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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 8G  モバイルネットワーク(2)
日時: 2015年7月10日(金) 10:30 - 12:10
部屋: リゾートセンター1
座長: 内山 彰 (大阪大学)

8G-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名A Method for Distinguishing Wireless Network Environment Using TCP Metrics
著者*李 譚生, 長谷川 洋平 (日本電気)
ページpp. 1780 - 1783
キーワードTCP, 3G, LTE, Wireless Environment
アブストラクトWith rapid growth of transmission varieties, TCP becomes difficult to achieve the best performance if terminal wireless environment is uncertain, which cannot be distinguished by a single TCP metric. This paper provides a method for distinguishing terminal wireless environment by measuring and analyzing TCP metrics in a high-dimension coordinates, especially over 3G and LTE. Moreover, probability distribution analysis is implemented as a supplement. Implementing evaluate experiment with actual mobile transmission, result shows distinguishing accuracy could achieve 97%-100%.

8G-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名IPv4/IPv6混在環境に対応したVpnService型NTMobileの性能評価
著者*山田 貴之, 鈴木 秀和 (名城大学大学院 理工学研究科), 内藤 克浩 (愛知工業大学 情報科学部), 渡邊 晃 (名城大学大学院 理工学研究科)
ページpp. 1784 - 1791
キーワード移動透過性, Android, IPv6
アブストラクト今日のインターネットは,NAT(Network Address Translation)によるプライベートネットワークの構築や互換性のないIPv4とIPv6のネットワークが混在するなど,複雑な環境となっている. 筆者らは,複雑化したインターネット環境において,モバイル端末同士が実ネットワークに依存することなくシームレスな通信を実現する移動透過性技術として,NTMobile(Network Traversal with Mobility)を提案している.これまでにNTMobileではモバイル端末への適用として,カーネル実装型,フレームワーク組込み型,VpnService型の3つの実装モデルを設計,実装を行ってきた.VpnService型NTMobileはAndroidスマートフォンのroot権限を取得することなく利用が可能なモデルだが,IPv4ネットワークにおいてIPv4アプリケーションの利用を想定したプロトタイプ実装に留まっていたため,筆者らはVpnServiceを用いたNTMobileをIPv6対応へと拡張を行うことでIPv4/IPv6混在環境への対応を可能とした. 本稿ではVpnService型NTMobileをIPv4/IPv6混在環境に対応させるために行った改良の概要を示し,実機を利用した性能評価実験を行う. また,無線LAN環境下においてVpnService型とカーネル実装型のエンドツーエンドスループットを測定した結果,VpnService型のスループットはカーネル実装型と比べ2%程度の劣化に抑えられており,実用上問題ない性能を得られることを確認した.

8G-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名NTMobileにおける端末移動後を考慮したリレーサーバ選択手法の提案
著者*三宅 佑佳, 鈴木 秀和 (名城大学大学院理工学研究科), 内藤 克浩 (愛知工業大学情報科学部), 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1792 - 1799
キーワードモバイル通信, 中継装置選択, 無線通信技術
アブストラクトスマートフォンのような移動通信端末の普及や無線通信技術の発展により,ネットワーク環境によらず自由に通信できる通信接続性と,通信中にネットワークを切り替えても通信を継続できる移動透過性が求められている.通信接続性と移動透過性を同時に実現する技術として,我々はNTMobile(Network Traversal with Mobility)を提案している.NTMobileでは基本的に端末間で直接通信を行うが,相手通信端末がNTMobileの機能を持たない一般サーバであるなど,直接通信ができない場合はRS(Relay Server)を経由した通信を行う.しかし,RSを経由する場合,端末間の直接通信を行う場合と比べて通信経路が冗長になる.また,RSはグローバルネットワーク上に分散配置が可能であり,複数のRSから通信に使用するRSを自由に選択することができる.本論文ではNTMobileにおいて最適なRSを選択し,通信経路の冗長を抑制する手法を提案する.Linux上で提案方式のプロトタイプを実装し,仮想環境上で動作検証を行った.また,提案方式の性能評価を行い,RS選択にかかるオーバーヘッドは無視できる程度であることを確認した.

8G-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名パーソントリップデータ用いたモバイルデータオフローディングプロトコル(MDOP)評価環境の提案
著者*町田 樹, 西岡 哲朗 (静岡大学大学院), 荒井 大輔, 大岸 智彦 (株式会社 KDDI研究所), 西垣 正勝, 峰野 博史 (静岡大学大学院)
ページpp. 1800 - 1806
キーワードモビリティモデル, パーソントリップデータ, ネットワークシミュレーション, 交通シミュレーション
アブストラクトスマートフォンの普及や,画像の高画質化,動画視聴者の増加により,モバイルデータ通信の需要が高まっている.調査によると,モバイルデータトラフィックは2019年に2015年の約10倍に達すると予想され,現在の携帯電話回線では収容できないと推測できる.一方で,トラフィックには特定の時間帯や場所に発生量が偏るという時間的局所性と空間的局所性がある.このような局所性に対して,著者らはモバイルデータオフローディングプロトコル(MDOP)を提案している.MDOPはトラフィックの時間的局所性と空間的局所性に着目し,時間的・空間的に負荷の高い通信設備から,負荷の低い通信設備にトラフィックの発生タイミングを変更することを特徴としている.MDOPの評価には,これらの局所性を持つトラフィックを発生させる環境が必要であるが,適切な環境が存在しない.そこで本研究では時間的局所性と空間的局所性を持つトラフィックを作成する評価環境を提案する.この評価環境は,移動人数を算出するモビリティモデルと,時間帯毎のトラフィック量を算出するトラフィックモデルから作成する.パーソントリップデータから構築したモビリティモデルを用いてシミュレーションを行った.評価のために,シミュレーション結果のJR乗車人数と実際にJRが公開した乗車人数と比較した.その結果,路線の少ないエリアで,最大で約92%の人の移動を再現することができた.