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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 1H  コンシューマシステムとM2M
日時: 2015年7月8日(水) 13:50 - 15:30
部屋: リゾートセンター2
座長: 齊藤 義仰 (岩手県立大学)

1H-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名ECHONET Liteプロトコルに対応した家電認識スマートタップの提案
著者*松石 浩輔, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院 情報理工学研究科 情報・通信工学専攻)
ページpp. 217 - 223
キーワードホームネットワーク, スマートタップ, ECHONET Lite, 家電認識, Intrusive Load Monitoring
アブストラクトECHONET Liteは,ホームネットワークのための通信プロトコルであり,日本国内では事実上の標準として今後の普及が期待されている.しかしECHONET Liteネットワークでは,ECHONET Lite非対応の既存機器を利用することはできない.そこで本稿では,既存機器をECHONET Liteネットワークに接続するための家電認識スマートタップのアーキテクチャを提案する.このアーキテクチャは,機器の電源電圧および電流に基づく家電認識手法を用い,タップに接続された既存家電の種類を認識する家電認識部と,認識された機器をECHONET Lite対応機器として見せ,ECHONET Liteネットワークに接続するECHONETオブジェクト生成部から構成される.また本稿では,提案アーキテクチャを実現するためのECHONET Lite規格に対する拡張も同時に提案する.この拡張は,ECHONET Lite規格におけるクラス詳細規定をXMLタグセットによって再定義し,さらに他クラスを継承または集約するユーザ定義機器クラスを実現するための拡張タグセットを導入するものである.この拡張により,ECHONETネットワークの通信ミドルウェアを更新することなく,機器の詳細規定XMLを用意することによって,ユーザが新たなECHONET機器クラスを自由に定義・後付けできるようになる.本稿では提案アーキテクチャのスマートタップを試作し,その実現可能性および既存機器との相互接続性について検証する.

1H-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名IoT機器開発を簡単化するクラウド集約型遠隔制御システムの提案
著者*田添 宏治, 南 圭祐, 川添 博史, 安次富 大介 (東芝 研究開発センター ネットワークシステムラボラトリー), 会津 宏幸 (東芝 研究開発センターネットワークシステムラボラトリー)
ページpp. 224 - 229
キーワードIoT, WebSocket, ECHONET Lite, 遠隔制御, 通信アダプタ
アブストラクトInternet of Things (IoT)の典型的なアプリケーションの1つは,場所や時間を問わずにセンサや家電等の機器へのアクセスを可能にする遠隔制御である.従来の遠隔制御システムは,機器制御向けに標準化されたローカルネットプロトコルを,専用ゲートウェイを設置することでインターネットに拡張するアプローチと,機器毎に通信機能を作り込むことで多種多様な機器をクラウドに収容するアプローチの二通りに大別される.前者の課題は専用ゲートウェイの導入・維持コストであり,後者の課題は機器毎の組込み開発コストである.本論文では,我々は,クラウドとの常時接続に最低限必要な共通機能を搭載した通信アダプタと,通信アダプタが接続するクラウド集約型システムを提案することで両者の課題を同時に解決する.提案する通信アダプタは,シリアル通信をクラウド集約型システムへブリッジングする機能を搭載しており,個別開発を要さずに多種多様な機器をクラウドへ収容する.提案するクラウド集約型システムは,通信アダプタからブリッジングされた機器のシリアル通信を,WebSocketを用いてユーザの操作端末へ中継する機能を搭載しており,専用のゲートウェイを要さずに通信アダプタと操作端末の双方向通信を実現する.IoT機器開発者は,機器のシリアル通信を処理するアプリケーションを操作端末上に実装することで,遠隔制御を実現可能である.

1H-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名マイコン制御を用いた水耕栽培システムの開発
著者*西村 知紘, 佐藤 証 (電気通信大学)
ページpp. 230 - 242
キーワード植物工場, 水耕栽培, センサーネットワーク, 組み込み
アブストラクト本研究では,植物工場へのIT技術の導入により,生産性の向上や作業の効率化,そして高品質・高付加価値の作物を栽培することを目的としている.それに向けて,センサと無線ネットワークを用いて環境・生育データを監視し,取得したセンサ量によって適切な制御をおこなうシステムを構築するとともに,生育状況と環境データをリンクして解析することで,これまで農家個人が保有していた栽培のノウハウを蓄積し,知財として広く活用することを目指す.今年度は,システムの基盤となる水耕栽培装置の開発と環境をデータ化するためのセンサモジュールの開発中心に,それらの稼働実験を行った.

1H-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名クラウドPHRへのEXI適用効果の検討
著者*米澤 祐紀, 土井 裕介 (株式会社東芝 研究開発センター)
ページpp. 243 - 248
キーワードPHR, XML, EXI, クラウド, ヘルスケア
アブストラクト本研究では,多様な健康情報を蓄積するクラウド PHR(Personal Health Record)システムへのEXI (Efficient XML Interchange)適用効果を明らかにする.PHR システムは,生涯に渡る多様な健康情報の蓄積と多様なサービスプロバイダとの連携により,個人の Quality of Life 向上や効率的な医療行為に役立つと期待されている.PHR システムの基盤である Web システムは,スケーラビリティとコスト最適化の観点から,クラウドを利用する.クラウドの特徴は,その時々で必要な計算機資源の動的な導入と計算機資源・通信量に対する従量課金制である.本研究では,PHR の特徴とクラウドシステムの従量課金制との不一致から,クラウドを用いた PHR システム運用時における,通信コストの増加が運用コストを圧迫すると予想し,その解決策として EXI 適用による運用コスト削減を目指す.

1H-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名個人情報を本人が管理するPDSシステムモデル ―「集めないビッグデータコンソーシアム」における検討報告―
著者青木 孝裕 (日本アイ・ビー・エム), 秋山 智宏 (アンリツエンジニアリング), 飯山 裕 (東京大学), 伊藤 直之 (インテージ), 小熊 康之 (アンリツ), 織田 朝美 (シナジーマーケティング), 加藤 綾子 (文教大学), 木虎 直樹 (シナジーマーケティング), 黒木 信彦 (日本アイ・ビー・エム), *佐古 和恵, 竹之内 隆夫 (NEC), 中川 裕志, 橋田 浩一 (東京大学), 藤井 絵美子 (シナジーマーケティング), 松山 錬 (大日本印刷), 宮田 智博 (日本アイ・ビー・エム), 安松 健 (シナジーマーケティング)
ページpp. 249 - 255
キーワードパーソナルデータの利活用, 個人情報保護, 自己情報コントロール, IoT (Internet of Things), データ流通基盤
アブストラクト個人が自らデータを蓄積・管理し,かつ事業者等が個人情報を利活用できる仕組みが必要であるが,それを実現するツールはまだ十分に普及しているとはいえない.本報告では,個人情報を本人(または代理人)が管理し,データの利用を本人同意に帰着させるPDS (Personal Data Store)のシステムモデルを検討する.具体的には,ユースケースを踏まえながらPDSの必要十分条件を検討し,現状で実装可能な機能とシステムモデルを提示する.なお,本報告は「集めないビッグデータ」コンソーシアムのシステムモデル検討WGの検討内容をまとめたものである.