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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 3G  コンテンツ配信基盤
日時: 2015年7月8日(水) 17:50 - 19:10
部屋: リゾートセンター1
座長: 川上 朋也 (奈良先端科学技術大学院大学)

3G-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名選択型コンテンツの再生速度を考慮した放送型配信におけるスケジューリング手法の評価
著者*福井 大地, 後藤 佑介 (岡山大学大学院自然科学研究科)
ページpp. 636 - 643
キーワード選択型コンテンツ, 放送型配信, スケジューリング, 待ち時間, 再生速度
アブストラクトユーザがコンテンツを選択して視聴する選択型コンテンツを用いた放送型配信では,多くのユーザに一定の帯域幅で複数のコンテンツをまとめて配信できる.しかし,配信環境に応じてデータ再生時にコンテンツ間で待ち時間が発生する.このため,サーバが配信する番組やユーザの視聴形式に応じて待ち時間を短縮するスケジューリング手法が提案されている.特に,ユーザが所望する再生速度でコンテンツを視聴したいという要求が増加しており,早送り再生を考慮したスケジューリング手法がこれまでに提案されているが,2倍速による再生しか考慮していない.本研究では,選択型コンテンツの放送型配信において,複数種類の再生速度による早送り再生を考慮して待ち時間を短縮するスケジューリング手法を提案した.提案手法では,各コンテンツで想定される再生速度をもとに,コンテンツを早送りで再生する部分と通常の速度で再生する部分の二つに分けてスケジューリングすることで,ユーザのデータ再生時の待ち時間を短縮する.例えば,使用できる帯域幅が地上波デジタル放送と同じ23Mbpsで,各選択部分に3個の選択肢があるドラマにおいて,ユーザが2倍速, 8倍速,および2倍速の順番で3つのコンテンツを選択しながら連続して再生する場合,既存のスケジューリング手法の待ち時間は87.0秒,提案手法は64.5秒となり,提案手法の待ち時間は既存手法に比べて約25.9 %短縮できる.

3G-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名DPN環境における外部情報に基づくOpenFlowを用いたプログラマブルなネットワーク制御方式
著者*柳田 晴香 (お茶の水女子大学), 中尾 彰宏, 山本 周 (東京大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 644 - 649
キーワードSDN, OpenFlow, DPN

3G-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名Named Data Networkingにおけるユーザの行動を考慮したInterest制御手法の検討
著者*梅田 沙也華, 大畑 百合, 神本 崇史, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
ページpp. 650 - 657
キーワードNamed Data Networking, Interest Flooding Attack, 評価値, パケット制御
アブストラクトコンテンツ指向型ネットワークであるNamed Data Networking(NDN)では,Interest Flooding Attack(IFA)と呼ばれる攻撃によってネットワークが正常に使えなくなる.IFA への対策として,リンクごとにパケットの流入を制限するPushbackがある.しかし,Pushbackでは,通常ユーザのデータ取得に影響を与えるという問題が存在する.そこで,本稿では,ユーザの行動を考慮したInterest制御手法ICRPを提案する.ICRPではユーザとコンテンツに対する評価からパケットを制御する.まず,ユーザと直接接続された末端ルータが,ユーザに対する評価値から検知された攻撃者に対してInterestパケットを制限する.ここで,評価値とは各ユーザの送信するInterestの中で実在するコンテンツを要求するInterestの割合を表す.次に,攻撃者からが要求するInterestの数から攻撃に使用されるプレフィックスを推測し,攻撃に利用されるInterestパケットを制限する.提案手法の評価はシミュレーションにより行い,通常ユーザのデータ取得が安定しているという結果からICRP の有用性を示す.

3G-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名名前ルーティングと ABE を用いたマルチキャスト通信の緊急通信への適用に関する一考察
著者*多良 康孝, 小泉 佑揮, 長谷川 亨 (大阪大学大学院 情報科学研究科)
ページpp. 658 - 665
キーワードNDN(Named Data Networking), 緊急通報, ABE(Attribute-Based Encryption)
アブストラクト119 番通報などの緊急通信は,電話網のみが提供しており,通信回線が分断されると提供できなくなる問題を抱えている.これに対して,パケット通信をベースにして,DNS サーバを必要とせず名前ベースのパケット転送を可能とする NDN(Named Data Networking) は,網の分断等への高い耐性が期待される.そこで本稿では,NDN 網で緊急通信を提供するアーキテクチャを提案する.このため,まず現状の電話や IP 電話における緊急通信に求められる要求条件から,パケット通信に求められる 3 つの要求条件を抽出した.具体的には,ウェルノウンな宛先に発信した緊急通信を最寄りの消防本部へ接続すること,通信内容を秘匿すること,通信網の分断時にも緊急通信を提供することの,3 つの要求条件を抽出した.これに対して,マルチキャストと最寄りの消防本部でしか復号できない暗号方式を組み合わせ,暗号方式としては発信者ごとの鍵管理が必要ないものを採用し,パケットを蓄積転送する車両を利用することで,3 つの要求条件を満足するアーキテクチャを考案した.