(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 8D  認知・心理・感情
日時: 2015年7月10日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 奥入瀬
座長: 藤波 香織 (東京農工大学)

8D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名心拍変動を用いた認知能力変化の推定
著者*角田 啓介, 千葉 昭宏, 千明 裕, 浦 哲也, 水野 理, 田中 智博 (日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所)
ページpp. 1694 - 1702
キーワード心拍変動, 認知能力, Advanced Trail Making Test, 労務管理
アブストラクト本稿では,オフィスワーカをはじめとする知的労働者の認知能力変化を,検査等による作業中断や多数のセンサの装着を伴わず,低侵襲に推定する方法について述べる.従来,知的労働者の認知能力の測定には,アンケートによる主観評価や,Advanced Trail Making Test(ATMT)をはじめとする様々な検査が用いられてきた.しかし,従来の測定手法は労働者に作業中断を強いるため,実労働環境に導入し,短期的な認知能力変化のモニタリングした上でそれに基づいてワークスタイルの改善を促すようなユースケースの実現は困難であった.本稿では,自律神経活動や認知能力との関連が示唆され,なおかつセンサを用いることで常時測定可能な心拍変動に着目する.心拍変動と認知能力変化の関連を被験者実験により明らかにした上で,個人毎の心拍変動と能力変化の特徴に基づく認定能力変化の推定手法を提案し,実測したデータより提案手法の有効性を評価した.本稿で得られた知見は以下のとおりである.(1)認知能力と心拍変動の関係は,被験者によって異なる.(2)同一被験者でも日が変わることで,認知能力と心拍変動の関係が変化することがあり得る.(3)認知能力と心拍変動の関係は,大きく2つのパタンに分けることができ,これらのパタンはタスク中のSDNNの変動の大小によってある程度分類することが可能である.(4)3の知見を用いた認知能力推定手法を実測したデータに適用した結果,全ての事前データを用いて推定を行う場合と比較して精度が向上し,約70% のユーザに対して推定が可能である.以上の知見を応用することで,知的労働者の認知能力変化を低侵襲に推定した上でその結果をフィードバックし,自身の働き方や認知能力変化の特徴を把握することにより,知的労働者の生産性向上と過労防止への貢献が期待できる.

8D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名装着型デバイスの利用を前提としたQOL可視化システムのためのストレス要因推定モデル
著者*秋山 早弥香, 加藤 由花 (東京女子大学)
ページpp. 1703 - 1708
キーワードQOL, 生体情報, 装着型デバイス, 生活習慣, 時系列データ
アブストラクト本稿では装着型デバイスから取得する瞬時脈拍数を利用した,ストレス状態とリラックス状態の推定手法を提案する.近年,乱れた生活の積み重ねで起こる生活習慣病が問題視されている.しかし,日常生活で常に健康を意識することや,個人の生活習慣を可視化することは容易ではない.一方でセンシング技術が進展し,様々な生体データを日常的に簡易に取得することが可能になってきている.こうした背景から我々は,装着型デバイスを用いて収集したデータを利用して,生活習慣の改善を促すQOL(Quality Of Life)可視化システムの研究を進めている.その要素技術として,本稿では,QOLの指標を定義し,QOL低下の要因の分析を行う.また,評価実験により,提案手法の有効性を検証する.

8D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名ロボットハンドモーションによる感情伝達
著者矢野 雄也, *池田 悠平, 岡田 明帆 (芝浦工業大学工学部情報工学科), 中野 美由紀 (芝浦工業大学教育イノベーション推進センター), 菅谷 みどり (芝浦工業大学工学部情報工学科)
ページpp. 1709 - 1714
キーワードロボット, 感情表現, コミュニケーション
アブストラクト近年,ロボットによる人々の生活の向上が期待されており,そのための対人間における円滑なコミュニケーションを目指す研究が数多くなされている.円滑なコミュニケーションの実現のためには,ロボットは,人が行う感情表現動作のうち,人が理解できる感情表現動作を行う必要がある.しかし,どのような感情表現が人に理解や評価されるものであるか,十分に議論されていない.既存研究ではエージェントロボットに様々な感情表現動作をさせ,その静止画を人に見せて評価したところ,両手をあげるという動作が「喜びの感情表現」であるという評価が得られたことが報告されている.しかし,実際にロボットが両手を上げる際には,動作角度や速度の違いにより,人が理解する感情表現が意図しないものとなる可能性が考えられる.そこで,本研究では実際のロボットに身振りを行わせ,評価により速度や動作方向などの影響を明らかにすることを目的とした.実現のため,特に喜びの表現に対象を絞り,Bioloid上に,身振りを実現するためのAPIを設計,実装し,これを用いて評価を行った.評価の結果,動作と速度は感情表現の強さと関係することが示唆された

8D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名簡易脳波計による計算作業における適切なフィードバック学習方式
著者*米山 史範 (湘南工科大学 工学部 情報工学科), 平井 章康 (湘南工科大学 工学研究科 博士前期課程 電気情報工学専攻), 吉田 幸二 (湘南工科大学 工学部 情報工学科), 宮地 功 (岡山理科大学 総合情報学部 情報科学科)
ページpp. 1715 - 1720
キーワード脳波, 簡易脳波計, 計算, トレーニング, フィードバック