脆弱な機器を探索するスキャン攻撃をはじめとした様々な不正な通信が観測されている. 本論文では,大分大学のダークネット宛トラフィックを収集し,過去に報告された47件の脆弱性について,脆弱性が報告されたソフトウェアが使用するポート番号宛のトラフィックに注目して調査をした.その結果,脆弱性情報の公表の前後に於けるトラフィックの顕著な増加を4件観測した.本発表では脆弱性に関連したトラフィック増加事例と,ゼロデイ攻撃がダークネットのトラフィックに与える影響について調査した結果を報告する.

8D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名脆弱性診断と脆弱性情報公開サイトを用いた脆弱性更新通知機能の試作
著者*田島 浩一, 岸場 清悟, 近堂 徹, 渡邉 英伸, 岩田 則和, 西村 浩二, 相原 玲二 (広島大学 情報メディア教育研究センター)
ページpp. 1661 - 1664
キーワード脆弱性診断, ネットワーク管理, コンピュータセキュリティ
アブストラクト各種のソフトウェアにおける脆弱性の情報は、新しい情報や追加情報の更新等が日々行われ続けている。組織のネットワークを管理する、システム管理者の立場からは、公開される脆弱性情報について「深刻度の高い脆弱性に該当するサーバやホストが自組織にあるかどうか」の情報確認の要求があり、また,ホスト管理を行う者にとっても、同様に自身の管理するホストに関係する脆弱性情報が適宜に届く事が望ましいと考えられる. 他方、脆弱性診断を行う事で、ホストの脆弱性を見つける過程でホストで稼働させているサーバソフトの検出やそのバージョン等の基本的な情報を得る事も出来ているため、その情報を基に新しく公開された脆弱性情報について、利用中のサーバソフトであるか、また、バージョン等が該当するかの判定は、比較的複雑ではないテキストの比較処理により可能である。 そこで本論文では,公開される脆弱性情報について、該当の有無の確認により重要な更新情報を自動通知する方法について、ホストの管理者,および,システム管理者への通知処理について必要な機能の試作を行った.

8D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名ディスプレイネームをユーザ認証に利用したなりすましメール対策手法
著者*山井 成良 (東京農工大学)
ページpp. 1665 - 1670
キーワード電子メール, 迷惑メール, なりすましメール, ディスプレイネーム
アブストラクト差出人を詐称した「なりすましメール」は標的型攻撃の発端として頻繁に利用され,その対策は急務である.特に正規ユーザのアカウントを不正入手し,ディスプレイネーム(表示名)を詐称したなりすましメールを発信されると,従来の送信ドメイン認証技術を適用してもディスプレイネームの詐称を検出する効果は期待できない.そこで,本稿ではユーザがMSA(Mail Submission Agent)に普段使用するディスプレイネームを予め登録しておき,送信メッセージ中のディスプレイネームがMSAに登録されたものと一致しない限りメッセージの送出を許可しないようにする方法を提案する.これにより,たとえアカウント情報が漏洩したとしてもなりすましメールの送信を抑制する効果が期待できる.


セッション 8E  コンシューマデバイス
日時: 2017年6月30日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 須磨
座長: 神山 剛 (NTTドコモ)

8E-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名LoRaを用いた圃場管理向け通信プロトコルの提案
著者*寺田 恵太郎, 豊田 真治, 平田 忠明, 眦 裕也, 松本 恵子 (金沢工業大学), 袖 美樹子 (金沢工業高等専門学校)
ページpp. 1671 - 1678
キーワード無線ネットワーク, 通信プロトコル, 間欠式, 低消費電力
アブストラクト我々は農業従事者の作業負荷軽減や知識伝承を助けるため,フィールドサーバを用いた圃場管理システムの開発を行っている.本稿では,フィールドサーバの導入障壁である運用費用を削減する目的で,回線使用料が不要な無線ネットワークの構築を検討した結果を報告する.昨年12月に稲作圃場で基本通信特性調査を行った結果,通信距離および実圃場での活用容易性の観点から通信規格LoRaが最適であると判断した.そこでLoRaを用いたネットワーク構築手法について検討を行った.フィールドサーバは圃場で動作させるため,低消費電力で稼働することが望まれる.これを実現する間欠動作通信プロトコルについて詳細に検討し,農業従事者の要求である田植えから稲刈りまでの6ヶ月間モバイルバッテリーで稼働可能な低消費電力プロトコルを開発した.提案したネットワーク構築手法を用いてネットワークを構築し,検証を行った.結果,親機とフィールドサーバ間でデータのやり取りが想定通りに行われていること,特にフィールドサーバからデータを受信できなかった場合においても,再送処理を行うことでデータを親機が受信することを確認できた.フィールドサーバの消費電力量を算出した結果,1日あたり75.36[mW]であり,理論上995日の稼働できることを確認した.農作業の負荷軽減のためには,フィールドサーバにかかるメンテナンスの頻度は低いことが望ましく,995日の連続稼働という性能は稲作作業のモニタリングには十分な稼働時間である.

8E-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名自動運転車と手動運転車混在時の進路交譲のための車車間通信プロトコルと試作評価
著者*矢島 颯人, 高見 一正 (創価大学大学院工学研究科情報システム工学専攻)
ページpp. 1679 - 1687
キーワード自動運転, 車車間通信, 進路交譲, プロトコル, RaspberryPi
アブストラクト日本では2030年までに完全自動運転車の導入を目指しており,事故・渋滞の低減を見込んでいる.しかし,人間が運転する手動運転車との混在状況は免れず,お互いの意思疎通が不完全な場合には,思わぬ事故・渋滞が発生する可能性がある.本稿では,このような思わぬ事故・渋滞を防ぐため,道の譲り合いの状況を分析し,9パターンを抽出した.また,これらの9パターンにおいて,コンピュータ同士は勿論,ヒト対コンピュータ,ヒト対ヒトでも正確な意思の伝達を可能とする車車間通信プロトコルを提案した.カメラを接続したRaspberry Piに提案プロトコルを実装し,ラジコンカーに搭載して動作実験をおこなった.実験では,カメラ画像から周辺状況を特定し,走行速度や渋滞状況などの条件に基づく譲り合い判断にかかる時間の計測とその判断の妥当性を評価した.

8E-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名シェアハウスにおける個人別電力量管理のためのBLEタグを用いたパーソナルコンセントの試作と評価
著者*近藤 秀樹, 高見 一正 (創価大学大学院工学研究科情報システム専攻)
ページpp. 1688 - 1694
キーワードHEMS, コンセント, BLEタグ, Bluetooth, 個人識別
アブストラクト近年,エネルギーの利用状況確認やコントロールができるようにHEMS (Home Energy Management System)が注目されている.HEMSは家庭におけるエネルギー管理を支援するシステムであり,住宅内のエネルギー消費機器をネットワークで接続し,稼働状況やエネルギー消費状況の監視,遠隔操作や自動制御を可能にしている.しかし,個人毎に使用量を管理する機能は具備されていない.本稿では,シェアハウスにおいて個人別に電力量を管理できるシステムを提案する.具体的には,住居人一人ひとりがBLE (Bluetooth Low Energy)タグを身に付け,家電を使用する際に利用されるコンセント単位の電力量を,BLEタグで識別して個人別に管理した.試作では市販のスマートコンセントとスマートフォンを連携させることでパーソナルコンセントを実現した.3人の居住環境を想定して評価実験を行い,有用性と識別率を評価した.

8E-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名ECHONET Lite機器のセキュア遠隔制御システムの実装
著者*田中 久順, 鈴木 秀和 (名城大学大学院理工学研究科), 内藤 克浩 (愛知工業大学情報科学部), 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1695 - 1702
キーワードECHONET Lite, 遠隔制御, NAT越え, セキュリティ
アブストラクト宅内のエネルギーを効率的に管理したり,家電機器や住宅設備を制御するために,ECHONET Liteに対応したHEMS機器が一般家庭に普及し始めている. ECHONET Liteはホームネットワークでの利用を想定した通信規格であるため,宅外の操作端末から宅内の家電機器を直接制御することができない. そのため,メーカはインターネット上に専用のサーバを設置し,Web技術を併用することにより,宅外から宅内の家電機器を遠隔制御するサービスを提供している. しかし,この遠隔制御システムではメーカのサポートがなくなると遠隔制御サービスが終了することや,遠隔制御サーバに蓄積されている操作ログが流出することによるプライバシーの侵害に繋がるなどの課題がある. 本論文では,NAT越えと安全なエンドツーエンド通信を実現する技術であるNTMobile(Network Traversal with Mobility)を応用することにより,メーカの遠隔制御サーバを必要とすることなく,操作端末が宅外から宅内に存在するECHONET Lite機器を安心・安全に遠隔制御できるシステムを提案する. 提案システムのプロトタイプ実装を行った結果,実環境においてNAT配下に設置されたECHONET Lite対応家電機器を外部から直接制御できることを確認した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8E-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名無線LANアクセスポイントを用いた店舗待ち時間予測
著者*岡村 健太, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻)
ページpp. 1703 - 1709
キーワードプローブ要求, IEEE802.11, 待ち時間, スマートフォン
アブストラクト近年,スマートフォン等モバイル端末の幅広い普及から端末数と人数間に相関が生まれており,それを元にした研究が行われている.本研究では,遊園地や人気飲食店などにおける人々の行列の待ち時間をモバイル端末が送信するプローブリクエストを用いることで予測する.無線LANアクセスポイントを用いることで既存の予測システムより安価かつ急な変動に強い予測システムを構築することを目指す.実際の食堂を用いて待ち時間とプローブリクエストの観測を行い,予測システムの精度を評価する.


セッション 8F  ネットワークサービス
日時: 2017年6月30日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 浦島
座長: 宮田 章裕 (日本大学)

8F-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名仮想化ノードFLAREによるアプリケーション毎のSDN制御手法の実装と評価
著者*平久 紬 (お茶の水女子大学), 中尾 彰宏, 山本 周 (東京大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 1710 - 1714
キーワードDPN, SDN, FLARE, ネットワーク制御
アブストラクト現在のインターネットは,多種多様なアプリケーションのトラフィックが混在しているため,大地震などの緊急災害時のネットワーク輻輳では,すべてトラフィックが同一に扱われ緊急情報に中々アクセスできないという問題が生じる.また,トラヒック監視のみのネットワーク運用では、外部要因に基づく対局的緊急障害対応が難しい.そこで,ソーシャル・データから実社会の急激な状況変化を検出し,自動でユーザが必要とする情報を提供するアプリケーションを優先的に提供する仕組みが必要と考える.本研究では自動制御を実現するプラットフォームとして FLARE を使用し,SNS 情報に基づく実際のアプリケーションを用いたアプリケーション毎の SDN 制御実験を行うことにより,本システムの有効性を示す.

8F-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名リング状経路を用いたアプリケーションレイヤマルチキャストの提案
著者*菅沼 良一, 納堂 博史, 棚田 慎也, 鈴木 秀和 (名城大学理工学研究科情報工学専攻), 内藤 克浩 (愛知工業大学情報科学部), 渡邊 晃 (名城大学理工学研究科情報工学専攻)
ページpp. 1715 - 1720
キーワードマルチキャスト, 通信接続性
アブストラクトモバイル端末や無線インフラの普及により,通信接続性への要求や移動透過性への要求が高まっている.また現在,メディアコンテンツの配信など,容量の大きいデータを複数の端末に送信する機会の増加に伴い,ネットワーク資源をより効率よく使用することが重要となっている.そのため,ネットワーク資源を効率よく利用することができる,マルチキャストへの要求が高まっている.一般的に知られているマルチキャストの手法としてIPマルチキャストが挙げられる.しかし,IPマルチキャストを行うためには,ルータがその機能に対応してなければならない.その問題を解決する手法として,アプリケーションレイヤマルチキャスト(ALM)が提案されている.ALMではオーバーレイネットワーク上でマルチキャストを行うため,専用のルータが不要である.しかし既存のALMでは,物理的な経路が考慮されておらず,送信元が限定される場合が多い.そこで本稿では,NTMobile(Network Traversal with Mobility) と,グループ管理を行うGMS(Group Management Server) を利用して,マルチキャストグループの全てのメンバが送信元になることができ,かつ,IPアドレスを意識して経路生成を行う,リング状経路を用いたアプリケーションレイヤマルチキャストを提案する.

8F-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名まち歩き型防災マップづくり支援システムの提案
著者*榎田 宗丈 (和歌山大学/システム工学部), 福島 拓 (大阪工業大学/情報科学部), 吉野 孝, 杉本 賢二, 江種 伸之 (和歌山大学/システム工学部)
ページpp. 1721 - 1732
キーワード防災, 防災マップ, まち歩き, WebGIS, ワークショップ支援
アブストラクト東日本大震災では,行政自体が被災したことにより「公助の限界」が明らかとなり,自助,共助および公助がうまくかみあわないと大規模広域災害後の災害対策がうまく働かないことが認識された.平成25年度内閣府「防災に関する世論調査」の「自助,共助,公助の対策に関する意識」では,行政機関に頼った公助ではなく,一般住民の自助や共助の必要性が確認されている.南海トラフ巨大地震などの大規模災害の被害想定を受けて,防災意識の向上を目的としたまち歩き型の防災マップづくりが各地域で行われている.そこで,我々は,まち歩き型の防災マップづくりを支援するシステムの提案を行う.本稿では,まち歩き型の防災マップづくりを支援するシステムの開発を行い,口須佐地区で実証実験を行い,従来の紙の地図を使った防災マップづくりと同様の効果が得られるか,アンケート調査を用いて検証した.アンケート調査の結果,我々の開発したシステムは,従来の紙の地図の防災マップづくりと同様に,地域の危険性・安全性に関心を持つ,まちのことをより良く知るといった効果が期待できることがわかった.


セッション 8G  ウェアラブルセンサ
日時: 2017年6月30日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 蓬莱
座長: 角 康之 (公立はこだて未来大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
8G-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名咀嚼回数向上支援システム
著者*三井 秀人, 中野 和哉, 磯山 直也, Guillaume Lopez (青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科)
ページpp. 1733 - 1737
キーワード咀嚼回数, 発話時間, 短期エネルギー, スマートフォン, マイクロフォン
アブストラクト肥満は糖尿病や心疾患などの生活習慣病を引き起こす要因とされており,厚生労働省はこの予防のために対策を行っているが,10年前から肥満患者の数は減少していないのが現状である.肥満対策の1つとして,咀嚼回数を増やすことが挙げられる.肥満は早食いの人に多い傾向にあるため,ゆっくりよく噛んで食事をすることが重要である.そこで,本研究では,日常的に扱うことのできるデバイスを用いて,咀嚼回数向上を支援するシステムを提案する.本システムにより,日常的に咀嚼を意識させ,咀嚼回数向上の支援を図る.実際に咀嚼回数が増加するかを評価するための実験を行った結果,本提案システムを利用することが咀嚼回数向上の支援に有効であることが示された.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
8G-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名加速度センサ付きシャワーヘッドを用いた浴室内行動認識手法
著者*西垣 佑介 (神戸大学大学院工学研究科), 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科/科学技術振興機構さきがけ), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 1738 - 1745
キーワード行動認識
アブストラクト小型のセンサデバイスを用いることでユーザの状況に合わせた様々なライフログサービスを受けられるシステムが多数開発されているが,プライバシの保護や防水性の観点から浴室内においてユーザの行動を取得する研究事例は多くない.浴室内にライフログの対象を広げることで,シャワーの使用水量や入浴時間といった情報だけでなく体重や心拍などの生体情報も取得できると考えられる. ここで,認識のための特別な行動を必要とせずに浴室内の行動が認識できることが望ましい. そこで本研究では,浴室利用者の多くが使用するシャワーヘッドに小型の加速度・角速度センサを取り付けることでシャワーヘッドの動きを計測し,浴室におけるユーザの行動を認識するシステムを提案する. 評価実験では,4人の被験者における実際の入浴時のセンサデータを用いて,5種類の行動(かけ湯をする,シャンプーを洗い流す,リンスを洗い流す,洗顔料を洗い流す.ボディソープを洗い流す)の認識を行い,62.2%の認識率が得られた.

優秀論文賞 / Paper Awards
8G-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名腕時計型端末における画面占有面積を抑えたかな文字入力手法
著者*梅澤 猛 (千葉大学), 原 清貴 (新日鉄住金ソリューションズ), 大澤 範高 (千葉大学)
ページpp. 1746 - 1753
キーワードスマートウォッチ, 文字入力, インタフェース
アブストラクト腕時計型端末はタッチパネルを使って操作されるが,スマートフォンと比較して画面サイズの制約が大きいため,文字入力を行う場合も他の用途に使える領域を確保することが求められる.キー表示を小さくすれば領域確保が可能であるが,小さすぎると誤入力が増えるため実用的でない.そこで本研究では,キーを小さく表示した場合でも誤入力率を低く抑える文字入力手法について検討を行った.キーを検知領域よりも小さく表示することでタッチの目標位置を検知領域の中央部に誘導する効果をねらい,画面縁に沿って配置することでまとまった矩形領域の確保を図った.実機を用いた入力実験を行ったところ,既存手法では入力が困難なほど小さなキー表示であって実用的な入力が可能であった.さらに,キーを画面縁に沿って配置した際には,2 タッチ入力およびドラッグ入力を用いた実機による入力実験において,一般にスマートフォンで利用されるキー配置による2タッチ入力と比較したところ,同程度の入力時間と使用感の評価を得ながらより大きな領域を確保することができた.また,誤入力率においてはドラッグ入力方式に比べ,2タッチ入力方式が優位であった.

8G-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名手書き文字認識と対話型訂正機構による採点システムの構築
著者菅 文哉, *山本 晃平, 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部), 望月 祐洋 (立命館大学総合科学技術研究機構), 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 1754 - 1760
キーワード作業支援, 誤認識, 訂正機構
アブストラクト人間の活動を計算機により解析して管理・活用することで,業務の効率化や生活の質の向上が期待されている.これらのシステムは,センサデータをもとに人間が現実世界で行った動作を認識し,結果を計算機上(仮想世界)に記録して,結果に応じた情報を提示する.ここで,動作を認識する過程において誤認識は必ず発生すると考えられるため,認識結果を訂正する機構が必要となる. また,同じ作業を再度行うことが許されない状況もあるため,現実世界に影響を与えない訂正機構が必要である. 本研究では,計算機が人間の動作を認識し作業を支援するシステムの一例として,手書きによる答案の採点作業の支援システムを構築する.提案システムでは,採点作業中に,ペン型マウスによる「○ (丸)」,「△ (三角)」,「/(バツ)」三種類の図形の描画を画像解析により認識する.「△」は部分点の記述も考慮しており,また,付属のボタンをクリックすることで音声フィードバックを用いた訂正機構が起動し,ユーザの行動を大きく変えずに対話性に長けたシステムを構築できる.採点後は,得点の計算,表計算ソフトへのデータの入力を自動で行うことで作業を効率化している.評価として,10問からなる答案を10人分用意し提案システムを利用した場合と,利用せずに手書きで採点と集計作業を行った場合で,所要時間を計測した.提案システムでは採点作業自体の時間は若干長いが,採点が終了すると自動的に得点が集計されるため,提案システムの方が全体の作業時間を大幅に削減できることを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
最優秀論文賞 / Best Paper Awards
8G-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名腕装着型センサによる飲水量推定法の提案
著者*濱谷 尚志, Moustafa Elhamshary, 内山 彰, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1761 - 1771
キーワード行動認識, 腕装着センサ, 飲水量推定
アブストラクト人体の約60%を占める水分の摂取量と排出量のバランスを維持することは生命活動維持において重要である. 本研究では日常生活で容易に装着可能な腕装着型センサを用いた飲水量の推定手法を提案する. 腕の複雑な動きから飲水に関連するモーションおよび飲水中の細かいモーションを認識するため, 本手法では時間的な認識スケールの異なる二種類の分類器(マクロ行動分類器・ミクロ行動分類器)を組み合わせる. さらに飲水中の細かいモーションにおける慣性センサの計測値を用いて飲水量推定モデルを構築し,毎回の飲水量を推定する. 評価のため合計16人の学生から約22時間のマクロ行動,合計950回以上の飲水におけるデータを収集した結果, 提案手法により日常生活における代表的な行動の中から適合率72.6%,再現率73.5%で飲水行動を認識可能であり, さらに実際に飲水を行っている区間を適合率92.8%,再現率97.0%の精度で認識できることが分かった. また,飲水中の腕方向および親指方向の加速度の積分値を説明変数とした線形回帰モデルにより, 毎回の飲水量を平均誤差1.5[g],標準偏差29.5[g]で推定できることを確認した.


セッション 8H  ユーザブルセキュリティ
日時: 2017年6月30日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 石狩・洞爺
座長: 西垣 正勝 (静岡大学)

8H-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名暗号プロトコル辞典:暗号技術のユーザビリティ向上に向けた暗号プロトコルデータベースの検討
著者前島 涼太, *金岡 晃 (東邦大学)
ページpp. 1772 - 1777
キーワード暗号技術, ユーザビリティ, 暗号プロトコル
アブストラクト暗号の技術は近代暗号の始まり以降、たくさんの手法が提案されている。しかし、ほとんどの暗号プロトコルは実用化がいまだされていない。一般の利用者がこれらの高機能暗号の技術詳細を理解することはますます困難になっている。2014年に金岡が暗号技術の提供を自動化するためのフレームワークを提案した。金岡の研究では、提供者側は開発時に安全性を検討することなく開発可能であることや、利用者側も自身で安全性の確認をしなくて良いなど双方に利点があるとされている。 提案されたフレームワークは、「暗号プロトコルの記述言語」「提案言語で記述されたプロトコルのデータベース」「暗号プロトコル選択エンジン」の3つのコンポーネントから構成されている。 暗号プロトコルのデータベース構築を行うためには、暗号プロトコルが提供しうる細分化した情報が必要となる。 そしてその暗号プロトコルの自動適用にあたっては、暗号の機能が整理された暗号機能データベースや暗号プロトコル情報が整理された暗号プロトコルデータベース、利用可能なアプリケーション情報が整理されたが利用可能アプリデータベースの3つのデータベースが必要になる。 本研究では、それら3つのデータベースをまとめたものを「暗号プロトコル大辞典」と呼び、その実現を目的とする。 暗号プロトコル大辞典の実現のために、書籍を中心にプロトコルを調査し、暗号プロトコルを分類し、分類に基づきプロトコルを整理し、暗号プロトコル大辞典の基礎を作り上げた。

8H-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名オノマトペCAPTCHAの開発と評価
著者*滋野 莉子 (明治大学総合数理学部), 山田 道洋, 山口 通智 (明治大学大学院先端数理科学研究科), 菊池 浩明 (明治大学総合数理学部), 坂本 真樹 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
ページpp. 1778 - 1785
キーワードCAPTCHA, オノマトペ, 認証
アブストラクトCAPTCHAは,コンピュータと人間を区別するための完全自動化された公開チューリングテストであり,コンピュータエージェントによる不正行為を防止する重要な役割を果たしている.しかし,コンピュータのAI技術が発展した現在, 既存のCAPTCHAが破られていることが大きな課題となっている.機械判別が不可能な新しいCAPTCHAの生成が求められている.そこで,本研究では,擬態語や擬音語であるオノマトペを応用した「オノマトペCAPTCHA」を提案する.オノマトペCAPTCHAの精度と課題を明らかにし, ユーザビリティの向上を目的とする. 既存の代表的なCAPTCHAであるパズル型,画像処理型と性能を比較する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
8H-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名畳込みニューラルネットワークに耐性のあるCAPTCHAの提案
著者*阿座上 知香, 柴田 千尋, 宇田 隆哉 (東京工科大学大学院/バイオ・情報メディア研究科)
ページpp. 1786 - 1795
キーワード深層学習, CAPTCHA, 畳込みニューラルネットワーク
アブストラクトCAPTCHAはコンピュータと人間を区別するためのチューリングテストであり, コンピュータが大量にWebサービスのアカウントを取得して悪用することを防ぐために使用されている. 中でも最も一般的な文字列CAPTCHAは,現在の画像認識技術によりほぼ完全に解読可能であるとされている. コンピュータの解読を防ぐためにノイズや変形を過度に加えると,人間にも判読が困難になる. そこで我々は,アモーダル補完と呼ばれる錯視を利用し,文字列の連続した画像を動画として用いることで, 人間には容易に判読でき安価なコンピュータには制限時間内に解読できないCAPTCHAを考案した. しかし,このCAPTCHAも,畳込みニューラルネットワーク(Convolutional Nneural Network:以下CNN)を利用することで アモーダル補完の計算を必要とすることなく解読されてしまった. そこで,我々はCNNが誤分類を起こす特性に注目し,人間に認識されることなくCNNに誤認識させることが可能なCAPTCHAを考案した. 本論文では新たに考案したCAPTCHAに対し,誤分類を起こす実験と評価について述べる. 評価において,CNNは少ないエポック数で確実に誤分類を起こすことが確認され, 我々のCAPTCHAはコンピュータに解読できないものであることが検証された.

8H-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名プッシュ通知を用いたパスワード管理手法の提案と評価
著者*加藤 公樹 (東京電機大学大学院 未来科学研究科 情報メディア学専攻 情報セキュリティ研究室), 佐々木 良一, 柿崎 淑郎 (東京電機大学 未来科学部 情報メディア学科 情報セキュリティ研究室)
ページpp. 1796 - 1801
キーワードパスワードマネージャ, プッシュ通知
アブストラクト近年,不正アクセス防止のため,ユーザはウェブサービスにおけるアカウントのIDやパスワードを安全に管理することが求められている.そのため,そうした認証情報を管理する場合にはパスワードマネージャを利用することが推奨されており,これまで様々なパスワードマネージャが提案されてきた.しかしながら,それらのパスワードマネージャはそれぞれが一長一短であり,どのシステムが優れているかは一概には定まらない.本稿では,そうしたパスワードマネージャの欠点を克服した,新たなパスワード管理手法を提案する.



2017年6月29日(木)

セッション DS  デモセッション
日時: 2017年6月29日(木) 17:00 - 19:00
部屋: ミリオーネホール

野口賞(優秀デモンストレーション賞)/ Noguchi Awards
DS-1
題名体圧分散クッション利用褥瘡ケアのシーツ型・衣類型体表圧計測デバイスに対する影響比較
著者*小野瀬 良佑 (名古屋大学情報科学研究科), 榎堀 優, 間瀬 健二 (名古屋大学情報学研究科)
ページpp. 1802 - 1807
キーワード体圧分散クッション, 褥瘡ケア, 就寝時体圧計測, 衣類型, シーツ型
アブストラクト身体の同一箇所が長時間圧迫されて血流が悪くなると,皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり,皮膚の一部に炎症が起こる褥瘡を発症することがある.そのために,生活介護においては,褥瘡予防は一つの重点目標に挙げられる.我々のプロジェクトでは,圧力布センサを用いたシーツ型デバイスを用いて褥瘡発生リスクの推定や低減を試みてきたが,特別養護老人ホームにおける実験から,利用者とシーツ型デバイスの間に体圧分散クッションを挟むケアにおいて,利用者の体表に加わる正しい圧力が検知できないという課題が判明した.そこで我々は,圧力布センサで衣類型デバイスを作成し,体表にかかる圧力を直接計測することで,本課題の解決を試みている.基礎検討として,20名の被験者を対象としてシーツ型・衣類型デバイスに対して体圧分散クッションが及ぼす影響について調査した.その結果,クッションを挿入した時の体表圧の変化計測でき,また,ベッド型センサでは計測が不明瞭であったクッション利用による臀部にかかる圧力の上昇が確認できた.衣類型デバイスは利用者に密着しているため,クッションの有無に関わらず正しい部分の体表圧の計測も可能となった.

野口賞(優秀デモンストレーション賞)/ Noguchi Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
DS-2
題名無線ネットワークTAPデバイスを用いた無線 LAN エミュレータの設計
著者*加藤 新良太 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 高井 峰生 (大阪大学/カリフォルニア大学ロサンゼルス校), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域)
ページpp. 1808 - 1816
キーワード仮想デバイス, 無線LAN, エミュレーション, Linux
アブストラクト車車間通信や、Internet of Things (IoT) 等を利用するネットワークシステムやアプリケーションの研究・開発において、実際にネットワークを構築せずにそれらの動作や性能を評価できれば、評価環境の構築における経済的あるいは時間的コストを減らせる。そのような評価方法の 1 つにネットワークエミュレーションがある。これを用いると、ネットワークシステムの一部を抽象化し、それ以外の部分は、そのシステムを改変せずに実行できる。一部のネットワークシミュレータは、エミュレーション機能をもっており、その機能の実装にネットワーク TAP デバイスと呼ばれる仮想 Ethernet デバイスを利用している。ネットワーク TAP デバイスは、OS との間でやりとりするデータパケットをユーザ空間との間で送信・受信できる。しかしながら、ネットワーク TAP デバイスでは、無線 LAN フレームや送信電力や受信強度等の無線 LAN デバイスの制御情報を扱えため、ETSI ITS-G5 DCC などのクロスレイヤ制御を伴うネットワークシステムの評価が困難である。そこで、著者らは、ユーザ空間との間で無線 LAN フレームの送信・受信に加えて、無線 LAN デバイスの制御情報をやりとりできる無線ネットワーク TAP デバイスを提案している。本稿では、無線ネットワーク TAP デバイスを用いた無線 LAN ネットワーク向けのエミュレータを設計・実装について述べる。このエミュレーション環境は、Linux システムで動作する hostapd 等のネットワークアプリケーションをソースコードの改変することなく実行・評価できる。動作検証によって、無線 LAN エミュレータを用いてそれらのアプリケーション間で無線 LAN フレームの交換ができることを示した。

野口賞(優秀デモンストレーション賞)/ Noguchi Awards
DS-3
題名複数色物体生成と配置制御を可能にする「不思議なスケッチブック」の拡張
著者*水野 慎士 (愛知工業大学)
ページpp. 1817 - 1822
キーワード3DCG生成, インタフェース, インタラクション, お絵描き, 画像認識
アブストラクト本研究では,著者らが開発してきた「不思議なスケッチブック」でより多彩な三次元CG物体の生成を可能にする拡張を行う.「不思議なスケッチブック」は普通のスケッチブックに普通のペンでお絵描きするだけで,お絵描きを立体化したように三次元CGをリアルタイムで生成したり,生成した三次元CGとのインタラクションを楽しむことができるシステムである.従来のシステムでは,生成されるCG物体はそれぞれ単色であったが,本研究では黒線検出処理を加えることで,黒線輪郭で囲むことで複数の色で描かれていても一つのCG物体を生成してインタラクションを行うことができるように改良する.また,黒線輪郭形状を解析して,生成したCG物体の空間中の配置位置や動きも制御する.これにより,新手法と従来手法で生成したCG物体と組み合わせて,より多彩な三次元CGシーンの生成とインタラクションを行うことが可能となる.

DS-4
題名Google Mapsを用いた一般利用者のセキュリティ意識を高めるための通信可視化システム
著者*加藤 里奈 (津田塾大学), 森 博志 (横浜国立大学), 吉岡 克成 (横浜国立大学大学院環境情報研究院/先端科学高等研究院), 村山 優子 (津田塾大学)
ページpp. 1823 - 1826
キーワードセキュリティ, ネットワーク, 可視化, Google Maps API
アブストラクト近年,WEBサービスの急速な普及に伴い,コンピュータの通信量は膨大な量となっている.そのため,一般利用者は自分のコンピュータがどのような通信を行っているのか把握できていない.また通信状況の把握が困難という点から,自身のコンピュータが常にサイバー攻撃の脅威に晒されていると実感できず,一般利用者のセキュリティ意識が低いままになると考えた.そこで本研究では,専門知識を持たない一般利用者のセキュリティ意識を高めることを目的とし,Google Mapsを用いた通信可視化システムを構築した.

DS-5
題名前腕動作に着目した食事内容推定
著者*齊藤 隆仁, 川崎 仁嗣 (NTTドコモ 先進技術研究所 社会センシング研究グループ), 太田 賢 (NTTドコモ 先進技術研究所 研究推進グループ), 片桐 雅二, 池田 大造 (NTTドコモ 先進技術研究所 社会センシング研究グループ)
ページpp. 1827 - 1832
キーワード前腕動作, 行動認識, ウェアブルデバイス
アブストラクト本研究は摂食に伴う前腕動作に着目した食事内容の推定手法を提案する.既存手法では複数のウェアラブルデバイスを用いた方法が多く,広く一般消費者が活用する上でハードルがある.そこで,提案手法 はリストバンド型の汎用的なウェアラブルデバイス 1 台を利き手の前腕に着用し,取得した加速度センサのデータから食事内容の推定を行う.これにより,ユーザに手間をかけさせず食事内容を継続的かつ自動で把握する技術の実現が可能となる.加速度センサによる測定値の平均,分散,標準偏差などの統計的な特徴量を用い,さらに Bag-of-Words 表現に則り,有効な特徴量をk-meansでクラスタリングし前腕動作データを複数の特徴的な動作の集合(words)として表現する.前腕動作データの時系列性を考慮するためにwordsに対してN-gramを適用し,食事内容ごとの前腕動作データを連続するwordsの出現頻度によって表す.この出現頻度を用いることでNaive Bayes分類器を用いた食事内容の推定が可能となる.認識対象の食事内容を5種類とし,摂食時の前腕動作データを用いて本手法の有用性を検証する.実験では,食事内容による f1値の平均が63%,Accuracyの平均が70%となり,汎用的なリストバンド型ウェアラブルデバイス1台を用いた場合でも,食事の種類を限定した状況では食事内容の推定が可能であることを示した.

DS-6
題名さいれぽ
著者小杉 将史 (ヤフー株式会社), 笹 有輝也, 有田 亮平, 富田 誠, *内田 理 (東海大学)
ページpp. 1833 - 1840
キーワード災害情報, Twitter, モバイルアプリ, スマートフォン, 位置情報
アブストラクト災害発災時に被害を最小限に食い止めるには,迅速かつ的確な情報の収集と伝達が重要である.そのため,即時性が高く利用者が多いという特徴を有するTwitterの災害時における利活用に注目が集まっている.情報の利活用という観点を考慮すると,ジオタグ(経緯度情報)や住所のような位置情報が投稿されるツイートに付与されていることが望ましいが,ジオタグが付与されたツイート数は極めて少ないことが知られており,外出先などで被災した場合はツイートに正確な住所を記載すること困難である.このような背景のもと,我々は先行研究で,Twitterを用いた災害情報共有システムを実装した.本システムは,(1)災害情報ツイートシステム DITS (Disaster Information Tweeting System),(2)災害情報マッピングシステム DIMS (Disaster Information Mapping System)の二つのサブシステムから構成されており,2015年2月より改良を重ねながら運用を続けてきた.本研究では,この災害情報共有システムのユーザビリティに関する利用者からの意見を反映させた新アプリケーション「さいれぽ」を実装した.従来システムとの一番の違いは,二つのサブシステム(ツイート投稿,ツイート表示)を統合するなどして操作をシンプルにした点にある.

DS-7
題名店舗内へ誘導を促進する対話型デジタルサイネージの実装
著者*長江 祐輝 (愛知工業大学), 遠藤 正隆, 中嶋 裕一, 三浦 哲郎 (株式会社リオ), 菱田 隆彰 (愛知工業大学)
ページpp. 1841 - 1846
キーワードデジタルサイネージ, 対話型コンテンツ, 就職活動支援, センサ, ビーコン
アブストラクト近年,デジタルサイネージの設置数が増加している.さらにセンサなどにより周囲の状況を取得することで効果的な広告を表示するシステムも普及してきている.我々は,デジタルサイネージをより有効に活用するため,センサとスマートフォンを用い,広告効果を高めるプロセスモデルに基づいた広告の閲覧者を店舗内へ誘導することを目的とするシステムを提案する.センサを用いてサイネージ周辺の人の動きを検知し,スマートフォンによって操作する対話型デジタルサイネージシステムを開発した.開発したシステムについて大学のキャリアセンターと協議し,運用可能なシステムの実装とコンテンツの作成を行う.

野口賞(優秀デモンストレーション賞)/ Noguchi Awards
DS-8
題名スマートフォンのリズムパターン認識と赤外線統合リモコンデバイスの連携による家電制御
著者*宮脇 雄也, 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学部)
ページpp. 1847 - 1853
キーワードスマートフォン, ユーザインタフェイス
アブストラクト近年LANやインターネットを介して制御命令を送信可能な情報家電が普及しつつあり,家庭内における家電制御はより利便性を増している.しかし,まだ多くの家庭には旧来の赤外線リモコンを備えた家電が数多く存在しており家電を操作するにはリモコンを直接操作する必要がある.そのためリモコンが手元にない,手が塞がっていて直接操作できない,といった状況での利用が困難である.また,複数の赤外線リモコンの存在は,リモコン自体の管理や家電制御を煩雑化させる.旧来の赤外線リモコン家電のより便利な制御方法が課題である.本研究では,スマートフォンにリズムパターン認識を用いた家電制御と家電制御の編集機能を実装し赤外線統合リモコンデバイスとの連携による家電制御を実現する.パターン認識を用いて家電制御が容易に行えれば,家電を操作するためにわざわざ赤外線リモコンを用いる必要がなくなり,ユーザが選択できる非接触操作方式の選択の自由度が向上する.本システムは,赤外線信号全方位照射機能を搭載した赤外線統合リモコンデバイスをリズムパターン認識を用いた家電制御と家電制御の編集機能が搭載された家電制御用赤外線統合リモコンデバイス操作アプリケーションで操作し家電制御を行う.被験者実験を行った結果,70%以上の人が本提案手法を使いたいと回答しており,提案手法が音声認識,行動認識に並ぶ新たな非接触家電操作手法になりうる可能性があると示唆した.

DS-9
題名グループの予定管理および日程調整を可能にするカレンダー連動LINE Botシステム
著者*牧野 駿二, 橋本 和也, 高橋 洸人, 岩井 将行 (東京電機大学未来科学部情報メディア学科岩井研究室)
ページpp. 1854 - 1860
キーワードWeb API, Google Calendar, Line Bot, チャット, スマートフォン
アブストラクト本研究ではGoogle Calendar 上の予定を扱うことが可能なSmartSchedule という名のLINE Bot を開発した.SmartScheduleと友達登録をすることで1対1の メッセージのやりとりで予定を確認できる.また,グループチャットにSmartScheduleを 招待することで,グループが所有するカレンダーの予定を共有することが可能である. グループチャットのみで利用できる機能として 日程調整機能が実装されており,メンバーの空き日の入力に基づいてGoogle Calendar上に 予定を作成することが可能である.本システムはユーザが手間を感じることなく,3人以上のサークル等の 小中規模グループの予定の確認や共有と日程調整をすることを可能にした。

野口賞(優秀デモンストレーション賞)/ Noguchi Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
DS-10
題名肌理を利用したマイクロ生体認証:プロトタイプシステムの構築
著者*藤田 真浩, 眞野 勇人, 村松 弘明 (静岡大学), 高橋 健太 (日立製作所), 大木 哲史, 西垣 正勝 (静岡大学)
ページpp. 1861 - 1866
キーワード生体認証, なりすまし, プライバシ保護, 認証精度
アブストラクトマイクロ生体認証は,人間の微細生体情報を利用した生体認証メカニズムである.本メカニズムは,生体の微細部位を生体認証へ応用するものである.微細部位を利用することによって,なりすましに対する高い耐性を有し,かつ,プライバシ(追跡可能性)に対する配慮がなされた生体認証が実現される.静的な生体部位を利用することで,実用レベルの認証精度も達成可能である.筆者らは[眞野 15]にて,マイクロ生体認証の一事例として,マイクロスコープによって撮像される肌理画像を利用した「肌理を利用したマイクロ生体認証」を提案した.本稿は,肌理を利用したマイクロ生体認証に関して,プロトタイプシステムを構築するものである.本稿の内容は次の三つの内容から構成される.はじめに,肌理を利用したマイクロ生体認証について,その内容を説明する.次に,肌理を利用したマイクロ生体認証のプロトタイプシステムを構築し,その動作を詳細に説明する.最後に,構築したプロトタイプシステムに関して考察を行い,実用化に向けた課題を議論する.

野口賞(優秀デモンストレーション賞)/ Noguchi Awards
DS-11
題名高齢者の運動習慣形成のためのスクワット・チャレンジの構築
著者*遠峰 結衣, 清野 諭, 田中 泉澄, 北村 明彦, 新開 省二 (東京都健康長寿医療センター研究所)
ページpp. 1867 - 1874
キーワードフレイル予防, IoT, 健康, 高齢者, スクワット
アブストラクトフレイルとは,健常と要介護の中間的な状態のことを指す用語である.このフレイルを予防するための運動として,安全に下肢の筋力強化を行える“椅子スクワット” に着目する.本研究は,高齢者が自身のフレイル予防の一環として,定期的な運動習慣を得ることのできる仕組みの構築を目標とした. 椅子スクワットは簡単であるが,単調な動作の繰り返しであるため,飽きてしまうなどで継続が難しいことが問題である. この問題に対して,椅子スクワットをフレイル状態ではないが運動頻度の少ない高齢者が,楽しく定期的に運動できるように,自身の結果や全体の成果を見ながらが楽しく行える“スクワット・チャレンジ”(以後,スクチャレ)を構築した. そして,スクチャレを用いたユーザテストにより,先行研究から導き出した目的達成のための要件である要件1:さまざまな場所で手軽に行うことができる,要件2:目標や運動の成果・結果が視覚化されている,要件3:一人でも行え,他者の活動を感じることもできるの3要件について評価を行った. スクチャレは椅子スクワットを,フレイル状態ではないが運動頻度の少ない高齢者が,楽しく定期的に行うことができる仕組みとしての機能を有しているが,実際の運用によるさらなる評価が必要と考えられた.

DS-12
題名電力パケットルータの設計と実装
著者*中野 博樹 (京都大学情報学研究科知能情報学専攻), 岡部 寿男 (京都大学学術情報メディアセンター)
ページpp. 1875 - 1880
キーワード電力パケット, スマートエネルギー, 電力の情報化, SiC-MOSFET
アブストラクト従来より柔軟で双方向の電力配送を行うために、 電力を「パケット」として取り扱うことによって、 電力配送の柔軟な制御を行うことが提案され、一部実現されている。 しかしながら、提案されている多くの技術では、 電力配送自体は既存の技術を利用し、 その上にオーバーレイされた情報ネットワークによって 仮想的に電力配送を制御する方式を採用している。 本研究では、実際に、有限の情報と有限の電気エネルギーをもった 電力パケットを作り出す方法を提案し、 それを現実に装置間で伝送することのできる装置 「電力パケットルータ」の設計と実装を行った。 これによって、電力回路は装置間の局所的な回路になり、 故障・攻撃・故意などによる電力回路への影響を抑えることができ、 より広域での制御は計算機によって実行されるプロトコルによって 制御されるようになる。


セッション SP  特別講演
日時: 2017年6月29日(木) 15:50 - 16:50
部屋: ミリオーネホール
座長: 宗森 純 (和歌山大学)

SP-1 (時間: 15:50 - 16:50)
題名(特別講演) deepCNNネオコグニトロンと視覚情報処理
著者福島 邦彦 (ファジィシステム研究所)
ページpp. 1881 - 1885
キーワード視覚パターン認識, ディープCNN, ネオコグニトロン, 学習則AiS, 内挿ベクトル法
アブストラクト高いパターン認識能力を学習によって獲得することができる手法として,深層学習(deep learning)やCNN (convolutional neural network)が最近注目を集めている.ネオコグニトロンもそのような階層型多層神経回路の一種で,文字認識をはじめとする視覚パターン認識に高い能力を発揮する.つまり,入力パターンが変形したり,大きさが変わったり,あるいは位置がずれたりしても,あまり影響を受けずに正しくパターンを認識する.そのパターン認識能力を学習によって獲得していく.しかしその学習には,現在広く用いられているディープラーニングとは少し異なる学習則を用いている.ネオコグニトロンの歴史は古いが,現在に至るまで種々の改良が加えられ発展を続けている.現在広く用いられているdeepCNNとの相違点に重点を置きながら,最近のネオコグニトロンを紹介する.