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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2016)シンポジウム

セッション 8D  モバイル・マルチメディアサービス
日時: 2016年7月8日(金) 10:30 - 12:10
座長: 梶並 知記 (岡山理科大学)

8D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名TIM: モバイルメッセンジャーを活用したビジネスシーン向けミーティング管理エージェントの提案
著者*後藤 充裕, 中村 浩司, 木全 英明 (NTTコムウェア株式会社 品質生産性技術本部 研究開発部)
ページpp. 1640 - 1647
キーワードミーティング管理, モバイルメッセンジャー, スケジューラ連携, メッセージ分析, メッセンジャーUI
アブストラクト企業における仕事の中でミーティング管理は自らの仕事を円滑に進める上で非常に重要である.しかしながら,ミーティング管理は非常に煩雑な作業であり,限られた仕事の時間を浪費する恐れがある.そこで,本研究ではモバイルメッセンジャーを介してテキストコミュニケーションを取るだけで,ミーティング参加者のスケジュール参照やミーティング日時の設定をサポートするミーティング管理エージェント TIM(meeTIng Management agent)を提案する.TIMの特徴は,ミーティング主催者からの送信されたテキストメッセージからミーティング設定に必要な条件を対話的に読み取りながら,ミーティング設定を行う点にある.また,企業で利用されている既存スケジューラの改造なしにミーティング管理機能を追加できる点も特徴である.本稿では,提案するミーティング管理エージェントのプロトタイプシステムを実装し,そのプロトタイプを用いて行なったユーザビリティ評価およびシステムパフォーマンスの検証について報告する.

8D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名差異画素抽出に基づく画面照合機能を特徴とするGUI試験システム
著者*鶴崎 真理子, 阿倍 博信 (三菱電機株式会社 情報技術総合研究所)
ページpp. 1648 - 1655
キーワード回帰試験, 画面照合, VNC, 操作自動再生, 試験効率化
アブストラクト本論文では,GUIアプリケーションの回帰テストにおいて,改修前の試験操作を記録しておき,改修後に操作の自動再生を行うGUI操作記録再生機能と,改修後の画面を改修前のものと比較し,表示が正常であるかどうか自動判定することにより試験結果の確認作業を自動化する画面照合機能で構成されるGUI試験システムについて述べる.さらに,GUI試験システムの画面照合機能において,画面差異の傾向から特徴量を抽出し,教師あり学習により分類モデルを生成することで表示異常のパターン毎に分類することによって,試験結果の確認作業を効率化する方式を検討している.Windowsアプリケーション画面について本方式の評価を行い,画面差異により作成した表示異常パターンの分類モデルの有効性を確認した.

8D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名Replyネットワークに着目したTwitter投稿活動の変動予測
著者*柘植 大 (筑波大学図書館情報メディア研究科), 神門 典子 (国立情報学研究所 情報社会相関研究系), 佐藤 哲司 (筑波大学図書館情報メディア研究系)
ページpp. 1656 - 1662
キーワードTwitter, ネットワーク, Reply
アブストラクトTwitterに代表されるSNSの普及に伴い,多くのユーザが容易に他者と関わる環境が実現されてきた. Twitterの月間Activeユーザ(MAU)数は毎年増え続けており,2015年末時点で約3億人程度とされている. しかし,Twitter,Inc.によるMAUの定義は「一ヶ月中に一度でもログインしたユーザ」であり, ログインしても投稿していない擬似(Pseudo)アクティブユーザ(PAU)の有無は考慮されていない. 実際,2014年末時点のTwitter, Inc.のMAUの8.5%のユーザが実際には投稿を行っていない. またMAUの増加とともに,このPAUも増加していることがわかっている. 本研究では,この疑似(Pseudo) Active ユーザ(PAU)の存在に着目し,継続的に投稿を続けているアクティブユーザ(AU)との違いを, 他者との関わり,すなわちReply関係にあるユーザ数から明らかにすることを試みる. 特に,新規ユーザのReplyユーザ数の経時的増加に着目し,その増加傾向からユーザの将来の投稿活動を予測の可能性について議論したので報告する. これにより,ユーザの投稿活動の変化を早期に予測し,継続的な投稿活動の支援を可能とするのが本研究の目的である.

8D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名介護サービス向上に向けた介護事故事例テキストの分析
著者*峯崎 智裕 (九州工業大学大学院工学府), 井上 創造 (九州工業大学大学院工学研究院)
ページpp. 1663 - 1669
キーワードテキストマイニング, 機械学習, 変数選択, 介護事故防止, ランダムフォレスト
アブストラクト本論文は,事故が起きやすい状況を取得することを目的として事故事例テキストをテキストマイニングした結果について述べる.さらに結果より事故減少のための対策の考察を行う. 介護施設での事故のパターンを検出するため,我々は,過去に起きた事故事例テキストをテキストマイニングした. 事故事例テキストから, 事故詳細部分を取り出し,MeCab を用いて分かち書きを行う.それを元に形態素解析を行い,単語・文書行列を作成する. 次に,k-means 法によるクラスタリングを行い, 2701単語を50 個のクラスタに分類する. クラスタリングした単語・文書行列と事故事例テキストの属性変数を結合した多変量データを作成する.そして,この多変量データから目的変数を除いたデータを説明変数とし,ランダムフォレスト法を用い,目的変数である属性をそれぞれ推定する. 最後に,ランダムフォレスト法によって得られた重要度の高い単語クラスタと属性の変数を用いて決定木を行い,属性の詳細を分析する. 分析の結果,行動の目的と起きやすい事故の種類の関係性といった過去の介護事故傾向がわかった.