題名 | モバイル接続時間を考慮してモバイル端末間で代表端末を決定する通信負荷分散方式 |
著者 | *鈴木 孝明, 岩井 孝法, 山野 悟 (日本電気株式会社 クラウドシステム研究所) |
ページ | pp. 527 - 532 |
キーワード | モバイルネットワーク, 端末間無線通信, グループ制御, モバイルコネクション |
アブストラクト | 今後,膨大な数のM2Mデバイスがモバイル網へ接続することで,モバイル網の通信コネクションが増加し,制御信号数が増大すると考えられる.増大する制御信号数を抑制するために,従来,端末間通信するグループ内の一部のM2Mデバイスをモバイル通信する代表端末とし,代表端末にセンサデータを集めるデータ集約方式の活用が考えられる.著者らは,従来の単純なデータ集約方式にあった一部の代表端末にモバイル通信が集中する問題を解決する方式として,センサデータの到達許容遅延の期間が重複するM2Mデバイス同士から一時的な代表端末を決定し,モバイル通信の負荷を分散する臨時代表決定方式を提案してきた.臨時代表決定方式は,各M2Mデバイスのデータ発生頻度に応じて各M2Mデバイスが代表端末として負担するモバイル通信の負荷を分散する.本稿では,モバイル基地局によって管理されるモバイル通信コネクション時間がどのような値であってもデータ発生頻度に応じたモバイル通信の負荷分散を実現するために,臨時代表決定方式において,代表端末がモバイル通信コネクションを維持している間に代表端末として機能する時間を制御する拡張方式を提案する.計算機シミュレーションによる評価を行い,提案方式が,各M2Mデバイスのモバイル通信負荷を,データ発生頻度に応じて分散することを確認した. |
題名 | 浮流観測ノードを用いた下水管内映像伝送検査のための基本システムの設計 |
著者 | *田中 悠大 (静岡大学大学院総合科学技術研究科工学専攻), 長島 大貴 (静岡大学大学院工学研究科数理システム工学専攻), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域) |
ページ | pp. 533 - 540 |
キーワード | 下水管検査, センサネットワーク, 無線通信品質測定, 移動ノード, 映像伝送 |
アブストラクト | 我が国では下水管路の老朽化が深刻化しており,広範囲の下水管の検査と整備が急務となっている.しかし,現在用いられている下水管検査手法には多くの費用と時間を要するため,年間の検査延長は十分でない. 筆者らは安全,低コストで素早く下水管検査を行うための手法として,浮流観測ノードを用いた下水管内映像伝送システムを提案している. システムでは,複数のノード間におけるマルチホップ通信を利用して伝送した管内映像をアクセスポイントを介して回収することで,検査中の管内映像モニタリングを実現する. 下水管内には多くの電波減衰要因が存在するため,地上に比べ無線通信可能な範囲が著しく狭くなる. このため,高品質な映像を下水管内で伝送し続けることは困難である. 本論文では,撮影中の映像の確認しつつ高画質な映像取得を行うために,映像のストリーム送信と蓄積型送信を併用した映像伝送戦略を提案する. また,下水管内での通信距離確保に適した無線通信周波数帯を選定するため920MHz帯,2.4GHz帯,5GHz帯で通信する端末を用いて模擬下水管環境で通信品質の測定を行った. 測定の結果,無線通信可能距離は5HGzが最も長く,5mとなった. この結果に基づき,当システムの簡単なプロトタイプの設計,実装を行った. |
題名 | M2Mサービスの要求パケット到達率を考慮したバッファ制御手法 |
著者 | *荒巻 敏彦 (大阪大学大学院情報科学研究科), 木下 和彦 (徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部), 谷川 陽祐, 戸出 英樹 (大阪府立大学大学院工学研究科), 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科) |
ページ | pp. 541 - 546 |
キーワード | M2M, QoS, バッファ制御 |
アブストラクト | 近年,機械同士が自律的に通信ネットワークを介して情報をやり取りするM2M(Machine-to-Machine)が注目されており,その中でも複数のサービスが共通のプラットフォームを利用する水平統合型のM2Mが関心を集めている.M2M共通プラットフォームでは複数のサービスが共通の通信資源を利用するため,サービス毎に適切なQoS(Quality of Service)を提供することが必要となる.安価なデバイスが利用されるM2Mでは,低コストかつ低消費電力を目的とした通信プロトコルを用いるため,送信元のデバイスにおいて複雑な輻輳/再送制御を行わない.さらに,データサイズが非常に小さいという特性を持つため,宛先デバイスへのパケットの到達率が重要なQoSの指標の一つとなる.そこで本論文では,輻輳が発生してパケットを破棄する際にそのパケットのフロー情報をデバイス内で一時的に記憶し,その後一定期間同一フローに属するパケットの優先度を動的に高く更新して転送することで,低性能なデバイスにも容易に適用できる機能を用いてサービスのパケット到達率を向上させる手法を提案し,その有効性をシミュレーションによって評価する. |
題名 | IoT環境におけるREST通信のためのCoAPとHTTPの選択指標に関する検討 |
著者 | *溝上 紘史, 久保田 真一郎, 山場 久昭 (宮崎大学), 朴 美娘 (神奈川工科大学), 岡崎 直宣 (宮崎大学) |
ページ | pp. 547 - 552 |
キーワード | IoT, CoAP, HTTP, 通信帯域 |
アブストラクト | 近年,身の回りに存在する人や植物,機械の動作状況等をセンシングし,さらに通信機能を持たせることで,そのモノの状態監視や遠隔操作を行うInternet of Things(IoT)が注目されている.センシングの対象となるモノや構築されるシステムは多岐に渡り,ネットワークに参加する端末数やネットワーク環境といった多様なパラメータでの検討が必要である.IETFによって提案されているCoAPはIoTでの使用に適した特徴を備えており,制約環境下でHTTPに比べ有効性を示すことが期待されているが,実際にどのような環境下であればHTTPに比べ有効性を示すのかは十分定量化されていない.プロトコル選択の指標となる項目についてはいくつか考えられる.様々な観点からのCoAPの選択指標を示すことを研究目的とし,本研究では,多様なクライアント数と通信帯域においてシミュレーション実験を行い,データの転送にかかる時間や,データ転送の成功率に着目し考察することで,HTTPかCoAPか利用するプロトコルを判断する指標を示した. |