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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 3F  発想支援と学習
日時: 2015年7月8日(水) 17:50 - 19:10
部屋: まきば
座長: 吉野 孝 (和歌山大学)

3F-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名サービスアイデアの気づきの促進と具現化のためのワークショップ
著者*角 康之 (公立はこだて未来大学), 草野 孔希, 大野 健彦 (NTTサービスエボリューション研究所)
ページpp. 609 - 616
キーワードサービスデザイン, ワークショップ, スケッチ
アブストラクト本稿では、サービス開発におけるアイデアの洗練化を促すことを目的としたワークショップを提案し、実施例を報告する。今回実施したワークショップを「シナリオスケッチワークショップ」と呼ぶ。本ワークショップの目的は、サービス開発に携わる開発者と、そのサービスを利用する予定のユーザが一堂に会し、互いの意識のずれを解消し、サービスアイデアの合意点をドキュメントに残すことである。ここでは、サービス利用のシナリオをスケッチでドキュメント化することとし、このようなワークショップ名とした。本ワークショップでは、開発者とターゲットユーザが、架空のサービスを想定して、典型的な利用シーンを「演じる」ことで、サービスの実現される姿を具体化する。そして、それを記録し、ストーリーにまとめる道具としてPhotoChatと呼ばれるシステムを利用した。PhotoChatは携帯パソコン上で動作するシステムで、写真撮影とその上でのメモ書きを複数ユーザで共有できるシステムであり、協調体験における気づきやアイデアを即座にとらえて言語化するのに適している。筆者の研究室に所属する卒業研究生を参加者として試験的にワークショップを実施し、ターゲットユーザの理解や要求がシナリオスケッチとして比較的短い時間で具現化されることが確認された。また、それらのシナリオスケッチを見ることで、開発者にとっても、自らの研究テーマの重要なポイントや、聞き手に伝わりづらい点が認識される様子が観察された。

3F-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名タイムライン上の議論を活性化させるTwitterボットの開発
著者*草島 将太, 富山 遼, 角 康之 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 617 - 623
キーワードTwitterボット, キーワード抽出, オンライン議論支援
アブストラクト近年では,ライトニングトーク形式の発表会や勉強会の場において,実会議の他に,その内容についての議論を行ったりメモを共有するための手段として,Twitter が広く利用されている.本研究は,Twitter 上の議論を活性化させたり,議論参加者の理解を深めることを目的とする.そこで,Twitter のタイムライン上の発言や議論について,関連する話題を提供するようなTwitter ボットの開発を行う.今回はTwitter ボット開発の予備検討として,過去のライトニングトーク形式の勉強会のタイムラインを用いて予備実験を行い,Twitter ボットが適切な話題を提供することができているかについて調査を行った.

3F-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名受講者のためのWebアプリケーションによるSQL学習システム
著者*速水 治夫 (神奈川工科大学), 南齋 弘樹 (株式会社エデルタ), 井上 寛生, 遠藤 崇 (神奈川工科大学)
ページpp. 624 - 629
キーワードSQL学習システム, Webアプリケーション, SQL, MySQL, 講義支援
アブストラクト講義科目「データベース」におけるSQLの学習では受講生が各自のPCにSQLの実行環境を構築し,SQLを実行することでより深く理解できる.しかし実行環境の構築にはデータベース管理システム(例えばMySQL)のインストールやテーブルの構築など多くの障壁がある.また,実行環境でSQLを実行しなくても,SQLをある程度理解できる.これらの理由により,実行環境を構築しない受講生が多数いる.そこで,著者等は受講生が容易にSQLを実行し,SQLの習熟度が向上することを目的として,WebアプリケーションによるSQL学習システムを構築した.本システムはブラウザのみで,講義で使用する例題データベースに対する全てのSQL文を実行し結果を確認することができる.本システムを26年度の講義で受講生に提供し,本システムの利用実績(SQL文実行回数)とSQLの習熟度に相関があり,本システムは教育上有効であることが確認できた.本論文では本システムの内容と教育効果を報告する.

3F-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名評価視点と感情表現に基づく質問記事の重要度判定手法の提案
著者*輪島 幸治 (筑波大学大学院図書館情報メディア研究科), 佐藤 哲司 (筑波大学図書館情報メディア系)
ページpp. 630 - 635
キーワード質問記事, 評価視点, 感情表現, LDA, KeyGraph
アブストラクト企業活動における顧客対応では,顧客の重要な質問記事を迅速に察知することが求められている.しかし日々大量に寄せられる質問記事の中から重要なものを人手で判別することは多大な負担がかかる.そこで質問記事に含まれる重要な要素を機械的に抽出し,質問記事の重要度合いを人間に近しい形で順位付けすることが求められている.本研究では企業によるオンラインのサポートコミュニティを対象とし,質問記事の重要度をスコア化する手法を提案する.質問記事の要素を"質問対象","評価視点","感情表現"と定義し,それぞれの要素を評価することで質問の種別・顧客の要求・書き手の感情から人間に近しい重要度判別を行う.提案手法では,LDAとKeyGraphを組み合わせて質問記事から”質問対象”,”評価視点”を抽出し,評価表現辞書を用いて質問記事に”感情表現”を付与する.これらの3要素から商品などの対象に対する書き手の感情を推定し,質問記事の重要度を判定する.利用者実験によって人手で判定した重要度との比較実験を行なった結果,提案手法を用いて重要な記事を正しく判別し,利用者による感性評価の順位と比較して近しい結果が得られた.また先行研究と比較した結果,優位性を示すこともできたので報告する.