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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 6H  測位技術の応用
日時: 2015年7月9日(木) 14:10 - 15:30
部屋: リゾートセンター2
座長: 川井 明 (滋賀大学)

6H-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名二輪車車体運動センシングデータを用いた路面損傷箇所の検出手法の提案
著者*宮崎 雄也, 神村 吏, 菱本 圭亮, 木谷 友哉 (静岡大学)
ページpp. 1350 - 1358
キーワード高度交通システム(ITS), 二輪車の車体運動, 路面性状計測
アブストラクト本稿では,二輪車に搭載した車体運動センサから得られたセンシングデータを元に道路の維持管理のための路面調査を目的とした,路面状況の推定を行う手法を提案する. 二輪車の場合では通常,穴の上を走行せずに避ける動作を行うが,運動センサから得られる左右方向の加速度等から回避動作を検出することで,路面の損傷箇所を推定できると考えられる. 本論文では,このような運動センサの値からピーク検出手法と理想波形比較法の二つの二輪車の回避動作検出手法を提案し,走行実験のデータによって評価を行った.

6H-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名バス運行データを用いたドライバーの走行に影響するバス挙動の予測
著者*花田 智 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 1359 - 1366
キーワード高度道路交通システム, 挙動予測, バス, 道路ネットワーク, 運転支援
アブストラクトドライバーは,路線バスの挙動変化(停車,右折・左折,車線変更など)を認知した場合,その挙動変化に対応する判断・操作(減速,追い越しのための車線変更など)が求められる.しかし,ドライバーがバスの後方でバスの挙動変化を認知した場合,素早い判断・操作が求められるため円滑な走行を妨げられることがある.ドライバーがバスの挙動変化による影響を事前に回避し,円滑に走行するためには,あらかじめバスの挙動変化の情報を取得し,その変化に対する操作を事前に判断する必要がある.そこで,本研究ではドライバーの走行に影響するバスの挙動変化を予測することを目的とする.バスの挙動変化を予測するために有効なデータとして,バス運行データがある.バス運行データとして,バスルートデータやバス停のデータ,計画時刻データ,運行実績データ,乗降客数データなどが挙げられる.提案手法では,バス運行データを用いて,まず,ドライバーの走行経路とバスルードデータを利用して影響する可能性のあるバスを抽出する.次に,ドライバーがそのバスと遭遇する地点を予測し,最後にドライバーの走行に影響するバスの挙動変化を予測する.提案手法のプロトタイプを実装し,提案システムの有用性について検討した.

6H-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名GPS軌跡を用いた集合知による道路地図作成システムのためのスマートフォン向け車両軌跡収集システムの設計
著者*佐藤 永欣 (岩手県立大学)
ページpp. 1367 - 1372
キーワード道路地図自動作成, 軌跡データ収集, カーナビゲーション
アブストラクト道路地図は従来、精密な測量によって作成され、カーナビゲーションシステムなどに定期的にデータとして配信されている。日本国内では電子国土基本図等をベースに各社が情報を付加している。その一方でOpenStreetMapのような利用者参加型のオープンな地図作成を目指す動きもある。以前、自動車の走行軌跡をGPS受信機により計測・収集して道路地図を作成するシステムを提案し、数メートル程度の精度で道路位置を推定可能であり、車線数の推定や信号機や一時停止標識といった、自動車が特徴的な動きをするPOIの存在を検知できることを示した。本稿では、提案システムの概要にふれたあと、GNSS受信機を搭載した機器が一般化した現状に合わせ、スマートフォンをカーナビゲーション代りに利用することを想定してスマートフォンのGNSS受信機で計測したデータを実験用に収集するシステムの設計に付いて述べる。

6H-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名GPSと車両からの電波を用いた歩行者測位精度向上のための方式提案
著者*山下 遼, 湯 素華, 小花 貞夫 (電気通信大学/大学院情報理工学研究科)
ページpp. 1373 - 1380
キーワード歩行者位置測位, GPS, 車車間通信, 直接波
アブストラクト今般,交通事故における歩行者事故の削減が強く望まれている.歩行者対車両の事故を削減する手法の提案として,車両が周囲の人の位置を事前に把握することで,事故を未然に防ぐ取り組みがある.しかしながら現在の外部環境における位置推定では,GPSを用いた場合は都市部などビルが乱立する場所では十分な精度が得られない.本稿では,GPS衛星からの電波だけではなく,近いうちに実用化される予定である車車間通信の電波を組み合わせることで,屋外でGPS衛星からの電波を十分に受信できない場合でも,歩行者の位置を高精度に推定する方式を提案した.ここでは,車両からの情報を利用する際に,RSSIを用いた従来の距離推定手法ではなく,直接波を用いて位置推定精度の向上を図る.またシミュレーションにより,時間分解能等の制約を含む状況を想定した場合でも,位置推定精度が向上されることを示した.また,無線装置の時間分解能が向上することにより3mの誤差を実現できる可能性を示した.