(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2017)シンポジウム

セッション 7E  映像音声コンテンツ
日時: 2017年6月30日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 須磨
座長: 義久 智樹 (大阪大学)

優秀論文賞 / Paper Awards
7E-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名SDM3602:音楽イベントのための自由視聴点映像音声のインタラクティブ再生
著者*塚田 学, 菰原 裕 (東京大学), 新居 英明 (株式会社IIJイノベーションインスティテュート), 粕谷 貴司 (株式会社 竹中工務店), 高坂 茂樹 (エスイーディー 株式会社), 小川 景子 (慶應義塾大学), 江崎 浩 (東京大学)
ページpp. 1460 - 1467
キーワード映像音声, メディア, Software Defined Media, Media Network
アブストラクトインターネットを前提とした視聴サービスが登場し,中でも空間に存在する視聴対象を解釈し,コンテンツとして活用するオブジェクトベースの視聴サービスの重要性が増している.2014年より,Software Defined Media(SDM)コンソーシアムでは,オブジェクトベースのメディアとインターネットを前提とした視聴空間の研究を行っている.現在,音楽イベントのDVDなどのパッケージメディアは,マイクやカメラなどの収録機材の位置によって大きく制約を受けるコンテンツである.本研究では,クラシックコンサートとジャスセッションのイベントを収録し,インタラクティブに自由視聴点での三次元映像音声を再生するアプリケーション「SDM3602」を設計,実装し,評価を行なった.さらにビルボードジャパンが開催したLive Music HackasongにてSDM3602のデモンストレーションを行い,審査員と一般の来場者の投票により,優秀賞を受賞した.

7E-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名映像エフェクト辞書システムによる修飾語のイメージの視覚化
著者*平井 彰悟, 角 薫 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 1468 - 1476
キーワード映像エフェクト, 3Dオブジェクト, 言葉のイメージ
アブストラクト本研究では,形容詞・擬音語・擬態語などの修飾語としての言葉のイメージを対象の物体である3Dオブジェクトに対して視覚的に映像エフェクトとして表現することのできる映像エフェクト辞書システムを構築した.この映像エフェクト辞書システムは言葉と映像エフェクトとを対象の物体に応じて紐づけた辞書システムである.同じ修飾語でも対象の物体の種類ごとに異なる意味があるため,映像エフェクトの選択の知的なアルゴリズムが必要となる.この辞書は形容詞・擬音語・擬態語などの修飾語だけでイメージを表すことが難しいイメージについてのコミュニケーション支援として利用できると考えている.被験者30名の印象評定により名詞や修飾語の分類付けを検討して辞書を拡張し,IBM BluemixとMicrosoft AzureのK-mean法によるクラスタリングにより修飾語の分類を試みた.

7E-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名音楽に馴染みのない人を対象としたジャケットを活かした音楽発見サポートシステムの提案
著者*平良木 智悠, 山内 正人, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
ページpp. 1477 - 1483
キーワード音楽, 推薦, ジャケット, 能動的, 視覚的
アブストラクト現在, 音楽との出会いの場は多様になったが, 無意識のうちに知見のない音楽ジャンルを避けてしまったり, 過去の嗜好性に偏った音楽推薦により, 普段聞かない音楽ジャンル内にある心踊る音楽との出会いに繋が らない問題がある.筆者はレコード収集の経験からジャケットはジャンルに対するイメージを持つことが なく, 音楽性を想像させることに着目した.そして研究を進める中で, 多くのレコードから選び出すジャケ 買いという行為が, 推薦曲に対しプラシーボ効果を起こす可能性があることに気づいた.そこで「普段聴か ない音楽内にあるもう一度聴きたいと思う音楽の発見」を目的とし, ジャケットを活かした音楽発見サポー トシステムを提案する.様々なジャンルがランダムに含まれた音楽リストを聴いた場合と, 提案手法を使 用した場合のもう一度聞きたいと思う音楽の割合を比較した.その結果, 提案手法の有用性が確認できた.

7E-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名螺旋と極座標による音高系列の表示方法の提案
著者*竹渕 瑛一 (神奈川工科大学大学院博士後期), 梶並 知記 (岡山理科大学総合情報学部情報科学科), 徳弘 一路, 速水 治夫 (神奈川工科大学情報学部情報メディア学科)
ページpp. 1484 - 1487
キーワード音高周波数, 蝸牛基底膜, 螺旋, 音高系列, 極座標
アブストラクト本論文では,螺旋と極座標によって周波数スペクトルのうち,音階と音高の成分を一瞥するための表示方法を提案する.人間の蝸牛基底膜は螺旋状に巻かれており,音の周波数によって反応する部位が異なる.蝸牛基底膜が反応する部位は,中心から1/4回転するごとに反応する周波数が倍になることがわかっている.蝸牛基底膜の性質を参考にし,音高成分を螺旋状に提示するシステムを実装した.1周ごとに1オクターブ上昇するように音階の成分を配置したところ,和音を演奏した時に音階上の倍音の分布を読み取りやすくなることがわかった.音階を螺旋状に配置することで,音楽と倍音の関係性について議論しやすくなると考えられる.

優秀論文賞 / Paper Awards
7E-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名ユーザの音声を利用した紙相撲システムの提案と評価
著者*鈴木 浩 (神奈川工科大学)
ページpp. 1488 - 1492
キーワード紙相撲, AR, ワークショップ
アブストラクト未就学児童から大人までが手軽に楽しめる紙工作として紙相撲があげられる.通常の紙相撲では,力士に見立てた紙の人形を土俵にみたてた台の上に乗せ,土俵を手で叩いて振動を発生させることで,紙の人形同士が押し合うことで相撲のようなとりくみが展開される.近年では,タブレット端末の画面を土俵とみたてて,紙相撲をするコンテンツなどが登場しているが,情報技術を導入しても土俵を叩くというインタラクションに変化は見られない.そこで本研究では,紙相撲に情報技術を導入する新たな試みとして振動の発生を手で土俵を叩くのではなく,人の掛け声を利用して土俵を振動させ紙相撲が体験できる音声紙相撲システム「SUMMO SONIC」を提案した.本稿では,開発した「SUMMO SONOC」の操作性と習熟性を評価実験と本システムを利用して実施した子ども向けワークショップでの結果について述べる