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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 4B  防災とヘルスケア
日時: 2015年7月9日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 竜ヶ森2
座長: 伊原 彰紀 (奈良先端科学技術大学院大学)

4B-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名バリア情報収集のための車椅子操作2段階推定モデル
著者*宮田 章裕, 中野 将尚, 伊勢崎 隆司, 有賀 玲子, 石原 達也, 望月 崇由, 渡部 智樹, 田中 智博 (日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所)
ページpp. 721 - 728
キーワードバリアフリー, 車椅子, センサ, ディープラーニング, スマートフォン
アブストラクト車椅子ユーザの移動を妨げる"バリア"に関する情報を収集することが,社会的に求められている.しかし,既存手法では,電柱や道路工事,違法駐輪などの路上物バリアを発見することは困難である.我々は,路上物バリアをよける・路上物バリアのために引き返すといった動作を構成する車椅子操作を推定できれば,操作の推定結果をもとに路上バリアの存在を検出できると考えている.このとき,操作推定は,多くのユーザが持つスマートフォン内蔵の加速度・角速度センサを利用して行えることが望ましい.ところが,車椅子操作時に発生する加速度・角速度は,同じ操作であってもユーザ・操作習熟度・状況・体調によって大きく振る舞いが異なり,単一の推定器では精度良く推定できないという問題がある.そこで,我々は,ユーザの直近の移動能力を推定した後に,その移動能力に適した推定器で操作内容を推定する2段階推定モデルを提案する.ディープラーニングを用いて提案コンセプトを実装し,ユーザの実走行データに基づいて構築した約25万件のデータセットを用いて実施した検証実験では,提案手法が前後進・右左折・停止などの操作を高精度に推定できるだけでなく,段差・傾斜の検出にも有効であり,適合率・再現率はともに98.9%とベースライン手法を大きく上回った.提案手法は,バリア情報の収集に大きく貢献しうるものと考えられる.

4B-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名人型入力デバイスを用いた災害救護に関する個別学習支援
著者*加藤 隆雅, 田山 友紀 (慶應義塾大学大学院理工学研究科), 岡田 謙一 (慶應義塾大学理工学部)
ページpp. 729 - 736
キーワード災害, 人型入力デバイス, 個別学習, 訓練
アブストラクト目の前で突然災害が起こった場合,災害現場で最初に活動するのは現場にいる一般市民である.救急隊の到着までは,市民が主体となって救助活動をしなければならず,適切に行動するためには事前に訓練しておくことが不可欠である.現在,日本各地で災害救護に関する訓練が開催されており,一般市民が災害現場での活動に必要な知識や技能の育成の場が設けられている.しかし,訓練を開催するためには資機材の事前準備や傷病者役の手配が必要であり,手軽に開催する事が出来ないため災害救護に関して学ぶ場が少ないという現状がある.また,時間や場所の制約から個人の学習ペースや理解度を配慮出来ないといった問題点もある.このような背景から,本研究では人型入力デバイスQUMARIONを使用した災害救護に関する個別学習支援を提案する.人型入力デバイスを傷病者役の代わりとして使用する事で,従来複数人でしか行えなかった体位管理の訓練を個人で実行する事が出来る.また,学習だけでなく知識の定着確認のための訓練も実践出来るので,個人のペースで時間をかけて学ぶことを可能とした.評価実験を行った結果,本システムを使用して正確に学習が出来ている事を確認した.人型入力デバイスを使用する事で,手軽かつ個人でも災害救護に関する基礎知識を養えるとわかった.

4B-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名変化する自己選択に対応したアドバンスケアプランニング支援システムの試用
著者*山本 里美, 吉野 孝 (和歌山大学), 喜多 千草, 加藤 隆, 竹島 未紗 (関西大学)
ページpp. 737 - 744
キーワード終末期医療, アドバンスケアプランニング, 死の質
アブストラクト近年,「死の質(Quality of Death)」を問う機運が高まってきている.また,高齢者の医療現場において,患者の自己選択を伝えることができる事前指示書やリビングウィルなどの書式が重要な役割を持つことが明らかになっている.これらは,患者が自ら意思決定や意思表示を行うことが困難になったときに備え,その後の医療行為について予め要望などを明記した文書のことである.しかし,これらの文書では,選択の理由が分からないことから,実際の終末期医療の分野において活用するには限界があるという指摘がある.また,患者の意思は変化するものであることに留意する必要があるという指摘もある.そこで我々は,実際にあった事例を提示しながら終末期医療に関する質問をし,回答とその理由を蓄積することで,状況による意思の変化や理由の把握を他者が行いやすくなるようなアドバンスケアプランニング支援システムを提案した.本稿では,提案システムの試用実験を行い,事例を提示することの有用性の確認と,システムのユーザビリティ評価を行った.

4B-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名類似度を用いた可視化情報の提示による問診票回答収集効果の検証
著者*福島 拓 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 前島 康宏 (静岡大学工学部), 甲斐 充彦 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
ページpp. 745 - 749
キーワード多言語, 問診票, 用例対訳, 可視化
アブストラクト現在,グローバル化による多言語間コミュニケーションの機会が増加している.しかし,多言語間での正確な情報共有は十分に行われていない.正確な多言語支援が求められる場では,用例対訳が多く用いられており,用例対訳の収集や,用例対訳を用いた自由な対話支援のために応答用例対と呼ばれる概念が提案されている.しかし,用例対訳や応答用例対の収集においては,作成者が既に収集された用例対訳や応答用例対を網羅的に把握することが難しく,用例対訳や応答用例対の収集の妨げになっていた.そこで本稿では,医療分野の問診票入力場面で使用される応答用例対の収集を目的とした,問診票回答収集システムの構築について述べる.本システムでは,収集された応答用例対をグラフを用いて可視化することで,利用者が収集済みの応答用例対の網羅的な把握の支援を目指す.

4B-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名太陽光発電を用いた復興ウォッチャーシステムの実装とSNSを用いた復興ウォッチャーサービスの提案と実装
著者*石井 創一朗, 西岡 大, 齊藤 義仰, 村山 優子 (岩手県立大学大学院 ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 750 - 756
キーワード復興, 災害, SNS, 省電力, グリーンエネルギー
アブストラクト2011年3月11日に起こった東日本大震災による大津波で,東北地方を中心とする太平洋沿岸地域は,甚大な被害を受けた.2015年現在,震災から4年が経過し,被災地の復興が徐々に進んでいるものの,思うように復興が進んでいないのが現状である.そこで我々は復興の支援を目的とした,復興ウォッチャーシステムの提案を行ってきた.復興ウォッチャーとは,被災地の復興に向けて,被災地外の人々から持続的な理解と支援を得るため,静止画を用いて,視覚的に被災地の様子を共有するシステムである.一方で,被災地は電力不足や,電力インフラがないといった問題を抱えている.現代は,低コストで合理的に供給されるエネルギーを得ることが必要となっており,太陽光発電が促進されている.本研究では,システム稼働のための発電の手段として,太陽光発電を利用することにした.本稿では,太陽光発電による電力インフラに依存しない復興ウォッチャーシステムを提案する.また,先行研究では,静止画を撮影し,インターネット上にアップロードする環境の開発と運用を行ってきた.しかし,先行研究の段階では,アップロードした静止画を閲覧するだけの,片方向の情報伝達であった.本研究では,システムを利用する被災地内外の人々が双方向でコミュニケーションをとることが可能な,SNSを用いた復興ウォッチャーサービスを提案する.