題名 | タブレット端末センサと行動入力Webシステムを用いた生活行動と消費電力の分析 |
著者 | *潘 新程, 峯崎 智裕, 磯田 達也, 田中 翔太, 内野 百里, 井上 創造 (九州工業大学) |
ページ | pp. 1411 - 1417 |
キーワード | 行動・電力センシング, Androidアプリ, Webシステム, データ解析 |
アブストラクト | 本研究では,家庭の電力消費量を抑えるため,家庭内の行動と消費電力の相関の具体的な解析を述べる.近年,様々な消費電力に関する研究が行われている.我々の研究では家庭の消費電力削減の目的とし, システム開発,被験者による実験,生活パターンと消費電力の相関分析,電力削減への提案の研究を行う. 現在,我々は住人の生活パターンと消費電力の相関分析に取り組んでいる.開発したシステムを用いて,1 日に数分程度行動の入力を依頼した.約 4 ヶ月間分,35 軒の家庭から約 11745 件の行動入力と約 7.14GB のセンサデータと約 237280 時間分の消費電量データが得られた.収集したデータを用いて,推定された行動の時刻と持続時間を説明変数とし,一日の平均消費電力を目的変数とした重回帰分析を行った結果, 一般的な家庭で「テレビを長く見る」,「テレビ時刻が早い」,「食事時刻が早い」及び「睡眠時刻が早い」などの日は消費電力が大きいことが分かった.消費電力が一番高い家庭の「食事時間を長く食べる」,「睡眠時刻が遅い」及び「食事時刻が早い」などの日は消費電力が大きいことが分かった.このように,住人行動のラベルデータを使用することで,電力と行動の具体的な解析が可能になることを示す. |
題名 | スマートホームにおいて目標温湿度環境への遷移を最小コストで実現する家電制御システム |
著者 | *宵 憲治 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科), Khaled El-Fakih (Department of Computer Science and Engineering, American University of Sharjah), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科) |
ページ | pp. 1418 - 1423 |
キーワード | スマートホーム, コンテキスト, ユビキタスコンピューティング, かでんせいぎょ |
アブストラクト | 本論文では,スマートホームにおいて様々な家電デバイスを制御するコンテキストアウェアシステムの実現を目的に,スマートホームにおいて目標温湿度環境への遷移を最小コストで実現する家電制御システムを提案する.提案システムは,著者らが以前から開発してきた任意の2つのコンテキスト間を最小コストで遷移させる家電操作系列をシミュレーションにより求めるツールPathSimを用いて,実空間における温湿度を目標の値に最小コストで遷移させることを目的としている.本システムを実現するため,任意の家電の操作系列を記述可能な家電制御言語を定義し,PathSimの出力を提案言語の形式に変換する機能と,提案言語で記述された家電制御シナリオを実行し,赤外線リモコン学習デバイスIRKitを用いて各対象家電を制御する機能を持つシステムを実装した.本システムの有用性を示す実証実験として,実際のスマートホーム環境でシステムを稼働させ,目標温湿度環境への遷移の際の消費電力,遷移時間を測定し,PathSimによるシミュレーション結果と比較した.その結果,消費電力,遷移時間ともに平均20%程度の誤差に収まることを確認した. |
題名 | 〜ヴァーチャル・スタバ〜 作業状態に応じた室内環境演出システムの開発と評価 |
著者 | *三井 健史 (中京大学情報科学研究科情報科学専攻), 濱川 礼 (中京大学工学部情報工学科) |
ページ | pp. 1424 - 1435 |
キーワード | 集中度, 喫茶店, ユビキタスコンピューティング |
アブストラクト | 喫茶店で行う作業は一般に捗ると言われている.これは,店内の程よい雑音や店内に漂うコーヒーの香りが作業への集中度を高める働きがあることが要因として挙げられる.しかし,PC 作業を喫茶店で現実に行おうと考えた時,電源環境やネットワーク環境が提供されていない喫茶店がほとんどであり長時間 PC 作業を行うのは難しい.そこで我々は,気軽に自宅で喫茶店の環境を再現する「ヴァーチャル・スタバ」を開発した. ヴァーチャル・スタバは作業時の特徴(キーアクティビティ,作業内容,姿勢,視線)から,集中,思考,注意散漫,眠気 の 4 種類の作業状態に分類した後,各作業状態に応じたアロマ噴霧や環境音再生を行うことで室内環境演出を行うシステムである.また,ヴァーチャル・スタバ稼働時は作業状態推定処理を単位時間毎に行うことで,環境演出処理を継続的に行っている.ヴァーチャル・スタバ使用時と未使用時での作業状態の推移に関する評価実験を行い,ユーザ毎での "注意散漫状態" と "眠気状態" の平均持続時間を算出し t 検定を行った結果,どちらでも有意差が得られた. |
題名 | Active Sensing :移動ロボットによる見守りシステムの実現 |
著者 | *住谷 拓馬 (芝浦工業大学工学部情報工学科), 中野 美由紀 (芝浦工業大学教育イノベーション推進センター), 小野 建也, 浅沼 亮平, 菅谷 みどり (芝浦工業大学工学部情報工学科) |
ページ | pp. 1436 - 1443 |
キーワード | 見守り, ロボット, Active Sensing |
アブストラクト | 現在,日本は高齢者人口が24%を越える超高齢社会である.特に独居高齢者人口も増大しており,その事故の中でも特に転倒などによる生命や後遺症の問題が懸念されている.従来家電などの日常利用装置による見守りシステムが提案されてきたが,動作の状態の把握が困難である一方,監視カメラなどの設置はプライバシーの問題があり導入が困難であるという問題があった. 本研究は,従来のデバイスに対して,家庭用移動ロボットを用いた転倒検知を行う見守りシステムを提案する.見守りシステムは,対象者の転倒検知,追従の二つの機能により実現した.固定センサによる転倒検知では,対象者の360度方向の転倒を検知する事が困難であったが,センサをアクティブに移動させる機能(Active Sensing)を移動ロボットにより実現することで最大80%の検知率の向上を得た.本論文では,実際にシステムを設計,実装し,評価した結果および,議論について述べる. |
題名 | ユビキタスコンピューティング環境におけるルールプログラミングの実現に向けて |
著者 | *佐野 渉二 (公立はこだて未来大学), 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科/科学技術振興機構さきがけ), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科) |
ページ | pp. 1444 - 1449 |
キーワード | ユビキタスコンピューティング, ユビキタスコンピュータ, 入出力制御, マクロプログラミング, ルールプログラミング |
アブストラクト | ユビキタスコンピューティング環境では,センサやLEDなどの入出力デバイスを制御する小型なコンピュータを身の回りのあらゆるモノに組み込んで使用する.大量の小型コンピュータを容易に制御できる環境を実現できれば,ユーザは自分の部屋の家具や家電の配置をカスタマイズするように,自分好みの環境を実現させたいという欲求が生じると考えられる.本研究では,そのような環境を実現するために,コンピュータによる動作を記述しやすいルールベースのプログラミングについて考える.汎用で用いるためには,ルールプログラミングで用いる関数群を多数用意する必要がある一方で,家の中の日用品の制御,野外での環境データ収集など用途が決まれば,それに応じて使用する関数群はある程度絞れると考えられる.そこで,用途に応じて使用する関数群を提示する機構を有するルールプログラミング環境を提案する. |