題名 | クラウド環境におけるネットワーク制御時のマイグレーションの性能考察 |
著者 | *西出 彩花, 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
ページ | pp. 1110 - 1114 |
キーワード | クラウド, OpenStack, マイグレーション |
アブストラクト | 近年,増大するシステムやデータの管理のためにクラウド基盤が用いられることが多い.クラウド基盤においては,負荷分散やリソースの最適配置を目的として,インスタンスマイグレーション等のリソース転送が行われる.このような環境は平常時には安定して動作するよう設計されているが,例えば震災などの何らかの大きなイベントが起こった際に,大量のデータをバースト的に転送する事になり,クラウド内・クラウド間のネットワークに大きな負荷が掛かり,帯域が不足する経路ができてしまう危険性を大いに含んでいる.そのため,その時々のネットワークの状況に基づいて,混雑する経路を迂回して別の経路に振り分けるなどの対策が必要である.これは統計情報に基づいたデータ転送処理により実現に近づけることができる.そのような処理には OpenFlow を用いたネットワーク制御が有用である.また,緊急時には,通常時とは異なるシステム構成が望ましいことが多い.この実現のために,クラウド内のリソースを転送したり,接続ネットワークの構成を変更したりする必要がある.このようなシステム構成の変更を極めて短い時間に実行するためには,これらを制御し,最適化を行う仕組みが必要である.本研究では OpenStack を用いて実験用のクラウド基盤を構築し,OpenFlow コントローラを用いてデータのマイグレーションをコントロールすることによって,通信性能の向上とクラウドシステム制御の安定化を図ることを目標とする. |
題名 | OpenFlowネットワークにおけるProactive/Reactive経路制御手法 |
著者 | *木村 真乃介, 出村 友秀, 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻) |
ページ | pp. 1115 - 1120 |
キーワード | OpenFlow, 経路制御手法, Proactive/Reactive |
アブストラクト | インターネット上のトラフィック量が年々増加しており,通信品質を保証するネットワーク制御が必要とされている.近年,SDN と呼ばれるネットワークをソフトウェアで制御する考え方が普及してきている.SDN の代表的な技術としてOpenFlow が挙げられる.OpenFlow を利用したネットワーク上のトラフィック制御としてProactive 型とReactive 型の方法があるが,Proactive 型は実際には参照されないフ ローエントリの設定によるコントローラの処理負荷,Reactive 型はコントローラへの問い合わせの発生による遅延・ネットワーク全体の最適化という点でそれぞれ問題を持つ.そこで,Proactive 型とReactive型の経路制御を組み合わせることで,トラフィックの通信品質を向上させる手法を提案する.提案手法には,周期的なProactive 型制御と必要に応じたReactive 型制御の両方を行う手法,優先すべき特性を考慮しアプリケーションの種類に応じてProactive 型制御とReactive 型制御を使い分ける手法の2つがある. |
題名 | モデルベースプロビジョニングによるアプリケーション指向ネットワーク構成管理 |
著者 | *中野谷 学, 副島 賢司 (日本電気株式会社) |
ページ | pp. 1121 - 1128 |
キーワード | モデルベースアプローチ, 構成管理 |
アブストラクト | ITリソースの仮想化技術によりITシステムの構築コストは削減された.さらに構成管理と構築の効率化を実現する手法としてモデルベースプロビジョニングがあり,これは既存システムの設計情報と配備手順を効率的に再利用できるようにし,仮想化技術と組み合わせることでその設計・配備を簡便化することに貢献している.しかしながらこれらの既存技術もネットワークの設定変更に関しては効果は限定的である.それは,これら既存技術がVLANや隔離スライスといったアプリケーションの通信要件をとりまとめた末に発生するネットワーク設定を直接扱っていることに起因している.本論文では,既存のモデルベースプロビジョニング手法にいくつかのアプリケーションに関する通信要件を追加するだけでネットワークを含むITシステム全体の設定を管理する手法を提案する.モデルに定義する要件はアプリケーションとしてどういった通信をどのように行う必要があるかという形式で記述され,それら通信要件の集合とVMやミドルウェアの配置関係といったその他のITリソースの設計情報を考慮してVLAN等の具体的に配備されるネットワーク設定が生成される.また本論文では,本手法を実現する上ので実装とそのアーキテクチャを示し,あるITシステムの構築を例に各要件から設定が生成される流れを説明する.これにより具体的なネットワーク設定の設計を行うことなくネットワークのデプロイが行えることを示す. |
題名 | 制限時間付き大容量データマイグレーションのための分散型帯域割り当て方式の検討 |
著者 | *斎藤 健允 (大阪大学 大学院情報科学研究科), 木下 和彦 (徳島大学 大学院ソシオテクノサイエンス研究部), 山井 成良 (東京農工大学 大学院工学研究院), 渡辺 尚 (大阪大学 大学院情報科学研究科) |
ページ | pp. 1129 - 1135 |
キーワード | 制限時間, 分散制御, データマイグレーション, 帯域割り当て |
アブストラクト | デジタルコンテンツのデータサイズが増加することによって,ファイル転送完了時間の予測が困難になっている.これはクラウドコンピューティングにおけるデータマイグレーションで特に重要な問題となる.そこで,定められた制限時間までにデータ転送要求を完了させ,それが不可能な要求は棄却するモデルが考えられている.また,このモデルに基づく集中型の帯域スケジューリング方式が提案されている.しかし,この方式を大規模なネットワークに適用することは困難であるため,本稿では既存方式をネットワーク全体の情報を使わない分散型に拡張し,シミュレーションによって性能を評価する. |
題名 | テストベッドにおけるマルチキャストによるディスクイメージの配布 |
著者 | *小林 朋幸, 菊地 聡 (情報通信研究機構/北陸先端科学技術大学院大学), 知念 賢一 (北陸先端科学技術大学院大学/情報通信研究機構), 宮地 利幸, 三輪 信介 (情報通信研究機構/北陸先端科学技術大学院大学) |
ページ | pp. 1136 - 1144 |
キーワード | テストベッド, マルチキャスト |
アブストラクト | ネットワークテストベッドにおいては,限られたネットワーク資源を用いて,短時間で実験環境を整えることは重要な課題である.本研究では,マルチキャストを用いて少ない帯域で,多数のノードにディスクイメージを配付し,実験の準備時間を短縮することを目指した.性能の測定を行った結果,ユニキャストによる配付と比較して短時間での配付が可能であることを確認した.これにより,実験の準備にかかる時間を短縮できた. |