題名 | 音漏れモデルに基づくスマートフォンを用いた音漏れ検出手法 |
著者 | *中 久治, 土井 敦士 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科経営情報科学専攻), 根岸 佑也 (メタプロトコル株式会社), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部) |
ページ | pp. 1526 - 1533 |
キーワード | モバイルアプリケーション, 音声信号処理 |
アブストラクト | スマートフォンの普及により電車内やカフェなどの公共空間で音楽や動画,ゲームを手軽に楽しめ るようになった.それに伴い,イヤホンからの音漏れのような公共空間ならではの迷惑行為も,より顕著 な問題になりつつある.音漏れは周囲の環境音より大きいイヤホンからの漏出音であると捉えられ、音楽 を楽しむ本人が音漏れを聴けず,自身で音漏れに気付きにくい.本研究では,公共マナーの向上をねらい, スマートフォン自体が再生している音に関して音漏れ検出できる機能の実現を目的とする.しかしながら, 音漏れしやすい音域は,イヤホンと環境音に依存して変化する.また,再生する楽曲によっても変化する. そこで本稿では,再生楽曲の周波数特性のうち,イヤホンと環境音ごとの音漏れ特性を考慮し,音漏れす る可能性が高い周波数のみに注目して,マイクからの観測音と比較することで,効果的に音漏れを検出す る手法を提案する.実際に,スマートフォンを用いた楽曲の再生と録音を行い,イヤホンや環境音毎の音 漏れ特性モデルを構築し,提案手法を用いた実験を行い,音漏れ検出が可能であることを確認した. |
題名 | 実行中のスマートフォンアプリが扱う情報をリアルタイムに可視化する開発環境の構築 |
著者 | 坂本 大輔 (立命館大学大学院 情報理工学研究科), *原崎 將吾, 村尾 和哉 (立命館大学 情報理工学部), 望月 祐洋 (立命館大学 総合科学技術研究機構), 西尾 信彦 (立命館大学 情報理工学部) |
ページ | pp. 1534 - 1539 |
キーワード | スマートフォン, 可視化, 開発環境 |
アブストラクト | スマートフォンのさまざまなセンサを用いてユーザの測位や行動認識を行い,状況に応じたサービスを提供するアプリケーションの研究が盛んである.測位手法や行動認識手法を提案するには,開発する際にアルゴリズムが想定通りに動作しているかの検証やプログラムのデバッグが必要である.しかし,現状の検証やデバッグ方法では視認性に優れないなどの問題があり,開発者の負担となる.そのため,これらのプログラムをデバッグする時に,ログの変化をリアルタイムに可視化してアルゴリズムの検証を容易にする機能が必要である.本研究では,開発者の負担を軽減するために,プログラム内の変数を元にブラウザ側でグラフや地図によるリアルタイムな可視化が可能な開発環境を構築した. システム開発者に構築した開発環境を利用してもらった結果,作業時間が約64%短縮され,その有用性を確認した. |
題名 | 動的遮蔽物を考慮したBLEによる屋内位置推定手法の提案 |
著者 | *星 尚志, 石塚 宏紀, 小野 智弘 (KDDI総合研究所) |
ページ | pp. 1540 - 1546 |
キーワード | 位置推定, BLE, 動的遮蔽物, ビーコン |
アブストラクト | 近年,屋内測位技術に関する研究開発が進み,市場への導入も徐々に実施されてきている. ショッピングモール等の店舗内における屋内測位では,Wi-FiやBLEなどの送信ビーコンを設備側に設置して,ユーザのスマートフォンなどを想定した受信機側で受信した各送信ビーコンの電波受信信号強度から位置を同定する手法が主に用いられている. しかしながら,Wi-FiやBLEの通信帯域は,2.4GHz帯であり,電波の反射,遮蔽,回折の影響が大きく,特に水分を多く含む人物による遮蔽の影響は大きい.そのため,店舗の天井や柱などの高所に送信ビーコンを設置できない場合,頻繁に起こる人々の往来による不定期な電波遮蔽によって測位精度が著しく低下してしまう. そこで本論では,カメラによる人物検知技術を利用して,時刻毎に動的遮蔽物である人物の位置を取得し,屋内測位による位置推定時において,動的遮蔽物による影響が小さい送信ビーコンを選択して位置を推定する手法を提案する. 提案手法の評価において,我々は,実店舗における人物の動線データを利用した提案手法のシミュレータを実装した. 結果として,本シミュレーション環境において提案手法が優位であり,同環境下において平均測位誤差が,1.2m改善することが明らかになった. |
題名 | ユーザログを用いたWi-Fi電波モデルの経年劣化検出手法の提案 |
著者 | 川中 麻記子, *原田 翔平, 村尾 和哉, 望月 祐洋, 西尾 信彦 (立命館大学) |
ページ | pp. 1547 - 1552 |
キーワード | 測位, ナビゲーション, Wi-Fi, 経年劣化 |
アブストラクト | 近年,GPSの電波が届きにくい屋内や地下での測位手法としてWi-Fi測位が注目されている.Wi-Fi測位では事前に測位を行うエリアの電波を収集し,作成した電波モデルを利用して測位を行う.しかし,事前に作成した電波モデルは基地局の消滅や移設により経年劣化し,測位精度が低下する要因となる..しかし,現状では,電波モデルに経年劣化が生じているのかを知ることができないため,更新前に更新を行う必要性を評価できないという問題がある. そこで本研究では,ナビゲーションアプリによる電波観測ログを利用し,Wi-Fi測位に使用する基地局の電波モデルの経年劣化を検出する手法を提案する.基地局の出現,消滅,移設を検出することで,電波モデルの経年劣化を検出する.基地局の出現,消滅は各々の基地局が観測される日付間隔の平均と標準偏差の和を閾値として検出をする.基地局の移設は,安定した基地局は毎回同じ基地局と一緒に観測されるという共起性を利用して検出する.評価実験では本研究室が提供している大阪梅田地下街のナビゲーションアプリ「うめちかナビ」の電波観測ログを使用した.評価実験の結果,一定日数以上観測された基地局について,基地局の出現および消滅を検出できることを確認した. |