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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2017)シンポジウム

セッション 4G  生体情報
日時: 2017年6月29日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 蓬莱
座長: 新井 イスマイル (奈良先端科学技術大学院大学)

4G-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名生体情報による感情推定手法とステージの観客反応による評価
著者平松 拓也 (芝浦工業大学/工学部情報工学科), *池田 悠平, 保科 篤志, 馮 晨 (芝浦工業大学院/理工学研究科/電気電子情報工学専攻), 高橋 裕也, 菅谷 みどり (芝浦工業大学/工学部情報工学科)
ページpp. 857 - 864
キーワード感情分析, 生体情報, ラッセル円環モデル
アブストラクト本研究では,生体情報における感情推定の研究における課題である,分析方法と評価方法について有効性のある手法を提示することを目的としている.Russellの円環モデルへ生体情報を対応づけ,雰囲気や感情を分析する研究においては,分析方法や評価方法が確立しておらず,その有効性が明確ではない.本研究では,脳波と脈拍の2つの生体情報により,8つの分類に基づく感情推定手法について,二次元座標に対応づく円環モデル上で観測された点の分類について,既存研究での感情分割線の距離の比率による手法に対し,ベクトル分解に基づく手法を新たに提案した.また,有効性の検証にあたっては,当初の動機にあるステージの観客の感情分析を行った.この時EQの感情識別能力が高いグループと主観評価との相関値が高いことにより評価の検証を行うことで,評価の有効性を高めることができることを示した.

4G-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名おもてなしロボットの生体情報による評価
著者西田 裕己, 保科 篤志, 池田 悠平 (芝浦工業大学 工学部 情報工学科), 馮 晨 (芝浦工業大学院/理工学研究科/電気電子情報工学専攻), *高橋 裕也, 菅谷 みどり (芝浦工業大学/工学部情報工学科)
ページpp. 865 - 875
キーワード生体情報, ロボット, おもてなし
アブストラクト本研究では,生体情報における感情推定の研究における課題である,分析方法と評価方法について有効性のある手法を提示することを目的としている.Russellの円環モデルへ生体情報を対応づけ,雰囲気や感情を分析する研究においては,分析方法や評価方法が確立しておらず,その有効性が明確ではない.本研究では,脳波と脈拍の2つの生体情報により,8つの分類に基づく感情推定手法について,二次元座標に対応づく円環モデル上で観測された点の分類について,既存研究での感情分割線の距離の比率による手法に対し,ベクトル分解に基づく手法を新たに提案した.また,有効性の検証にあたっては,当初の動機にあるステージの観客の感情分析を行った.この時EQの感情識別能力が高いグループと主観評価との相関値が高いことにより評価の検証を行うことで,評価の有効性を高めることができることを示した.

4G-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名脈波及び体動情報を用いた集中状態推定精度の検証
著者*内田 昂, 磯山 直也, Guillaume Lopez (青山学院大学理工学研究科)
ページpp. 876 - 879
キーワード集中状態, 脈波, 授業支援, スマートウォッチ
アブストラクト我々は物事に集中して取り組む能力として「集中力」という言葉を用いることがあるが,集中力は様々な要素が含まれることから定量化することができず,無意識下に変化する集中状態を常時把握することも困難である.集中状態を推定する手法として体動情報や生体情報を用いたものが提案されてきたが,双方を同時に用いた集中状態の推定は未だ行われていない.そこで,本研究では従来研究で用いた体動情報に加え,生体情報として脈波を使用した単一デバイスによる集中状態の推定手法を提案する.本手法を用いることで,自身の作業態度を振り返り,作業環境などを省みる機会を与えることができる.勉学中のデータを使用した教師あり学習を行い,学習結果に対し交差検証を行った結果,推定に十分な精度を得ることが出来た.また,集中状態評価を複数人で行うことで85.5%の精度を得ることができ,本手法が有効であることを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4G-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名WHOQOL-BREFに基づくHRQOL評価におけるスマートデバイスを用いた簡易計測手法の提案
著者*雨森 千周, 水本 旭洋 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科), 荒川 豊 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科/JSTさきがけ), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
ページpp. 880 - 887
キーワードHealth Related Quality of Life(HRQOL), WHOQOL推定, 生体情報, 位置情報
アブストラクト悩みやストレスを感じながら生活している人が日本の全人口の半数を占めていると報告されており, 今後,心身の健康を損なう人が増加すると考えられる. 健康に直接影響のあるQOL(Health Related Quality of Life:HRQOL)は 疾患や治療が,患者の主観的健康感や,毎日行っている仕事,家事,社会活動への影響度を定量化したものであり, 継続的に計測することで,ストレスの兆候を早期に発見するようなストレス予防に繋げることができる可能性がある. しかしながら, HRQOLを計測するためにはアンケートへの回答を行う必要があり, 毎日の回答は負担が大きいため継続的な計測は難しい. そこで,スマートデバイスなどを用いて計測した生活データから自動的にHRQOLを評価することでユーザへの負担を軽減し, 継続的な計測を実現する簡易計測手法を提案する. 提案手法では, HRQOLの評価手法の1つであるWHOQOL-BREFの質問項目を「主観的評価が必要な項目」と「客観的評価が必要な項目」に分け, それぞれ異なる方法で回答値を求める. 前者では,アンケートの回答値の変動が少ない項目の質問頻度を減らし, 後者では,生活データから回答値を算出し,評価に必要な質問項目数を削減することで簡易計測を実現する. 提案手法の実現に向けて被験者実験を行い, HRQOL簡易計測手法を用いて評価値を算出した結果,正解値との相関係数が0.903となることを確認した. また,被験者実験の結果から,生活データとHRQOL評価値の相関,質問頻度を調節できる可能性のある質問項目を明らかにし, さらに,これら2点に関して, 身体健康状態領域では被験者間の差異が小さくなることを,環境領域では差異が大きくなることを明らかにした.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4G-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名ウェアラブル心電計から計測された心拍の周波数特徴量解析を対象とした欠損RRIの補完手法
著者*江口 佳那, 青木 良輔, 吉田 和広, 山田 智広 (NTTサービスエボリューション研究所)
ページpp. 888 - 897
キーワードウェアラブル, 心電図, 計測異常, 心拍変動解析, 周波数特徴量
アブストラクトウェアラブル心電計では,計測異常によるアーチファクトが生じやすい.アーチファクトはR波と誤判定されやすく,RRIの誤算出を引き起こす.本稿では,日常生活において正確な心拍変動解析を実現することを目標として,計測異常によって引き起こされた誤ったRRIを異常値として除外し,RRI欠損区間を補完する手法を提案する,RRIの異常値除外では,計測異常時に正常状態とは異なる電位が観測されることに着目し,QRS群の電位特性に基づいてRRIの計測信頼度を評価し,低信頼度のRRIを異常値とみなして除外する.その上で,補完値と評価時間の二つの値によってRRI欠損区間を評価し,RRI欠損区間が補完値以上評価時間未満の場合のみを対象として補完を行う.初期評価として,R波の未検出区間によって延長したRRIを含むデータ,および異常区間を含むECGを解析して得られたデータを対象として周波数解析を行い,従来よりも高精度に周波数特徴量が算出できることを確認した.